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公開番号2025062941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2023172329
出願日2023-10-03
発明の名称ラマン分光装置、キャピラリーチューブ、及びキャピラリーチューブの作製方法
出願人国立大学法人電気通信大学
代理人個人,個人
主分類G01N 21/65 20060101AFI20250408BHJP(測定;試験)
要約【課題】大型のレーザ走査顕微鏡を必要とせずに、微量の試料から高感度でターゲット分子を検出するラマン分光装置を提供する。
【解決手段】ラマン分光装置は、内壁が金属ナノ構造体で修飾されたキャピラリーチューブと、前記キャピラリーチューブの一端から励起光を入射して前記キャピラリーチューブの導波モードに結合させ、前記キャピラリーチューブの前記一端または他端からラマン散乱光を取り出す光学系と、前記ラマン散乱光を検出する分光器と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
内壁が金属ナノ構造体で修飾されたキャピラリーチューブと、
前記キャピラリーチューブの一端に励起光を入射して前記キャピラリーチューブの導波モードに結合させ、前記キャピラリーチューブの前記一端または他端から出射した光からラマン散乱光を取り出す光学系と、
前記ラマン散乱光を検出する分光器と、
を備えるラマン分光装置。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記キャピラリーチューブの内径は100μm未満であり、前記キャピラリーチューブの内部空間は前記励起光と前記ラマン散乱光とを導波させる導波路コアである、
請求項1に記載のラマン分光装置。
【請求項3】
前記キャピラリーチューブの長さは前記内径の500倍以上である、
請求項2に記載のラマン分光装置。
【請求項4】
前記キャピラリーチューブは、前記励起光と前記ラマン散乱光とを、前記キャピラリーチューブの光軸に沿った方向に導波させる、
請求項1に記載のラマン分光装置。
【請求項5】
前記光学系は、前記励起光を前記キャピラリーチューブの前記一端に集光するレンズと、前記キャピラリーチューブの中を導波して前記一端または前記他端から出射した導波光から前記ラマン散乱光を取り出す光学フィルタと、を含む、
請求項1に記載のラマン分光装置。
【請求項6】
内径が1μm以上、100μm未満の中空管と、
前記中空管の内壁に形成された金属ナノ構造体と、
を有するキャピラリーチューブ。
【請求項7】
前記中空管の長さは、前記内径の500倍以上である、
請求項6に記載のキャピラリーチューブ。
【請求項8】
前記中空管の外表面は、前記中空管よりも屈折率の低い材料でコートされている、
請求項6に記載のキャピラリーチューブ。
【請求項9】
前記金属ナノ構造体は、金属ナノ粒子、または金属の樹状結晶である、
請求項6に記載のキャピラリーチューブ。
【請求項10】
アンモニア性の金属硝酸塩の水溶液を準備し、
前記水溶液に還元剤を加え、前記還元剤を含む前記水溶液を毛管現象によりキャピラリーチューブの中に取り込み、
前記水溶液に含まれる金属イオンを還元して前記キャピラリーチューブの内壁に金属ナノ構造体を形成する、
キャピラリーチューブの作製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ラマン分光装置、ラマン散乱分光に用いるキャピラリーチューブ、及びキャピラリーチューブの作製方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
現代社会では、環境汚染と自然破壊が地球規模で進行し、多種多様な疾病がまん延している。生活環境の保全と食の安全は切実な問題であり、マイクロプラスチック、ダイオキシン、食品添加物などの有害物質や、ウィルスやがん細胞の検出に、高感度かつ簡便な分子検出技術が求められている。表面増強ラマン散乱(SERS:Surface-enhanced Raman scattering)は、通常のラマン分光法と比べて、検出感度が高い。ラマン分光は、分子の振動と物質表面の電場との相互作用によって発生するラマン散乱光に現れる特徴的なスペクトルを計測するが、一般的に信号強度が弱く、微量の分子の検出には不向きである。これに対し、SERSは、金属ナノ粒子で修飾された表面にターゲット分子を吸着させ、金属ナノ粒子表面での電場増強効果を利用して、ラマン分光の検出感度を高めている。
【0003】
基板の表面に樹状結晶を形成したSERS計測用の基板の作製方法が提案されている(たとえば、特許文献1、及び非特許文献1参照)。内径が0.1mm~10mmの円筒容器の内壁を、レーザアブレーション法により金属ナノ粒子でコーティングしたSERS管が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6813894号
特表2014-509744
【非特許文献】
【0005】
K. Nogami, K. Kishimoto, Y. Hashimoto, H. Watanabe, Y. Hishii, Q. Ma, T. Niki, T. Kotani, T. Kiwa, S. Shoji, T. Ohkubo, J. Kano, N. Takeyasu, "Self-growth of silver tree-like fractal structures with different geometries", Appl. Phys. A 128(10), 860 (2022)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラマン分光を基幹技術とする現状のSERS計測は、大型のレーザ走査型顕微分光装置(「ラマン顕微鏡」と呼ばれる場合がある)を必要とする。また、金属ナノ粒子のばらつきや、ターゲット分子と金属ナノ粒子の吸着の度合いによってラマン散乱光の強度が大きく変化し、再現性が低く、定量評価が困難である。SERS計測に必要とされる試料の容量が多く、検出できる濃度にも限界がある。本発明は、大型のレーザ走査顕微鏡を必要とせずに、微量の試料から高感度でターゲット分子を検出するラマン分光装置と、ラマン分光に用いられるキャピラリーチューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
内壁を金属ナノ構造体で修飾したキャピラリーチューブを、試料容器として用いると同時に、光導波路として機能させてラマン散乱光を計測する。一つの側面で、ラマン分光装置は、
内壁が金属ナノ構造体で修飾されたキャピラリーチューブと、
前記キャピラリーチューブの一端に励起光を入射して前記キャピラリーチューブの導波モードに結合させ、前記キャピラリーチューブの前記一端または他端から出射した光からラマン散乱光を取り出す光学系と、
前記ラマン散乱光を検出する分光器と、
を備える。
【0008】
別の側面で、キャピラリーチューブは、
内径が1μm以上、100μm未満の中空管と、
前記中空管の内壁に形成された金属ナノ構造体と、
を有する。
【発明の効果】
【0009】
大型のレーザ走査顕微分光装置を必要とせずに、微量の試料から高感度でターゲット分子を検出するラマン分光装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態のラマン分光装置のシステムブロック図である。
実施形態のキャピラリーチューブの模式図である。
キャピラリーチューブに用いる中空ガラス管の光学画像と、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscopy)像である。
異なる濃度の硝酸銀溶液を用いて中空ガラス管の内壁に形成された銀ナノ粒子のSEM像である。
銀鏡反応の模式図である。
銀鏡反応により中空ガラス管の内壁に析出した銀ナノ構造体のSEM像である。
銀ナノ粒子のサイズと共鳴波長の関係を示す図である。
SERS計測のセットアップ図である。
実施形態のキャピラリーチューブを用いたSERSスペクトルを、平坦なSERS基板で得られるスペクトルと比較して示す図である。
異なる銀イオン濃度で作製されたキャピラリーチューブで測定されたローダミン6Gのラマンスペクトルである。
同一内径で長さの異なるキャピラリーチューブを用いて測定されたローダミン6Gのラマンスペクトルである。
キャピラリーチューブの長さとSERS強度の関係を示す図である。
異なる濃度の試料のラマンスペクトルである。
実施形態のキャピラリーチューブで計測されたラマンスペクトルを、内壁が修飾されていないガラス中空管で計測されたラマンスペクトルと比較して示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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