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公開番号
2025061487
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2025007688,2023096300
出願日
2025-01-20,2018-09-27
発明の名称
血液凝固第VIII因子(FVIII)補因子機能代替活性を有する多重特異性抗原結合分子および当該分子を有効成分として含有する薬学的製剤
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
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個人
主分類
C07K
16/46 20060101AFI20250403BHJP(有機化学)
要約
【課題】血液凝固第VIII因子(FVIII)補因子機能代替活性を有する多重特異性抗原結合分子及びその薬学的製剤の提供。
【解決手段】血液凝固第IX因子(FIX)及び/又は活性化血液凝固第IX因子に結合する第一の抗原結合部位、及び血液凝固第X因子に結合する第二の抗原結合部位を含む、FIX活性化阻害活性は上昇させず、かつFVIII補因子機能代替活性を上昇させる二重特異性抗体及びその薬学的製剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液凝固第VIII因子(FVIII)補因子機能代替活性を有する多重特異性抗原結合分子およびその薬学的製剤に関する。また、重鎖と軽鎖の会合が制御された抗原結合分子、重鎖と軽鎖の会合が制御された抗原結合分子の製造方法、抗原結合分子の重鎖と軽鎖の会合制御方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
血友病Aは、先天性の血液凝固第VIII因子(FVIII)の機能低下または欠損による出血異常症である。血友病A患者の出血に対しては、FVIII製剤が通常投与される(on-demand投与)。また、近年は、出血イベントを防ぐために、予防的に、FVIII製剤が投与される(非特許文献1、2)(予防投与)。FVIII製剤の血中半減期は、約12~16時間程度である。それ故、継続的な予防のためには、週に3回、FVIII製剤が、患者に投与される(非特許文献3、4)。また、on-demand投与においては、再出血を防ぐため、FVIII製剤を、必要に応じ、一定間隔で追加投与する。また、FVIII製剤の投与は静脈内に実施される。従って、FVIII製剤と比べて投与の負担が少ない薬剤が、強く求められていた。
【0003】
時折、FVIIIに対する抗体(インヒビター)が、血友病患者に発生する。インヒビターは、FVIII製剤の効果を打ち消す。インヒビターが発生した患者(インヒビター患者)の出血に対しては、バイパス製剤が投与される。それらの作用機序は、FVIIIの機能、すなわち活性化血液凝固第IX因子(FIXa)による血液凝固第X因子(FX)の活性化を触媒する機能に非依存である。そのため、バイパス製剤が、出血を十分止められないケースがある。従って、インヒビターの存在に左右されず、且つFVIIIの機能を代替する薬剤が、強く求められていた。
【0004】
これらの課題を解決する手段として、FVIIIの機能を代替する二重特異性抗体及びその使用が報告されている(特許文献1、2、3および4)。FIXaとFXに対する二重特異性抗体は、両因子を近傍に位置付けることによって、FVIII補因子機能代替の活性を発揮し、FVIIIの機能を代替することが可能である(非特許文献5)。該抗体のFVIII補因子機能代替活性はFIXaとFXに対する親和性及び配向性を最適化することにより向上できることが報告されている(非特許文献6)。また、該抗体のFVIII補因子機能代替活性はIgGのアイソタイプ、ジスルフィド結合パターン、ヒンジ領域のアミノ酸配列、Fc領域の糖鎖の有無によって影響を受けることが知られている(非特許文献7)。該抗体の一つであり、高いFVIII補因子機能代替活性を有するACE910(Emicizumab)はサル血友病モデルで止血効果を発揮することが報告されている(非特許文献8、9)。さらにACE910(Emicizumab)は健常人を対象とした臨床試験において、優れた薬物動態(長い半減期)と忍容性が確認され(非特許文献10)、インヒビター非保有、保有の血友病Aの患者を対象とした臨床試験において、ACE910(Emicizumab)の投与前と比較して、ACE910(Emicizumab)投与により顕著な出血回数の抑制が認められた(非特許文献11)。
【0005】
このように臨床試験において出血回数の抑制効果が認められたACE910(Emicizumab)であるが、FVIII欠乏血漿を用いたin vitroトロンビン生成試験での最大トロンビン生成量(Peak height)におけるACE910(Emicizumab)による改善効果は、正常レベルの100 U/dLのFVIIIと比較して低いこと(非特許文献8)から、より一層の薬効増強が望まれるとともに、血友病A患者の利便性を考えた場合比活性向上によるさらなる投与量の減少等が可能なFVIII補因子機能代替活性を有する二重特異性抗体が望まれる。
【0006】
一般的に、抗体医薬品が抗原として作用し、抗抗体(ADA)産生が誘導される場合がある(非特許文献12)。ADA(抗ACE910(Emicizumab)イディオタイプ抗体)が出現した血友病患者にはACE910(Emicizumab)の継続投与が困難になるため、そのような患者に投与できるFVIII補因子機能代替活性を有する二重特異性抗体が望まれる。
【0007】
ACE910(Emicizumab)は、動物免疫より取得されたFIXおよび/またはFIXaならびにFXを認識する二重特異性抗体をヒト化することによって得られたhBS1をリード抗体として、リード抗体に多数のアミノ酸置換を導入することで多面的に最適された二重特異性抗体であり、高いFVIII補因子機能代替活性を有するが(非特許文献6、特許文献4)、薬効の増強や比活性向上のためには、ACE910(Emicizumab)よりも高い最大活性(FVIII補因子機能代替活性の最大活性)を有し、且つ、ACE910(Emicizumab)よりも低い濃度でFVIII補因子機能代替活性を発揮することができるFVIII機能代替の二重特異性抗体が必要である。しかしながら、これまでにACE910(Emicizumab)と比較して最大活性および濃度の観点で顕著に高いFVIII補因子機能代替活性を有する二重特異性抗体は報告されていない(特許文献4、5)。
【0008】
ヒト定常領域を有するIgGタイプの二重特異性抗体(片腕に抗原Aに対する結合特異性、もう片腕に抗原Bに対する結合特異性を有するヒト定常領域を有するIgGタイプの抗体)の作製方法として、これまでにいくつかの方法が報告されている。一般にIgGタイプの二重特異性抗体は、2種類のH鎖(すなわち抗原Aに対するH鎖と抗原Bに対するH鎖)、及び、2種類のL鎖(すなわち抗原Aに対するL鎖と抗原Bに対するL鎖)からなる。このようなIgGタイプの二重特異性抗体を発現させる場合、2種類のH鎖と2種類のL鎖を発現させるため、H2L2の組み合わせとしては10種類の組み合わせが考えられる。そのうち目的の結合特異性(片腕に抗原Aに対する結合特異性、もう片腕に抗原Bに対する結合特異性を有するIgG)を有する組み合わせは1種類である。そのため、目的の二重特異性抗体を取得するためには、10種類の抗体から1種類の目的の抗体を精製する必要があり、極めて効率が低く、また困難である。
この問題を解決する方法として、IgG H鎖のCH3領域にアミノ酸置換を施すことにより、抗原Aに対するH鎖と抗原Bに対するH鎖との異種な組合せのIgGを優先的に分泌させる方法が報告されている(特許文献6、7、8、9および非特許文献13、14)。これらには、"knob;突起"と"hole;空隙"という物理的な障害を利用した方法や、電荷的な反発を利用した方法が報告されている。
さらに効率よく目的分子を得るために、抗原Aに対するL鎖と抗原Bに対するL鎖を同一のアミノ酸配列にした共通L鎖を用いる方法が報告されている(特許文献10、11)。しかしながら、共通L鎖を用いることによって、抗原に対するAffinityが大きく低下する可能性があり必ずしも最適な方法ではない。そのため、二重特異性抗体が2つの抗原に強いAffinityで結合するためには、抗原Aに対するH鎖とL鎖のみが会合し、抗原Bに対するH鎖とL鎖のみが会合することが好ましい。さらに、可変領域に関係なく、それぞれの抗原に対するH鎖とL鎖を会合化させるために、可変領域ではなく、定常領域であるCH1とCLドメインにアミノ酸置換を施す方法が報告されている(特許文献7、12、13)。しかし、目的とする二重特異性抗体を効率的に生産するにはまだ改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
WO 2005/035754
WO 2005/035756
WO 2006/109592
WO 2012/067176
WO 2017/110980
WO 1996/027011
WO 2006/106905
WO 2009/089004
WO 2010/129304
WO 98/050431
WO 2006/109592
WO 2007/147901
WO 2013/065708
【非特許文献】
【0010】
Blood 58, 1-13 (1981)
Nature 312, 330-337(1984)
Nature 312, 337-342(1984)
Biochim.Biophys.Acta 871, 268-278(1986)
Nat Med. 2012 Oct;18(10):1570-4.
PLoS One. 2013;8(2):e57479.
MAbs. 2015;7(1):120-8.
J Thromb Haemost. 2014 Feb;12(2):206-213.
Blood. 2014 Nov 13;124(20):3165-71.
Blood. 2016, Vol.127, 13
New Eng J Med 2016 , 374;21, 2044-2053
Self/Nonself Volume 1, 2010 - Issue 4
Protein Engineering. 1996, Vol.9:617-621
Nature Biotechnology. 1998, Vol.16:677-681
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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