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公開番号
2025058877
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2024093518
出願日
2024-06-10
発明の名称
オニウム塩の製造方法及びオニウム塩の精製方法
出願人
広栄化学株式会社
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C07D
233/60 20060101AFI20250402BHJP(有機化学)
要約
【課題】カルボン酸を含まないオニウム塩、または、オニウム塩に対するセルロースの充分な溶解度が得られる程度にカルボン酸の含有量が低減されたオニウム塩の製造方法を提供する。
【解決手段】オニウム塩とカルボン酸を含む混合物から前記オニウム塩を得る方法であって、下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)を含む、前記オニウム塩の製造方法。
工程(1):オニウム塩とカルボン酸を含む混合物を得る工程。
工程(2):オニウム塩とカルボン酸を含む混合物に、アミンを添加して、該アミンとカルボン酸とからなるアミンーカルボン酸塩を生成させる工程。
工程(3):オニウム塩と、工程(1)で生成したアミンーカルボン酸塩を分離し、オニウム塩を得る工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)で表されるオニウム塩の製造方法であって、下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)を含む、下記式(1)で表されるオニウム塩の製造方法。
式(1):
JPEG
2025058877000027.jpg
35
162
(式(1)中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
は同一又は異なって、水素原子、又はヘテロ原子を含んでも良い炭化水素基を示す。R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
は分岐及び/又は環構造及び/又は二重結合を含んでいてもよく、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
の一部又は全てが、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
が結合している窒素原子及び炭素原子と一緒になって相互に結合して環構造を形成してもよい。
また、式(1)中、R
6
はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を示し、二重結合及び/又は環構造及び/又は分岐構造を含んでいてもよい。)
工程(1):
下記式(2)の反応式により得られる、式(1)で表されるオニウム塩と下記式(3)のカルボン酸を含む混合物を得る工程。
式(2):
JPEG
2025058877000028.jpg
21
162
式(3):
JPEG
2025058877000029.jpg
15
162
(式(3)中、R
6
はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を示し、二重結合及び/又は環構造及び/又は分岐構造を含んでいてもよい。)
工程(2):
工程(1)で得られる式(1)で表されるオニウム塩と式(3)のカルボン酸を含む混合物に、アミンを添加して、該アミンと式(3)のカルボン酸とからなるアミンーカルボン酸塩を生成させる工程。
工程(3):
式(1)で表されるオニウム塩と、工程(2)で生成したアミンーカルボン酸塩を分離し、式(1)で表されるオニウム塩を得る工程。
続きを表示(約 2,100 文字)
【請求項2】
前記工程(2)で添加するアミンが、下記式(4)で表されるアミンである、請求項1に記載のオニウム塩の製造方法。
式(4):
JPEG
2025058877000030.jpg
21
162
(式(4)中、R
7
、R
8
及びR
9
は、同一でも異なっても良く、水素原子又は炭素数1~18の炭化水素基であり、前記炭化水素基は二重結合を含んでも良く、分岐構造及び/又は環構造を含んでも良い。また、R
7
、R
8
及びR
9
のそれぞれに含まれる炭素数の合計は8以上である。)
【請求項3】
式(1)で表されるオニウム塩が少なくとも2種である、請求項1に記載のオニウム塩の製造方法。
【請求項4】
式(1)で表されるオニウム塩と式(3)のカルボン酸を含む混合物が、さらに、水及び/又は親水性溶媒を含む、請求項1に記載のオニウム塩の製造方法。
【請求項5】
工程(2)で添加するアミンが、溶媒で希釈されたアミン溶液である、請求項1に記載のオニウム塩の製造方法。
【請求項6】
下記式(1)で表されるオニウム塩と下記式(3)のカルボン酸を含む混合物から下記式(3)のカルボン酸を除去することによる前記オニウム塩の精製方法であって、下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)を含む、下記式(1)で表されるオニウム塩の精製方法。
式(1):
JPEG
2025058877000031.jpg
35
162
(式(1)中、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
は同一又は異なって、水素原子、又はヘテロ原子を含んでも良い炭化水素基を示す。R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
は分岐及び/又は環構造及び/又は二重結合を含んでいてもよく、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
の一部又は全てが、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
及びR
5
が結合している窒素原子及び炭素原子と一緒になって相互に結合して環構造を形成してもよい。
また、式(1)中、R
6
はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を示し、二重結合及び/又は環構造及び/又は分岐構造を含んでいてもよい。)
工程(1):
下記式(2)の反応式により得られる、式(1)のオニウム塩と式(3)のカルボン酸を含む混合物を得る工程。
式(2):
JPEG
2025058877000032.jpg
20
162
式(3):
JPEG
2025058877000033.jpg
15
162
(式(3)中、R
6
はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基を示し、二重結合及び/又は環構造及び/又は分岐構造を含んでいてもよい。)
工程(2):
工程(1)で得られる式(1)のオニウム塩と式(3)のカルボン酸を含む混合物に、アミンを添加して、該アミンと式(3)のカルボン酸とからなるアミンーカルボン酸塩を生成させる工程。
工程(3):
式(1)で表されるオニウム塩と、工程(2)で生成したアミンーカルボン酸塩を分離し、式(1)で表されるオニウム塩を得る工程。
【請求項7】
工程(2)で添加するアミンが、下記式(4)で表されるアミンである、請求項6に記載のオニウム塩の精製方法。
式(4):
JPEG
2025058877000034.jpg
21
162
(式(4)中、R
7
、R
4
及びR
9
は、同一でも異なっても良く、水素原子又は炭素数1~18の炭化水素基であり、前記炭化水素基は二重結合を含んでも良く、分岐構造及び/又は環構造を含んでも良い。また、R
7
、R
8
及びR
9
のそれぞれに含まれる炭素数の合計は8以上である。)
【請求項8】
式(1)で表されるオニウム塩が少なくとも2種である、請求項6に記載のオニウム塩の精製方法。
【請求項9】
式(1)で表されるオニウム塩と前記式(3)のカルボン酸を含む混合物が、さらに、水及び/又は親水性溶媒を含む、請求項6に記載のオニウム塩の精製方法。
【請求項10】
工程(2)で添加するアミンが、溶媒で希釈されたアミン溶液である、請求項6に記載のオニウム塩の精製方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オニウム塩の製造方法及びオニウム塩の精製方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
多糖類はグリコシド結合によって単糖分子が多数重合した物質である。その中でもβ-グルコース分子から構成される多糖類のセルロースは地球上に最も多く存在するバイオマス資源であり、環境配慮型素材として、溶解、成型等に関する研究が広く行われている。しかしながらセルロースは分子鎖間又は分子鎖内の強固な水素結合をもつため、一般的な溶剤では溶解させることが難しい。
【0003】
セルロースを溶解させる溶媒としてオニウム塩が提案されており、特許文献1には、セルロースを溶解する方法に、1-アルキル-3-メチルイミダゾリウム陽イオン及びアセテート陰イオンからなる溶融イオン性液体を用いることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、四級アンモニウム炭酸塩を製造し、生成した四級アンモニウム炭酸塩を有機酸と混合して、有機酸にアニオン交換することを特徴とする四級アンモニウム有機酸塩の製造方法が記載されており、N-メチルイミダゾール、N-メチルベンズイミダゾールなどの含窒素ヘテロ環芳香族類を原料として四級アンモニウム炭酸塩を製造し、有機酸として酢酸を混合してアニオン交換する四級アンモニウム有機酸塩の製造方法が記載されている。
【0005】
特許文献3には、第4級アンモニウムアルキル炭酸塩を、カルボン酸と反応させることを特徴とする第4級アンモニウムカルボン酸塩の製造方法が記載されており、その実施例には、N,N-ジエチル-N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアンモニウム=メチルカーボネートとメトキシ酢酸を反応させて、N,N-ジエチル-N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアンモニウム=メトキシアセテートを得たことが記載されている。
【0006】
また、非特許文献1には、下記のスキームで表される1,3-ジアルキルイミダゾリウム アセテート(R
1
とR
2
が同一の場合)及び、1-アルキル-3-メチルイミダゾリウム アセテート、1,3-ジアルキルイミダゾリウム アセテート、1,3-ジメチルイミダゾリウム アセテート(R
1
がメチル基で、R
1
とR
2
が異なる場合)の混合物のOne-pot(ワン-ポット)合成法が記載されている。そして、イオン液体であるイミダゾリウム アセテート等を脱色チャコールカラムに通すことによって、着色不純物が除去されることが記載されている。
JPEG
2025058877000001.jpg
36
162
【0007】
非特許文献2には、イオン液体である1-エチル-3-メチルイミダゾリウム アセテートを含む合成混合物から酢酸を分離する方法が記載されており、その分離方法として、1-エチルー3-メチルイミダゾリウム アセテートを含む混合物から揮発成分として酢酸を蒸発させる方法、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム アセテートと混和しない溶媒によって酢酸を抽出する方法、及び、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム アセテートを含む混合物にメタノールを加えて酢酸をエステル化して、酢酸メチルを蒸留して除去する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2005-506401号公報
特開昭63-280045号公報
特開2015-83545号公報
【非特許文献】
【0009】
Pure Appl. Chem., Vol.84, No.3, pp.745-754, 2012
J. Chem. Eng. Data 2013, 58, 197-202
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
先行技術文献に記載されているイオン液体であり、オニウム塩である四級アンモニウムカルボン酸塩の製造方法では、使用するカルボン酸が生成物である四級アンモニウムカルボン酸塩に含まれて残存する。残存したカルボン酸は、生成した四級アンモニウムカルボン酸塩と会合体を作り、該会合体を含む四級アンモニウムカルボン酸塩をセルロースの溶解に用いると、四級アンモニウムカルボン酸塩に対するセルロースの溶解度が低下する。
(【0011】以降は省略されています)
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