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公開番号
2025057982
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2023167863
出願日
2023-09-28
発明の名称
逆水性ガスシフト反応用触媒体
出願人
国立大学法人東海国立大学機構
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
B01J
23/83 20060101AFI20250402BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】CH
4
の生成を抑制し、CO選択率を向上させることができる逆水性ガスシフト反応用触媒体を提供する。
【解決手段】逆水性ガスシフト反応用触媒体は、逆水性ガスシフト反応(CO
2
+H
2
→CO+H
2
O)に用いられる触媒体であり、表面に二酸化炭素ガスを吸着可能な酸化物と、触媒とを有している。触媒は、dブロック元素からなる主元素と、13族元素および14族元素の少なくとも一方からなる副元素とを含んでいる。主元素としては、Co、FeまたはCuが好ましく、13族元素としては、InまたはGaが好ましく、14族元素としては、GeまたはSnが好ましい。担体として機能させることができる酸化物としては、セリアまたはセリア系固溶体などを好適に用いることができる。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
表面に二酸化炭素ガスを吸着可能な酸化物と、触媒と、を有しており、
前記触媒は、dブロック元素からなる主元素と、13族元素および14族元素の少なくとも一方からなる副元素とを含む、
逆水性ガスシフト反応用触媒体。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記触媒は、
前記主元素と前記副元素とを含む合金を有する、あるいは、
前記主元素を含む酸化物および前記副元素を含む酸化物、および/または、前記主元素と前記副元素とを含む酸化物を有する、
請求項1に記載の逆水性ガスシフト反応用触媒体。
【請求項3】
前記主元素は、Co、FeまたはCuである、
請求項1または請求項2に記載の逆水性ガスシフト反応用触媒体。
【請求項4】
前記13族元素は、InまたはGaであり、
前記14族元素は、GeまたはSnである、
請求項1または請求項2に記載の逆水性ガスシフト反応用触媒体。
【請求項5】
前記酸化物は、セリアまたはセリア系固溶体である、
請求項1または請求項2に記載の逆水性ガスシフト反応用触媒体。
【請求項6】
前記副元素の含有量が0.2質量%以上である、
請求項1または請求項2に記載の逆水性ガスシフト反応用触媒体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆水性ガスシフト反応用触媒体に関する。
続きを表示(約 5,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化しており、二酸化炭素(CO
2
)を原料とした化学品合成が注目を集めている。これの実現には、CO
2
の水素化反応による資源化プロセスが重要である。特に、CO
2
を、様々な化学品合成プロセスにおいて原料となる一酸化炭素(CO)へ変換することが重要視されている。CO
2
と水素(H
2
)とによりCOを製造する反応(CO
2
+H
2
→CO+H
2
O)は、逆水性ガスシフト反応と呼ばれている。しかし、化学的に安定なCO
2
をCOへ変換することは容易ではないことから、逆水性ガスシフト反応を促すために、コバルト(Co)などの触媒が用いられている。
【0003】
なお、先行する非特許文献1には、逆水性ガスシフト反応によるCO
2
からCOへの接触還元のために、CeO
2
を用いる点が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
MinZhu, Qingfeng Ge, Xinli Zhu “Catalytic Reduction of CO2 to CO via Reverse Water Gas Shift Reaction : Recent Advances in the Design of Active and Selective Supported Metal Catalysts” (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
逆水性ガスシフト反応においては、CO
2
からCOへの変換反応を効率よく進行させることが重要である。しかしながら、実際には、副生成物としてメタン(CH
4
)が生成する。CH
4
は非常に安定な物質であるため、一度生成するとプロセス内において原料として再利用することが極めて難しい。そのため、CH
4
を生成することなく、COのみを高い選択率で生成する触媒の開発が重要である。従来から触媒に用いられているCoは、比較的低温域からCO
2
を活性化することができ、CO
2
転化率は高いものの、水素化活性が高いために比較的低い温度でも多くのCH
4
が生成してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、CH
4
の生成を抑制し、CO選択率を向上させることができる逆水性ガスシフト反応用触媒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
表面に二酸化炭素ガスを吸着可能な酸化物と、触媒と、を有しており、
前記触媒は、dブロック元素からなる主元素と、13族元素および14族元素の少なくとも一方からなる副元素とを含む、
逆水性ガスシフト反応用触媒体にある。
【発明の効果】
【0008】
上記逆水性ガスシフト反応用触媒体は、上記構成を有している。そのため、上記逆水性ガスシフト反応用触媒体は、CH
4
の生成を抑制し、CO選択率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実験例1において得られた、Co(20)/CeO
2
、Fe(20)/CeO
2
、および、Cu(20)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO
2
転化率(CO
2
conversion)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図2は、実験例1において得られた、Co(20)/CeO
2
、Fe(20)/CeO
2
、および、Cu(20)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO選択率(CO selectivity)(%)との関係を示した図である。
図3は、実験例2において得られた、Co(20)/CeO
2
、Co(20)-Ge(2)/CeO
2
、Co(20)-Sn(2)/CeO
2
、および、Co(20)-In(2)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO
2
転化率(CO
2
conversion)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図4は、実験例2において得られた、Co(20)/CeO
2
、Co(20)-Ge(2)/CeO
2
、Co(20)-Sn(2)/CeO
2
、および、Co(20)-In(2)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO選択率(CO selectivity)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図5は、実験例2において得られた、還元処理前(焼成直後)におけるCo(20)/CeO
2
、Co(20)-Ge(2)/CeO
2
、Co(20)-Sn(2)/CeO
2
、および、Co(20)-In(2)/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図6は、実験例2において得られた、還元処理前(焼成直後)におけるCo(20)/CeO
2
、Co(20)-Ge(2)/CeO
2
、Co(20)-Sn(2)/CeO
2
、および、Co(20)-In(2)/CeO
2
の各触媒体についての昇温還元測定(H
2
-TPR)の結果を示した図である。
図7は、実験例2において得られた、還元処理後におけるCo(20)/CeO
2
、Co(20)-Ge(2)/CeO
2
、Co(20)-Sn(2)/CeO
2
、および、Co(20)-In(2)/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図8は、実験例3において得られた、Geの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO
2
転化率(CO
2
conversion)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図9は、実験例3において得られた、Geの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO選択率(CO selectivity)(%)との関係を示した図である。
図10は、実験例3において得られた、Geの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についてのCO
2
転化率(CO
2
conversion)(%)(横軸)と、CO選択率(CO selectivity)(%)との関係を示した図である。
図11は、実験例3において得られた、還元処理前(焼成直後)におけるGeの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図12は、実験例3において得られた、還元処理前(焼成直後)におけるGeの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についての昇温還元測定(H
2
-TPR)の結果を示した図である。
図13は、実験例3において得られた、還元処理後におけるGeの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図14は、実験例3において得られた、逆水性ガスシフト反応実験後におけるGeの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図15は、実験例4において得られた、還元処理後のCo(20)/CeO
2
触媒体についてのSTEM-EDS分析結果を示した図である。
図16は、実験例4において得られた、還元処理後のCo(20)/CeO
2
触媒体についてのSTEM-EDS分析結果(図15に対して高倍率のもの)を示した図である。
図17は、実験例4において得られた、還元処理後のCo(20)-Ge(20)/CeO
2
触媒体についてのSTEM-EDS分析結果を示した図である。
図18は、実験例4において得られた、還元処理後のCo(20)-Ge(20)/CeO
2
触媒体についてのSTEM-EDS分析結果(図18に対して高倍率のもの)を示した図である。
図19は、実験例4において得られた、還元処理前(焼成直後)、逆水性ガスシフト反応後のCo(20)-Ge(20)/CeO
2
触媒体についてのSTEM-EDS分析結果を示した図である。
図20は、実験例5において得られた、Fe(20)/CeO
2
、Cu(20)/CeO
2
、および、Co(20)-Ge(10)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO
2
転化率(CO
2
conversion)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図21は、実験例5において得られた、Fe(20)/CeO
2
、Cu(20)/CeO
2
、および、Co(20)-Ge(10)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO選択率(CO selectivity)(%)との関係を示した図である。
図22は、実験例6において得られた、Inの担持量が異なるCo-In/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO
2
転化率(CO
2
conversion)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図23は、実験例6において得られた、Inの担持量が異なるCo-In/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO選択率(CO selectivity)(%)との関係を示した図である。
図24は、実験例6において得られた、還元処理前(焼成直後)におけるInの担持量が異なるCo-In/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図25は、実験例6において得られた、還元処理前(焼成直後)におけるInの担持量が異なるCo-In/CeO
2
の各触媒体についての昇温還元測定(H
2
-TPR)の結果を示した図である。
図26は、実験例6において得られた、還元処理後におけるInの担持量が異なるCo-In/CeO
2
の各触媒体についてのX線回折パターン(XRDパターン)を示した図である。
図27は、実験例7において得られた、Co(20)/CeO
2
、Fe(20)/CeO
2
、および、Cu(20)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO収率(CO yield)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図28は、実験例7において得られた、Co(20)/CeO
2
、Co(20)-Ge(2)/CeO
2
、Co(20)-Sn(2)/CeO
2
、および、Co(20)-In(2)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO収率(CO yield)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図29は、実験例7において得られた、Geの担持量が異なるCo-Ge/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO収率(CO yield)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
図30は、実験例7において得られた、Fe(20)/CeO
2
、Cu(20)/CeO
2
、および、Co(20)-Ge(10)/CeO
2
の各触媒体についての温度(Temperature)(℃)(横軸)と、CO収率(CO yield)(%)(縦軸)との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の逆水性ガスシフト反応用触媒体について、実施形態を用いて詳細に説明する。なお、本開示の逆水性ガスシフト反応用触媒体は、以下の実施形態の例示によって限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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