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公開番号
2025057093
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2023166747
出願日
2023-09-28
発明の名称
筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具
出願人
株式会社パイロットコーポレーション
代理人
主分類
C09D
11/17 20140101AFI20250402BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】 特定の油溶性蛍光材料を水性インキの着色剤として適用可能とすることで、析出や裏抜け等の不具合を生じることなく、紫外線照射時に発色性の高い鮮明な蛍光色の筆跡が得られる実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供する。
【解決手段】 主溶媒としての水と、一般式(1)で示される発光化合物と、SP値が10~11.5であるエーテル類と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとを含んでなる筆記具用水性インキ組成物と、それを内蔵した筆記具。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
主溶媒としての水と、下記一般式(1)で示される化合物と、SP値が10~11.5であるエーテル類と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとを含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
TIFF
2025057093000004.tif
60
148
〔式(1)中、Rは炭素数2~20のパーフルオロアルキル基であり、L
1
、L
2
は、同一または異なり、それぞれ置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基またはアルキル基を有するスルホキシドである。〕
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルのHLB値が10~15の範囲にある請求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項3】
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1又は2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
H-O-(C
2
H
4
O)
m
(C
3
H
6
O)
n
-R
1
・・・(2)
〔式(2)中、R
1
は脂肪族炭化水素基であって炭素数は4から24であり、mはエチレンオキシド平均付加モル数であって3から45の数であり、nはプロピレンオキシド平均付加モル数であって1から33の数である。〕
【請求項4】
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、水性インキ中の一般式(1)で示される化合物の配合量に対して質量比で1~30倍量添加される請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項5】
前記エーテル類が水性インキ中1~30質量%の範囲にある請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項6】
摩擦熱により消色する着色剤を含む請求項1乃至5のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項7】
前記着色剤が、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料である請求項6に記載の筆記具用水性インキ組成物。
【請求項8】
前記請求項1乃至7のいずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は筆記具用水性インキ組成物と筆記具に関する。更には、筆跡が紫外線の照射により発光する筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、インキ中に蛍光物質を配合することで、通常の可視光下では視認できないが、紫外線の照射により発光して視認できる筆跡を形成するための筆記具用特殊インキが知られており、紙面に暗証番号等の秘匿性の高い情報を記入した際に他人に盗み見される危険性がないセキュリティ効果の高い筆記具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記インキ組成物に用いられる蛍光顔料は、発色性が高くないため、前述の目的で使用する際には多量の添加が必要となる。また、紙面への定着性に乏しいため、通常の筆記具よりも多量の樹脂を添加する必要がある。そのため、インキ中の固形分が過剰となり、ペン先のドライアップが生じやすく、更に経時安定性にも乏しいものである。
【0003】
これに対して、少量の添加での発色性が高く、紫外線照射時に鮮明な蛍光色の筆跡が得られる蛍光材料を用いたインキ組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
前記蛍光材料は水への溶解性に乏しいものであるが、化合物として高い発色性を備えるとともに、アルコール系有機溶剤に対する溶解性が高いため、油性インキに適用することで、インキが定量吐出されるインクジェットや印刷インキ等の工業用途において、セキュリティ効果の高い優れた印字性能を発現するものである。
しかしながら、筆記速度や筆圧が使用者によって様々である手書きで実用に供する筆記具に前記油性インキを適用した場合、紙面への裏抜けが過度に生じるため、実用性を満たさないものであった。そのため、前記蛍光材料を用いた水性インキへの展開が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-322402号公報
特開2007-277404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記特許文献2に記載の蛍光材料を着色剤として用いた水性インキ化について鋭意検討し、析出や裏抜け等の不具合を生じることなく、紫外線照射時に発色性の高い鮮明な蛍光色の筆跡が得られる実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、主溶媒としての水と、下記一般式(1)で示される化合物と、SP値が10~11.5であるエーテル類と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとを含んでなることを要件とする。
TIFF
2025057093000001.tif
60
148
〔式(1)中、Rは炭素数2~20のパーフルオロアルキル基であり、L
1
、L
2
は、同一または異なり、それぞれ置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基またはアルキル基を有するスルホキシドである。〕
更に、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルのHLB値が10~15の範囲にあること、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、下記一般式(2)で表される化合物であることを要件とする。
H-O-(C
2
H
4
O)
m
(C
3
H
6
O)
n
-R
1
・・・(2)
〔式(2)中、R
1
は脂肪族炭化水素基であって炭素数は4から24であり、mはエチレンオキシド平均付加モル数であって3から45の数であり、nはプロピレンオキシド平均付加モル数であって1から33の数である。〕
更に、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが、水性インキ中の一般式(1)で示される化合物の配合量に対して質量比で1~30倍量添加されること、前記エーテル類が水性インキ中1~30質量%の範囲にあることを要件とする。
更に、摩擦熱により消色する着色剤を含むこと、前記着色剤が、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料であることを要件とする。
更には、前記いずれかに記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具を要件とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、アルコール系有機溶剤に対する溶解性は高いが、水への溶解性に乏しいという、特許文献2に開示される、高い紫外線発色性を備えた蛍光材料を安定的に水性インキ化することで、水性インキ中での析出や紙面に筆記した際の裏抜け等の不具合を生じることなく、紫外線照射時に発色性の高い鮮明な蛍光色の筆跡が得られる、実用性の高い筆記具用水性インキ組成物と筆記具となる。更に、加熱により消色する着色剤と併用することで、筆跡を加熱消色した後に紫外線を照射することで、常態では視覚できないが、筆跡が形成されていたことを確認することが可能となる、セキュリティ効果の高い筆跡が形成可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者は、アルコール系溶剤には溶解するが水性媒体には直接溶解しない、前記一般式(1)で示される化合物が、特定SP値を示すエーテル類と、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルと併用することで、水を主成分とする水性インキ中であっても長期に亘って溶解安定化することを見出した。そのため、従来の類似材料では表現できなかった、筆跡への紫外線照射による鮮明な発色効果が発現されるインキを、紙面への筆記時に裏抜け等の不具合が生じ難く汎用性の高い水性インキとして適用できるものとなった。
【0009】
前記一般式(1)で示される発光化合物は、式中のRが炭素数2~20のパーフルオロアルキル基であり、L
1
、L
2
は、同一または異なり、それぞれ置換基を有する若しくは置換基を有しないアリール基またはアルキル基を有するスルホキシドである。
より好適には、Rが、炭素数2~10の直鎖パーフルオロアルキル基であり、L
1
、L
2
が、炭素数1~10の分岐または直鎖のアルキル基またはフェニル基を有するスルホキシドである。
【0010】
式(1)におけるRは、炭素数2~20のパーフルオロアルキル基であり、具体的にはC
2
F
5
‐基、n‐C
3
F
7
‐基、i‐C
3
F
7
‐基、n‐C
4
F
9
‐基、i‐C
4
F
9
‐基、sec‐C
4
F
9
‐基、n‐C
5
F
11
‐基、neo‐C
5
F
11
‐基、n‐C
6
F
13
‐基、n‐C
7
F
15
‐基、n‐C
8
F
17
‐基、2‐C
8
F
17
‐基、n‐C
9
F
19
‐基、n‐C
10
F
21
‐基、n‐C
12
F
25
‐基、n‐C
18
F
37
‐基などを例示できる。これらの中でも、炭素数2~10の直鎖パーフルオロアルキル基が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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