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公開番号2025053424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023162432
出願日2023-09-26
発明の名称飛行用プロペラの製造方法
出願人ヤマコー株式会社
代理人個人
主分類B64F 5/10 20170101AFI20250331BHJP(航空機;飛行;宇宙工学)
要約【課題】プロペラの外皮の周縁の接着部を小さく又は最小限にとどめ、特に前縁に接着部を有さず、プロペラとして十分な強度を有すると共に、内部に中空部を設けて軽量化され、且つ、製造コストを抑えた飛行用プロペラ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】飛行用プロペラは、主桁とリブと外皮からなる。外皮で覆われた内部は、1本の主桁とこれに接続された複数枚のリブで構成され、その他の部分は中空である。外皮は、1枚又は複数枚が積層された炭素繊維強化プラスチックからなる。プロペラ前縁には上面外皮と下面外皮との接着部位を有さない。一方、プロペラ後縁の一部又は全部には上面外皮と下面外皮との接着部位を有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
主桁とリブと外皮からなるプロペラであって、
前記外皮で覆われた内部は、1本の前記主桁とこれに接続された複数枚の前記リブで構成され、その他の部分は中空であって、
前記外皮は、1枚又は複数枚が積層された炭素繊維強化プラスチックからなり、プロペラ前縁には上面外皮と下面外皮との接着部位を有さず、プロペラ後縁の一部又は全部には上面外皮と下面外皮との接着部位を有することを特徴とする飛行用プロペラ。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
設計されたプロペラ形状を有する中子を作製する工程と、
前記中子のプロペラ後縁に対応する部分の一部又は全部に離型シート又は離型剤を付与する工程と、
前記離型シート又は離型剤が付与された前記中子の上下両面に1枚又は複数枚が積層された炭素繊維強化プラスチックのプリプレグシートを貼付する工程と、
前記プリプレグシートのマトリックス樹脂を硬化してプロペラ形状の外皮を成形する工程と、
プロペラ形状に成形された前記炭素繊維強化プラスチックからなる前記外皮の内部から、前記離型シート又は離型剤が付与されて上面外皮と下面外皮とが接着していない部位を介して前記中子を取り出す工程と、
前記上面外皮と下面外皮とが接着していない部位を介して、前記中子が取り出された前記外皮の内部に1本の主桁とこれに接続された複数枚のリブからなるプロペラ骨格を挿入する工程と、
前記プロペラ骨格を挿入した前記外皮の上面外皮と下面外皮とが接着していない部位を接着する工程と、
を有することを特徴とする飛行用プロペラの製造方法。
【請求項3】
前記外皮の内部から前記中子を取り出す工程において、
前記中子をプロペラ形状のまま又は分割して取り出すことを特徴とする請求項2に記載の飛行用プロペラの製造方法。
【請求項4】
前記外皮の内部から前記中子を取り出す工程において、
前記中子を溶剤で溶解又は膨潤した状態で取り出すことを特徴とする請求項2に記載の飛行用プロペラの製造方法。
【請求項5】
前記中子は、水溶性樹脂から作製され、前記溶剤は水であって、
前記外皮の内部から前記中子を水で溶解又は膨潤した状態で取り出すことを特徴とする請求項4に記載の飛行用プロペラの製造方法。
【請求項6】
主桁とリブと外皮からなるプロペラであって、
前記外皮で覆われた内部は、1本の前記主桁とこれに接続された複数枚の前記リブで構成され、その他の部分は中空であって、
前記外皮は、1枚又は複数枚が積層された炭素繊維強化プラスチックからなり、プロペラ前縁及びプロペラ後縁には上面外皮と下面外皮との接着部位を有さないことを特徴とする飛行用プロペラ。
【請求項7】
1本の主桁とこれに接続された複数枚のリブからなるプロペラ骨格を準備する工程と、
溶剤可溶性の樹脂を用いて、前記プロペラ骨格を内部に包含するプロペラ形状を有する中子を作製する工程と、
前記中子の上下両面に1枚又は複数枚が積層された炭素繊維強化プラスチックのプリプレグシートを貼付する工程と、
前記プリプレグシートのマトリックス樹脂を硬化してプロペラ形状の外皮を成形する工程と、
前記外皮の一部を開放して、前記中子を溶剤で溶解又は膨潤した状態で取り出す工程と、
前記中子を取り出した前記外皮の開放された部位を修復する工程と、
を有することを特徴とする飛行用プロペラの製造方法。
【請求項8】
前記中子は、有機溶剤に可溶性の樹脂から作製され、前記溶剤は当該有機溶剤であって、
前記外皮の内部から前記中子を前記有機溶剤で溶解又は膨潤した状態で取り出すことを特徴とする請求項7に記載の飛行用プロペラの製造方法。
【請求項9】
前記中子は、水溶性樹脂から作製され、前記溶剤は水であって、
前記外皮の内部から前記中子を水で溶解又は膨潤した状態で取り出すことを特徴とする請求項7に記載の飛行用プロペラの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行用プロペラ及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
プロペラは、飛行機などに用いられ、動力源からの出力をプロペラの回転による推進力に変えて機体を前進させるための装置である。また、エンジンを動力源とする航空機などに用いられるものに限らず、スポーツとしての人力飛行機や補助動力付人力飛行機などにおいてもプロペラは重要な装置である。更に、近年ではドローン(無人航空機)や空飛ぶ車(空陸両用車)におけるプロペラも種々開発されている。
【0003】
特に、人力飛行機やドローンなどの小型の飛行装置では、構造と強度に加え軽量化できるプロペラが求められる。以下、人力飛行機のプロペラを例にして説明する。人力飛行機の動力源は人であり、人がペダルを踏んで得られるペダルシヤフトの回転を動力伝達機構によりプロペラに伝え、プロペラを回転させることにより飛行する。
【0004】
例えば、民間放送局主催による人力飛行機の滞空距離および飛行時間を競う競技会「鳥人間コンテスト選手権大会」が毎年開催され、機体の改良やプロペラの改良などが毎年話題となる。人力飛行機のプロペラは、機体に合わせて設計したプロペラを如何に丈夫に如何に軽く作るかが重要となる。
【0005】
一般的には、人力飛行機のプロペラは、木材や発泡樹脂などをコア材(芯材)として、表面に炭素繊維を基布としたCFRPやガラス繊維を基布としたGFRPを張り付け成形するものである。しかし、このようなプロペラでは、内部にコア材があり軽量化が難しいという問題があった。
【0006】
そこで、プロペラ内部にできるだけ中空部を設けて軽量化を図るプロペラの作製方法も行われるようになった。例えば、下記非特許文献1及び非特許文献2には、人力飛行機のプロペラの構造や作製方法に関する記述がみられる。これらの方法は、設計したプロペラの外皮を上下面の2枚の外皮に分け、それぞれを作製するものである。
【0007】
具体的には、上下面の2枚の外皮のための2つの型の3Dデータを作る。次に、ケミカルウッドなどの材料をCNC旋盤で切削し上下面の外皮の型を作る。各型の表面に離型処理を施し、バルサ材を張りCFRPのプリプレグシートを積層する。この状態で真空引きしてから炉に入れて加熱し、プリプレグシートの樹脂を硬化させる。これで、上下面の2枚の外皮が完成する。
【0008】
次に、外皮の内側に主桁とリブを配置して固定し、上下面の外皮の周縁をエポキシ系の接着剤などで固定する。上下面の外囲を固定したプロペラの表面に塗装して人力飛行機用のプロペラが完成する。この状態でも、プロペラの外皮はCFRPやバルサ材などが積層されて強度を有し、内部に中空部があって軽量化されている。しかし、この方法は、上下面の2つの型を作製しなければならず、作製コストが高くなるという問題があった。
【0009】
更に、外皮が上下面の2枚からなり、それらの接着部がプロペラの周縁全体にあることから、飛行中に空気抵抗を直接受ける外皮の前縁の接着部が飛行中に剥離するという問題があった。このような剥離を避けるために、前縁の接着剤を多くすれば軽減されるが、前縁の剥離を無くすことはできなかった。また、前縁の接着を過剰にすれば、プロペラの重量が増加するという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
第一工業大学研究報告第22号(2010)pp.31-39
どぼん会 人力飛行機製作日誌(2011/08/09) (URL:http://dobonkai.blog99.fc2.com/blog-entry-77.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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