特許ウォッチ

公開番号2025047755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-03
出願番号2023156439
出願日2023-09-21
発明の名称ホルダ、切削工具及び切削加工物の製造方法
出願人京セラ株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類B23B 27/00 20060101AFI20250326BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】錘を安定して保持しつつ防振性能が高いホルダを提供することである。
【解決手段】ホルダは、空洞を有する本体、錘、保持部材及び弾性部材を有する。錘は、空洞の内部に位置して、中心軸に沿って延びる。錘は、中心軸の周りで周方向に分割された複数の分割錘部材を有する。保持部材は、環状であって、錘における外側面に当接される。弾性部材は、環状であって、錘における外側面及び空洞の内周面に当接される。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
中心軸に沿って第１端から第２端にかけて延びた形状であって、
前記第１端の側に位置して、切削インサートを取り付け可能なポケットと、
前記ポケットよりも前記第２端の近くに位置して、前記中心軸に沿って延びた空洞と、を有する本体と、
前記空洞の内部に位置して、前記中心軸に沿って延び、
前記中心軸の周りで周方向に分割された複数の分割錘部材を有する錘と、
前記錘が挿入され、前記錘における外側面に当接された環状の保持部材と、
前記錘が挿入され、前記錘における外側面及び前記空洞の内周面に当接された環状の弾性部材と、を有している、ホルダ。
続きを表示（約 900 文字）【請求項２】
前記保持部材は、前記空洞の前記内周面から離れている、請求項１に記載のホルダ。
【請求項３】
前記中心軸に沿って切断した場合の一断面において、前記中心軸に直交する方向での前記弾性部材の幅が、前記中心軸に直交する方向での前記保持部材の幅より大きい、請求項２に記載のホルダ。
【請求項４】
前記中心軸に沿った方向での前記弾性部材の幅が、前記中心軸に沿った方向での前記保持部材の幅より大きい、請求項１に記載のホルダ。
【請求項５】
前記保持部材を複数備え、
複数の保持部材は、
前記錘における前記第１端の側に位置する第１保持部材と、
前記錘における前記第２端の側に位置する第２保持部材と、を有し、
前記弾性部材を複数備え、
複数の弾性部材は、
前記錘における前記第１端の側に位置する第１弾性部材と、
前記錘における前記第２端の側に位置する第２弾性部材と、を有する、請求項１に記載のホルダ。
【請求項６】
前記第１弾性部材は、前記第１保持部材よりも前記第１端の側に位置し、
前記第２弾性部材は、前記第２保持部材よりも前記第２端の側に位置する、請求項５に記載のホルダ。
【請求項７】
前記中心軸に沿って切断した場合の一断面において、前記保持部材が四角形状であるとともに前記弾性部材が円形状である、請求項１に記載のホルダ。
【請求項８】
前記保持部材が金属によって構成され、且つ、前記弾性部材がゴムによって構成された、請求項１に記載のホルダ。
【請求項９】
請求項１～８のいずれか１つに記載のホルダと、
前記ホルダにおける前記ポケットに位置する切削インサートと、を有する切削工具。
【請求項１０】
被削材を回転させる工程と、
回転している前記被削材に請求項９に記載の切削工具を接触させる工程と、
前記切削工具を前記被削材から離す工程と、
を含む切削加工物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、ホルダ、切削工具及び切削加工物の製造方法に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
特許文献１及び２に示すように、従来から防振機構を備えたホルダが種々提案されている。特許文献２には、軸部（工具ホルダ）の内部に形成された円筒状の中空部に収容され、中空部の軸芯の周りの周方向で複数の錘部材に分割された錘と、隣り合う錘部材の分割面どうしが面接触するように軸芯に向けて付勢する付勢部材と、を備えた制振機構（防振機構）が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特表平６－５０５３２２号公報
特開２０１２－０５７７５２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
特許文献２に記載の制振機構において、付勢部材の弾性率が低い場合、複数の錘部材の一部及び付勢部材の間に隙間が生じやすくなる。そのため、中空部にクーラントが流れ込む、或いは、中空部に充填されたオイルが流出するといったことが生じるおそれがあった。また、特許文献２に記載の制振機構においては、付勢部材の弾性率が高い場合、複数の錘部材による防振性能が低下するおそれがあった。
【０００５】
本開示の課題の１つは、錘を安定して保持しつつ防振性能が高いホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本開示の限定されない一例のホルダは、中心軸に沿って第１端から第２端にかけて延びた形状であって、前記第１端の側に位置して、切削インサートを取り付け可能なポケットと、前記ポケットよりも前記第２端の近くに位置して、前記中心軸に沿って延びた空洞と、を有する本体と、前記空洞の内部に位置して、前記中心軸に沿って延び、前記中心軸の周りで周方向に分割された複数の分割錘部材を有する錘と、前記錘が挿入され、前記錘における外側面に当接された環状の保持部材と、前記錘が挿入され、前記錘における外側面及び前記空洞の内周面に当接された環状の弾性部材と、を有している。
【発明の効果】
【０００７】
本開示の限定されない一例のホルダは、錘を安定して保持することが可能であり、且つ、防振性能が高い。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
本開示の限定されない実施形態の切削工具を示す斜視図である。
図１に示す切削工具の側面図である。
図１に示す切削工具におけるホルダの斜視図である。
図３に示すホルダの側面図である。
図４に示すホルダにおけるＶ断面図である。
図５に示すホルダにおける一部を拡大した断面図である。
図３に示すホルダにおける防振部材の斜視図である。
図７に示す防振部材の部分断面図である。
図７に示す防振部材の分解斜視図である。
図７に示す防振部材を第１端の側から見た正面図である。
図１０に示す防振部材をＡ１方向から見た側面図である。
図１０に示す防振部材をＡ２方向から見た側面図である。
図１０に示す防振部材におけるＸ断面図である。
本開示の限定されない実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。
本開示の限定されない実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。
本開示の限定されない実施形態の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
＜ホルダ＞
以下、本開示の限定されない複数の実施形態のホルダ１について、図面を用いてそれぞれ詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、各実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、ホルダ１は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び寸法比率などを忠実に表したものではない。これらの点は、後述する切削工具及び切削加工物の製造方法においても同じである。
【００１０】
切削加工物を製造するための被削材の切削加工において切削工具１０１が用いられる。図１は、本開示の限定されない実施形態の切削工具１０１を示す斜視図である。図２は、図１に示す切削工具１０１の側面図である。切削工具１０１は、図１及び図２に示す限定されない一例のように、一般的に切削インサート１０３（以下、単に「インサート１０３」ともいう。）及びホルダ１を有する。インサート１０３は、被削材に接触して被削材を切削する機能を有する。ホルダ１はインサート１０３を保持するために用いることが可能である。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許