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公開番号2025071722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023182135
出願日2023-10-23
発明の名称積層セラミックコンデンサ
出願人京セラ株式会社
代理人個人
主分類H01G 4/30 20060101AFI20250428BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 余分なキャリアの発生を抑制し、高い電界強度下であっても高い絶縁抵抗を有する誘電体によって誘電体層が構成される積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】 積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層4と内部電極層5とが交互に積層された積層体2と、積層体2の両端部に設けられた、極性の異なる一対の外部電極3a,3bと、を含む。誘電体層4は、チタン酸バリウム系固溶体を主成分とし、第1添加成分および第2添加成分を含有し、第1添加成分の濃度および第2添加成分の濃度の決定係数R2は、第1添加成分の濃度および第2添加成分の濃度の共分散をSxy、第1添加成分の濃度の標準偏差をSx、および第2添加成分の濃度の標準偏差をSyとして、R2=S2xy/Sx・Syによって表わしたとき、0.5≦R2≦1.0を満たしている構成とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
誘電体層と内部電極とが交互に積層された積層体と、前記積層体の両端部に設けられた、極性の異なる一対の外部電極と、を含み、
前記誘電体層は、チタン酸バリウム系固溶体を主成分とし、第1添加成分および第2添加成分を含有し、
前記第1添加成分の濃度および前記第2添加成分の濃度の決定係数R

は、前記第1添加成分の濃度および前記第2添加成分の濃度の共分散をSxy、前記第1添加成分の濃度の標準偏差をSx、および前記第2添加成分の濃度の標準偏差をSyとして、


=S

xy/Sx・Syによって表わしたとき、
0.5≦R

≦1.0を満たしている、積層セラミックコンデンサ。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記第1添加成分は、ジスプロシウム、マグネシウム、マンガン、およびバナジウムから選ばれた1種の金属元素の酸化物であり、
前記第2添加成分は、ガドリニウム、イットリウム、イッテルビウム、ホルミウム、およびテルビウムから選ばれた1種の金属元素の酸化物である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記第1添加成分は、前記チタン酸バリウムの結晶粒子に比べて、結晶粒子の外周部に濃度の高い領域を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記第1添加成分は、前記チタン酸バリウムの結晶粒子の中央部に比べて、結晶粒子の外周部に濃度の高い領域を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記第1添加成分は、前記誘電体層内の0.1μm×1μmの範囲の面積において、前記濃度の最大値と最小値との比が3.0以上である、請求項3または4に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
前記第1添加成分は、前記誘電体層内の0.1μm×1μmの範囲の面積において、前記濃度の最大値と最小値との差が1.5以上である、請求項3または4に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
前記誘電体層は、粒径が0.3μm以下の粒子によって構成され、
前記誘電体層の一層の厚みが3μm以下である、請求項3または4に記載の積層セラミックコンデンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、積層セラミックコンデンサに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来技術の積層セラミックコンデンサは、例えば特許文献1に記載されている。この従来技術の積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体セラミック層と、誘電体セラミック層間に形成された内部電極と、内部電極に電気的に接続された外部電極と、を備える。
【0003】
誘電体セラミック層は、チタン酸バリウム系固溶体と添加成分から成り、これを一般式、ABO

+aR+bMで表したとき、0.950≦A/B(モル比)≦1.050、0.12<a≦1.5、0.04≦b≦1.5の範囲内にある主成分に対し、副成分として、焼結助材を含有している。
【0004】
前記一般式中、ABO

は、チタン酸バリウム系固溶体をペロブスカイト構造を示す一般式で表わしたもの、RはLa,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuから選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物、MはMn,Ni,Mg,Fe,Al,CrおよびZnから選ばれる少なくとも1種の金属元素の酸化物であり、a,bはそれぞれの酸化物を金属元素が1元素含まれる化学式に換算したときのモル比である。このような誘電体セラミック層は、焼成温度が1300℃以下で、誘電率が200以上、電界強度が10kV/mmであり、室温で7000Ω・F以上と高い絶縁抵抗を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-103668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の従来技術では、ジスプロシウム(Dy)及びガドリニウム(Gd)を添加成分として用いるだけであるので、ジスプロシウム(Dy)またはガドリニウム(Gd)が過剰な部分では余分なキャリア(電子または正孔)が生成され、絶縁抵抗値が低下してしまうおそれがある。また、キャリアは、電流を流す元になるので、存在数の増加に伴い、導電率が高くなり、絶縁抵抗値が低下する。したがって従来から、絶縁抵抗値の低下が抑制された積層セラミックコンデンサが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る積層セラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極とが交互に積層された積層体と、前記積層体の両端部に設けられた、極性の異なる一対の外部電極と、を含み、前記誘電体層は、チタン酸バリウム系固溶体を主成分とし、第1添加成分および第2添加成分を含有し、前記第1添加成分の濃度および前記第2添加成分の濃度の決定係数R

は、前記第1添加成分の濃度および前記第2添加成分の濃度の共分散をSxy、前記第1添加成分の濃度の標準偏差をSx、および前記第2添加成分の濃度の標準偏差をSyとして、R

=S

xy/Sx・Syによって表わしたとき、0.5≦R

≦1.0を満たしている構成とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る積層セラミックコンデンサによれば、第1添加成分の濃度及び第2添加成分の濃度が、決定係数R

が、0.5≦R

≦1.0を満たすように構成されるので、余分なキャリアの発生を抑制し、高い電界強度下であっても高い絶縁抵抗を有する誘電体層を有する積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態の一実施形態の積層セラミックコンデンサを示す斜視図である。
図1の積層セラミックコンデンサの積層体を示す斜視図である。
図1の切断面線III-IIIから見た断面図である。
本実施形態の積層セラミックコンデンサの誘電体層のエネルギー分散型X線分光法によるジスプロシウム(Dy)のマップ図である。
本実施形態の積層セラミックコンデンサの誘電体層のエネルギー分散型X線分光法によるガドリニウム(Gd)のマップ図である。
TEM-EDSの測定によって得られたジスプロシウム(Dy)及びガドリニウム(Gd)の濃度分布を示すグラフである。
ジスプロシウム(Dy)の濃度とガドリニウム(Gd)の濃度との相関を示すグラフである。
本実施形態の積層セラミックコンデンサの誘電体層をTEM-EDSによって半定量分析したときのマップ図である。
図8のマップ図の走査領域Sの濃度分布を示すグラフである。
ジスプロシウム(Dy)およびガドリニウム(Gd)の固溶状態のシミュレーションによる算出結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の積層セラミックコンデンサの実施形態について説明する。以下の説明で用いられる図面は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。実施形態に係る積層セラミックコンデンサは、いずれの方向が上方または下方とされてよいが、本明細書では、一部の図面において、便宜的に、直交座標系xyzを定義する。以下の説明では、z軸方向の正側を上方として、上面または下面等の語を用いることがある。x軸方向は、第1方向または長さ方向とも称される。y軸方向は、第2方向または幅方向とも称される。z軸方向は、第3方向、高さ方向または積層方向とも称される。
(【0011】以降は省略されています)

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