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公開番号2025043349
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-31
出願番号2023150620
出願日2023-09-18
発明の名称既設鋼材の錆の除去方法
出願人スズカファイン株式会社,建設塗装工業株式会社
代理人個人
主分類C23G 1/08 20060101AFI20250324BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】無機酸を使用していない除錆剤により良好に除錆可能な既設鋼材の錆の除去方法を提供する。
【解決手段】既設鋼材の錆面の一部に母材鉄の露出部を形成し、アノード反応促進部とする電気化学的処理工程と、アノード反応促進部を有する錆面にヒドロキシ酸水溶液を塗布して、錆の溶解と母材鉄からの鉄イオンの溶出を進行させる電気化学反応工程と、ヒドロキシ酸水溶液を塗布した領域の錆を除去する除錆工程と、を含む。ヒドロキシ酸としては、クエン酸、リンゴ酸、又はこれらの酸性塩が好ましい。ヒドロキシ酸水溶液には、さらに粘性付与剤と、離水防止剤として脂肪族多価アルコール又は糖質とを配合することもできる。
【選択図】無し

特許請求の範囲【請求項1】
既設鋼材の塗料塗り替えの際に、素地調整として実施する既設鋼材の錆の除去方法であって、
既設鋼材の錆面の一部に母材鉄の露出部を形成し、アノード反応促進部とする電気化学的処理工程と、
前記アノード反応促進部を有する錆面にヒドロキシ酸水溶液を塗布して、錆の溶解と母材鉄からの鉄イオンの溶出とを進行させる電気化学反応工程と、
前記ヒドロキシ酸水溶液を塗布した領域の錆を除去する除錆工程と、
を含む、既設鋼材の錆の除去方法。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記ヒドロキシ酸が、クエン酸、リンゴ酸、又はこれらの酸性塩から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の既設鋼材の錆の除去方法。
【請求項3】
前記ヒドロキシ酸水溶液が、さらに粘性付与剤と、離水防止剤として脂肪族多価アルコール又は糖質とを含有する、請求項1又は請求項2に記載の既設鋼材の錆の除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、既設鋼材の塗料塗り替えの際に素地調整として実施する、除錆剤を用いた電気化学的ケレンによる既設鋼材の錆の除去方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鋼製の建造物、構造物、船舶、車両等の既設構造物等で使用されている鋼材(以下、これらを総じて「既設鋼材」と称す)における塗料の塗り替えの際は、再塗装前に素地調整として錆と劣化した既存塗膜を除去する。従来、主に用いられている素地調整方法は物理的ケレンであり、既存塗膜の除去には塗膜剥離剤による化学的ケレンも用いられているが、錆の除去には適用できないため、別途、錆を除去するための物理的ケレンを併用する必要がある。
【0003】
物理的ケレンには、ブラスト等による大掛かりな付帯設備を伴うものと、動力ケレン工具や手ケレン工具(以下、動力ケレン工具と手ケレン工具を併せて動力工具等と称す)によるものがある。ブラスト等による大掛かりな物理的ケレンは、高品質な塗替え素地が得られる反面、高コストとなるため、小規模な工事には適していない。一方、動力工具等による物理的ケレンは、ブラストよりも低コストで小規模の工事にも適用し易い反面、動力工具等で母材鉄を露出させるには膨大な労力を必要とするため、現実には錆がある程度残存する。また、浮き錆、層状錆、鱗状錆等のように厚い錆層の窪み部位、および、ボルト部や部材の狭隘部等では、動力工具等による母材鉄の露出は実際には困難である。このようにケレン後も錆が残存するのは避けられず、十分なケレン精度(素地品質)が得られにくいため、塗り替えた保護塗膜の耐久性に悪影響を与えたり、残存する錆中の内在塩分により腐食を再発しやすくなる。
【0004】
これまで、既設鋼材の塗料塗り替えでは、素地調整の際に錆を除去するための除錆剤を用いた化成処理による化学的ケレンはあまり利用されていなかった。その理由として、一般的な除錆剤には塩酸や硫酸等の無機酸が有効成分として多用されているが、これらの無機酸は強酸であるため、特に工事現場での使用は安全面や環境面から好ましくないことがある。また、鋼材の減肉や水素脆性による鋼材の強度低下の懸念もある。さらに、特に塩酸を用いて錆を除去しても直ぐに錆を誘発するため(戻り錆)、工事現場での使用には適さない。そこで、有機酸を有効成分とする除錆剤による錆の除去を図った技術として、例えば下記特許文献1や特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2014-508220号公報
特開2016-11436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、有機酸を有効成分とする除錆剤を、無機酸を有効成分とする従来の除錆剤と同様の方法で使用しても、有機酸では無機酸に比べると錆の除去性(以下、除錆性と称す)が著しく劣るため、実用的ではなかった。
【0007】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、有機酸を有効成分とする除錆剤により、良好に除錆可能な既設鋼材の錆の除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのための手段として、本発明は、既設鋼材の塗料塗り替えの際に素地調整として実施する、既設鋼材の錆の除去方法であって、既設鋼材の錆面の一部に母材鉄の露出部を形成し、アノード反応促進部とする電気化学的処理工程と、前記アノード反応促進部を有する錆面にヒドロキシ酸水溶液を塗布して、錆の溶解と母材鉄からの鉄イオンの溶出とを進行させる電気化学反応工程と、前記ヒドロキシ酸水溶液を塗布した領域の錆を除去する除錆工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
<ヒドロキシ酸による錆除去の原理>
水に接触した鉄は、鉄イオン(Fe
2+
)の溶出であるアノード反応と、溶存酸素の還元や、水素イオンの水素ガス化のようなカソード反応により局部電池を形成し、腐食電流を生じて電気化学反応が進行する。酸性雰囲気中ではこの電気化学反応がより早く進行し、錆の溶解による鉄イオンの外部溶出と、母材鉄からの鉄イオンの外部溶出が助勢される。ヒドロキシ酸の水溶液は、既設鋼材の錆面に塗布することで錆内部に浸透し、無機酸のような強酸ほどではないものの、錆層と母材鉄の界面を僅かに侵食する。これにより、母材鉄に対する錆の付着力が低下して、容易に錆の除去が可能となる。
【0010】
<電気化学的処理により電気化学反応を促進する原理>
既設鋼材の錆面にヒドロキシ酸水溶液を塗布するだけでは錆層が障害となり、前述の電気化学反応が阻害されて進行しにくい。これに対し、電気化学的処理として、事前に錆面の一部に母材鉄の露出部を形成し、アノード反応促進部とする。ここで錆面とは、正確には錆発生領域の近傍を含み、電気化学的処理の効果の及ぶ範囲である。その上で、アノード反応促進部を含めて錆面にヒドロキシ酸水溶液を塗布する。アノード反応促進部では、鉄イオンの外部溶出が阻害されないため、腐食電流による錆面全体でのカソード反応が促進される。これにより、アノード反応促進部だけではなく錆面全体でのアノード反応も促進され、電気化学反応が加速度的に進行し、母材鉄に対する錆の付着力が急速に低下するため、容易に除錆作業を実施できる。以下、アノード反応促進部を便宜上「反応促進部」と略称する。
(【0011】以降は省略されています)

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