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公開番号2025036042
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024053057
出願日2024-03-28
発明の名称塩素含有廃棄物処理装置及び塩素含有廃棄物を脱塩する方法
出願人一般社団法人亜臨界水反応総合技術研究会
代理人個人
主分類B09B 3/45 20220101AFI20250307BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】 得られた再生物を減容することができ、また、塩素の含有量が相当量低減された再生物を得ることができ、また、より塩素の含有を低減した再生物を得ることができ、さらに、得られた再生物を速やかに資源として利用することができる塩素含有廃棄物処理装置等を提供する
【解決手段】 投入口2と、残留蒸気排出口31と、再生物排出口4とを備えた耐圧容器11と、耐圧容器内過熱蒸気供給手段5とを有する、塩素含有廃棄物処理装置1であって、加水分解処理がされて、塩素含有廃棄物の処理物の撹拌抵抗に係る電気抵抗の値が落ちた時点で、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を残留蒸気排出口31から耐圧容器11外へ吸引して排出する、残留蒸気吸引排出手段3を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
塩素含有廃棄物を投入する投入口と、残留蒸気を排出する残留蒸気排出口と、再生物を排出する再生物排出口とを有する密閉可能な耐圧容器と、
過熱蒸気を前記耐圧容器内へ供給する耐圧容器内過熱蒸気供給手段と
を備えた、高温かつ高圧条件下で前記塩素含有廃棄物を加水分解処理する塩素含有廃棄物処理装置であって、
前記加水分解処理がされて、前記塩素含有廃棄物の処理物の撹拌抵抗に係る電気抵抗の値が落ちた時点で、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を前記残留蒸気排出口から前記耐圧容器外へ吸引して排出する、残留蒸気吸引排出手段と、
前記加水分解処理により生じた残留蒸気を、前記耐圧容器外へ吸引して排出する間に、または、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を、前記耐圧容器外へ吸引して排出した後に、前記加水分解処理して得られた再生物を洗浄する洗浄液を前記耐圧容器内へ注入する洗浄液注入手段と
を備えることを特徴とする塩素含有廃棄物処理装置。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記吸引して排出した残留蒸気に含まれる固形物を回収する残留蒸気含有固形物回収手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の塩素含有廃棄物処理装置。
【請求項3】
前記耐圧容器内における前記再生物の洗浄後に、前記洗浄した再生物を乾燥する空気を前記耐圧容器内へ供給する乾燥用空気供給手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の塩素含有廃棄物処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の塩素含有廃棄物処理装置を備える塩素含有廃棄物処理システム。
【請求項5】
塩素含有廃棄物を脱塩する方法であって、
塩素含有廃棄物を密閉可能な耐圧容器に投入する工程と、
過熱蒸気を前記耐圧容器内へ供給する工程と、
前記耐圧容器内において高温かつ高圧条件下で塩素含有廃棄物を撹拌しつつ加水分解処理して再生物を得る工程と、
前記加水分解処理がされて、前記塩素含有廃棄物の処理物の撹拌抵抗に係る電気抵抗の値が落ちた時点で、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を前記耐圧容器外へ吸引して排出する工程と、
前記加水分解処理により生じた残留蒸気を、前記耐圧容器外へ吸引して排出する間に、または、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を、前記耐圧容器外へ吸引して排出した後に、洗浄液を前記耐圧容器内へ注入して前記再生物を洗浄する工程を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
前記吸引して排出した残留蒸気に含まれる固形物を回収する工程を有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記耐圧容器内における前記再生物の洗浄後に、空気を前記耐圧容器内へ供給して前記洗浄した再生物を乾燥する工程を有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塩素含有廃棄物処理装置、塩素含有廃棄物を除染する方法に関し、具体的には、塩素含有廃棄物を投入する投入口と、残留蒸気を排出する残留蒸気排出口と、再生物を排出する再生物排出口とを備えた密閉可能な耐圧容器と、過熱蒸気を前記耐圧容器内へ供給する耐圧容器内過熱蒸気供給手段とを有する、高温かつ高圧条件下で前記塩素含有廃棄物を加水分解処理する塩素含有廃棄物処理装置であって、前記加水分解処理がされて、前記塩素含有廃棄物の処理物の撹拌抵抗に係る電気抵抗の値が落ちた時点で、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を前記残留蒸気排出口から前記耐圧容器外へ吸引して排出する、残留蒸気吸引排出手段を備えることを特徴とする塩素含有廃棄物処理装置、その塩素含有廃棄物処理装置を備える塩素含有廃棄物処理システム、ならびに、塩素含有廃棄物を脱塩する方法であって、塩素含有廃棄物を密閉可能な耐圧容器に投入する工程と、前記耐圧容器内において高温かつ高圧条件下で塩素含有廃棄物を加水分解処理して再生物を得る工程と、前記加水分解処理に続いて、前記加水分解処理後の残留蒸気を、前記耐圧容器外へ、吸引して排出する工程とを有することを特徴とする方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
生ごみや建築廃材、医療廃棄物などの一般廃棄物、産業廃棄物などの都市ごみなどは、塩化ビニル(PVC)などの有機塩素化合物を多く含む塩素含有廃棄物であり、そのような塩素含有廃棄物を焼却炉や熱回収炉を用いて焼却処理した場合、ダイオキシン類や環境ホルモンといった有害物質が生成され得る。そのため、従来、超臨界水条件下(温度が374.2℃以上で圧力が22.12MPa以上)の温度・圧力の超臨界水や、臨界点よりもやや低い近傍の領域にある亜臨界水条件下(温度が100~300℃で圧力が1~8MPa)の亜臨界水を用いて、塩素含有廃棄物を加水分解処理する方法が提案されている。超臨界水や亜臨界水を用いた加水分解処理により塩素含有廃棄物から塩素が分離され(脱塩)、飽和蒸気である加水分解処理後の残留蒸気に移行させることができるからである。
【0003】
例えば、有機塩素化合物を含む有機性廃棄物を投入する投入口と、排蒸気及び排ガスを排出する排出弁と、再生物を排出する取出口とを備えた密閉可能な反応容器と、過熱水蒸気を前記反応容器内へ供給する第2蒸気供給口とを有する、高温かつ高圧条件下で前記有機塩素化合物を含む有機性廃棄物を水熱反応処理する反応装置であって、前記水熱反応処理がされて前記水熱反応処理により生じた排蒸気及び排ガスを、前記排出弁から前記反応容器外へ吸引して排出することができる、排ガス処理設備を備える反応装置(特許文献1)が提案されている。
【0004】
上述した特許文献1に開示されている反応装置は、水熱反応装置を備えて飽和水蒸気または過熱水蒸気による水熱反応により原料である有機性廃棄物中の有機化合物及び有機塩素化合物を変性(加水分解)処理し、乾燥装置を備えて水熱反応生成物中の有機塩素化合物を揮発させる乾燥装置であるが、これでは変性処理した時点で残留蒸気に移行した有機塩素化合物が水熱反応生成物に回帰してしまい、その水熱反応生成物に回帰した有機塩素化合物を乾燥によって十分に揮発させることが困難である。
【0005】
一方、攪拌羽が取り付けられた攪拌軸の駆動モータに抵抗器を接続して、駆動モータに作用する電気抵抗値を測定することにより、攪拌軸の回転抵抗値を検知することにより、装置に投入された茶葉の蒸し具合を確認しつつ当該装置を運転して、蒸し度が一定した蒸し茶葉を得ることができる回転胴形茶葉蒸機が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-185021号公報
特開平8-070770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献2に開示されている回転胴形茶葉蒸機は、茶葉を適正な蒸し度になるように処理を加えて、蒸し度が一定した蒸し茶葉を得ることを目的とする装置であることから、当該装置に投入された茶葉の蒸し具合を確認しつつ当該装置を運転する必要があるのであり、原料である有機性廃棄物を水熱反応により変性(加水分解)処理し切ってしまうという装置とは目的や作用効果を異にする。
【0008】
本発明は、超臨界水や亜臨界水を用いた加水分解処理により塩素含有廃棄物から分離して、飽和蒸気である加水分解処理後の残留蒸気に移行していた塩素が、生成した再生物に回帰してしまうことを極力阻止することができるために、塩素の含有量が相当量低減された再生物を得ることができ、得られた再生物をカーボンニュートラル燃料などの資源として利用することができる他、得られた再生物を減容することができ、また、そうして得られた再生物を速やかに洗浄することができるために、より塩素の含有を低減した再生物を得ることができ、さらに、得られた再生物を耐圧容器内で乾燥することができるために、生成した再生物を速やかに資源として利用することができる塩素含有廃棄物処理装置、その塩素含有廃棄物処理装置を備える塩素含有廃棄物処理システム、ならびに、塩素含有廃棄物を脱塩する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意研究の結果、密閉可能な耐圧容器にて高温かつ高圧条件下で塩素含有廃棄物を加水分解処理し、続いて、その加水分解処理後の残留蒸気を、その耐圧容器の残留蒸気排出口から耐圧容器外へ、吸引して排出することで、得られた再生物を減容することができること、また、超臨界水や亜臨界水を用いた加水分解処理により塩素含有廃棄物から分離して、飽和蒸気である加水分解処理後の残留蒸気に移行していた塩素が、得られた再生物に回帰してしまうことを極力阻止することができ、塩素の含有量が相当量低減された再生物を得ることができること、また、そうして得られた再生物を速やかに洗浄することで、より塩素の含有を低減した再生物を得ることができること、さらに、そうして得られた再生物を耐圧容器内で乾燥することで、得られた再生物を速やかに資源として利用することができることを見出し、下記の各発明を完成した。
【0010】
(1)塩素含有廃棄物を投入する投入口と、残留蒸気を排出する残留蒸気排出口と、再生物を排出する再生物排出口とを有する密閉可能な耐圧容器と、過熱蒸気を前記耐圧容器内へ供給する耐圧容器内過熱蒸気供給手段とを備えた、高温かつ高圧条件下で前記塩素含有廃棄物を加水分解処理する塩素含有廃棄物処理装置であって、前記加水分解処理がされて、前記塩素含有廃棄物の処理物の撹拌抵抗に係る電気抵抗の値が落ちた時点で、前記加水分解処理により生じた残留蒸気を前記残留蒸気排出口から前記耐圧容器外へ吸引して排出する、残留蒸気吸引排出手段を備えることを特徴とする塩素含有廃棄物処理装置。
(【0011】以降は省略されています)

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