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公開番号
2025035301
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023142254
出願日
2023-09-01
発明の名称
造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法及びそれにより得られる細胞凝集塊
出願人
日産化学株式会社
,
学校法人加計学園
,
学校法人慈恵大学
代理人
弁理士法人 津国
主分類
C12N
5/07 20100101AFI20250306BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法及びそれにより得られる細胞凝集塊を提供することを目的とする。
【解決手段】(i)下記式(Ia):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025035301000014.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">60</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">161</com:WidthMeasure> </com:Image>
[式中、U
a1
、U
a2
、及びR
a1
は特定のアルキル基、R
a2
は特定のアルキレン基を表す]で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む下地膜を備える細胞培養容器に、細胞を播種する工程;(ii)播種した細胞を培養し、下地膜上に細胞単層を形成させる工程;(iii)細胞単層上に造影剤を添加する工程;及び(iv)培養を続け、細胞凝集塊を形成させる工程を含む、造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(i)下記式(Ia):
TIFF
2025035301000012.tif
60
161
[式中、
U
a1
及びU
a2
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、R
a1
は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、R
a2
は、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基を表す]で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む下地膜を備える細胞培養容器に、細胞を播種する工程;
(ii)播種した細胞を培養し、下地膜上に細胞単層を形成させる工程;
(iii)細胞単層上に造影剤を添加する工程;及び
(iv)培養を続け、細胞凝集塊を形成させる工程
を含む、造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記ポリマーが、さらに式(IIa):
TIFF
2025035301000013.tif
33
161
[式中、
R
b
は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表す]で表される繰り返し単位を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ポリマーが、さらに架橋構造を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記造影剤の添加密度が、500μg/cm
2
以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記造影剤が、X線画像診断システムにて検出可能な造影剤である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記造影剤が、チタン、タングステン又はその無機化合物である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の製造方法により得られる、造影剤を含有する細胞凝集塊。
【請求項8】
前記造影剤が、チタン、タングステン又はその無機化合物である、請求項7に記載の細胞凝集塊。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法及びそれにより得られる細胞凝集塊に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
大動脈瘤を塞栓する最新の治療法として、ステントグラフト(SG)内挿術と呼ばれる金属バネを縫い付けた人工血管を動脈瘤壁にカテーテルを介して内挿し、瘤内への血流を遮断して動脈瘤を塞栓させる術式が知られている。しかしながら、SG内挿術では、血液がステントグラフトと動脈壁の隙間から再び流入し、動脈瘤に血流が持続するエンドリークという現象が一定の割合で生じ、瘤が再拡大することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)(図1A参照)。
【0003】
本発明者らは、エンドリークの発生を防ぐため、SG内挿術と共に動脈瘤へ幹細胞移植を行うことによって、動脈瘤内を血管組織として再構築する再生型の動脈瘤治療法を報告した。かかる治療法では、単に細胞懸濁液を瘤内に注入するだけでは大半の細胞は瘤外に拡散する可能性が高いと考え、細胞を瘤内に留め得るために、細胞をファイバー状の単一の凝集塊としてカテーテルに格納して動脈瘤内に留置することが検討されている(例えば、非特許文献2参照)(図1B参照)。一方で、移植直後に細胞凝集塊が確実に動脈瘤内に留まったかどうかを非侵襲的に視認できる方法は開発されていない。
【0004】
細胞凝集塊(スフェロイドまたは細胞塊などともいう)は、三次元的に培養され、細胞同士が自己集合・凝集化した細胞集合体であり、創薬研究における、又は細胞治療や再生治療における利用が広く検討されている。そのような細胞凝集塊の製造では、例えば、温度応答性ポリマーとして知られている、2-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)の(共)重合体が培養面にコーティングされた細胞培養容器を用いる各種の方法が報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。本発明者らは、ファイバー状などに形状制御された細胞凝集塊が、特定のポリマーを培養表面の任意の領域に塗布した細胞培養容器に細胞を播種することで、該ポリマーの塗布表面にのみ細胞が接着して単層形成した後、自発的な凝集化が誘導され、塗布領域に応じて形成されることを報告している(例えば、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-162865号公報
国際公開第2020/040247号
【非特許文献】
【0006】
Ann Surg, 2019, 269, pp.564-573
人工臓器, 2022, 51(1), pp.23-24
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法及びそれにより得られる細胞凝集塊を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、移植した細胞凝集塊を非侵襲的に視認するため、造影剤と細胞凝集塊を組み合わせることで、例えば、X線などを用いた画像診断システムにて検出可能な細胞凝集塊を作製することを着想し、鋭意検討した。その結果、特定のポリマーを培養表面に備える細胞培養容器を用いる細胞凝集塊形成過程において、細胞単層が形成している数時間の間に、造影剤を添加することで、造影剤粒子が細胞単層の表面に沈降、付着したまま細胞単層の凝集化が生じて、造影剤が担持された細胞凝集塊が形成することを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は以下のとおりである。
[1] (i)下記式(Ia):
TIFF
2025035301000002.tif
60
161
[式中、
U
a1
及びU
a2
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、R
a1
は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表し、R
a2
は、炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキレン基を表す]で表される繰り返し単位を含むポリマーを含む下地膜を備える細胞培養容器に、細胞を播種する工程;
(ii)播種した細胞を培養し、下地膜上に細胞単層を形成させる工程;
(iii)細胞単層上に造影剤を添加する工程;及び
(iv)培養を続け、細胞凝集塊を形成させる工程
を含む、造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法。
[2] 前記ポリマーが、さらに式(IIa):
TIFF
2025035301000003.tif
33
161
[式中、
R
b
は、水素原子又は炭素原子数1~5の直鎖若しくは分岐アルキル基を表す]で表される繰り返し単位を含む、上記[1]に記載の製造方法。
[3] 前記ポリマーが、さらに架橋構造を含む、上記[1]に記載の製造方法。
[4] 前記造影剤の添加密度が、500μg/cm
2
以上である、上記[1]に記載の製造方法。
[5] 前記造影剤が、X線画像診断システムにて検出可能な造影剤である、上記[1]に記載の製造方法。
[6] 前記造影剤が、チタン、タングステン又はその無機化合物である、上記[1]に記載の製造方法。
[7] 上記[1]に記載の製造方法により得られる、造影剤を含有する細胞凝集塊。
[8] 前記造影剤が、X線画像診断システムにて検出可能な造影剤である、上記[7]に記載の細胞凝集塊。
[9] 前記造影剤が、チタン、タングステン又はその無機化合物である、上記[7]に記載の細胞凝集塊。
【発明の効果】
【0010】
本発明の造影剤を含有する細胞凝集塊の製造方法は、特定のポリマーを含む下地膜を備える細胞培養容器に播種した細胞が単層形成を経て細胞凝集塊を形成することに着目し、細胞単層が形成している数時間の間に造影剤を添加することを特徴とする。これにより、所望の造影剤が担持された細胞凝集塊が簡便かつ安定的に得られる。また得られた造影剤を含有する細胞凝集塊は、X線などを用いた画像診断システムにて検出可能であることから、移植した細胞凝集塊を非侵襲的に観測することができ、細胞移植を伴う各種治療法において極めて有用である。
また本発明の製造方法では、特定のポリマーを含む下地膜を培養表面に塗布する際に、塗布領域を適宜選択することにより、造影剤を含有する細胞凝集塊を所望の形状とすることができる。したがって、本発明の製造方法は、細胞及び造影剤の種類、得られる細胞凝集塊の形状を適宜選択することができ、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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