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公開番号
2025034218
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140471
出願日
2023-08-30
発明の名称
車両用電子制御装置及び方法
出願人
株式会社デンソー
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B60W
50/00 20060101AFI20250306BHJP(車両一般)
要約
【課題】性能を向上した異なるバージョンの制御プログラムの評価のために、当該異なるバージョンの制御プログラムを車両に搭載された制御装置に実装し、その異なるバージョンの制御プログラムを利用して、実際に制御を行う制御プログラムによる処理の異常を検出可能にする。
【解決手段】メインプログラムの機能と同等の機能を実行可能であり、性能向上のためにメインプログラムとは一部又は全部の構成が異なるプログラムであるサブプログラムが、車両に搭載された車両用電子制御装置30に実装される。そして、サブプログラムに従うサブ処理による演算結果と、メインプログラムに従うメイン処理による演算結果とが対比される。その対比結果に基づいて、メイン処理の異常が判定される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両において所望の機能を実行するための車両用電子制御装置であって、
少なくとも1つのセンサからの入力データに基づいて、メインプログラムに従うメイン処理を実行するメイン処理部(36)と、
前記メイン処理部と同じ前記入力データに基づいて、サブプログラムに従うサブ処理を実行するサブ処理部(44)と、
前記メイン処理部における前記メイン処理による演算結果と、前記サブ処理部における前記サブ処理による演算結果とを対比し、その対比した結果に基づいて、前記メイン処理部における異常を判定する異常判定部(S560)と、を備え、
前記所望の機能は、前記メイン処理部による前記メインプログラムに従う前記メイン処理によって実行され、
前記サブプログラムは、前記メインプログラムの機能と同等の機能を実行可能であり、性能向上のために前記メインプログラムとは一部又は全部の構成が異なるプログラムである、車両用電子制御装置。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記メイン処理による演算結果と前記サブ処理による演算結果は、前記所望の機能を実行する際の性能に関連する同種の性能関連指標であり、
前記異常判定部は、前記メイン処理による性能関連指標が、前記サブ処理による性能関連指標に対し、前記所望の機能を実行する上で、異常判定基準を超えて劣っている場合に、前記メイン処理部における異常を判定する、請求項1に記載の車両用電子制御装置。
【請求項3】
前記サブ処理部は、前記メイン処理の代替処理を実行するための検証済みプログラムを有し、
前記サブ処理部は、前記異常判定部により前記メイン処理部における異常が判定されたことに応じて、実行対象プログラムを前記サブプログラムから前記代替処理を実行するための検証済みプログラムに切り換える、請求項1又は2に記載の車両用電子制御装置。
【請求項4】
前記サブ処理部は、前記代替処理を実行するための検証済みプログラムに切り換えた後、前記代替処理による演算結果と、前記メイン処理部における前記メイン処理による演算結果とを対比し、その対比した結果に基づいて、前記メイン処理部における異常を確定する、請求項3に記載の車両用電子制御装置。
【請求項5】
前記サブ処理部は、前記メイン処理部の前記メイン処理に代わって、切り換えられた検証済みプログラムによる前記代替処理により、前記所望の機能を実行する、請求項3に記載の車両用電子制御装置。
【請求項6】
前記サブ処理部における異常を検出する異常検出手段(S400)を、さらに備え、
前記異常検出手段によって前記サブ処理部における異常が検出された場合、前記サブ処理部は、実行対象プログラムの切り換えを実行しない、請求項3に記載の車両用電子制御装置。
【請求項7】
前記サブ処理部は、前記サブプログラムに従う前記サブ処理の実行中に、データを一時的に保存するデータ保存部を有し、
前記サブ処理部は、実行対象プログラムを前記サブプログラムから前記代替処理を実行するための検証済みプログラムに切り換えることに応じて、前記データ保存部に保存されているデータを破棄する、請求項3に記載の車両用電子制御装置。
【請求項8】
車両に搭載され、前記車両において所望の機能を実行するための車両用電子制御装置において、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、メインプログラムに従うメイン処理の異常を判定するための方法であって、
少なくとも1つのセンサからの入力データに基づいて、メインプログラムに従うメイン処理を実行すること(S110~S200)、
前記メイン処理と同じ前記入力データに基づいて、サブプログラムに従うサブ処理を実行すること(S440~S510)、及び
前記メイン処理による演算結果と、前記サブ処理による演算結果とを対比し、その対比した結果に基づいて、前記メイン処理の異常を判定すること(S560)、を備え、
前記所望の機能は、前記メインプログラムに従う前記メイン処理によって実行され、
前記サブプログラムは、前記メインプログラムの機能と同等の機能を実行可能であり、性能向上のために前記メインプログラムとは一部又は全部の構成が異なるプログラムである、方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載され、車両において所望の機能を実行するための車両用電子制御装置、及び、その車両用電子制御装置において、メインプログラムに従うメイン処理の異常を判定するための方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、一方のマイコンにて、他方のマイコンと同等の演算を行い、演算結果の比較により、他方のマイコンに異常が発生したことを検出すると、他方のマイコンによる自動運転制御を、一方のマイコンが引き継ぐように構成された車両制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6777761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転制御機能など、車両のための所望の機能は、その性能が年々向上され、新規車両やモデルチェンジ車両に搭載されることが多い。さらに、近年では、いわゆるOTA(Over The Air)など、市場投入後に、無線通信を介してプログラムの書き換えを行う技術も普及しつつある。
【0005】
ここで、所望の機能の性能向上を検証するため、性能を向上した異なるバージョンの制御プログラムに関して、実際に、車両が遭遇する様々なシーンにおいて評価を行うことが望ましい。
【0006】
本開示は、上述した点に鑑みてなされたものであり、性能を向上した異なるバージョンの制御プログラムの評価のために、性能を向上した異なるバージョンの制御プログラムを車両に搭載された制御装置に実装し、その異なるバージョンの制御プログラムを利用して、実際に制御を行う制御プログラムによる処理の異常を検出可能にした車両制御装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の車両用電子制御装置は、車両に搭載され、車両において所望の機能を実行するための車両用電子制御装置であって、
少なくとも1つのセンサからの入力データに基づいて、メインプログラムに従うメイン処理を実行するメイン処理部(36)と、
メイン処理部と同じ入力データに基づいて、サブプログラムに従うサブ処理を実行するサブ処理部(44)と、
メイン処理部におけるメイン処理による演算結果と、サブ処理部におけるサブ処理による演算結果とを対比し、その対比した結果に基づいて、メイン処理部における異常を判定する異常判定部(S560)と、を備え、
所望の機能は、メイン処理部によるメインプログラムに従うメイン処理によって実行され、
サブプログラムは、メインプログラムの機能と同等の機能を実行可能であって、性能向上のためにメインプログラムとは一部又は全部の構成が異なるプログラムである、ことを特徴とする。
【0008】
また、本開示の方法は、車両に搭載され、車両において所望の機能を実行するための車両用電子制御装置において、少なくとも1つのプロセッサによって実行される、メインプログラムに従うメイン処理の異常を判定するための方法であって、
少なくとも1つのセンサからの入力データに基づいて、メインプログラムに従うメイン処理を実行すること(S110~S200)、
メイン処理と同じ入力データに基づいて、サブプログラムに従うサブ処理を実行すること(S440~S510)、及び
メイン処理による演算結果と、サブ処理による演算結果とを対比し、その対比した結果に基づいて、メイン処理の異常を判定すること(S560)、を備え、
所望の機能は、メインプログラムに従うメイン処理によって実行され、
サブプログラムは、メインプログラムの機能と同等の機能を実行可能であり、性能向上のためにメインプログラムとは一部又は全部の構成が異なるプログラムである、ことを特徴とする。
【0009】
本開示の車両用電子制御装置及び方法によれば、メインプログラムの機能と同等の機能を実行可能であり、性能向上のためにメインプログラムとは一部又は全部の構成が異なるプログラムであるサブプログラムが、車両に搭載された車両用電子制御装置に実装される。そして、サブプログラムに従うサブ処理による演算結果と、メインプログラムに従うメイン処理による演算結果とが対比される。その対比結果に基づいて、メイン処理の異常が判定される。このようにして、本開示の車両用電子制御装置及び方法によれば、サブプログラムを利用して、実際に制御を行うメインプログラムによるメイン処理の異常を検出することが可能となる。
【0010】
上記括弧内の参照番号は、本開示の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本開示の範囲を制限することを意図したものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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