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公開番号
2025033984
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023140081
出願日
2023-08-30
発明の名称
ブロックイソシアネート組成物、それを含有する硬化剤及び粉体塗料組成物、並びに前記粉体塗料組成物の硬化物からなる塗膜
出願人
東ソー株式会社
代理人
弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類
C08G
18/80 20060101AFI20250306BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低温硬化性に優れた粉体塗料組成物が得られるブロックイソシアネート組成物を提供する。
【解決手段】ポリイソシアネート組成物のブロック化物を含むブロックイソシアネート組成物であって、ポリイソシアネート組成物が、イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体を含み、ポリイソシアネート組成物のブロック化物が、ブタンジイソシアネート誘導体が有するイソシアネート基の少なくとも一部がブロック剤でブロックされているものを含み、イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体の少なくとも一部はイソシアヌレート基を有し、組成物中の、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ウレア基、及びビウレット基の合計モル数に対するイソシアヌレート基のモル比率が35~100モル%である、ブロックイソシアネート組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリイソシアネート組成物のブロック化物を含むブロックイソシアネート組成物であって、
前記ポリイソシアネート組成物が、イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体を含み、
前記ポリイソシアネート組成物のブロック化物が、前記ブタンジイソシアネート誘導体が有するイソシアネート基の少なくとも一部がブロック剤でブロックされているものを含み、
前記イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体の少なくとも一部はイソシアヌレート基を有するものであり、
下記式(1):
X=(A/(A+B+C+D+E+F+G))×100 (1)
〔前記式(1)中、A、B、C、D、E、F、及びGはそれぞれ前記ブロックイソシアネート組成物中の、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ウレア基、及びビウレット基の含有量を表す〕
で表される、前記ブロックイソシアネート組成物中のイソシアヌレート基のモル比率Xが30~100モル%であり、
前記ブロック剤が、ピラゾール系化合物、イミダゾール系化合物、オキシム系化合物、トリアゾール系化合物、活性メチレン系化合物及びアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、ブロックイソシアネート組成物。
続きを表示(約 370 文字)
【請求項2】
前記ブロック剤が、融点が70℃以上のピラゾール系化合物、融点が95℃以上のイミダゾール系化合物及び融点が-70℃以上のアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のブロックイソシアネート組成物。
【請求項3】
前記イソシアヌレート基のモル比率Xが60~100モル%である、請求項1に記載のブロックイソシアネート組成物。
【請求項4】
請求項1~3のうちのいずれか一項に記載のブロックイソシアネート組成物を含有する、硬化剤。
【請求項5】
1分子中に活性水素を含有する基を2個以上有する化合物と請求項4に記載の硬化剤とを含有する、粉体塗料組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の粉体塗料組成物の硬化物からなる、塗膜。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロックイソシアネート組成物、それを含有する硬化剤及び粉体塗料組成物、並びに前記粉体塗料組成物の硬化物からなる塗膜に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
粉体塗料組成物は、粉体状の主剤と硬化剤とを含有するものであり、回収や再利用が容易であり、有機溶剤を使用しないため、環境に優しい塗料として需要が高まっている。このような粉体塗料組成物としては、主剤であるポリオール等の水酸基含有化合物と、硬化剤である粉体状のブロックイソシアネートとを含有する粉体塗料組成物等が知られており、基材表面に付着させた粉体塗料組成物を加熱して、ブロックイソシアネートのブロック剤を脱離させ、イソシアネートとポリオールとを反応させることによって、前記粉体塗料組成物が硬化し、前記基材上に塗膜が形成される。
【0003】
このような粉体塗料組成物に用いられるブロックイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体のイソシアネート基をオキシムやラクタム等のブロック剤でブロックしたブロックIPDIが知られている。しかしながら、このブロックIPDIを含む粉体塗料組成物は、硬化開始温度が高いという問題があった。
【0004】
そこで、特開2022-54868号公報(特許文献1)には、低温硬化性に優れた粉体塗料組成物として、特定の構造を有するトリイソシアネート化合物のイソシアネート基をアミン化合物又はアルコール系化合物でブロックしたブロックイソシアネートを含有する粉体塗料組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-54868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の一態様は、低温硬化性に優れた粉体塗料組成物を得ることが可能なブロックイソシアネート組成物及び硬化剤を提供することを目的とする。また、本開示の他の態様は、低温硬化性に優れた粉体塗料組成物を提供することを目的とする。さらに、本開示の他の態様は、前記粉体塗料組成物から得られる塗膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は以下の態様を提供する。
[1]ポリイソシアネート組成物のブロック化物を含むブロックイソシアネート組成物であって、
前記ポリイソシアネート組成物が、イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体を含み、
前記ポリイソシアネート組成物のブロック化物が、前記ブタンジイソシアネート誘導体が有するイソシアネート基の少なくとも一部がブロック剤でブロックされているものを含み、
前記イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体の少なくとも一部はイソシアヌレート基を有するものであり、
下記式(1):
X=(A/(A+B+C+D+E+F+G))×100 (1)
〔前記式(1)中、A、B、C、D、E、F、及びGはそれぞれ前記ブロックイソシアネート組成物中の、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ウレア基、及びビウレット基の含有量を表す〕
で表される、前記ブロックイソシアネート組成物中のイソシアヌレート基のモル比率Xが30~100モル%であり、
前記ブロック剤が、ピラゾール系化合物、イミダゾール系化合物、オキシム系化合物、トリアゾール系化合物、活性メチレン系化合物及びアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、ブロックイソシアネート組成物。
[2]前記ブロック剤が、融点が70℃以上のピラゾール系化合物、融点が95℃以上のイミダゾール系化合物及び融点が-70℃以上のアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載のブロックイソシアネート組成物。
[3]前記イソシアヌレート基のモル比率Xが60~100モル%である、[1]又は[2]に記載のブロックイソシアネート組成物。
[4][1]~[3]のうちのいずれか1項に記載のブロックイソシアネート組成物を含有する、硬化剤。
[5]1分子中に活性水素を含有する基を2個以上有する化合物と[4]に記載の硬化剤とを含有する、粉体塗料組成物。
[6][5]に記載の粉体塗料組成物の硬化物からなる、塗膜。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、低温硬化性に優れた粉体塗料組成物を得ることが可能なブロックイソシアネート組成物及び硬化剤を提供することができる。また、本開示の他の態様によれば、低温硬化性に優れた粉体塗料組成物を提供することができる。さらに、本開示の他の態様によれば、前記粉体塗料組成物から得られる塗膜を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。「~」を用いて示された数値範囲の最小値又は最大値は、「~」を用いて示された他の数値範囲の最大値又は最小値と任意に組み合わせ可能である。また、個別に記載した上限値及び下限値も任意に組み合わせ可能である。
【0010】
<ブロックイソシアネート組成物及び硬化剤>
本開示の一態様のブロックイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート組成物のブロック化物を含むブロックイソシアネート組成物であって、前記ポリイソシアネート組成物が、イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体を含み、前記ポリイソシアネート組成物のブロック化物が、前記ブタンジイソシアネート誘導体が有するイソシアネート基の少なくとも一部がブロック剤でブロックされているものを含み、前記イソシアネート基を有するブタンジイソシアネート誘導体の少なくとも一部はイソシアヌレート基を有するものであり、下記式(1):
X=(A/(A+B+C+D+E+F+G))×100 (1)
〔前記式(1)中、A、B、C、D、E、F、及びGはそれぞれ前記ブロックイソシアネート組成物中の、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、アロファネート基、ウレア基、及びビウレット基の含有量を表す〕
で表される、前記ブロックイソシアネート組成物中のイソシアヌレート基のモル比率Xが30~100モル%であり、前記ブロック剤が、ピラゾール系化合物、イミダゾール系化合物、オキシム系化合物、トリアゾール系化合物、活性メチレン系化合物及びアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、ブロックイソシアネート組成物である。このブロックイソシアネート組成物を硬化剤として使用することによって、低温硬化性に優れた粉体塗料組成物を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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