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公開番号2025030770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023136340
出願日2023-08-24
発明の名称マスターフェルール、マスターコネクタ、検査装置およびマスターフェルールの製造方法
出願人株式会社白山
代理人弁理士法人クレイア特許事務所
主分類G02B 6/36 20060101AFI20250228BHJP(光学)
要約【課題】
MTフェルールの測定を繰り返した場合も、性能が劣化しないマスターコード用のフェルールを提供すること、マスターフェルールの交換をする必要がないマスターコネクタおよび検査装置を提供すること。
【解決手段】
マスターフェルール100は、樹脂製のフェルールを検査するためのマスターフェルール100であって、光ファイバを挿入するための光ファイバ挿入孔112と、ガイドピンを挿入するためのガイド孔111と、複数の光ファイバを挿通させたフェルール用ブーツを挿入するためのブーツ挿入孔121と、フェルール本体110から突出した鍔部120と、を備え、鉄およびクロムを含むステンレス鋼で一体に形成されたものである。ステンレス鋼は、鉄、クロムおよびニッケルを含み、ビッカース硬度が500以下であることが好ましい。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
樹脂製のフェルールを検査するためのマスターフェルールであって、
光ファイバを挿入するための光ファイバ挿入孔と、ガイドピンを挿入するためのガイド孔と、複数の前記光ファイバを挿通させたフェルール用ブーツを挿入するためのブーツ挿入孔と、フェルール本体から突出した鍔部と、を備え、
鉄およびクロムを含むステンレス鋼で一体に形成された、マスターフェルール。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記ステンレス鋼は、鉄、クロムおよびニッケルを含み、ビッカース硬度が500以下である、請求項1に記載のマスターフェルール。
【請求項3】
前記光ファイバ挿入孔に挿通された前記光ファイバと、
前記光ファイバが挿通されたフェルール用ブーツと、をさらに備え、
前記光ファイバは、熱硬化性樹脂で光ファイバ挿入孔内に固定された、請求項1に記載のマスターフェルール。
【請求項4】
請求項1に記載のマスターフェルールが接続部分に用いられ、前記樹脂製のフェルールと光接続することができる、マスターコネクタ。
【請求項5】
請求項1に記載のマスターフェルールが接続部分に用いられ、前記樹脂製のフェルールの性能を検査することができる、検査装置。
【請求項6】
請求項1に記載のマスターフェルールを製造する方法であって、
前記光ファイバ挿入孔および前記ガイド孔は、切削加工により形成された、マスターフェルールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のフェルールを検査するためのマスターフェルール、マスターコネクタ、検査装置およびマスターフェルールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、従来の電気通信から光通信に置き換わる試みがされており、従来のような長距離の通信だけでなく、ローカルエリア内の端末同士の通信も光通信で行うことが検討されている。このような状況において、光コネクタは、生産性をさらに向上しつつ、接続精度の確保が求められるようになっている。
光ファイバ同士を接続するために用いられる光コネクタには、光ファイバ同士の端面同士を高い位置精度で接続するためのフェルールが用いられている。近年、光通信の高速・高密度化が進み、一つのコネクタで多数の光ファイバを同時に接続できる多心に対応したMTフェルールが多く用いられている。
MTフェルールは、接続端面に多数の光ファイバを挿通する孔が設けられており、これらの孔の位置をサブミクロンの精度で設計されている。したがって、製造ロットごとまたは製品ごとに検査を行って、接続精度が確保されているか確認することが求められる。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2006-058400号公報)には、マスターフェルールをフェルールに当接させ、フェルール位置決め部材に対する光ファイバの突き当て確認を簡単且つ確実に行える技術が記載されている。
特許文献1に記載の製造方法は、フェルール保持部に保持したフェルールに光ファイバを挿入するための光ファイバ案内溝を有する光ファイバ挿入台に設けられた複数の押さえ部材の内、フェルール保持部に最も近いものを、フェルールへの送り込みとは逆方向への光ファイバの移動を許容する光ファイバの浮き上がり防止用押さえ部材とした光コネクタ組立工具、裸光ファイバがフェルールの光ファイバ挿入穴の中心軸線と平行な状態を保ったまま、マスターフェルールをフェルールに当接させるので、光ファイバ挿入穴内での光ファイバ先端の偏在を防止するものである。
【0004】
特許文献2(特開平8-184420号公報)には、光MTコネクタにおける光ファイバ位置測定の測定精度の向上を図る技術が記載されている。
特許文献2に記載のMTコネクタのコア位置ずれ測定方法は、予めコア位置のずれ量及びずれ方向がわかっている基準コネクタと被測定コネクタを、ガイドピン穴に嵌合するガイドピンを用いて接続し、コネクタの接続損失を測定する。次いで、ガイドピンを細いものに交換し、前記両コネクタを接続状態で被測定コネクタを端面方向にずらし、各光ファイバ毎に最も接続損失の小さくなるずらし量、ずらし方向を求めて、基準コネクタに対する相対的位置ずれを求めることによって被測定コネクタのコア位置ずれを測定するものである。
【0005】
特許文献3(特開平9-80264号公報)には、多数のMTコネクタの接続特性を検査するときに行うべき作業が多く測定時間を短縮する技術が記載されている。
特許文献3に記載の多心光コネクタの製造方法は、ガイド穴の後端部を、それ以外の部分より僅かに細くすることにより、本発明のマスターコネクタで多数のMTコネクタ等の接続特性検査を行う際、フェルールの着脱の際にガイドピンがマスタ側に残るようになり、測定毎にガイドピンを挿入する必要が無く、測定時間を短縮するものである。
【0006】
特許文献4(特表2015-512531号公報)には、低挿入損失及び低反射損失をもたらし、使いやすく、環境に対する感受性の低さによる高信頼性を提供でき、低コストで製造できる、新規の光ファイバコネクタ設計が記載されている。
特許文献4に記載の光ファイバコネクタ設計では、フェルール本体を金属材料で作製する。この金属材料は、高剛性(例えばステンレス鋼)、化学不活性(例えばチタン)、高温安定性(例えばニッケル合金)、低熱膨張率(例えばアンバ)を有するよう、又は他の材料の熱膨張率と適合するよう(例えばガラスと適合するコバールを)選択してよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-058400号公報
特開平8-184420号公報
特開平9-80264号公報
特表2015-512531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
MTフェルールは、寸法安定性および成形性の観点から、一般にポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)により形成されており、通常は射出成型によって製造される。このようにして製造されたMTフェルールは、IEC61754などにより標準化されており、この標準規格に沿ったMTフェルールを光コネクタに組み込むことにより、光通信を低損失で接続することができるようになる。
したがって、MTコネクタの品質は、光コネクタの光接続の性能に大きな影響を与えるため、MTコネクタの品質管理は産業上重要な意味を持つ。
【0009】
光コネクタの製造現場等において、MTフェルールの品質検査は、一般に、基準となるマスターコード用の標準フェルール(マスターフェルール)と、検査対象のフェルールとを光接続することにより、検査対象のフェルールの接続損失を測定して性能評価を行う。そして、一つのマスターフェルールをリファレンスとして、検査対象となる多数のMTフェルールを接続して、MTフェルールの性能検査が行われる。
この場合、マスターフェルールの選定は、接続端面を画像検査したり、複数のMTフェルールに対して接続を繰り返して最も評価が良かったものを採用しており、要するに、通常のMTフェルールの中から品質の良さそうなものを適宜選択するという方法が採用されていた。
【0010】
しかしながら、このような従来のマスターフェルールは、通常の樹脂製のMTフェルールであるため、検査対象のMTフェルールと幾度も脱着が繰り返されると、樹脂が塑性変形して接続損失が劣化するという問題があった。
特に、フィジカルコンタクト接続(PC接続)を行う場合、接続端面には数Nという大きな力が加わり、さらに、フレネル反射を防止するために接続端面は斜めに研磨(通常8°)して光接続することが多い。したがって、光コネクタの脱着に伴い、MTフェルールの接続端面およびガイドピン孔には、大きな力が加わるため、樹脂が変形して接続損失が大きくなる場合がある。
また、光コネクタで使用されるガイドピンは、一般にSUS303(ステンレス鋼)が用いられる。光コネクタの脱着を繰り返すと、マスターフェルールのガイドピン孔にガイドピンが幾度も挿抜されるため、ガイドピン孔が摩耗して、光接続時の位置精度が悪くなるという問題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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