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公開番号
2025029833
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023134695
出願日
2023-08-22
発明の名称
蓄熱材及び蓄熱フィルム
出願人
国立大学法人山形大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09K
5/14 20060101AFI20250228BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】 本発明は、フィルム化が容易で、かつ透明性を与えることができる新規な蓄熱材及び蓄熱フィルムを提供する。
【解決手段】本発明は、非晶性主鎖と結晶性側鎖とを有する櫛形ポリマーを含む蓄熱材料であって、前記櫛形ポリマーのガラス転移温度が、結晶性側鎖の融点よりも高い、蓄熱材料に関する。また、本発明は、そのような蓄熱材料を含む、蓄熱フィルムに関する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
非晶性主鎖と結晶性側鎖とを有する櫛形ポリマーを含む蓄熱材料であって、前記櫛形ポリマーのガラス転移温度が、結晶性側鎖の融点よりも高い、蓄熱材料。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記櫛形ポリマーが、前記非晶性主鎖、前記結晶性側鎖、及び前記非晶性主鎖と前記結晶性側鎖とを連結する連結基とを有しており、前記連結基が、極性基を含む、請求項1に記載の蓄熱材料。
【請求項3】
前記連結基が、アミド基、ウレア基、ウレタン基、チオアミド基、チオウレア基、及びチオウレタン基からなる群から選択される1種以上の基を含む、請求項2に記載の蓄熱材料。
【請求項4】
前記結晶性側鎖が、C
4
~C
30
の炭化水素系基を含む、請求項1に記載の蓄熱材料。
【請求項5】
前記非晶性主鎖が、重合度が5~1000の炭化水素系主鎖である、請求項1に記載の蓄熱材料。
【請求項6】
前記櫛形ポリマーが、前記結晶性側鎖の結晶によるナノドメインを有するナノ相分離構造を有している、請求項1に記載の蓄熱材料。
【請求項7】
前記非晶性主鎖が、重合度が5~1000の炭化水素系主鎖であり、前記結晶性側鎖が、直鎖又は分岐鎖のC
12
~C
18
のアルキル基を含み、かつ前記連結基が、アミド基、ウレア基及びウレタン基からなる群から選択される1種以上の基を含む、請求項1に記載の蓄熱材料。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の蓄熱材料を含む、蓄熱フィルム。
【請求項9】
ガラス基板上に厚さ100μmで形成された場合の波長400~800nmの吸収スペクトルの平均の吸光度が、0.5以下である、請求項8に記載の蓄熱フィルム。
【請求項10】
請求項8に記載の蓄熱フィルムと、他のポリマーフィルムとを含む、積層蓄熱フィルム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱材及び蓄熱フィルムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素排出量削減等の観点から、壁材、床材、天井材、屋根材等の建材において熱エネルギーを有効に活用するための研究及び開発が盛んに取り組まれている。そのための材料の1つとして、潜熱蓄熱材料が知られている。
【0003】
潜熱蓄熱材料は、固体から液体等の材料の相変化を利用することで熱エネルギーを蓄えることができる材料である。潜熱蓄熱材料は、断熱材とは異なり、蓄えた熱及び冷気は、必要なときに熱エネルギーとして利用することができるため、効率的に熱利用が可能である。特に、固体から液体への相変化は比較的取り扱いが容易で蓄熱できる熱量も高いため、ブロックコポリマー、パラフィン等の有機物、及び硫酸ナトリウム塩等の無機物において、多様な材料が知られている。
【0004】
例えば、非特許文献1は、潜熱蓄熱材料のパラフィンがガラス間に充填された複層ガラスを用いた場合に建築物の熱効率が向上することを開示している。
【0005】
なお、非特許文献2には、ポリアルキルアクリルアミドの櫛形ポリマーがアルキル側鎖部分で結晶性を有すること、及びアルキル側鎖の結晶が融解する温度(融点)がその櫛形ポリマーのガラス転移温度よりも低いことが報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Changyu Liu, et al., “Effect of PCM thickness and melting temperature on thermal performance of double glazing units”, Journal of Building Engineering, 11(2017), 87-95
Kazuki Ebata, et al., “Nanophase Separation of Poly( N- alkyl acrylamides): The Dependence of the Formation of Lamellar Structures on Their Alkyl Side Chains”, Macromolecules, 2019, 52, 9773-9780
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の蓄熱材は、蓄熱及び放熱の過程で全て相変化を利用するため、その前後のいずれかで液体状態となることが前提であった。また、従来技術の蓄熱材は、粉末固体状態で用いられているため全て白濁している。また、パラフィンを用いる蓄熱材は、カプセル化する必要があるため、フィルム化することが困難である。ブロックコポリマーを用いる蓄熱材は、高分子の融解に伴う潜熱を利用するため、フィルム化できたとしても蓄熱及び放熱の過程において機械的特性が大きく変化するという課題がある。
【0008】
本発明は、固体状態を維持したままで蓄熱及び放熱が可能な新規な蓄熱材及び蓄熱フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、以下の態様により、上記課題を解決できることを見出した。
《態様1》
非晶性主鎖と結晶性側鎖とを有する櫛形ポリマーを含む蓄熱材料であって、前記櫛形ポリマーのガラス転移温度が、結晶性側鎖の融点よりも高い、蓄熱材料。
《態様2》
前記櫛形ポリマーが、前記非晶性主鎖、前記結晶性側鎖、及び前記非晶性主鎖と前記結晶性側鎖とを連結する連結基とを有しており、前記連結基が、極性基を含む、態様1に記載の蓄熱材料。
《態様3》
前記連結基が、アミド基、ウレア基、ウレタン基、チオアミド基、チオウレア基、及びチオウレタン基からなる群から選択される1種以上の基を含む、態様2に記載の蓄熱材料。
《態様4》
前記結晶性側鎖が、C
4
~C
30
の炭化水素系基を含む、態様1に記載の蓄熱材料。
《態様5》
前記非晶性主鎖が、重合度が5~1000の炭化水素系主鎖である、態様1に記載の蓄熱材料。
《態様6》
前記櫛形ポリマーが、前記結晶性側鎖の結晶によるナノドメインを有するナノ相分離構造を有している、態様1に記載の蓄熱材料。
《態様7》
前記非晶性主鎖が、重合度が5~1000の炭化水素系主鎖であり、前記結晶性側鎖が、直鎖又は分岐鎖のC
12
~C
18
のアルキル基を含み、かつ前記連結基が、アミド基、ウレア基及びウレタン基からなる群から選択される1種以上の基を含む、態様1に記載の蓄熱材料。
《態様8》
態様1~7のいずれか一項に記載の蓄熱材料を含む、蓄熱フィルム。
《態様9》
ガラス基板上に厚さ100μmで形成された場合の波長400~800nmの吸収スペクトルの平均の吸光度が、0.5以下である、態様8に記載の蓄熱フィルム。
《態様10》
態様8に記載の蓄熱フィルムと、他のポリマーフィルムとを含む、積層蓄熱フィルム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の蓄熱材及び蓄熱フィルムによれば、固体状態を維持したままで蓄熱及び放熱が可能であるため、取扱い性が非常に高い。1つの実施形態において、この蓄熱材及び蓄熱フィルムによれば、実用レベルの高い蓄熱性能及び放熱性能を容易に与えることができる。1つの実施形態において、この蓄熱材及び蓄熱フィルムによれば、フィルム化が容易で、かつ透明性を容易に与えることができる。従来技術の蓄熱材料は、相転移前後の両状態で透明とはならないが、本発明の1つの実施形態の蓄熱材料によれば、結晶性側鎖の結晶が融解する前後において、透明性を維持することができるため、窓ガラス、食品包装フィルム等の透明性が求められる用途において、非常に有利である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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