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公開番号
2025022445
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-14
出願番号
2023127025
出願日
2023-08-03
発明の名称
太陽電池セルおよびその製造方法、ならびに太陽電池モジュール
出願人
国立研究開発法人産業技術総合研究所
,
国立大学法人山形大学
,
ケミプロ化成株式会社
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
H10K
30/50 20230101AFI20250206BHJP()
要約
【課題】優れた発電特性を有し、かつ耐熱性の高い、ペロブスカイト型の太陽電池セルの提供を目的とする。
【解決手段】当該太陽電池セルは、金属ハライドペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記活性層上に配置された電子輸送層と、前記電子輸送層上に隣接して配置された陰極層と、を有する太陽電池セルであり、前記電子輸送層が、9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンおよび/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンを含み、かつ前記陰極層と隣接する領域に、前記陰極層との電気的接合性を促進するための接合促進領域を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属ハライドペロブスカイト化合物を含む活性層と、
前記活性層上に配置された電子輸送層と、
前記電子輸送層上に隣接して配置された陰極層と、
を有する太陽電池セルであり、
前記電子輸送層が、9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンおよび/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンを含み、かつ前記陰極層と隣接する領域に、前記陰極層との電気的接合性を促進するための接合促進領域を有する、
太陽電池セル。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記接合促進領域が、8-キノリノラトリチウム、リチウム2-(2’,2’’-ビピリジン-6’-イル)フェノレート、リチウム2-(イソキノリン-1’-イル)フェノレート、フッ化リチウム、酸化リチウム、酢酸リチウム、およびトリス(8-キノリノラト)アルミニウムからなる群から選ばれる一種以上の接合促進材料を含む、
請求項1に記載の太陽電池セル。
【請求項3】
前記電子輸送層が、前記接合促進領域より前記活性層側に、前記9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンおよび/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンを含む電子輸送材料含有領域をさらに有する、
請求項2に記載の太陽電池セル。
【請求項4】
前記電子輸送層が、前記電子輸送材料含有領域より前記活性層側に、C
60
フラーレンまたはその誘導体を含む、フラーレン含有領域をさらに有する、
請求項3に記載の太陽電池セル。
【請求項5】
前記接合促進領域が、
前記9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンおよび/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンと、
金属材料および/または接合促進材料と、
を共蒸着した層であり、
前記接合促進材料が、8-キノリノラトリチウム、リチウム2-(2’,2’’-ビピリジン-6’-イル)フェノレート、リチウム2-(イソキノリン-1’-イル)フェノレート、フッ化リチウム、酸化リチウム、酢酸リチウム、およびトリス(8-キノリノラト)アルミニウムからなる群から選ばれる化合物である、
請求項1に記載の太陽電池セル。
【請求項6】
前記電子輸送層が、前記接合促進領域より前記活性層側に、C
60
フラーレンまたはその誘導体を含む、フラーレン含有領域をさらに有する、
請求項5に記載の太陽電池セル。
【請求項7】
前記接合促進領域が、前記9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンおよび/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンと、前記陰極層を構成する材料と、を含む、
請求項1に記載の太陽電池セル。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の太陽電池セルと、
前記太陽電池セルを覆う封止材と、
を含む、太陽電池モジュール。
【請求項9】
金属ハライドペロブスカイト化合物を含む活性層を準備する工程と、
前記活性層上に電子輸送層を形成する工程と、
前記電子輸送層上に隣接するように陰極層を形成する工程と、
を含み、
前記電子輸送層を形成する工程が、
9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン、および/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンを含む電子輸送材料含有領域を形成する工程、および
前記電子材料含有領域上に、8-キノリノラトリチウム、リチウム2-(2’,2’’-ビピリジン-6’-イル)フェノレート、リチウム2-(イソキノリン-1’-イル)フェノレート、フッ化リチウム、酸化リチウム、酢酸リチウム、およびトリス(8-キノリノラト)アルミニウムからなる群から選ばれる化合物を少なくとも一種を含む、接合促進領域を形成する工程を含む、
太陽電池セルの製造方法。
【請求項10】
前記電子輸送層を形成する工程が、
前記電子輸送材料含有領域を形成する工程の前に、C
60
フラーレンまたはその誘導体を含むフラーレン含有領域を形成する工程をさらに含む、
請求項9に記載の太陽電池セルの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池セルおよびその製造方法、ならびに太陽電池モジュールに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
金属ハライドペロブスカイト有機化合物を活性層に用いた太陽電池は、一般的にペロブスカイト型太陽電池とも称され、その作製工程の多くを、有機物や無機物を含む溶液の塗布等によって行うことができる。したがって、低コストで製造することが可能である。さらに、1cm
2
未満の小面積では25%を超えるエネルギー変換効率が報告されており、その性能の面でも非常に期待されている。さらに、当該ペロブスカイト型太陽電池は、活性層の組成を変更することで、バンドギャップを容易に調整可能である。したがって、タンデム型多接合太陽電池の作製においても注目されている。
【0003】
このようなペロブスカイト型太陽電池の太陽電池セルの構成として、透明電極付きガラス基板/正孔輸送層/トリプルカチオン鉛ハライドペロブスカイト化合物等を含む活性層/電子輸送層/金属電極をこの順に積層した構成が知られている。また、上記電子輸送層の材料として、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(以下「バソクプロイン」または「BCP」とも称する)が知られている。当該バソクプロインは金属電極(特に銀電極)との親和性が高く、優れた電気的コンタクトを有する電子輸送材料として知られている。
【0004】
上記バソクプロインは、単体では真空準位を基準としてHOMOが3.5eVであり、LUMOが7.0eVである。つまり、バソクプロインは、極めて広いバンドギャップを有する物質である。したがって、バソクプロインを電子輸送層に用いると、活性層で発生した正孔の陰極側への侵入を阻止可能である。一方で、バソクプロインは、活性層側から陰極側への電子の流れも阻止してしまうが、陰極材料として銀を用いると、当該銀が電子輸送層内でバンド内準位を作り、ここを電子が伝っていくことで、良好な電気的特性が得られることが報告されている(例えば非特許文献1)。また、バスクプロインでは、このような銀の拡散が、室温で容易に生じやすいこと等も報告されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
C.J. Huang et al., “Effect of Energy States in Buffer Layer on Organic Solar Cells Output Performance,” ECS Solid State Lett., vol. 2, no. 1, pp. Q5-Q7,
Z. Ying et al., “Charge-transfer induced multifunctional BCP:Ag complexes for semi-transparent perovskite solar cells with a record fill factor of 80.1%,” J. Mater. Chem. A, vol. 9, no. 20, pp. 12009-12018, 2021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のバソクプロインを電子輸送材料として含むペロブスカイト型太陽電池は、無機半導体結晶で構成される既存の太陽電池と比較して、耐熱性が劣ることが大きな課題となっている。バソクプロインのガラス転移温度は、83℃である。そのため、屋外用の太陽電池や自動車用の太陽電池等に適用すると、十分な発電性能が得られない、という課題があった。そこで、高温でも安定であり、かつ電子輸送材料として好適な化合物が求められている。
【0007】
ここで、9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(以下、「β-NBPhen」とも称する)や9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(以下、「α-NBPhen」も称する)は、有機エレクトロルミネッセンス素子において実績があり、これらはバソクプロインより熱安定性が高いことが知られている。そこで、これらをペロブスカイト型太陽電池の電子輸送層の材料として利用することが考えられる。しかしながら、通常、β-NBPhenやα-NBPhenは、金属電極との相互作用が弱い。したがって、通常の方法でβ-NBPhenやα-NBPhenを含む電子輸送層を形成しただけでは、電子輸送層と陰極との間における直列抵抗が大きくなりやすく、太陽電池の初期特性(曲線因子)がバソクプロインを用いた場合より低くなりやすかった。
【0008】
そこで、本発明は、優れた発電特性を有し、かつ耐熱性の高い、ペロブスカイト型の太陽電池セルおよびその製造方法、ならびに太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、金属ハライドペロブスカイト化合物を含む活性層と、前記活性層上に配置された電子輸送層と、前記電子輸送層上に隣接して配置された陰極層と、を有する太陽電池セルであり、前記電子輸送層が、9-ビス(ナフタレン-1-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンおよび/または9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリンを含み、かつ前記陰極層と隣接する領域に、前記陰極層との電気的接合性を促進するための接合促進領域を有する、太陽電池セルを提供する。
【0010】
また、本発明は、上記太陽電池セルと、当該太陽電池セルを覆う封止材と、を含む、太陽電池モジュールも提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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