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公開番号2025026828
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-26
出願番号2024124398
出願日2024-07-31
発明の名称石英ガラスからなる管状複合体及びそれを製造及び使用するための方法
出願人ヘレウス・クアルツグラース・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディット・ゲゼルシャフト,Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG,信越石英株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 8/04 20060101AFI20250218BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】特に大きな内径及び壁厚を有する石英ガラスからなる管状複合体の再現性高い製造方法、管状複合体およびその使用方法を提供する。
【解決手段】外部堆積法において管状石英ガラス複合体を製造する方法は、サブストレート管を用意する工程と、サブストレート管を回転軸の周りを回転させる工程と、サブストレート管の外表面にSiO2粒子を堆積することでサブストレート管とSiO2スート体とからなる複合物を形成する工程と、焼結温度で加熱することで複合物を焼結する工程とを有する。特に大きな200mmを超える内径及び25mmを超える壁厚を有する管状複合体の製造を可能にするために、少なくとも部分的に第1石英ガラス性質の石英ガラスからなるサブストレート管を準備し、スート体は第2石英ガラス性質の石英ガラスからなり、第1石英ガラス性質は、焼結温度における材料特有の粘度が第2石英ガラス性質の材料特有の粘度よりも高い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
外部堆積法において管状石英ガラス複合体を製造するための方法であって、
(a)サブストレート管であり、サブストレート管長手軸と同軸に延びて連続である貫通開口部、サブストレート管外径、サブストレート管内径、サブストレート管壁厚、サブストレート管外表面、及びサブストレート管内表面を有するものを用意する工程と、
(b)前記サブストレート管を前記サブストレート管長手軸と同軸又は平行に延びる回転軸の周りを回転させる工程と、
(c)前記サブストレート管の前記外表面に少なくとも1つの堆積バーナーによってSiO

粒子を堆積することで前記サブストレート管とSiO

スート体とから複合物(1/9;21/9)を形成する工程と、
(d)前記管状石英ガラス複合体(100)を形成するために、焼結温度で加熱することで前記複合物(1/9;21/9)を焼結する工程と
を含み、
少なくとも部分的に第1石英ガラス性質の石英ガラスからなるサブストレート管を準備し、前記スート体は第2石英ガラス性質の石英ガラスからなり、前記第1石英ガラス性質は、焼結温度における材料特有の粘度が前記第2石英ガラス性質の材料特有の粘度よりも高いことを特徴とする方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
測定温度1350℃における前記第1石英ガラス性質の前記粘度の常用対数は、少なくとも0.25log(dPa・s)、好ましくは少なくとも0.4log(dPa・s)、特に好ましくは少なくとも0.6log(dPa・s)前記第2石英ガラス性質の前記石英ガラスのよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1石英ガラス性質の前記石英ガラスは、酸化アルミニウムの含有量が前記第2石英ガラス性質の前記石英ガラスの酸化アルミニウムの含有量よりも少なくとも5重量ppm、好ましくは少なくとも10重量ppm高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1石英ガラス性質の前記石英ガラスは、水酸基含有量が30重量ppm未満、好ましくは水酸基含有量が20重量ppm未満であることを特徴とする請求項1から請求項3の一項以上に記載の方法。
【請求項5】
前記第1石英ガラス性質の前記石英ガラスは、自然に存在する原料から溶融されることを特徴とする請求項1から請求項4の一項以上に記載の方法。
【請求項6】
前記サブストレート管は、壁厚が1.5mm~10mmの範囲、好ましくは4~8mmの範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5の一項以上に記載の方法。
【請求項7】
前記スート体は、実質的に円筒形であり、壁厚が、前記複合体の焼結後に層の厚さが25mm~100mmの範囲、好ましくは30mm~60mmの範囲であるガラス層が得られるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項6の一項以上に記載の方法。
【請求項8】
石英ガラスからなる管状複合体であって、長さが少なくとも1000mmであり、内径が少なくとも250mmである管壁を有し、未加工の壁は内壁領域と外壁領域とを有し、前記内壁領域は少なくとも部分的に第1石英ガラス性質の石英ガラスからなり、前記外壁領域は第2石英ガラス性質の石英ガラスからなり、測定温度1350℃における前記第1石英ガラス性質の粘度は前記第2石英ガラス性質の粘度よりも高いことを特徴とする管状複合体。
【請求項9】
測定温度1350℃における前記第1石英ガラス性質の前記粘度の常用対数は、少なくとも0.25log(dPa・s)、好ましくは少なくとも0.4log(dPa・s)、特に好ましくは少なくとも0.6log(dPa・s)前記第2石英ガラス性質の前記石英ガラスのよりも高いことを特徴とする請求項8に記載の複合体。
【請求項10】
前記第1石英ガラス性質の前記石英ガラスは、酸化アルミニウムの含有量が前記第2石英ガラス性質の前記石英ガラスの酸化アルミニウムの含有量よりも少なくとも5重量ppm、好ましくは少なくとも10重量ppm高いことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の複合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、長さが少なくとも1000mmであり、未加工の壁を有し、内径が少なくとも250mmである石英ガラスからなる複合体、特に石英ガラスからなる管状複合体に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【0002】
また、本発明は、管状石英ガラス複合体の製造、特に外部堆積法において管状石英ガラス複合体を製造するための方法であって、
(a)サブストレート管であり、サブストレート管長手軸と同軸に延びて連続である貫通開口部、サブストレート管外径、サブストレート管内径、サブストレート管壁厚、サブストレート管外表面、及びサブストレート管内表面を有するものを用意する工程と、
(b)前記サブストレート管を前記サブストレート管長手軸と同軸又は平行に延びる回転軸の周りを回転させる工程と、
(c)前記サブストレート管の前記外表面に少なくとも1つの堆積バーナーによってSiO

粒子を堆積することで前記サブストレート管とSiO

スート体とから複合物を形成する工程と、
(d)前記管状石英ガラス複合体を形成するために、焼結温度で加熱することで前記複合物を焼結する工程と
を含む方法にも関する。
【0003】
プリフォーム、管、棒、フランジ、プレート、リング、反応器、るつぼ等の形の石英ガラスからなる部品は半導体生産や光ファイバの製造に用いられる。このような部品は、石英ガラスからなる管状半製品から、熱によって成形及び/又は機械的に加工することによって作製されることが多い。生産性の向上により、このような部品はより大きな寸法が更に求められており、特に管状半製品においてはより大きな壁厚及び内径と関連する。
【0004】
合成された二酸化ケイ素から管状半製品を製造するには、SiO

粒子を気相から基材上に堆積するCVD法(化学気相堆積)が知られている。「OVD」(Outside Vapor Deposition)の省略形で知られているCVD外部堆積法は一般的に大体積半製品の製造に適している。この方法では、ケイ素含有原料が反応領域で火炎加水分解又は熱分解によってSiO

粒子に変換され、この粒子は長手軸の周りを回転する円筒形サブストレートの外部ジャケット上に層として堆積される。反応領域は熱源によって生成され、サブストレート長手軸と熱源は相対的に前後に動く。サブストレートは管状であることができ、ここ及び以下で「サブストレート管」とも呼ぶ。サブストレート管は例えば石英ガラス、SiC、SiSiC(反応焼結ケイ素浸透炭化ケイ素)、Al



又は別のセラミック材料又は黒鉛からなり、ここで「サブストレート管ホルダ」とも呼ぶ旋盤のような装置によって保持されて長手軸の周りを回転する。
【0005】
堆積法の最中の温度によっては、サブストレート管に堆積された合成SiO

の層はまだ多孔質であり以下では「スート層」又は「スート体」とも呼ぶ、或は多かれ少なかれ透明な石英ガラスの緻密な層を形成する。多孔質スート層の場合、これは別の工程で焼結されて多かれ少なかれ透明な石英ガラスを形成する(焼結プロセスは「ガラス化」とも呼ぶ)。このように製造された管状石英ガラス半製品から、合成石英ガラスの部品、例えば、それ自体他の部品の製造の為の半製品として機能することもできる固体円柱、中空円筒又はこれら部品の一部が機械的、化学的及び/又は熱的後処理により得られる。
【背景技術】
【0006】
US8,316,671B2には、石英ガラスからなる中空円筒を製造するためのOVD外部堆積法が記載されている。石英ガラスからなるサブストレート管を用意し、多孔質SiO

スート層をその外表面に堆積する。サブストレート管とSiO

スート層からなる複合物は、サブストレート管の内側が変形温度より低いままになるようにガラス化される。この目的のために、ガラス化プロセスの際にサブストレート管の内部孔を気体又は液体によって冷却することができる。このように製造された石英ガラスからなる管状複合体の内壁はサブストレート管によって形成され、なめらかであり、もはや機械的に加工する必要はない。
【0007】
US2013/115391A1より、大きな外径を有する石英ガラス中空円筒を製造するための方法であり、二酸化ケイ素スートからなる多孔質スート体をOVD外部堆積法によって基材に堆積する方法が知られている。基材が除去された後、スート体を焼結して中空円筒を形成する。塩素含有量が低く、同時に水酸基含有量が低く、そのため粘度が高い石英ガラスから、リングが切断される。石英ガラスリングは、プラズマエッチングシステムにおいて半導体ウエハーを保持するためのいわゆる「プラズマエッチングリング」として使用される。
【0008】
スート体をガラス化するために、スート体は長手軸が垂直な配向又は水平な配向になるように焼結炉内で保持される。長手軸が垂直に配向する場合、スート体は台座に立ってガラス化することができる。しかし、スート体が、その重みによって変形して崩壊する恐れがある。その結果、円周方向のひだのキャタピラ状の構造が形成され、寸法精度要件を満たすことができないことがある。特に、所定の最小内径を超えることがある。
【0009】
EP701975A2より知られている方法は、これらのデメリットの一部を回避する。この方法では、管状スート体がガラス化炉に挿入され、そこで、上からスート体の内部孔を通って延び、スート体の下端が最初は置かれている支持台に接続される支持棒を含む保持装置によって垂直な配向で保持される。支持棒は炭素繊維強化黒鉛(CFC;carbon fiber reinforced carbon)からなり、純粋黒鉛からなる気体透過性で肉薄のジャケット管で密接して包まれている。ジャケット管の上端の上の位置で、スート体壁からスート体内部孔内に内向きに突き出る黒鉛支持リングがスート体の内部孔に埋設されている。
【0010】
ガラス化の際、スート体はその上端から環状発熱体を通ってゾーン毎に移動される。これにより、スート体は黒鉛ジャケット管に徐々に倒れ込み、かつ長さが縮み、第1焼結段階において支持台上に直立する。スート体に埋設された黒鉛支持リングの位置は、第2焼結段階において長さの縮小の増加の結果黒鉛ジャケット管で支えられるように選択され、これによりスート体はその上端で懸架されて保持される。この方法は以下で「懸架ガラス化」とも呼ぶ。ガラス化後、ジャケット管は除去され、得られた石英ガラス管の内部孔は穴あけ、研削、ホーニング又はエッチングによって再加工される。
(【0011】以降は省略されています)

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