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公開番号2025024722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023128930
出願日2023-08-08
発明の名称集積回路
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類G01R 27/26 20060101AFI20250214BHJP(測定;試験)
要約【課題】タッチセンサ用の集積回路において、タッチセンサの感度を高める技術を提供する。
【解決手段】タッチセンサにより人体の接近を検知する集積回路であって、タッチセンサと集積回路は、電圧源により動作する。タッチセンサは、人体の接近によりタッチセンサの出力電圧としてのセンサ電圧が変動するように構成されている。集積回路は、集積回路を制御する制御部と、タッチセンサと制御部に接続されるAD変換器と、AD変換器と、電圧源と、タッチセンサと、の間の接続を切り替える第1種スイッチと、を備える。制御部は、人体の接近前に、第1種スイッチによる接続の切り替えを行いつつ、センサ電圧としての基準電圧を1回以上測定し、基準電圧の測定回数に応じて、1つ以上の基準電圧の予め定められた範囲に基づく上限電圧値と下限電圧値を、AD変換器の入力電圧の範囲に、決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
タッチセンサにより人体の接近を検知する集積回路であって、
前記タッチセンサと前記集積回路は、電圧源により動作し、
前記タッチセンサは、前記人体の接近により前記タッチセンサの出力電圧としてのセンサ電圧が変動するように構成されており、
前記集積回路は、
前記集積回路を制御する制御部と、
前記タッチセンサと前記制御部に接続されるAD変換器と、
前記AD変換器と、前記電圧源と、前記タッチセンサと、の間の接続を切り替える第1種スイッチと、を備え
前記制御部は、
前記人体の接近前に、前記第1種スイッチによる接続の切り替えを行いつつ、前記センサ電圧としての基準電圧を1回以上測定し、
前記基準電圧の測定回数に応じて、1つ以上の基準電圧から予め定められた範囲に基づく上限電圧値と下限電圧値を、前記AD変換器の入力電圧の範囲に、決定する、集積回路。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記タッチセンサは、さらに、寄生の素子として第1静電容量を有する第1コンデンサを有し、
前記集積回路は、
予め定められた第2静電容量を有する第2コンデンサであって、前記第1コンデンサと前記AD変換器と共に前記電圧源に対して並列に接続される前記第2コンデンサを備え、
前記制御部は、前記第1種スイッチを制御することにより、
前記電圧源から前記第1コンデンサまたは前記第2コンデンサに電荷の充電を行い、
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサが前記電圧源から遮断された状態において、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサを接続することにより、前記センサ電圧を発生させる、集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記制御部は、
前記基準電圧の発生に先立つ前記充電において、前記電圧源から前記第1コンデンサに電荷を充電することにより、前記基準電圧としての第1基準電圧を測定し、
前記基準電圧の発生に先立つ前記充電において、前記電圧源から前記第2コンデンサに電荷を充電することにより、前記基準電圧としての第2基準電圧を測定し、
前記上限電圧値を、前記第1基準電圧に基づいて、決定し、
前記下限電圧値を、前記第2基準電圧に基づいて、決定する、集積回路。
【請求項4】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記制御部は、前記基準電圧の発生に先立つ前記充電において、前記電圧源から前記第1コンデンサに電荷を充電することにより、前記基準電圧としての第1基準電圧を測定し、
前記上限電圧値と前記下限電圧値は、前記第1基準電圧から予め定められた範囲に決定される、集積回路。
【請求項5】
請求項3に記載の集積回路であって、さらに、
前記制御部と前記AD変換器にそれぞれ接続される2つのDA変換器を備え、
前記2つのDA変換器は、
前記制御部からの信号に応じて前記上限電圧値を前記AD変換器に入力する第1DA変換器と、
前記制御部からの信号に応じて前記下限電圧値を前記AD変換器に入力する第2DA変換器と、によって構成される、集積回路。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の集積回路であって、
前記第2コンデンサは、調整用スイッチと、予め定められた静電容量を有するアディショナルコンデンサと、の直列接続を1組とした複数の組が並列接続された調整用コンデンサを含み、
前記調整用コンデンサは、
前記制御部からの指令により、前記調整用コンデンサにおける複数の調整用スイッチの接続の組み合わせを変えることによって、前記アディショナルコンデンサの静電容量の合成としての前記第2静電容量の第2成分を決定する、集積回路。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に記載されているように、静電容量式タッチセンサは、人体がタッチセンサの電極に接近することによって生じる静電容量の変化を検知する。以下において、静電容量式タッチセンサは、タッチセンサとよぶ。より具体的には、タッチセンサは、センサ部分の静電容量と、制御部としての集積回路の静電容量と、の差に基づく電圧を測定することによって、静電容量の変化を検知する。
【0003】
人体の接近による静電容量の変化は、微小である。このため、タッチセンサの感度を上げるには、センサ部分の静電容量を増加させることが求められる。センサ部分の静電容量の増加は、センサ部分における電極の面積の拡大により可能である。すなわち、センサ部分の静電容量を増加させるには、タッチセンサを大きくする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-531877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、タッチセンサが搭載される製品において、タッチセンサを搭載できるスペースは、製品のサイズや形状などにより制限される。すなわち、製品のサイズや形状を変更できない場合、タッチセンサの感度を上げることは、困難である。したがって、タッチセンサのサイズや形状に係わらず、タッチセンサの感度を高める技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本開示の第1の形態によれば、タッチセンサにより人体の接近を検知する集積回路が提供される。前記タッチセンサと前記集積回路は、電圧源により動作する。前記タッチセンサは、前記人体の接近により前記タッチセンサの出力電圧としてのセンサ電圧が変動するように構成されている。前記集積回路は、前記集積回路を制御する制御部と、前記タッチセンサと前記制御部に接続されるAD変換器と、前記AD変換器と、前記電圧源と、前記タッチセンサと、の間の接続を切り替える第1種スイッチと、を備える。前記制御部は、前記人体の接近前に、前記第1種スイッチによる接続の切り替えを行いつつ、前記センサ電圧としての基準電圧を1回以上測定し、前記基準電圧の測定回数に応じて、1つ以上の基準電圧から予め定められた範囲に基づく上限電圧値と下限電圧値を、前記AD変換器の入力電圧の範囲に、決定する。
本開示の集積回路においては、人体の接近前のセンサ電圧としての基準電圧は、AD変換器と電圧源とタッチセンサの間の接続の状態によって決定される。例えば、集積回路は、タッチセンサと電圧源を遮断した状態において、基準電圧を決定できる。電圧源から遮断された状態では、基準電圧は、タッチセンサの仕様に依存する可能性が高い。このため、本開示の集積回路は、タッチセンサの仕様に応じて、AD変換器の入力電圧の範囲を決定できる。すなわち、AD変換器の分解能が向上することにより、タッチセンサの仕様を変更することなく、タッチセンサの感度も、向上する。したがって、本開示の集積回路は、タッチセンサのサイズや形状に係わらず、タッチセンサの感度を高めることができる。
(2)上記形態において、前記タッチセンサは、さらに、寄生の素子として第1静電容量を有する第1コンデンサを有し、前記集積回路は、予め定められた第2静電容量を有する第2コンデンサであって、前記第1コンデンサと前記AD変換器と共に前記電圧源に対して並列に接続される前記第2コンデンサを備え、前記制御部は、前記第1種スイッチを制御することにより、前記電圧源から前記第1コンデンサまたは前記第2コンデンサに電荷の充電を行い、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサが前記電圧源から遮断された状態において、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサを接続することにより、前記センサ電圧を発生させてもよい。
このような静電容量式のタッチセンサを用いた形態においては、センサ電圧は、第1コンデンサと第2コンデンサが電圧源から遮断されることにより、電圧源の電圧よりも低い電圧になる。すなわち、人体の接近によるセンサ電圧の変動は、電圧源の電圧よりも低い範囲で生じる。こうした静電容量式のタッチセンサに対して、例えば、抵抗膜式のタッチセンサでは、タッチセンサの出力電圧は、タッチセンサと電圧源が接続された状態で発生する。よって、抵抗膜式のタッチセンサにおけるセンサ電圧の変動は、電圧源の電圧値を含む範囲で生じる。このため、静電容量式のタッチセンサは、抵抗膜式のタッチセンサに比べて、センサ電圧の変動の幅が小さくなる。よって、静電容量式のタッチセンサでは、センサ電圧の変動を検知するには、AD変換器に高い分解能が要求される。したがって、本開示の集積回路は、静電容量式のタッチセンサにより適する。
(3)上記形態において、前記制御部は、前記基準電圧の発生に先立つ前記充電において、前記電圧源から前記第1コンデンサに電荷を充電することにより、前記基準電圧としての第1基準電圧を測定し、前記基準電圧の発生に先立つ前記充電において、前記電圧源から前記第2コンデンサに電荷を充電することにより、前記基準電圧としての第2基準電圧を測定し、前記上限電圧値を、前記第1基準電圧に基づいて、決定し、前記下限電圧値を、前記第2基準電圧に基づいて、決定してもよい。
このような形態とすることで、人体の接近前におけるAD変換器の入力電圧の範囲は、第1基準電圧により上限電圧値が決定され、第2基準電圧により下限電圧値が決定される。センサ電圧は、人体の接近前と人体の接近時においても、同様に測定される。よって、人体の接近時において、第1コンデンサに充電する場合、センサ電圧は、第1基準電圧を基準として発生する。また、人体の接近時において、第2コンデンサに充電する場合、センサ電圧は、第2基準電圧を基準として発生する。すなわち、上限電圧値と下限電圧値は、人体の接近時におけるセンサ電圧が基準とする基準電圧に基づいて決定される。よって、本開示の集積回路は、上限電圧値と下限電圧値を、人体の接近時におけるセンサ電圧に近づけることできる。すなわち、本開示の集積回路は、AD変換器の分解能を向上できる。
(4)上記形態において、前記制御部は、前記基準電圧の発生に先立つ前記充電において、前記電圧源から前記第1コンデンサに電荷を充電することにより、前記基準電圧としての第1基準電圧を測定し、前記上限電圧値と前記下限電圧値は、前記第1基準電圧から予め定められた範囲に決定されてもよい。
このような形態とすることで、第1基準電圧のみにより、AD変換器の入力電圧の範囲は、決定される。よって、本開示の集積回路は、AD変換器の入力電圧の範囲の決定のために、センサ電圧を複数回測定する必要がない。したがって、本開示の集積回路は、センサ電圧を複数回測定する場合に比べて、容易にAD変換器の入力電圧の範囲を決定できる。
(5)上記形態において、さらに、前記制御部と前記AD変換器にそれぞれ接続される2つのDA変換器を備え、前記2つのDA変換器は、前記制御部からの信号に応じて前記上限電圧値を前記AD変換器に入力する第1DA変換器と、前記制御部からの信号に応じて前記下限電圧値を前記AD変換器に入力する第2DA変換器と、によって構成されてもよい。
このような形態とすることで、本開示の集積回路は、DA変換器により、AD変換器の入力電圧の範囲を決定する。よって、本開示の集積回路は、例えば、デジタルポテンショメータのように、抵抗の分圧のみによりデジタル信号をアナログ信号に変換する場合に比べて、より高い精度でAD変換器の入力電圧の範囲を決定できる。
(6)上記形態において、前記第2コンデンサは、調整用スイッチと、予め定められた静電容量を有するアディショナルコンデンサと、の直列接続を1組とした複数の組が並列接続された調整用コンデンサを含み、前記調整用コンデンサは、前記制御部からの指令により、前記調整用コンデンサにおける複数の調整用スイッチの接続の組み合わせを変えることによって、前記アディショナルコンデンサの静電容量の合成としての前記第2静電容量の第2成分を決定してもよい。
このような形態とすることで、第2コンデンサは、第2成分を可変できる調整用コンデンサにより、第2静電容量を調整できる。センサ電圧の基準電圧は、電圧源から遮断されることにより、第1コンデンサと第2コンデンサのそれぞれの静電容量の関係によって変動する。すなわち、本開示の集積回路は、第2静電容量を調整することによってAD変換器の入力電圧の範囲を調整することにより、タッチセンサの感度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態の集積回路の構成を示す回路図。
タッチセンサによる検知の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
A-1.回路構成:
図1は、第1実施形態の集積回路120の構成を示す回路図である。集積回路120は、タッチセンサ110により人体の接近を検知する。より具体的には、集積回路120は、人体の接近により変化するセンサ電圧Vdを測定する回路である。集積回路120は、例えば、車両Vにおいて、インストルメントパネルPやルームランプなどの製品に搭載されるタッチセンサ110に使用される。
【0010】
集積回路120は、電圧源124、AD変換器121と、DA変換器123と、制御部122と、第2コンデンサ127と、第1種スイッチ125と、第4スイッチ126と、を備える。まず、集積回路120における各素子とタッチセンサ110の接続について説明する。なお、図2におけるADCは、AD変換器121を表す。DACは、DA変換器123を表す。
(【0011】以降は省略されています)

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