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公開番号2025024199
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-19
出願番号2024203594,2021564551
出願日2024-11-22,2020-04-10
発明の名称偏光子フィルム
出願人スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250212BHJP(光学)
要約【課題】偏光子又はミラーフィルムとして利用可能であり、かつ、光学積層体への組み込みが可能である多層光学フィルム。
【解決手段】光学フィルム100は、第1のスキン層30と第2のスキン層40との間に配設され、かつそれらと一体的に形成されている、50超に達する複数の交互に配置されたポリマーの第1の干渉層10及び第2の干渉層20を備えており、第1の干渉層及び第2の干渉層のそれぞれは250nm未満の平均厚さを有する。第1の干渉層及び第2の干渉層並びに第1のスキン層及び第2のスキン層は、ポリエステルを含む組成物である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光学フィルムであって、第1のスキン層と第2のスキン層との間に配設され、かつそれらと一体的に形成されている、50超に達する複数の交互のポリマーの第1の干渉層及び第2の干渉層を備えており、
前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層のそれぞれが、約250nm未満の平均厚さを有し、
前記第1のスキン層及び前記第1の干渉層が、それぞれ、ポリエステルを含む第1の組成物及び第2の組成物を有し、
前記第2のスキン層が、少なくとも70重量%のポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、約50マイクロメートルを超える平均厚さを有し、
実質的に垂直な入射光について、また、少なくとも約430nm~少なくとも約600nmにわたる所定の波長範囲内の各波長に対して、前記光学フィルムが、第1の偏光状態について少なくとも40%の光反射率を有し、
隣接する前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層が、それぞれ、
前記第1の偏光状態に沿ってn1x及びn2x、
直交する第2の偏光状態に沿ってn1y及びn2y、並びに
前記第1の偏光状態及び前記第2の偏光状態に直交するz軸に沿ってn1z及びn2zの平面屈折率を有し、前記所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、
n1xが、n1y及びn1zのそれぞれよりも少なくとも0.14だけ大きく、
n1yとn1zとの間の差が、約0.07よりも大きく、
n2xとn2yとn2zとの間の最大差が約0.01未満であり、
n1xとn2xとの間の差が約0.14よりも大きい、
光学フィルム。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記第1のスキン層及び前記第1の干渉層が、約20~60mol%のシクロヘキサンジメタノールと約40~80mol%のエチレングリコールとのジオール部分を有するポリエステルを含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記第2のスキン層が、約150マイクロメートルを超える平均厚さを有する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
一体的に形成され、約250マイクロメートルを超える平均厚さを有する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項5】
複数の交互のポリマーの前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層、並びに前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層が共押出される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
複数の交互のポリマーの前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層、並びに前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層が、更に約190~220°Fの温度で共延伸される、請求項5に記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記第1のスキン層上であって、複数の交互のポリマーの前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層の反対側、に配設された光拡散層を更に含み、前記光拡散層が、複数の交互のポリマーの前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層、並びに前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層と共押出される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項8】
光学フィルムであって、第1のスキン層と第2のスキン層との間に配設され、かつそれらと一体的に形成されている、100超に達する複数の交互のポリマーの第1の干渉層及び第2の干渉層を備えており、
前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層のそれぞれが、約250nm未満の平均厚さを有し、
前記第1のスキン層及び前記干渉層が、それぞれ、ポリエステルを含む第1の組成物及び第2の組成物を有し、
前記第2のスキン層が、少なくとも70重量%のポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、約100マイクロメートルを超える平均厚さを有し、実質的に垂直な入射光について、また、少なくとも約400nm~少なくとも約600nmにわたる所定の波長範囲内の各波長に対して、前記光学フィルムが、直交する第1の偏光状態及び第2の偏光状態のそれぞれについて少なくとも50%の光反射率を有し、
隣接する前記第1の干渉層及び前記第2の干渉層が、それぞれ、
前記第1の偏光状態に沿ってn1x及びn2x、
前記第2の偏光状態に沿ってn1y及びn2y、
前記第1の偏光状態及び前記第2の偏光状態に直交するz軸に沿ってn1z及びn2zの平面屈折率を有し、前記所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、
n1xが、n1y及びn1zのそれぞれよりも少なくとも0.14だけ大きく、
n1yとn1zとの間の差が、約0.07よりも大きく、
n2xとn2yとn2zとの間の最大差が約0.01未満であり、
n1xとn2xとの間の差が約0.14よりも大きい、
光学フィルム。
【請求項9】
光学フィルムであって、第1のスキン層と第2のスキン層との間に配設され、かつそれらと一体的に形成されている、50超に達する複数の交互のポリマーの第1のポリマー層及び第2のポリマー層を備えており、
前記第1のスキン層並びに前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層が、それぞれ、ポリエステルを含む第1の組成物及び第2の組成物を有し、
前記第2のスキン層が、少なくとも70重量%のポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、
実質的に垂直な入射光について、また、少なくとも約400nm~少なくとも約600nmにわたる所定の波長範囲内の各波長に対して、前記光学フィルムが、第1の偏光状態について少なくとも50%の光反射率を有し、
前記光学フィルムが、ASTM D790標準に従って測定したときに、約1500MPaを超える曲げ弾性率を有する、
光学フィルム。
【請求項10】
光学フィルムであって、第1のスキン層と第2のスキン層の間に配設され、かつそれらと一体的に形成されている、50超に達する複数の交互のポリマーの第1のポリマー層及び第2のポリマー層を備えており、
前記第1のスキン層並びに前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層が、それぞれ、ポリエステルを含む第1の組成物及び第2の組成物を有し、
前記第2のスキン層が、少なくとも70重量%のポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、
実質的に垂直な入射光について、また、少なくとも約400nm~少なくとも約600nmにわたる所定の波長範囲内の各波長に対して、前記光学フィルムが、第1の偏光状態について少なくとも50%の光反射率を有し、
前記第1のスキン層及び前記第2のスキン層が、組み合わせて、少なくとも70体積%のポリエステルを含む、
光学フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、多層光学フィルムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリマーフィルムは、多種多様な適用例に使用される。ポリマーフィルムの一つの特定の用途は、光を制御する光学フィルムである。光を制御する光学フィルムの例として、所与の偏光状態又は波長範囲内の光を反射するミラー及び反射偏光子が挙げられる。このような反射フィルムは、例えば、液晶ディスプレイにおいて、輝度を高めるためにバックライトと共に使用される。ユーザとバックライトとの間に反射偏光フィルムを配置して、画像となる偏光状態を再循環させ、それによって輝度を向上させることができる。ミラーフィルムをバックライトの背後に配置して、光をユーザに向けて反射し、それによって輝度を高めることができる。偏光フィルムの別の用途は、サングラスなどの物品において、光度及びグレアを低減することである。
【0003】
偏光子又はミラーフィルムの作製に有用なポリマーの一つのタイプは、ポリエステルである。ポリエステル系偏光子の一例として、組成物の異なるポリエステル層の積層体が挙げられる。この積層体の一つの構成は、複屈折層の第1のセットと、等方性屈折率を有する層の第2のセットとを含む。層の第2のセットは、複屈折層と交互になっており、光を反射する一連の境界面を形成する。
【発明の概要】
【0004】
本明細書には、反射偏光子又はミラーフィルムとして利用可能であり、かつ、光学積層体への組み込みが可能である多層光学フィルム(MOF)を開示する。いくつかの実施形態では、この光学フィルム(100)は、第1のスキン層(30)と第2のスキン層(40)との間に配設され、かつそれらと一体的に形成されている、50超に達する複数の交互のポリマーの第1の干渉層(10)及び第2の干渉層(20)を備えており、第1の干渉層及び第2の干渉層のそれぞれは、約250nm未満の平均厚さを有する。第1のスキン層及び第1の干渉層は、それぞれ、ポリエステルを含む第1の組成物及び第2の組成物を有する。第2のスキン層は、少なくとも70重量%のポリエチレンテレフタレート(PET)を含み、約50マイクロメートルを超える平均厚さを有する。実質的に垂直な入射光(50)について、また、少なくとも約430nm~少なくとも約600nmにわたる所定の波長範囲(60)内の各波長に対して、この光学フィルムは、第1の偏光状態(Px)について少なくとも40%の光反射率を有する。隣接する第1の干渉層及び第2の干渉層は、それぞれ、第1の偏光状態に沿ってn1x及びn2x、直交する第2の偏光状態(Py)に沿ってn1y及びn2y、第1の偏光状態及び第2の偏光状態に直交するz軸に沿ってn1z及びn2zの平面屈折率を有する。所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長(61)に対して、n1xは、n1y及びn1zのそれぞれよりも少なくとも0.14だけ大きく、n1yとn1zとの間の差は約0.07よりも大きく、n2xとn2yとn2zとの間の最大差は約0.01未満であり、n1xとn2xとの間の差は0.14よりも大きい。
【0005】
また、光学積層体も開示する。いくつかの実施形態では、光学積層体(200)は、複数の構造体(111)を含む構造化フィルム(110)を備え、各構造体は、頂部(114)で当接する対向した小平面(112、113)を含み、上記の多層光学フィルムが構造体の頂部に配設され、第1の接着剤層(120)が光学フィルムを構造体の頂部に接合し、この光学積層体は、ASTM D790標準に従って測定したときに、約1500MPaを超える曲げ弾性率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、本開示の様々な実施形態についての下記の詳細な説明を添付の図面と併せて考察することにより、より完全に理解し得る。
本開示の多層光学フィルムの断面図である。
本開示の光学積層体物品の断面図である。
【0007】
本開示は様々な修正形態及び代替形態に適用可能であるが、図面にはその特質を例として示し、また、詳細に説明する。ただし、理解されるように、本開示を記載する特定の実施形態に限定することは意図しない。逆に、添付の特許請求の範囲に定める本開示の趣旨及び範囲から逸脱しない全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含することを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ポリマーフィルムは、多種多様な適用例に使用される。ポリマーフィルムの一つの特定の用途は、所与の偏光状態又は波長範囲内の光を反射するミラー及び反射偏光子である。このような反射フィルムは、例えば、液晶ディスプレイにおいて、輝度を高めるためにバックライトと共に使用される。ユーザとバックライトとの間に反射偏光フィルムを配置して、画像となる偏光状態を再循環させ、それによって輝度を向上させることができる。ミラーフィルムをバックライトの背後に配置して、光をユーザに向けて反射し、それによって輝度を高めることができる。偏光フィルムの別の用途は、サングラスなどの物品において、光度及びグレアを低減することである。
【0009】
偏光子又はミラーフィルムの作製に有用なポリマーの一つのタイプは、ポリエステルである。ポリエステル系偏光子の一例として、組成物の異なるポリエステル層の積層体が挙げられる。この積層体の一つの構成は、複屈折層の第1のセットと、等方性屈折率を有する層の第2のセットとを含む。層の第2のセットは、複屈折層と交互になっており、光を反射する一連の境界面を形成する。
【0010】
特に、多層反射偏光子フィルムの個々の層は、非常に薄く(典型的には55~130ナノメートル)、事例によっては層の数が比較的少ないため、多層反射偏光子フィルムは、フィルムの剛性及び取り扱い易さを高めるために役立つように、比較的厚い剛性の外層を含むことが望ましい場合が多い。典型的には、比較的厚い剛性の外層は、多層反射偏光子フィルムにラミネートされる。多層反射偏光子フィルムへの外層のラミネーションには、いくつかの欠点がある。ラミネーションは、フィルム物品の形成では余分な工程なので、フィルム物品の調製に、費用及び製造時間が追加される可能性がある。また、ラミネーションによってフィルム物品に欠陥が加わる可能性がある。多くの場合、多層反射偏光子フィルムに外層を接着するには接着剤が必要であり、これもまた調製される物品に費用を追加し、接着剤層の存在は、形成された物品の光学特性に悪影響を及ぼす可能性がある。加えて、外層は、ポリカーボネート又はポリエステルなどの、フィルム物品に経費を追加する傾向のあるポリマー材料から調製される場合が多い。上述したように、形成された物品に所望の剛性を与えるために外層は比較的厚いので、外層は、形成された物品の質量の相当の部分をなす。
(【0011】以降は省略されています)

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