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公開番号2025015419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024072651
出願日2024-04-26
発明の名称ニッケル-鉄二原子金属を含む電気化学的ハイブリッド触媒及びこれを用いた二酸化炭素変換システム
出願人エスケー イノベーション カンパニー リミテッド,SK INNOVATION CO.,LTD.
代理人個人,個人
主分類B01J 27/24 20060101AFI20250123BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】Ag/Cなどの貴金属系触媒より優れた活性で、価格競争力を向上させた、二酸炭素還元に利用可能な遷移金属系電気化学的電極触媒、その製造方法、前記触媒を含む二酸化炭素の還元反応用電極、及び前記触媒を含む二酸化炭素還元システムを提供する。
【解決手段】窒素-ドープされた炭素ナノ構造体(N-C)を含む支持体と、支持体に単原子形態でそれぞれ担持されたNi及びFeを含んでおり、Niは周囲の4個の窒素原子に、Feは5個の窒素原子に連結され、Ni,Feの各サイトは窒素を介して互いに隣接しながら間接的に連結されてることで、活性点を形成している。この電極触媒は、二酸化炭素を一酸化炭素に還元際、低い過電圧条件で、高い一酸化炭素選択度及び電流密度を示す。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(i)窒素ドープされた炭素ナノ構造体((N-C)ナノ構造体)を含む支持体;及び
(ii)前記支持体に単原子形態でそれぞれ担持されたニッケル(Ni)及び鉄(Fe);
を含み、
ニッケル(Ni)は、周囲の4個の窒素原子のそれぞれに連結される一方、鉄(Fe)は、周囲の5個の窒素原子のそれぞれに連結され、Ni-N

サイト及びFe-N

サイトを形成し、及び
Ni-N

サイトのNiとFe-N

サイトのFeは、窒素を介して互いに隣接しながら間接的に連結されている電気化学的触媒。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
ニッケル(Ni)の含有量は、0.1~10重量%の範囲内であり、鉄(Fe)の含有量は、0.1~10重量%の範囲内である、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記触媒内のニッケル(Ni)と鉄(Fe)の原子比は、1:0.4~1.6であることを特徴とする、請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
前記触媒は、100~300m

/gの比表面積(BET)及び0.1~0.5cm

/gの細孔容積を示すことを特徴とする、請求項1に記載の触媒。
【請求項5】
前記窒素ドープされた炭素ナノ構造体中の窒素含有量は、1~12原子%の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の触媒。
【請求項6】
a)炭素に窒素含有単量体を付着させ、鉄系酸化剤を使用してイン-サイチュ(in-situ)で重合を行うことによって、鉄(Fe)含有重合体/炭素複合体を形成する段階;
b)前記鉄(Fe)含有重合体/炭素複合体にニッケル前駆体を付着させ、NiFe-重合体/炭素複合体を形成する段階;
c)前記NiFe-重合体/炭素複合体を熱分解させ、窒素ドープされた炭素ナノ構造体((N-C)ナノ構造体)を含む支持体に単原子形態でニッケル(Ni)及び鉄(Fe)をそれぞれ担持させる段階;
を含み、
ニッケル(Ni)は、周囲の4個の窒素原子のそれぞれに連結される一方、鉄(Fe)は、周囲の5個の窒素原子のそれぞれに連結され、Ni-N

サイト及びFe-N

サイトを形成し、及び
Ni-N

サイトのNiとFe-N

サイトのFeは、窒素を介して互いに隣接しながら間接的に連結されている、電気化学的触媒の製造方法。
【請求項7】
前記炭素は、カーボンブラック、グラフェン、炭素ナノチューブ(CNT)及びフラーレンからなる群から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする、請求項6に記載の電気化学的触媒の製造方法。
【請求項8】
前記炭素は、ナノスケールの寸法を有し、その平均粒度は10~200nmであることを特徴とする、請求項6に記載の電気化学的触媒の製造方法。
【請求項9】
前記炭素は、少なくとも1.5Scm
-1
の伝導度を示すことを特徴とする、請求項6に記載の電気化学的触媒の製造方法。
【請求項10】
前記窒素含有単量体は、尿素、メラミン、アンモニア、アデニン、ピロール、アクリロニトリル、フェナントロリン、ピラゾール、ビニルピリジン、ピリミジン、ピペラジン、ピラン、カルバミド、モルホリン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、キノキサリン、アニリン、ベンゾイミダゾール、エチレンジアミン、及びシアナミドからなる群から選ばれる少なくとも一つを有することを特徴とする、請求項6に記載の電気化学的触媒の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示内容は、ニッケル(Ni)-鉄(Fe)二原子金属(diatomic metals)を含む電気化学的ハイブリッド触媒及びこれを用いた二酸化炭素変換システムに関する。より具体的には、本開示内容は、窒素(N)ドープされた炭素ナノ構造体((N-C)ナノ構造体)の複合体に、窒素とそれぞれ結合した(又は、配位結合した)2種の単原子金属であるニッケル及び鉄が、互いに隣接しながら窒素(N)を介して間接的に連結されている形態の触媒サイト(site)又は活性点を形成することにより、二酸化炭素を一酸化炭素に変換させる還元反応時に低い過電圧(overpotential)条件下で高い一酸化炭素選択度及び電流密度を示す電気化学的ハイブリッド触媒、及びこれを用いた二酸化炭素変換システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
産業革命以来、化石燃料を大量に消費し、全世界的に人口が増加することに伴い、二酸化炭素(CO

)の発生量も指数関数的に増えている。二酸化炭素は、人間の産業及び経済活動によって大気中に排出され、既存の炭素循環サイクルに追加して二酸化炭素を大気中に供給することによって温室効果を増加させるが、これは、地表や下層大気の気温を上昇させて地球温暖化及び気候変化を誘発し、生態系を脅かす致命的な要因として台頭している。
【0003】
そこで、世界各国で温室ガス削減計画が発表されており、産業界全般にわたって二酸化炭素排出縮小と関連した負担が増加している。主に二酸化炭素の捕集及び貯蔵を中心に既存の研究がなされてきたが、最近では、2015年パリ気候変化協定で具体化された2030年温室ガス排出展望(BAU)に比べて37%減縮目標に現実的に寄与するための方案として、発生した二酸化炭素を資源化する技術、すなわち、二酸化炭素を高付加価値の燃料又はプラットホーム化合物などの有用な物質に変換させる技術が集中的に研究されている。
【0004】
二酸化炭素変換技術として、電気化学的変換、光化学的変換、触媒を用いた化学変換、生物学的変換などのような方式が提案されており、特に、電気化学的変換技術は、(i)常温/常圧条件下で駆動が可能であり、(ii)システムが簡単で、モジュール化が可能であり、(iii)新再生エネルギー活用時に二酸化炭素純低減比率を高めることができて、及び(iv)高付加化学物質に変換することによって新再生エネルギー貯蔵技術としても活用可能である。特に、熱力学的に安定している二酸化炭素を水と反応させる二酸化炭素還元反応(CO

RR)は、様々な有機化合物を生成できるので、汚染物質の排出を最小化し、且つ環境に優しい。このように、二酸化炭素還元反応によって生成された高付加化学物質及び燃料は、商業的規模の炭素サイクル及びエネルギー危機及び環境汚染に対する解決方案として有力である。
【0005】
それにも拘わらず、既存に研究された電気化学的二酸化炭素還元プロセスは、低い反応速度、様々な生成物の分布(選択度低下)、水素生成反応(HER)のような競争反応の発生などによる限界が指摘されている。このような技術的障壁を克服するためには、より高い触媒活性及び効率的な二酸化炭素還元反応用電気化学触媒が要求される。既存の研究によれば、様々な電気化学的二酸化炭素変換触媒が提示されているが、一例として、高い活性及び選択度を提供するメタルフリー(metal-free)触媒、金属系触媒、金属有機骨格(MOF)系触媒などが知られている。特に、金属系触媒のうち、金(Au)、銀(Ag)などの貴金属触媒を使用する場合に、電流密度及び一酸化炭素(CO)に対するファラデー効率(FE)の面において優れた結果を導出することが報告されている。
【0006】
しかしながら、貴金属触媒は、高価の貴金属を使用するため、商業的利用の観点から不利であり、最近では、金属が単原子サイズで分散された(又は、担持された)触媒、すなわち単原子触媒(single atom catalysts;SACs)に対する関心が高まっている。単原子触媒は、ナノサイズ以下の原子レベルに金属活性点のサイズを減少させることによって二酸化炭素変換活性を極大化させることができ、高価の貴金属を安価な遷移金属に代えるための方案を提供することができる。特に、極度に単純化され且つ理想的な構造を有するので、計算科学などによって得た理論的結果を摸写して関連研究を行うのに適合するという長所がある(J.Phys.Chem.C,2013,117,9187-9195;Angew.Chem.Int.Ed.,2015,54,10758-10762など)。ただし、単原子サイズの金属触媒は、原子が凝集して粒子を形成する傾向を有するため、安定した単原子触媒を商業的に合成し難く、合成に高費用の複雑なプロセスが伴われるため、様々な分野で活用するのに障害要因とされている。特に、単原子活性点が構造的に単純であるため、多段階の陽子-電子移動を伴う二酸化炭素還元プロセスの触媒効率の増加が制限される。
【0007】
そこで、単原子形態の遷移金属活性点を提供する炭素系金属-窒素触媒((M-N)触媒)が開発されており、当該触媒は、低コスト、調節可能な構造、高い活性、及び安定性などを示し、さらには、良好な配位環境によって、活性点の形成、触媒メカニズムなどを促進することができる。
【0008】
現在、ニッケル(Ni)単原子触媒が、二酸化炭素変換反応において高い活性及び一酸化炭素に対する選択度を示すことから、貴金属系触媒に効果的に取って代わるものとして知られているが、高いファラデー効率を達成するためには依然として多量のエネルギー(高い過電圧)が必要である。
【0009】
したがって、既存の単原子触媒の二酸化炭素変換性能を向上させるように単原子触媒の電子構造を調節する技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本開示内容の一実施形態では、既存に商用化された貴金属系触媒(例えば、Ag/C)に比べて優れた二酸化炭素変換活性を提供すると同時に価格競争力を向上させることができる遷移金属単原子触媒及びこれを含む電気化学的電極を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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