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公開番号2025012919
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023116113
出願日2023-07-14
発明の名称柱梁接合部の耐火構造
出願人清水建設株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類E04B 1/94 20060101AFI20250117BHJP(建築物)
要約【課題】柱・梁単体と同等の耐火性能を確保することができる柱梁接合部の耐火構造を提供する。
【解決手段】荷重を支持する木質の芯材20と、芯材20の外側に設けられた第一の耐火被覆材22とを含んで構成される耐火木質柱12と、鉄骨部材28と、鉄骨部材28の外側に設けられた乾式の第二の耐火被覆材30とを含んで構成される耐火鉄骨梁14とを、鉄骨部材28の側端部に固定されるガセットプレート40と、耐火木質柱12の側面の第一の耐火被覆材22に取り付けられるベースプレート42とからなるT字状断面の接合金物16を介して接合してなる柱梁接合部の耐火構造10であって、ベースプレート42およびガセットプレート40の表面に設けられた乾式の第三の耐火被覆材18を備え、第三の耐火被覆材18の耐火性能は、第二の耐火被覆材30の耐火性能よりも高くなるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
荷重を支持する木質の芯材と、前記芯材の外側に設けられた第一の耐火被覆材とを含んで構成される耐火木質柱と、鉄骨部材と、前記鉄骨部材の外側に設けられた乾式の第二の耐火被覆材とを含んで構成される耐火鉄骨梁とを、前記鉄骨部材の側端部に固定されるガセットプレートと、前記耐火木質柱の側面の前記第一の耐火被覆材に取り付けられるベースプレートとからなるT字状断面の接合金物を介して接合してなる柱梁接合部の耐火構造であって、
前記ベースプレートおよび前記ガセットプレートの表面に設けられた乾式の第三の耐火被覆材を備え、
前記第三の耐火被覆材の耐火性能は、前記第二の耐火被覆材の耐火性能よりも高いことを特徴とする柱梁接合部の耐火構造。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記第三の耐火被覆材の厚さは、前記第二の耐火被覆材の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の柱梁接合部の耐火構造。
【請求項3】
前記第二の耐火被覆材および前記第三の耐火被覆材は、巻き付け式のロックウールであることを特徴とする請求項1または2に記載の柱梁接合部の耐火構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、柱梁接合部の耐火構造に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、本特許出願人は、荷重を支持する木材を強化せっこうボードと耐火シートで耐火被覆して、1時間または2時間の耐火性能を確保する耐火木質部材(スリム耐火ウッド(登録商標))を開発している(例えば、特許文献1を参照)。耐火木質部材は、火災加熱中および加熱終了後まで、荷重支持部である木材が炭化しないことが求められており、木の炭化温度である約200~260℃以下となるように、要求耐火時間に応じた耐火被覆材で被覆することで耐火性能を確保している。
【0003】
一方、鉄骨部材は、鋼材温度が約550℃程度で崩壊するとされており、吹付けロックウール・巻付けロックウール・けい酸カルシウム板・耐火塗料などの耐火被覆材で被覆することで鋼材温度の上昇を抑制し、耐火性能を確保している。
【0004】
また、従来の柱梁接合部の耐火構造として、例えば、特許文献2~4に記載のものが知られている。特許文献2は、耐火木質柱と鉄骨梁の接合部において、耐火木質柱の芯材が燃焼しないように鉄骨梁を被覆したものである。特許文献3は、木質柱と鉄骨梁の接合部において、高密度の木材または難燃処理済の木材を燃え代として被覆したものである。特許文献4は、耐火木質柱と鉄骨梁の接合部において、柱近傍の鉄骨梁のウェブ部分にコンクリートを充填して熱容量を増加させ、鉄骨梁の一般部を耐火被覆材で被覆したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6414670号公報
特許第5990425号公報
特許第6936561号公報
特開2023-9421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、耐火木質柱側にベースプレートやガセットプレートなどの接合金物を直接取り付け、接合金物を介して鉄骨梁が接合される構造においては、耐火木質柱の耐火性能を確保できない可能性がある。
【0007】
上述したように、木材と鉄骨部材の火災加熱における許容温度が異なるため、鉄骨部材が崩壊温度である550℃以下であったとしても、耐火被覆された鉄骨梁や接合金物から、耐火木質柱の木芯材に伝熱することで、木芯材の温度が200~260℃まで達して炭化し、耐力を保持できなくなるおそれがあるからである。このため、耐火木質柱の耐火性能を損なわないように、接合部まわりの耐火性能を高めた構造が求められていた。また、施工の手間やコストを削減するため、施工性に優れた乾式による柱梁接合部の耐火構造が求められていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、柱・梁単体と同等の耐火性能を確保することができる柱梁接合部の耐火構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る柱梁接合部の耐火構造は、荷重を支持する木質の芯材と、前記芯材の外側に設けられた第一の耐火被覆材とを含んで構成される耐火木質柱と、鉄骨部材と、前記鉄骨部材の外側に設けられた乾式の第二の耐火被覆材とを含んで構成される耐火鉄骨梁とを、前記鉄骨部材の側端部に固定されるガセットプレートと、前記耐火木質柱の側面の前記第一の耐火被覆材に取り付けられるベースプレートとからなるT字状断面の接合金物を介して接合してなる柱梁接合部の耐火構造であって、前記ベースプレートおよび前記ガセットプレートの表面に設けられた乾式の第三の耐火被覆材を備え、前記第三の耐火被覆材の耐火性能は、前記第二の耐火被覆材の耐火性能よりも高いことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の柱梁接合部の耐火構造は、上述した発明において、前記第三の耐火被覆材の厚さは、前記第二の耐火被覆材の厚さよりも大きいことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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