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公開番号
2024176765
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023095552
出願日
2023-06-09
発明の名称
プールの設計方法
出願人
清水建設株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
E04H
4/02 20060101AFI20241212BHJP(建築物)
要約
【課題】プールの設計変更のサイクルにかかる時間を短縮できるプールの設計方法を提供する。
【解決手段】プール形状設計工程S-1と、スロッシング固有周期を算定し速度応答スペクトルからスロッシング固有周期におけるプールに入力される速度応答スペクトルの数値を判定する速度応答スペクトル判定工程S-2と、速度応答スペクトル判定工程S-2で判定された速度応答スペクトルの数値から設計変更の要否を判断する第1設計変更判断工程S-3(設計変更判断工程)と、を有し、第1設計変更判断工程S-3では、速度応答スペクトルの数値が所定の第1設定値未満の場合は、設計変更が不要と判断し、速度応答スペクトルの数値が第1設定値以上かつ第1設定値よりも大きい第2設定値未満の場合は、プールの数値流体解析を行うように判断し、速度応答スペクトルの数値が第2設定値以上の場合は、設計変更が必要でありプール形状設計工程S-1に戻ると判断する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
プールの形状を設計するプール形状設計工程と、
前記プール形状設計工程で設計された前記プールの形状からスロッシング固有周期を算定し、前記プールが設置される建物の設置階の速度応答スペクトルから前記スロッシング固有周期における前記プールに入力される速度応答スペクトルの数値を判定する速度応答スペクトル判定工程と、
前記速度応答スペクトル判定工程で判定された前記速度応答スペクトルの数値から、設計変更の要否を判断する設計変更判断工程と、を有し、
前記設計変更判断工程では、
前記速度応答スペクトルの数値が所定の第1設定値未満の場合は、設計変更が不要と判断し、
前記速度応答スペクトルの数値が前記第1設定値以上かつ前記第1設定値よりも大きい第2設定値未満の場合は、前記プールの数値流体解析を行うように判断し、
前記速度応答スペクトルの数値が第2設定値以上の場合は、設計変更が必要であり前記プール形状設計工程に戻ると判断するプールの設計方法。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記第1設定値は、100カインであり、前記第2設定値は、200カインである請求項1に記載のプールの設計方法。
【請求項3】
プールの形状を設計するプール形状設計工程と、
前記プール形状設計工程で設計された前記プールの形状からスロッシング固有周期を算定し、前記プールが設置される建物の設置階の速度応答スペクトルから前記スロッシング固有周期における前記プールに入力される速度応答スペクトルの数値を判定する速度応答スペクトル判定工程と、
前記速度応答スペクトル判定工程で判定された前記速度応答スペクトルの数値から、設計変更の要否を判断する設計変更判断工程と、を有し、
前記設計変更判断工程では、
前記速度応答スペクトルの数値が所定値未満の場合は、設計変更が不要と判断し、
前記速度応答スペクトルの数値が前記所定値以上の場合は、設計変更が必要であり前記プール形状設計工程に戻ると判断するプールの設計方法。
【請求項4】
前記所定値は、100カインである請求項3に記載のプールの設計方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プールの設計方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
超高層ビルの上層階では、一般に地震時に長周期の揺れが卓越する傾向にあることが知られている。一方で近年、こうした超高層ビルの上層階に遊泳用のプールを設置するケースが増えてきており、揺れによるプールの水の揺動(以下、スロッシングという)が懸念される。このような懸念に対して、波のエネルギーを吸収する消波装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
プールを設計する際に、スロッシングを事前に予測評価する手法として、簡易算定式によって算出されたプールのスロッシング固有周期の評価や、数値流体解析によるシミュレーション等があげられる。プールのスロッシング固有周期の評価では、プールの幅寸法lと水深hによってプールのスロッシング固有周期T
s
を評価できる下記の式(1)が用いられている。
【0004】
TIFF
2024176765000002.tif
17
170
【0005】
ここで、
T
s
:プールのスロッシング固有周期
l :プールの幅寸法
h :プールの水深
g :重力加速度
【0006】
数値流体解析によるシミュレーションでは、VOF法や粒子法といった、水面の挙動を再現できる数値解析手法によるシミュレーションが行われることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平1-312112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プールのスロッシング固有周期の評価では、外力となる地震の揺れの卓越周期とプールのスロッシング固有周期が近いかどうかは判断できるものの、スロッシングによって生じる波の高さや流速、溢れる水の量などを定量的に評価することはできない。一方、数値流体解析によるシミュレーションでは、波の高さや流速、溢れる水の量などを定量的かつ詳細に評価することが可能であるため、それらの計算結果に基づいて具体的なプールの設計変更を行うことができる。
しかしながら、一般に数値流体解析によるシミュレーションは、プール形状の再現など入力条件の設定から計算の実行まで長時間を要することが多く、プールの設計変更のサイクルに時間がかかるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、プールの設計変更のサイクルにかかる時間を短縮できるプールの設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係るプールの設計方法は、プールの形状を設計するプール形状設計工程と、前記プール形状設計工程で設計された前記プールの形状からスロッシング固有周期を算定し、前記プールが設置される建物の設置階の速度応答スペクトルから前記スロッシング固有周期における前記プールに入力される速度応答スペクトルの数値を判定する速度応答スペクトル判定工程と、前記速度応答スペクトル判定工程で判定された前記速度応答スペクトルの数値から、設計変更の要否を判断する設計変更判断工程と、を有し、前記設計変更判断工程では、前記速度応答スペクトルの数値が所定の第1設定値未満の場合は、設計変更が不要と判断し、前記速度応答スペクトルの数値が前記第1設定値以上かつ前記第1設定値よりも大きい第2設定値未満の場合は、前記プールの数値流体解析を行うように判断し、前記速度応答スペクトルの数値が第2設定値以上の場合は、設計変更が必要であり前記プール形状設計工程に戻ると判断する。
(【0011】以降は省略されています)
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