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公開番号2025012719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023115775
出願日2023-07-14
発明の名称穀物の特性を評価する方法及びキット
出願人独立行政法人酒類総合研究所
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類G01N 33/10 20060101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】現場でも簡便に実施できる穀物の酒造適性の評価方法を提供する。
【解決手段】本発明は、穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造の評価方法であって、評価穀物、並びに以下のA及びBをそれぞれ接触させる接触工程、A:デンプン糊化作用を有する化合物及び溶媒、B:前記溶媒、前記接触工程により前記評価穀物を膨潤させる膨潤工程、前記膨潤工程後に、前記評価穀物の膨潤率を、Aと接触させた前記評価穀物の体積をBと接触させた前記評価穀物の体積で除することにより算出する膨潤率算出工程、並びに前記化合物の溶液濃度及び前記膨潤率に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程を含む方法に関する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造の評価方法であって、
評価穀物、並びに以下のA及びBをそれぞれ接触させる接触工程、
A:デンプン糊化作用を有する化合物及び溶媒
B:前記溶媒
前記接触工程により前記評価穀物を膨潤させる膨潤工程、
前記膨潤工程後に、前記評価穀物の膨潤率を、Aと接触させた前記評価穀物の体積をBと接触させた前記評価穀物の体積で除することにより算出する膨潤率算出工程、並びに
前記化合物の溶液濃度及び前記膨潤率に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程
を含む方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記評価工程は、所定の前記溶液濃度における前記膨潤率に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記評価工程は、所定の前記膨潤率に至るまでの前記溶液濃度に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記評価工程は、前記膨潤率が上昇を開始する前記溶液濃度に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記デンプン糊化作用を有する化合物は、尿素、塩酸グアニジン及びジメチルスルホキシドからなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒は、水である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記デンプン糊化作用を有する化合物は尿素であり、且つ前記溶媒は水であり、
前記評価工程は、前記膨潤率が上昇を開始する前記溶液濃度に基づいてアミロペクチン側鎖構造を評価する評価工程であり、
前記評価工程において、
前記膨潤率上昇開始濃度が2.5M未満である場合に前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価し、
前記膨潤率上昇開始濃度が2.5M以上3.1M未満である場合に前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が普通であると評価し、
前記膨潤率上昇開始濃度が3.1M以上である場合に前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が長いと評価する、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記評価穀物は2以上であり、
前記評価工程は、所定の前記溶液濃度におけるそれぞれの膨潤率を比較する工程であり、
前記評価工程において、前記膨潤率が大きいほど、前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価する、
請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記評価穀物は2以上であり、
前記評価工程は、所定の前記膨潤率に至るまでのそれぞれの溶液濃度を比較する工程であり、
前記評価工程において、前記溶液濃度が低いほど、前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価する、
請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記評価工程は、前記膨潤率が上昇を開始するそれぞれの溶液濃度を比較する工程であり、
前記評価工程において、前記溶液濃度が低いほど、前記評価穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖が短いと評価する、
請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物の特性を評価する方法及びキット、より具体的には、穀物中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造の評価方法、及びデンプンの老化性、米の糊化温度、蒸米の酵素消化性、蒸米の老化性、及び米の酒造時の蒸米溶解性を評価する方法、並びに当該方法を実施するためのキットに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
清酒は、原料米の溶解・糖化(酵素消化)とアルコール発酵とがもろみの中で同時に起こる並行複発酵形式により製造される。原料米の糖化の程度は原料米の利用率や清酒の香味に影響を及ぼすため、清酒の製造工程では原料米の溶解性(蒸米の酵素消化性)が重要である。そのため、清酒の製造現場や酒米品種の育種では、原料米の酒造適性評価において、蒸米の酵素消化性が重要視されている。蒸米の酵素消化性を左右する要因として、原料米中のデンプンの糊化及び老化に関する性質が重要であることが明らかになっている(非特許文献1)。
【0003】
これまでに、原料米の溶解性評価方法として、例えば気象条件による推定方法(非特許文献2及び3)、及び熱分析による方法(非特許文献4)が報告されている。これらの方法は、簡便で精度が高いという利点を有する。
【0004】
また、米粒をアルカリ液に浸漬した際の崩壊性によって米の溶解性を推定できることが報告されている(非特許文献5)。この方法を基に溶解性推定の定量化を目指して検討がされている。様々な濃度のアルカリ又は尿素溶液中で米粒を崩壊反応させ、米粒の崩壊の程度とヨウ素による呈色を観察した結果、米粒が崩壊する又はヨウ素液が濃青色に変化する濃度と示差走査熱量計(DSC:Differential Scanning Calorimeter)又はラピッド・ビスコ・アナライザー(RVA:Rapid Visco Analyser)で測定される糊化温度及び蒸米の酵素消化性との間には強い相関関係がみられている。これから、米粒が崩壊するアルカリ及び尿素溶液の濃度を判定することで、原料米の溶解性について低コストで簡単に定量評価できることが報告されている(特許文献1及び非特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2014-534052号公報
【非特許文献】
【0006】
Okuda,M.、Aramaki,I.、Koseki,T.、Inouchi,N.及びHashizume,K.、「Structural and retrogradation properties of rice endosperm starch affect enyme digestibility of steamed milled-rice grains used in sake production」、Cereal Chem、2006年、83巻、143頁~151頁
奥田将生、橋爪克己、沼田美子代、上用みどり、後藤奈美、三上重明著、「気象データと原料米酒造適性との関係」、日本醸造協会誌、2009年、104巻、699頁~711頁
奥田将生、橋爪克己、上用みどり、沼田美子代、後藤奈美、三上重明著、「イネ登熟期気温と酒造用原料米のデンプン特性の年次・産地間変動」、日本醸造協会誌、2010年、105巻、97頁~105頁
Okuda,M.、Hashizume,K.、Aramaki,I.、Numata,M.、Joyo,M.、Goto-Yamamoto,N.及びMikami,S.、「Influence of starch characteristics on digestibility of steamed rice grains under sake making conditions, and rapid estimation methods of digestibility by physical analysis」、J.Appl.Glycosci.、2009年、56巻、185頁~192頁
奥田将生、上用みどり、高橋圭、後藤奈美、高垣幸男、池上勝、鍋倉義仁著、「イネ登熟期が記録的な猛暑となった平成22年産米のデンプン特性及び蒸米酵素消化性」、日本醸造協会誌、2013年、108巻、368頁~376頁
奥田将生、上用みどり、福田央著、「酒造用原料米のアルカリ及び尿素崩壊性による蒸米酵素消化性の推定法」、日本醸造協会誌、2018年、113巻、315頁~330頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献2及び3のような気象条件による推定では産地の正確な気象条件の入手が困難な場合があり、非特許文献4のような熱分析では装置が高価であるといった課題がある。
【0008】
さらに、非特許文献5に基づく特許文献1及び非特許文献6に記載のアルカリや尿素溶液を用いた方法では、評価対象の精米歩合や米の含水率(水分含有量又は水分ともいう)がアルカリ及び尿素による米の崩壊の程度に影響を及ぼす。また、崩壊性の観察には、例えばヨウ素などのさらなる試薬が必要である。したがって、このような方法においても、大きな労力を伴う精米歩合や米の水分の統一及びさらなる試薬の準備など、簡便さという観点から大きな課題がある。
【0009】
そこで、本発明では、現場でも簡便に実施できる穀物のデンプン特性や酒造適性の評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、米と尿素とを接触させることにより、米が膨潤し、当該膨潤性が、米の糊化温度、蒸米の酵素消化性、並びに糊化老化特性、例えば米中のデンプンの老化性及び蒸米の老化性、すなわち、米の酒造時の蒸米溶解性、さらには米中のデンプンに含まれるアミロペクチン側鎖構造との間に一定の関係を有することを見いだし、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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