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公開番号2025010368
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024192636,2024519245
出願日2024-11-01,2024-03-26
発明の名称カーボンナノチューブ分散ペースト、合材ペースト、及び、リチウムイオン二次電池用電極層の製造方法
出願人関西ペイント株式会社
代理人弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類C09D 17/00 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】高顔料濃度においても顔料分散性と貯蔵安定性に優れるカーボンナノチューブ分散ペースト及び合材ペーストの製造方法であって、さらに、諸性能(導電性及び電池性能等)に優れるリチウムイオン二次電池用電極層を提供すること。
【解決手段】複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、水分量が10000ppm未満の溶媒(C)と、必要に応じて含むことができるポリフッ化ビニリデン(D)と、を含有する成分を混合及び分散する工程を含む、カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、該カーボンナノチューブ分散ペーストの水分量が10000ppm未満であることを特徴とする製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、水分量が10000ppm未満の溶媒(C)と、必要に応じて含むことができるポリフッ化ビニリデン(D)と、を含有する成分を混合及び分散する工程を含む、カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、該カーボンナノチューブ分散ペーストの水分量が10000ppm未満であることを特徴とするカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
露点10℃以下の雰囲気下で混合及び/又は分散を行なうことを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項3】
前記複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)が、アミド基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の極性官能基を有し、かつ極性官能基濃度が0.1mmol/g~8.5mmol/gであることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項4】
前記溶媒(C)が、N-メチル-2-ピロリドンの再生品を含み、N-メチル-2-ピロリドン中の水分量を10000ppm未満に管理することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項5】
カーボンナノチューブ分散ペーストが、前記ポリフッ化ビニリデン(D)を含有することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項6】
前記ポリフッ化ビニリデン(D)を混合する工程が、予め40℃以上の液温の溶媒と混合及び溶解する工程を含むか、若しくはポリフッ化ビニリデン(D)と溶媒とを混合してから40℃以上の温度に加温する工程を含むことを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項7】
カーボンナノチューブ分散ペーストが、さらに高極性低分子量成分(E)を含有することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項8】
カーボンナノチューブ分散ペーストが、さらに脱水剤(F)を含有することを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブ(B)が、予めメジア型粉砕機で乾式分散してなることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
【請求項10】
前記混合及び分散する工程が、
工程1:分散後に得られるカーボンナノチューブ分散ペーストに含まれるカーボンナノチューブ(B)の総量100質量%を基準として、70質量%以下の量となるカーボンナノチューブ(B)を含む成分を分散機内に添加し、分散処理を行う工程、及び
工程2:所望の濃度になるまでカーボンナノチューブ(B)を分散機内に添加して分散処理を行う工程、
を順次行う工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高顔料濃度においても、導電性、顔料分散性、及び貯蔵安定性に優れるカーボンナノチューブ分散ペースト(本発明では導電性顔料ペーストともいう)、合材ペースト、及び、リチウムイオン二次電池用電極層を製造する方法、並びに優れた電池性能を有する電池用電極層を製造する方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、顔料を顔料分散樹脂及び溶媒等の混合物中に分散させたペースト状の顔料分散体が、塗料、電池用電極、塗工材、コーティング材、電磁波シールド、ディスプレイパネル、タッチスクリーンパネル、着色フィルム、着色シート、化粧材、保護材、磁石改質材、印刷用インキ、デバイス部材、電子機器部材、プリント配線板、太陽電池、機能性ゴム部材、樹脂成形膜等の分野で広く用いられている。さらに、これらの材料に静電塗装性、導電性、電磁波シールド性、帯電防止性等の機能を付与するために導電性顔料や導電性高分子等を含有させている。
【0003】
これらの分野では、顔料の分散性、貯蔵安定性、導電性、塗工性、仕上がり性等の性能向上がますます要求されており、そのため、優れた顔料分散能力と、形成された顔料分散体中の顔料粒子を再凝集させないだけの優れた顔料分散安定性を有する顔料分散樹脂及び顔料ペーストの開発がなされつつある。
【0004】
顔料ペーストの設計にあたっては、顔料分散樹脂が塗工膜等の最終製品そのものの導電性能等に悪い影響を及ぼさないように、あるいは溶媒及び顔料分散樹脂の使用量を低減することや乾燥時の使用エネルギーを低減する観点から、少量の顔料分散樹脂で高濃度かつ均一に分散された顔料ペーストを作製することが重要となっている。
【0005】
例えば、特許文献1には、繊維状炭素を含んだ溶媒をメディア(以降、「メジア」と表記することもある)型分散機により分散化してスラリーを得、前記スラリーを電極活物質と混練することにより集電体に塗布するスラリーを得ることを特徴とする、リチウム二次電池の電極用スラリーの製造方法が開示されている。しかしながら、高顔料濃度及び/又は高粘度のペーストの場合は、均一な分散ができず、貯蔵安定性が悪いことがあった。特にスラリーに水分が多く含んでいると高粘度化やゲル化が起こることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-182892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、高顔料濃度及び/又は高粘度のペーストにおいても顔料分散性と貯蔵安定性に優れるカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法及び合材ペーストの製造方法を提供することであって、さらに、仕上がり性、及び導電性等に優れるリチウムイオン二次電池用電極層を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、水分量が10000ppm未満の溶媒(C)と、必要に応じて含むことができるポリフッ化ビニリデン(D)と、を含有する成分を混合及び分散する工程を含む、カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、該カーボンナノチューブ分散ペーストの水分量が10000ppm未満である製造方法によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下のカーボンナノチューブ分散ペースト、合材ペースト、及びリチウムイオン二次電池用電極層の製造方法を提供するものである。
項1.
複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、水分量が10000ppm未満の溶媒(C)と、必要に応じて含むことができるポリフッ化ビニリデン(D)と、を含有する成分を混合及び分散する工程を含む、カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、該カーボンナノチューブ分散ペーストの水分量が10000ppm未満であることを特徴とするカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項2.
露点10℃以下の雰囲気下で混合及び/又は分散を行なうことを特徴とする項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項3.
前記複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)が、アミド基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基及びシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも一種の極性官能基を有し、かつ極性官能基濃度が0.1mmol/g~8.5mmol/gであることを特徴とする項1又は2に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項4.
前記溶媒(C)が、N-メチル-2-ピロリドンの再生品を含み、N-メチル-2-ピロリドン中の水分量を10000ppm未満に管理することを特徴とする項1~3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項5.
カーボンナノチューブ分散ペーストが、前記ポリフッ化ビニリデン(D)を含有することを特徴とする項1~4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項6.
前記ポリフッ化ビニリデン(D)を混合する工程が、予め40℃以上の液温の溶媒と混合及び溶解する工程を含むか、若しくはポリフッ化ビニリデン(D)と溶媒とを混合してから40℃以上の温度に加温する工程を含むことを特徴とする項5に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項7.
カーボンナノチューブ分散ペーストが、さらに高極性低分子量成分(E)を含有することを特徴とする項1~6のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項8.
カーボンナノチューブ分散ペーストが、さらに脱水剤(F)を含有することを特徴とする項1~7のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項9.
前記カーボンナノチューブ(B)が、予めメジア型粉砕機で乾式分散してなることを特徴とする項1~8のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項10.
前記混合及び分散する工程が、
工程1:分散後に得られるカーボンナノチューブ分散ペーストに含まれるカーボンナノチューブ(B)の総量100質量%を基準として、70質量%以下の量となるカーボンナノチューブ(B)を含む成分を分散機内に添加し、分散処理を行う工程、及び
工程2:所望の濃度になるまでカーボンナノチューブ(B)を分散機内に添加して分散処理を行う工程、
を順次行う工程を含むことを特徴とする項1~9のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項11.
カーボンナノチューブ(B)の吸湿量をY(質量%)とし、BET比表面積をZ(m

/g)とした場合に、下記式:
X=Y×Z
で得られるXの値が、X≦500の範囲内であり、
吸湿量Yの測定条件が、140℃の温度で3時間乾燥させて得たカーボンナノチューブの質量をY1とし、さらに温度20℃、相対湿度65%の条件で24時間放置して得たカーボンナノチューブの質量をY2とした場合に、下記式:
吸湿量Y=(Y2-Y1)/Y1×100
で得られるYの値(質量%)を吸湿量Yとすることを特徴とする項1~10のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
項12.
項1~11のカーボンナノチューブ分散ペースト製造方法で得られるカーボンナノチューブ分散ペーストと電極活物質(G)を混合する工程を含む、リチウムイオン二次電池用合材ペーストの製造方法。
項13.
下記工程:
複素環及び/又は炭素数12以上のアルキル基を有する分散樹脂(A)と、カーボンナノチューブ(B)と、水分量が10000ppm未満の溶媒(C)と、必要に応じて含むことができるポリフッ化ビニリデン(D)と、を含有する成分を混合及び分散する工程を含む、カーボンナノチューブ分散ペーストを製造する工程であって、該カーボンナノチューブ分散ペーストの水分量が10000ppm未満である工程、並びに、
前記カーボンナノチューブ分散ペーストと電極活物質(G)を混合する工程を含む、リチウムイオン二次電池用合材ペーストを製造する工程であって、該合材ペーストの水分量が10000ppm未満であり、該電極活物質(G)が、その表面の少なくとも一部をカーボンナノチューブで覆った電極活物質複合体(G-1)である工程、
を含むリチウムイオン二次電池用合材ペーストの製造方法。
項14.
項12に記載の製造方法で得られる合材ペーストを集電体に塗工する工程を含むリチウムイオン二次電池用電極層の製造方法。
項15.
項14に記載の製造方法で得られた電極層の端部又は上層に電極絶縁部を塗工する工程を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
項16.
項14に記載の製造方法で得られた電極層を有する正極、負極、非水電解液、及びセパレータを用いるリチウムイオン二次電池の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法は、高顔料濃度及び/又は高粘度においても、顔料の分散性、貯蔵安定性に優れ、比較的少ない分散樹脂の配合量で充分にペーストの粘度を低下させることができる。また、そのリチウムイオン二次電池用電極層は、仕上がり性、導電性、及び電池性能等に優れる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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