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公開番号2025006028
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106562
出願日2023-06-29
発明の名称光触媒膜のアンダーコート用ケイ酸水溶液、光触媒コーティング液及び部材
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類C09D 1/02 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】従来のケイ素化合物系バインダーでは難しかった塗工方法や基材に対しても均一な塗布が可能で、耐水性や透明性の高い膜が得られる光触媒のバインダーとして、また光触媒膜のアンダーコート用として好適なケイ酸水溶液の提供。
【解決手段】
ケイ酸アルカリと水性溶媒とを含み、
ケイ酸濃度(SiO2換算):0.1~3質量%
ケイ素とアルカリXとのモル比(SiO2/X):10,000~85
25℃における粘度が1~50mPa・s
である、光触媒膜のアンダーコート用ケイ酸水溶液;
光触媒及びケイ酸水溶液を含む光触媒コーティング液であって、
前記ケイ酸水溶液が、ケイ酸アルカリと水性溶媒とを含み、
ケイ酸濃度(SiO2換算):0.1~3質量%
ケイ素(SiO2換算)とアルカリXとのモル比(SiO2/X):85~10,000
25℃における粘度が1~50mPa・s
であるケイ酸水溶液である、光触媒コーティング液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ケイ酸アルカリと水性溶媒とを含み、
ケイ酸濃度(SiO
2
換算):0.1~3質量%
ケイ素(SiO
2
換算)とアルカリXとのモル比(SiO
2
/X):85~10,000
25℃における粘度が1~50mPa・s
である、光触媒膜のアンダーコート用ケイ酸水溶液。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
更に界面活性剤を含有する、請求項1に記載のケイ酸水溶液。
【請求項3】
水性溶媒が水と親水性有機溶媒との混合溶媒である、請求項1又は2に記載のケイ酸水溶液。
【請求項4】
光触媒及びケイ酸水溶液を含む光触媒コーティング液であって、
前記ケイ酸水溶液が、ケイ酸アルカリと水性溶媒とを含み、
ケイ酸濃度(SiO
2
換算):0.1~3質量%
ケイ素(SiO
2
換算)とアルカリXとのモル比(SiO
2
/X):85~10,000
25℃における粘度が1~50mPa・s
であるケイ酸水溶液である、光触媒コーティング液。
【請求項5】
更に界面活性剤を含有する、請求項4に記載の光触媒コーティング液。
【請求項6】
水性溶媒が水と親水性有機溶媒との混合溶媒である、請求項4又は5に記載の光触媒コーティング液。
【請求項7】
請求項1又は4に記載の液から作製される塗膜を表面に有する部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒膜のアンダーコート用ケイ酸水溶液、該ケイ酸水溶液を含む光触媒コーティング液及び該液から作製される塗膜を表面に有する部材に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、消費者が衛生的な生活環境を求める傾向が強くなっており、抗菌・抗カビ・抗ウイルス・防臭などの清潔さを保つ加工が施された生活用品への関心が高まっている。
【0003】
光触媒材料は、太陽光や人工照明などの光が照射された際に起こる光触媒反応によって、抗菌・抗カビ・抗ウイルス・防臭・防汚など、基材表面の清浄化に対して広く効果が得られることから注目を集めている。
光触媒反応とは、酸化チタンを代表とする光触媒が光を吸収することによって生じた励起電子及び正孔が起こす反応のことをいう。光触媒反応により酸化チタン表面に生成した励起電子及び正孔は、酸化チタン表面に吸着している酸素や水と酸化還元反応を起こして活性種を生じる。有機物からなる微生物、ウイルス、臭いや汚れはこの活性種によって分解されるため、上述のような基材表面の清浄化の効果を得ることができると考えられている。
【0004】
光触媒反応により生じる活性種は、基本的に有機物であれば種類を問わず作用するために、広く様々な種類の微生物、ウイルス、臭いや汚れに対して効果が得られること、経時劣化がほとんどないことなどが光触媒の強みと言える。
【0005】
最近、上述のような光触媒作用の適用は、紫外線(波長10~400nm)が利用できる屋外での使用のみならず、蛍光灯のように可視領域の光(波長400~800nm)が大部分を占める光源で照らされた室内空間でも利用できるようにする検討が行われ、例えば、可視光応答型光触媒として、酸化タングステン光触媒体(特開2009-148700号公報:特許文献1)が開発されている。
【0006】
一般的に、このような光触媒は、光触媒粒子を溶媒に分散させ、バインダー(造膜成分)を混合してコーティング液化し、基材に塗布して使用される。バインダーとしては光触媒を基材に固定し、光触媒作用により劣化しない或いは劣化しづらい材料が選択される。
【0007】
また、有機基材や有機塗料が塗布された基材など光触媒作用による劣化が予期される基材表面に光触媒膜を形成させる場合には、基材表面の劣化を防ぎ、光触媒膜の接着性を向上させる目的で、基材表面と光触媒膜の中間層にアンダーコート(プライマー)層を設けることが多い。上述のようなバインダーやアンダーコートに使われる材料に求められる性能は類似しているため、同じ材料が使われることも多い。
【0008】
光触媒作用により劣化しづらいバインダーやアンダーコートとしては、主成分が無機材料からなるものが好ましく、例えば、アルカリ金属珪酸塩を用いたコーティング組成物(特開2001-098187号公報:特許文献2)や光触媒粒子とアルカリ金属珪酸塩と耐候性樹脂エマルジョンとを含む水性塗料組成物(特開2003-096394号公報:特許文献3)などが開示されているが、前者は耐水性や有機基材上への塗工性や接着性が低い、アルカリ成分が多いために光触媒粒子の分散安定性を阻害されるなどの課題があり、後者は樹脂エマルジョンを含有することから、耐久性が無機物のみと比較して劣る、親水性などの光触媒機能が低下する、樹脂エマルジョン及びアルカリ成分により光触媒粒子の分散安定性が阻害されるなどの課題があった。
【0009】
また、本発明者らはスズ及び可視光活性を高める遷移金属が固溶されていて、鉄及びケイ素が表面に付着している酸化チタン粒子にケイ素化合物系バインダーを添加したコーティング液を用いることで、可視光照射下で従来よりも高い光触媒活性を示す透明性の高い光触媒膜が得られることを見出した(特開2021-175697:特許文献4)。しかし、当該ケイ素化合物系バインダーは塗工方法や基材によってはコーティング液の塗りムラなどが発生して均一な塗膜を得ることが難しいケースや、耐水性に劣るケースがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2009-148700号公報
特開2001-098187号公報
特開2003-096394号公報
特開2021-175697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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