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公開番号2025003012
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103446
出願日2023-06-23
発明の名称ヘルペスウイルスの感染に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物
出願人国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 45/00 20060101AFI20241226BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】新規医薬組成物の提供。
【解決手段】本発明は、ヘルペスウイルスの感染に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物であって、カルモジュリン阻害剤を有効成分として含む、医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヘルペスウイルスの感染に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物であって、カルモジュリン阻害剤を有効成分として含む、医薬組成物。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
カルモジュリン阻害剤が、ナフタレンスルホンアミド化合物又はその医薬として許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ナフタレンスルホンアミド化合物が、N-(6-アミノヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド;N-(6-アミノヘキシル)-1-ナフタレンスルホンアミド;N-(6-アミノエチル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド;及びN-(10-アミノデシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミドから成る群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
ナフタレンスルホンアミド化合物の医薬として許容される塩が塩酸塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記疾患が、ヘルペスウイルスの遺伝子発現カスケードにおけるβ遺伝子群以降の発現に起因する、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ヘルペスウイルスのICP4タンパク質と、カルモジュリンとの結合が阻害されることにより、β遺伝子群及び/又はγ遺伝子群の発現が阻害される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
ヘルペスウイルスのICP4タンパク質におけるIQ様モチーフとの結合が阻害される、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記疾患が、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、脳炎、新生児ヘルペス、角膜炎及びひょう疽から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項9】
対象の脳内に投与される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ヘルペスウイルスの感染不均一性を制御する方法であって、ヘルペスウイルスと、カルモジュリン阻害剤とを接触させる工程を含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は広く、特定のカルモジュリン阻害剤の新規用途等に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
高い感染多重度で単純ヘルペスウイルス(HSV)を培養細胞に感染させても、それぞれの細胞におけるウイルス遺伝子発現の進行は不均一であることが知られている。この要因を理解することは、HSVの新規ウイルス遺伝子発現制御機構に繋がることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2011/118779号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ヘルペスウイルスの遺伝子発現を制御し、ひいてはヘルペスウイルスの感染に起因する疾患を予防乃至治療する新規手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、カルモジュリンを阻害することがヘルペスウイルスの遺伝子発現カスケードを負に制御すること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本願発明は以下の発明を包含する。
[1]
ヘルペスウイルスの感染に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物であって、カルモジュリン阻害剤を有効成分として含む、医薬組成物。
[2]
カルモジュリン阻害剤が、ナフタレンスルホンアミド化合物又はその医薬として許容される塩である、[1]に記載の医薬組成物。
[3]
ナフタレンスルホンアミド化合物が、N-(6-アミノヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド;N-(6-アミノヘキシル)-1-ナフタレンスルホンアミド;N-(6-アミノエチル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド;及びN-(10-アミノデシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミドから成る群から選択される、[2]に記載の医薬組成物。
[4]
ナフタレンスルホンアミド化合物の医薬として許容される塩が塩酸塩である、[2]に記載の医薬組成物。
[5]
前記疾患が、ヘルペスウイルスの遺伝子発現カスケードにおけるβ遺伝子群以降の発現に起因する、[1]~[4]のいずれかに記載の医薬組成物。
[6]
ヘルペスウイルスのICP4タンパク質と、カルモジュリンとの結合が阻害されることにより、β遺伝子群及び/又はγ遺伝子群の発現が阻害される、[5]に記載の医薬組成物。
[7]
ヘルペスウイルスのICP4タンパク質におけるIQ様モチーフとの結合が阻害される、[6]に記載の医薬組成物。
[8]
前記疾患が、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、脳炎、新生児ヘルペス、角膜炎及びひょう疽から成る群から選択される、[1]~[7]のいずれかに記載の医薬組成物。
[9]
対象の脳内に投与される、[1]~[8]のいずれかに記載の医薬組成物。
[10]
ヘルペスウイルスの感染不均一性を制御する方法であって、ヘルペスウイルスと、カルモジュリン阻害剤とを接触させる工程を含む、方法。
【発明の効果】
【0007】
カルモジュリン(CaM)は、ICP4(Infected Cell Protein 4)と結合し、β、及びγ遺伝子プロモーターへの結合を正に制御し、ヘルペスウイルスの遺伝子発現カスケードを促進することで、ヘルペスウイルスの効率的なウイルス増殖に貢献すると考えられる。本発明者らが、単純ヘルペスウイルスに感染したマウスにナフタレンスルホンアミド化合物であるN-(6-アミノヘキシル)-5-クロロ-1-ナフタレンスルホンアミド(W-7)を投与して、病原性及び脳内ウイルス力価を評価した結果、W-7がコントロールとの比較でマウスの生存率及び脳内におけるウイルス増殖を顕著に阻害することが明らかとなった。
【0008】
ヘルペスウイルス感染症にはアシクロビルをはじめとして効果的な抗ウイルス剤が開発されているが、それにもかかわらず多くのヘルペスウイルス感染症患者が問題となっているのはヘルペスウイルスが潜伏感染するからである。現在までに開発されている抗ヘルペスウイルス剤は、ウイルスが増殖期(溶解感染期)のウイルス感染細胞を標的としている。よって、潜伏感染している感染細胞には、既存の抗ヘルペスウイルス剤は全く効果を示すことができない。つまり、一度ヘルペスウイルスに感染してしまうと、潜伏感染部位からヘルペスウイルスを除去することは既存の抗ヘルペスウイルス剤では不可能である。
【0009】
ウイルスの遺伝子複製を阻害するアシクロビルのような既存の抗ウイルス薬と異なり、カルモジュリン阻害剤、特にナフタレンスルホンアミド化合物は、ヘルペスウイルスの遺伝子発現カスケードを阻害することでヘルペスウイルスの感染に起因する疾患の治療乃至予防を実現するものである。このような既存の抗ウイルス薬とは異なる作用機序を通じて、従来にはない効果を奏する新規の医薬組成物の提供が可能となる。
【0010】
WO2011/118779号公報では、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の阻害剤がヘルペスウイルスの細胞への侵入を防ぐことが開示されている。同公報では、MLCK阻害剤としてW-7が一応記載されているが、ヘルペスウイルスの遺伝子発現カスケードにおけるβ遺伝子群以降の発現を制御することは記載も示唆もされていない。
(【0011】以降は省略されています)

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