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公開番号
2024180654
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2024184202,2022503214
出願日
2024-10-18,2021-02-04
発明の名称
光学ガラスおよび光学素子
出願人
HOYA株式会社
代理人
前田・鈴木国際特許弁理士法人
主分類
C03C
3/064 20060101AFI20241219BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】 波長460nmにおける内部透過率が高く、屈折率の高い光学ガラスおよび光学素子を提供すること。
【解決手段】 BaO、La
2
O
3
、Gd
2
O
3
、およびWO
3
の合計含有量とCaO、SrO、およびY
2
O
3
の合計含有量との質量比[(BaO+La
2
O
3
+Gd
2
O
3
+WO
3
)/(CaO+SrO+Y
2
O
3
)]が2.0以下であり、B
2
O
3
およびP
2
O
5
の合計含有量とSiO
2
およびAl
2
O
3
の合計含有量との質量比[(B
2
O
3
+P
2
O
5
)/(SiO
2
+Al
2
O
3
)]が0.10以下であり、Li
2
O、Na
2
O、およびK
2
Oの合計含有量[Li
2
O+Na
2
O+K
2
O]が10質量%以下であり、Al
2
O
3
の含有量とSiO
2
およびZrO
2
の合計含有量との質量比[(Al
2
O
3
/(SiO
2
+ZrO
2
)]が0.0000より大きい、光学ガラス。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
BaO、La
2
O
3
、Gd
2
O
3
、およびWO
3
の合計含有量とCaO、SrO、およびY
2
O
3
の合計含有量との質量比[(BaO+La
2
O
3
+Gd
2
O
3
+WO
3
)/(CaO+SrO+Y
2
O
3
)]が2.0以下であり、
B
2
O
3
およびP
2
O
5
の合計含有量とSiO
2
およびAl
2
O
3
の合計含有量との質量比[(B
2
O
3
+P
2
O
5
)/(SiO
2
+Al
2
O
3
)]が0.10以下であり、
Li
2
O、Na
2
O、およびK
2
Oの合計含有量[Li
2
O+Na
2
O+K
2
O]が10質量%以下であり、
Al
2
O
3
の含有量とSiO
2
およびZrO
2
の合計含有量との質量比[(Al
2
O
3
/(SiO
2
+ZrO
2
)]が0.0000より大きい、光学ガラス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラスおよび光学素子に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、AR(拡張現実)技術の進展に伴い、ARデバイスとして、ゴーグル型あるいは眼鏡型等の表示装置が開発されている。例えばゴーグル型の表示装置には、平面レンズであって、高屈折率、高透過率、かつ低比重であるレンズが用いられ、このようなレンズに適用できるガラスの需要が高まっている。ここでの透過率は、ガラス内部を光が透過するときの内部透過率であり、反射損失を含む外部透過率とは区別される。
【0003】
一般に、ガラスの屈折率は、ガラスを透過する光とガラス中の電子雲との相互作用が大きいほど増加する。そのため、ガラスの屈折率を高めるには、ガラス中により多くの電子が充填されるように、ガラス成分を選択する。すなわち、イオン半径のわりに原子番号が大きく、多くの電子を含むガラス成分を選択して、ガラスの単位体積あたりの電子密度(多くは酸素数密度)を増加させる。その一例として、ホウ酸-ランタン系のガラスが挙げられる。しかし、ホウ酸-ランタン系のガラスは比重が大きく、ゴーグル型のAR表示装置に使用した場合にレンズが重くなることが問題となる。
【0004】
低比重を維持したまま屈折率を高めることができるガラス成分として、近紫外域に吸収を持つNb
2
O
5
やTiO
2
等が挙げられる。しかし、このようなガラス成分の含有量が増加すると、光の吸収領域が、近紫外域のみならず、可視短波長域(青色領域)にまで拡大するという問題がある。また、Nb
2
O
5
やTiO
2
の含有量が増加すると、NbイオンやTiイオンに酸素を供与できる他のイオンの割合が相対的に低下することから、NbイオンやTiイオンの一部が還元され着色し、ガラスの可視光における内部透過率が低下するという問題があった。
【0005】
また、ガラスの透過率低下の要因の一つに、ガラス熔解炉に由来する白金(Pt)の混入がある。例えば、ガラスの屈折率を高めようとして、Nb
2
O
5
やTiO
2
等の含有量を増加させると、ガラスの熔解温度が上昇し、ガラス原料を高温で熱する必要がある。この時、高温の熔融ガラスが白金(Pt)と接触すると、Ptイオンが熔融ガラスに溶け込み、ガラスに固溶する。Ptは紫外域に吸収を有するが、ガラス中のPt量が多くなると、光の吸収領域が紫外域のみならず、可視光域にも拡大する。その結果、ガラスの可視光域での内部透過率が低下する。
【0006】
一方、耐火物レンガを用いた熔解炉で熔融できるガラスでは、熔解炉に由来する白金(Pt)の混入が抑制される。耐火物レンガを用いた熔解炉で熔融できるガラスとしては、例えば、SiO
2
-TiO
2
系のガラスが挙げられる。この系のガラスでは、屈折率ndを1.85程度に高めることができ、かつ比重を3.5程度に低減でき、透過率も比較的優れることが知られている(特許文献1)。
【0007】
ここで耐火物レンガとは、ZrO
2
やAl
2
O
3
および/またはSiO
2
を主成分としたレンガである(例えば特許文献2)。各成分の含有比率は、例えばZrO
2
:Al
2
O
3
:SiO
2
=4:5:1や、3:6:1程度のものがあげられるが、例えばhttps://www.an.shimadzu.co.jp/apl/material/chem0502005.htmに示されるとおり、Al
2
O
3
やSiO
2
を、ほぼ含有しない耐火レンガも存在する。ただし特許文献2のとおり、熱衝撃耐性不足や耐食性を高めようとすると、一定量のAl
2
O
3
が含有されることが多い。
【0008】
しかし、AR表示装置用レンズに適用するには、屈折率をさらに高める必要がある。例えば、特許文献3には、屈折率ndが1.86~1.99の範囲であり、かつアッベ数νdが21~29の範囲である、SiO
2
-TiO
2
系のガラスが開示されている。しかし、このガラスは熔解温度が高く、熔解炉の耐火物レンガのガラス質部分を侵食し、その結果、耐火物レンガの成分がガラス中に混入しやすいという問題があった。ガラスに、耐火物レンガに由来する成分、とりわけZrO
2
成分やSiO
2
成分が多くガラス中に固溶すると、ガラス組成が変化し、ガラスの安定性を維持したり、屈折率を高く維持したりすることが困難となる。また、耐火物レンガの主成分であるAl
2
O
3
やZrO
2
のような結晶成分が異物としてガラス中に混入することでガラスの均質性を損なわれる。そのため、このようなガラスは白金製の容器の中で熔融することになるが、白金製の容器でガラスを熔融すると前記のとおりPtがガラスに導入されて、内部透過率が低下するという問題があった。
【0009】
Nb
2
O
5
やTiO
2
等を含有するSiO
2
系のガラスであって、耐火物レンガを用いた熔解炉で熔融できるガラスであれば、屈折率を高く維持したまま、透過率を向上させることができる。このようなガラスは、AR用表示装置のレンズに有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第2535407号公報
特表2018-537387号公報
特開2012-229135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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