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公開番号
2025038189
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-18
出願番号
2024224633,2022534948
出願日
2024-12-20,2021-05-31
発明の名称
近赤外線吸収ガラスおよび近赤外線カットフィルタ
出願人
HOYA株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C03C
4/08 20060101AFI20250311BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】薄肉化によっても可視透過率が高く、近赤外線カット能力に優れ、耐候性の低下の抑制が可能な近赤外線吸収ガラスを提供する。
【解決手段】Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、アニオンとして少なくともOイオンを含み、Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率が3.15以下であり、アニオン%表示のガラス組成においてOイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、MgOとAl
2
O
3
との合計含有量が8.0%以下であり、Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率が2.4以下であり、B
2
O
3
とSiO
2
との合計含有量が3.0%以下であり、CuO含有量がα
1
%以上であり、α
1
は式1(RはOイオン/Pイオン)により算出される値である。
(式1)α
1
=70400×exp(-2.855×R)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
Pイオン、Liイオン、Cuイオン、Alイオン、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン、Kイオン、Naイオン、Laイオン、GdイオンおよびYイオンからなる群から選ばれる主要カチオンを4種以上含み、
Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、
アニオンとして少なくともOイオンを含み、
Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率(Oイオン/Pイオン)が3.15以下であり、
アニオン%表示のガラス組成において、Oイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、
酸化物基準のガラス組成において、
モル基準で、
前記主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、
MgOとAl
2
O
3
との合計含有量(MgO+Al
2
O
3
)が8.0%以下であり、
Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率((Na
2
O+K
2
O+ZnO)/Li
2
O)が2.4以下であり、
B
2
O
3
とSiO
2
との合計含有量(B
2
O
3
+SiO
2
)が3.0%以下であり、
CuO含有量がα
1
%以上であり、
α
1
は下記式1:
(式1)
α
1
=70400×exp(-2.855×R)
により算出される値であり、
前記式1中、
Rは前記比率(Oイオン/Pイオン)である、
近赤外線吸収ガラス。
続きを表示(約 4,600 文字)
【請求項2】
Pイオン、Liイオン、Cuイオン、Alイオン、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン、Kイオン、Naイオン、Laイオン、GdイオンおよびYイオンからなる群から選ばれる主要カチオンを4種以上含み、
Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、
アニオンとして少なくともOイオンを含み、
Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率(Oイオン/Pイオン)が3.15以下であり、
アニオン%表示のガラス組成において、Oイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、
酸化物基準のガラス組成において、
モル基準で、
前記主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、
MgOとAl
2
O
3
との合計含有量(MgO+Al
2
O
3
)が8.0%以下であり、
Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率((Na
2
O+K
2
O+ZnO)/Li
2
O)が2.4以下であり、
B
2
O
3
とSiO
2
との合計含有量(B
2
O
3
+SiO
2
)が3.0%以下であり、
下記式2:
(式2)
C-3200×exp(-2.278×R)≧0
を満たし、
前記式2中、
Cは、ガラスのモル体積あたりのCuO含有量(単位:ミリモル/cc)であり、
Rは前記比率(Oイオン/Pイオン)である、
近赤外線吸収ガラス。
【請求項3】
Pイオン、Liイオン、Cuイオン、Alイオン、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン、Kイオン、Naイオン、Laイオン、Gdイオン、Yイオン、BイオンおよびSiイオンからなる群から選ばれる主要カチオンを4種以上含み、
Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、
アニオンとして少なくともOイオンを含み、
Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率(Oイオン/Pイオン)が3.15以下であり、
アニオン%表示のガラス組成において、Oイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、
酸化物基準のガラス組成において、
モル基準で、
前記主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、
MgOとAl
2
O
3
との合計含有量(MgO+Al
2
O
3
)が8.0%以下であり、
Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率((Na
2
O+K
2
O+ZnO)/Li
2
O)が2.4以下であり、
下記式3:
(式3)
A
1
={O(P)-O(others)}×Cu
によって算出されるA
1
が2500以上であり、
前記式3中、
O(P)は、酸化物基準のガラス組成においてPイオンの酸化物を構成する酸素量を示し、
O(others)は、酸化物基準のガラス組成において前記主要カチオンの酸化物を構成する酸素量から前記O(P)を除いた酸素量を示し、
Cuは、酸化物基準のガラス組成におけるモル基準のCuO含有量を示す、近赤外線吸収ガラス。
【請求項4】
Pイオン、Liイオン、Cuイオン、Alイオン、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン、Kイオン、Naイオン、Laイオン、Gdイオン、Yイオン、BイオンおよびSiイオンからなる群から選ばれる主要カチオンを4種以上含み、
Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、
アニオンとして少なくともOイオンを含み、
Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率(Oイオン/Pイオン)が3.15以下であり、
アニオン%表示のガラス組成において、Oイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、
酸化物基準のガラス組成において、
モル基準で、
前記主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、
MgOとAl
2
O
3
との合計含有量(MgO+Al
2
O
3
)が8.0%以下であり、
Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率((Na
2
O+K
2
O+ZnO)/Li
2
O)が2.4以下であり、
下記式4:
(式4)
A
2
={O(P)-O(others)}×C
によって算出されるA
2
が700以上であり、
前記式4中、
Cは、ガラスのモル体積あたりのCuO含有量(単位:ミリモル/cc)であり、
O(P)は、酸化物基準のガラス組成においてPイオンの酸化物を構成する酸素量を示し、
O(others)は、酸化物基準のガラス組成において前記主要カチオンの酸化物を構成する酸素量から前記O(P)を除いた酸素量を示す、近赤外線吸収ガラス。
【請求項5】
Pイオン、Liイオン、Cuイオン、Alイオン、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン、Kイオン、Naイオン、Laイオン、GdイオンおよびYイオンからなる群から選ばれる主要カチオンを4種以上含み、
Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、
アニオンとして少なくともOイオンを含み、
Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率(Oイオン/Pイオン)が3.15以下であり、
アニオン%表示のガラス組成において、Oイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、
酸化物基準のガラス組成において、
モル基準で、
前記主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、
MgOとAl
2
O
3
との合計含有量(MgO+Al
2
O
3
)が8.0%以下であり、
Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率((Na
2
O+K
2
O+ZnO)/Li
2
O)が2.4以下であり、
CuO含有量がα
2
%以上であり、
α
2
は下記式5:
(式5)
α
2
=76522×exp(-2.855×R)
により算出される値であり、
前記式5中、
Rは前記比率(Oイオン/Pイオン)である、
近赤外線吸収ガラス。
【請求項6】
Pイオン、Liイオン、Cuイオン、Alイオン、Baイオン、Srイオン、Caイオン、Mgイオン、Znイオン、Kイオン、Naイオン、Laイオン、GdイオンおよびYイオンからなる群から選ばれる主要カチオンを4種以上含み、
Pイオン、LiイオンおよびCuイオンを必須カチオンとして含み、
アニオンとして少なくともOイオンを含み、
Pイオンの含有量に対するOイオンの含有量の比率(Oイオン/Pイオン)が3.15以下であり、
アニオン%表示のガラス組成において、Oイオンの含有量が90.0アニオン%以上であり、
酸化物基準のガラス組成において、
モル基準で、
前記主要カチオンの酸化物の合計含有量が90.0%以上であり、
MgOとAl
2
O
3
との合計含有量(MgO+Al
2
O
3
)が8.0%以下であり、
Li
2
O含有量に対する、Na
2
O含有量、K
2
O含有量およびZnO含有量の合計の比率((Na
2
O+K
2
O+ZnO)/Li
2
O)が2.4以下であり、
下記式6:
(式6)
C-3478×exp(-2.278×R)≧0
を満たし、
前記式6中、
Cは、ガラスのモル体積あたりのCuO含有量(単位:ミリモル/cc)であり、
Rは前記比率(Oイオン/Pイオン)である、
近赤外線吸収ガラス。
【請求項7】
Na
2
O含有量、K
2
O含有量の合計含有量が15.0モル%未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の近赤外線吸収ガラス。
【請求項8】
Al
2
O
3
含有量が2.0モル%未満である、請求項1~7のいずれか1項に記載の近赤外線吸収ガラス。
【請求項9】
Al
2
O
3
、La
2
O
3
、Y
2
O
3
およびGd
2
O
3
の合計含有量(Al
2
O
3
+La
2
O
3
+Y
2
O
3
+Gd
2
O
3
)が0.1モル%以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の近赤外線吸収ガラス。
【請求項10】
波長550nm以上で反射損失を含む外部透過率が50%となる波長である半値λ
T
50が633nmとなるガラスの厚みが0.25mm以下であり、
前記厚みにおいて、波長600nmにおける反射損失を含む外部透過率T600が50%以上であり、かつ波長1200nmにおける反射損失を含む外部透過率T1200が30%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の近赤外線吸収ガラス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、近赤外線吸収ガラスおよび近赤外線カットフィルタに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年のスマートフォン等に代表される小型カメラにおいては、得られた画像情報を単にデジタル化するだけでなく、その画像情報に対して種々の電算処理を行うことによって画像を再構成する。例えば、特定の対象を抽出して、画像の色彩やコントラストを調整することが主流になってきている。その際、光学素子中の光の反射によって、本来存在しない色情報が撮像素子に入力されると、その情報を取り除かなければならず、望ましくない。
【0003】
近赤外線カットフィルタは、撮像素子の感度波長域における不要な近赤外光(波長700~1200nm)をカットする機能を有する。近赤外線カットフィルタは、一般に撮像素子の直前に設けられることが多い。
【0004】
近赤外線カットフィルタとしては、近赤外線吸収ガラスを基材とし、平板上に研磨加工されたものが広く用いられている。
【0005】
近赤外線吸収ガラスは、一般にCuイオンを含む。近赤外線吸収ガラスの分光透過特性の一例を図1に示す。尚、図1は、本発明を何ら限定するものではない。波長700~1200nm付近の光吸収特性は、ガラス中のCuイオン(Cu
2+
)によって発現する。中でも、CuイオンとともにPイオンを含むガラスは、Cuイオン(Cu
2+
)のもつ近赤外線吸収特性を広範な波長域で示すことができるため、近赤外線カットフィルタ用のガラスとして有用である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-12630号公報
【0007】
図1の波長600nm以降の透過率カーブおいて、透過率50%となる波長は「半値」と呼ばれ、近赤外線カットフィルタの主要規格の一つになっている。半値は、フィルタの仕様によって異なるが、波長600nm~650nmの範囲に設定されることが多い。半値を所望の値にする一般的な方法としては、ランベルト-ベールの法則にしたがい、ガラス基材の板厚か、ガラス中のCuイオン(Cu
2+
)濃度のいずれかを調節する方法がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近赤外線カットフィルタには、近赤外線をカットする能力に優れること(即ち所望の半値を有しながら近赤外光の透過率が低いこと)とともに、可視域(紫色領域~赤色領域)の透過率が高いことも求められる。
【0009】
また、近年、スマートフォン等に搭載される撮像素子モジュールには、小型化と高性能化の両立が求められており、近赤外線カットフィルタの板厚は薄肉化が要求されている。そのため、近赤外線吸収ガラスの厚みも、従来の1mmから、近年は0.45mm、0.3mmまたは0.2mm程度まで薄肉化され、更には0.1mm台に薄肉化することも望まれている。
【0010】
近赤外線吸収ガラスを単に薄肉化すると、近赤外線吸収に必要なCuOの光学濃度(モル数×厚み)が減少することにより、近赤外線の吸収効率は低下してしまう。これを解決するためにはCuOを増量することが考えられる。しかし、CuOを増量するのみでは、CuOの吸収が波長600nm付近の可視域(すなわち赤色領域)に達し、また短波長側の透過率も低下する傾向があるために、可視域(紫色領域~赤色領域)の透過率と近赤外線の吸収を共に維持することは困難である。
(【0011】以降は省略されています)
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