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公開番号
2024179024
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023097507
出願日
2023-06-14
発明の名称
アンダーフィル組成物
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類
C08L
63/00 20060101AFI20241219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低比誘電率及び低誘電正接であるアンダーフィル組成物の提供。
【解決手段】
下記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含むアンダーフィル組成物。
(A)シトラコンイミド化合物
(B)エポキシ樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化剤
(D)硬化促進剤
(E)無機充填材
(A)シトラコンイミド化合物が下記式(1)で表されるビスシトラコンイミド化合物であるアンダーフィル組成物。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024179024000012.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">28</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">132</com:WidthMeasure> </com:Image> (式(1)中、Aは2価の有機基である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含むアンダーフィル組成物。
(A)シトラコンイミド化合物
(B)エポキシ樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化剤
(D)硬化促進剤
(E)無機充填材
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
(A)シトラコンイミド化合物が下記式(1)で表されるビスシトラコンイミド化合物である請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
TIFF
2024179024000010.tif
28
132
(式(1)中、Aは2価の有機基である。)
【請求項3】
式(1)中のAが下記構造で示される基及びダイマー酸骨格由来の炭化水素基から選ばれるものである請求項2に記載のアンダーフィル組成物。
TIFF
2024179024000011.tif
185
169
(*はシトラコンイミド基中の窒素原子との結合を意味する。nは1~20である。)
【請求項4】
(C)エポキシ樹脂硬化剤が、アミン化合物、フェノール化合物、酸無水物化合物及び活性エステル化合物から選ばれる1種以上である請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
【請求項5】
(D)硬化促進剤がイミダゾール系硬化促進剤、有機リン系硬化促進剤、及び第3級アミン系硬化促進剤から選ばれる1種以上を含むものである請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
【請求項6】
(B)エポキシ樹脂が1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものである請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
【請求項7】
(A)成分を100質量部としたときの(B)成分が1~100質量部、
(B)エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1モル当量に対して、(C)成分の硬化剤に含まれるエポキシ基と反応する官能基のモル当量比が0.1~8.0、
(A)成分を100質量部としたときの(D)成分が0.01~20質量部である請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
【請求項8】
(A)シトラコンイミド化合物の数平均分子量が200~10,000である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
(E)無機充填材が、ゾルゲル法で製造された平均粒径0.01~5μmの球状シリカである請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
【請求項10】
(E)無機充填材が、樹脂組成物中の全成分を100質量%としたとき、20~80質量%である請求項1に記載のアンダーフィル組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シトラコンイミド化合物を用いたアンダーフィル組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
電気機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、半導体チップの実装方法はピン挿入タイプから表面実装が主流になっている。そのうちフリップチップ方式は、有機基板の配線パターン面に複数個のバンプを介して半導体チップを搭載する方式であり、上記有機基板と半導体チップとの隙間及びハンダバンプ間の隙間にアンダーフィルが充填される(特許文献1)。
【0003】
近年、携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー及びルーター等のネットワークインフラ機器、大型コンピュータ等の電子機器では、使用する信号の高速化及び大容量化が年々進んでいる。これに伴い、これらの電子機器に搭載されるプリント配線板には20GHz領域といった高周波化対応が必要となり、アンダーフィルにおいても、伝送損失の低減を可能とする低比誘電率及び低誘電正接といった低誘電特性が求められている。上述した電子機器のほかに、ITS分野(自動車、交通システム関連)及び室内の近距離通信分野でも高周波無線信号を扱う新規システムの実用化及び実用計画が進んでおり、これらの機器に搭載するプリント配線板に用いられるアンダーフィルに対しても、低誘電特性が要求されている。加えて、アンダーフィルの線膨張係数(CTE)が小さいことも、反りを抑制し、基板製造時の歩留りを向上させるうえで重要視される。
【0004】
アンダーフィルに広く用いられるエポキシ樹脂は、比誘電率、誘電正接の値が比較的高い傾向にある(特許文献2)。一方、低比誘電率及び低誘電正接の材料としては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、フッ素樹脂、スチレン樹脂、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂等が知られている(特許文献3~7)。しかしながら、これらの材料はいずれも溶融粘度が高く、得られる硬化物は硬く脆いため、プリント配線板等の用途には適しているが、アンダーフィル等の半導体封止材に使用することは困難であった。また、シトラコンイミド樹脂組成物が、誘電特性及び耐熱性に優れる硬化物を与えることができることが開示されているが(特許文献8、9)、アンダーフィル用途としての検討はなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-63247号公報
特開2022-133311号公報
特開2022-77400号公報
特開2019-99710号公報
特開2018-177931号公報
特開2022-1628号公報
特開2022-35328号公報
特開2023-018240号公報
特開2022-147022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明は、低比誘電率及び低誘電正接の硬化物となる、浸入性に優れるアンダーフィル組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、シトラコンイミド化合物を含む下記アンダーフィル組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記のアンダーフィル組成物を提供する。
【0008】
[1]
下記の(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を含むアンダーフィル組成物。
(A)シトラコンイミド化合物
(B)エポキシ樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化剤
(D)硬化促進剤
(E)無機充填材
[2]
(A)シトラコンイミド化合物が下記式(1)で表されるビスシトラコンイミド化合物である[1]に記載のアンダーフィル組成物。
TIFF
2024179024000001.tif
29
132
(式(1)中、Aは2価の有機基である。)
[3]
式(1)中のAが下記構造で示される基及びダイマー酸骨格由来の炭化水素基から選ばれるものである[2]に記載のアンダーフィル組成物。
TIFF
2024179024000002.tif
187
169
(*はシトラコンイミド基中の窒素原子との結合を意味する。nは1~20である。)
[4]
(C)エポキシ樹脂硬化剤が、フェノール化合物、酸無水物化合物及び活性エステル化合物から選ばれる1種以上である[1]~[3]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
[5]
(D)硬化促進剤がイミダゾール系硬化促進剤、有機リン系硬化促進剤、及び第3級アミン系硬化促進剤から選ばれる1種以上を含むものである[1]~[4]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
[6]
(B)エポキシ樹脂が1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものである[1]~[5]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
[7]
(A)成分を100質量部としたときの(B)成分が1~100質量部、
(B)エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1モル当量に対して、(C)成分の硬化剤に含まれるエポキシ基と反応する官能基のモル当量比が0.1~8.0、
(A)成分を100質量部としたときの(D)成分が0.01~20質量部である[1]~[6]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
[8]
(A)シトラコンイミド化合物の数平均分子量が200~10,000である[1]~[7]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
[9]
(E)無機充填材が、ゾルゲル法で製造された平均粒径0.01~5μmの球状シリカである[1]~[8]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
[10]
(E)無機充填材が、樹脂組成物中の全成分を100質量%としたとき、20~80質量%である[1]~[9]のいずれか1項に記載のアンダーフィル組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアンダーフィル組成物は、浸入性に優れ、その硬化物は優れた誘電特性(低比誘電率及び低誘電正接)を有する。したがって、本発明の組成物は、アンダーフィル用途に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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