発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、異常血管新生の治療剤または予防剤、および、その利用に関する。 続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】 【0002】 血管新生は、生体内において、生理的状況下および病的状況下の両方において生じ得る。生理的状況下では、例えば、胎児期の組織(例えば、網膜)において正常血管新生が生じ、これによって正常な組織が形成される。一方、病的状況下では、例えば、疾患(例えば、網膜虚血性疾患、癌、未熟児網膜症、加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、病的近視、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、および、血管新生緑内障)の患部において異常血管新生が生じ、これによって疾患が発症または悪化する。 【0003】 異常血管新生としては、例えば、虚血領域の形成(換言すれば、血管が形成されない領域の形成)、および、異常血管の形成(換言すれば、無秩序に走行する血管の形成)を挙げることができる。 【0004】 虚血領域の形成と、異常血管の形成とは、単独で発生する場合もあれば、組み合わさって発生する場合もある。例えば、加齢黄斑変性、および、病的近視などにおいては、異常血管の形成が単独で発生する。一方、網膜虚血性疾患、癌、未熟児網膜症、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、および、血管新生緑内障などにおいては、まず虚血領域が形成され、その後に異常血管が形成される。 【0005】 異常血管新生の治療剤として、現在、抗VEGF薬が用いられている(例えば、非特許文献1および2参照)。非特許文献1および2には、アフリベルセプト、ベバシズマブ、ラニビズマブ、および、ファリシマブを糖尿病黄斑浮腫の治療に用いることが記載されている。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0006】 N Eng J Med., 2015 March 26; 372(13): 1193-1203, "Aflibercept, Bevacizumab, or Ranibizumab for Diabetic Macular Edema" Charles C Wykoff et al., Lancet., 2022 Feb 19; 399(10326): 741-755, "Efficacy, durability, and safety of intravitreal faricimab with extended dosing up to every 16 weeks in patients with diabetic macular oedema(YOSEMITE and RHINE): two randomised, double-masked, phase 3 trials" 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上述のような従来技術は、異常血管新生の治療効果が十分ではないという問題点を有している。 【0008】 例えば、上述のような従来技術は、(i)異常血管新生を一時的に減少させる効果しかないため、頻回投与が必要になる懸念がある、(ii)正常血管新生、および、異常血管新生の両方に影響を与えるため、副作用の懸念がある、(iii)抗VEGF薬は血管新生を抑制するものであるため、虚血領域の形成に対する十分な治療効果が得られない懸念がある、などの点において改善の余地がある。 【0009】 本発明の一態様は、新たな異常血管新生の治療剤または予防剤、および、その利用を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明の一態様は、以下である: 〔1〕ヒストンアセチル化酵素阻害剤を有効成分として含有する、異常血管新生の治療剤または予防剤。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する