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公開番号
2025064216
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2023173794
出願日
2023-10-05
発明の名称
遺伝子特定装置、遺伝子特定方法、および、その利用
出願人
国立大学法人福井大学
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
G01N
33/50 20060101AFI20250410BHJP(測定;試験)
要約
【課題】疾患に関与する遺伝子を特定することができる新たな遺伝子特定方法、遺伝子特定装置、および、その利用を提供する。
【解決手段】疾患に罹患している複数の被験体の各々から採取された生体試料に含まれる複数の遺伝子の各々の発現量に関する発現量データから、所定の条件を満たす複数の注目データを抽出する抽出工程(S1)と、候補遺伝子を選定可能な少なくとも2以上の工程を実行する選定工程(S2)と、2以上の工程のいずれにおいても選定された候補遺伝子を、疾患に関与する遺伝子として特定する特定工程(S3)と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
疾患に罹患している複数の被験体の各々から採取された生体試料に含まれる複数の遺伝子の各々の発現量と、前記複数の被験体の各々の前記疾患の症状の重症度レベルと、が対応付けられている発現量データから、所定の条件を満たす複数の注目データを抽出する抽出工程と、
(1)前記複数の注目データの主成分分析の結果に基づいて前記症状の重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程A、(2)所定の機械学習モデルを用いて前記複数の注目データから前記重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程B、および、(3)前記複数の注目データの主成分分析の結果に基づいて生成した最小全域木に基づいて前記重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程C、のうちの少なくともいずれか2以上の工程を実行する選定工程と、
前記2以上の工程のいずれにおいても選定された前記候補遺伝子を、前記疾患に関与する遺伝子として特定する特定工程と、
を含む、遺伝子特定方法。
続きを表示(約 3,100 文字)
【請求項2】
前記抽出工程において、
前記発現量データの主成分分析によって得られた第1主成分および第2主成分をそれぞれX座標およびY座標とする2次元座標系における前記複数の被験体の各々の前記発現量データの座標を決定し、
前記複数の被験体の各々の前記発現量データを前記重症度レベルに対応する複数の集合に分類して、前記複数の集合の各々について中心座標を算出し、
前記複数の集合の前記中心座標間の距離を示す距離行列の主成分分析によって得られた第1主成分値を示す参照値と、前記集合の前記重症度レベルとの相関関係を解析し、
前記重症度レベルが最低である前記集合の前記参照値と前記重症度レベルが2番目に低い前記集合の前記参照値との大小関係と、前記重症度レベルが第n番目に低い前記集合の前記参照値と前記重症度レベルが第n+1目に低い前記集合の前記参照値との大小関係とが異なる場合、前記重症度レベルが最低である前記集合から第n番目に低い前記集合までの集合に含まれる前記発現量データを前記複数の注目データとして抽出し、
nは2以上の整数である、
請求項1に記載の遺伝子特定方法。
【請求項3】
前記工程Aにおいて、
前記複数の注目データの主成分分析により決定した第1主成分値に基づいて前記複数の注目データを所定数の群に分類し、
前記決定した第1主成分値の大きさに基づく前記群の各々の仮想順列を決定し、前記仮想順列に従い前記発現量が増加または減少する所定数の遺伝子を前記候補遺伝子として選定する、
請求項1または2に記載の遺伝子特定方法。
【請求項4】
前記工程Bにおいて、
前記複数の注目データの主成分分析により決定した第1主成分値に基づいて前記複数の注目データを所定数の群に分け、
前記所定数の群の各々の仮想順列であって、前記決定した第1主成分値の大きさに基づく仮想順列を決定し、
前記仮想順列を示す仮想ラベルを付与した前記複数の注目データを前記所定の機械学習モデルに入力し、前記仮想順列に従い前記発現量が線形的に増加または線形的に減少する所定数の遺伝子を前記候補遺伝子として選定する、
請求項1に記載の遺伝子特定方法。
【請求項5】
前記工程Cにおいて、
前記複数の注目データの主成分分析により決定した第1主成分値および第2主成分値をそれぞれX座標およびY座標とする2次元座標系に前記複数の注目データの各々に対応する点をプロットして得た点群を用いて最小全域木を生成し、
前記最小全域木に含まれる端点のうち前記重症度レベルが最低である点を始点として選定し、
(1)前記始点から前記最小全域木に含まれる他点まで前記最小全域木に沿って移動する場合の移動距離と、(2)前記始点に対応する前記複数の遺伝子の各々の発現量と前記他点に対応する前記複数の遺伝子の各々の発現量との間の変化量と、の相関関係について線形回帰分析を行い、
前記線形回帰分析の決定係数が所定の閾値以上である遺伝子の中から、前記線形回帰分析によって得られる回帰直線の傾きの絶対値の大きさに基づいて、前記重症化に関与する所定数の前記候補遺伝子を選定する、
請求項1に記載の遺伝子特定方法。
【請求項6】
前記工程Cにおいて、
前記重症度レベルが最低である前記点群の中心座標から前記重症度レベルが2番目に低い前記点群の中心座標に移動するときの第1主成分値の増減傾向と、前記重症度レベルが第n番目に低い前記点群の中心座標から前記重症度レベルが第n+1目に低い前記点群の中心座標に移動するときの第1主成分値の前記増減傾向とが異なる場合、前記重症度レベルが第n+1目に低い点群から前記重症度レベルが最高である点群までのデータに対応する点群を、前記2次元座標系に前記発現量データをプロットして得た点群から削除して前記最小全域木を生成し、
nは2以上の整数である、
請求項5に記載の遺伝子特定方法。
【請求項7】
疾患に罹患している複数の被験体の各々から採取された生体試料に含まれる複数の遺伝子の各々の発現量と、前記複数の被験体の各々の前記疾患の症状の重症度レベルと、が対応付けられている発現量データから、所定の条件を満たす複数の注目データを抽出する抽出部と、
(1)前記複数の注目データの主成分分析の結果に基づいて前記症状の重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程A、(2)所定の機械学習モデルを用いて前記複数の注目データから前記重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程B、および、(3)前記複数の注目データの主成分分析の結果に基づいて生成した最小全域木に基づいて前記重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程C、のうちの少なくともいずれか2以上の工程を実行する選定部と、
前記2以上の工程のいずれにおいても選定された前記候補遺伝子を、前記疾患に関与する遺伝子として特定する特定部と、
を備える、
遺伝子特定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の遺伝子特定装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記抽出部、前記選定部、および前記特定部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
被験体から採取した生体試料において、CDC42EP1遺伝子、ARTN遺伝子、XKR8遺伝子、ACTG2遺伝子、RPS6KA1遺伝子、SLC16A11遺伝子、PLEKHG6遺伝子、TMBIM1遺伝子、AIFM3遺伝子、LDLRAD2遺伝子、COL1A1遺伝子、CARD10遺伝子、ACHE遺伝子、NUDT8遺伝子、LRRC30遺伝子、ADAMTS13遺伝子、KRTAP10-6遺伝子、BZRAP1遺伝子、IQCF5遺伝子、GGT6遺伝子、PLEKHA4遺伝子、OBP2B遺伝子、LILRA5遺伝子、SH3TC1遺伝子、HHAT遺伝子、および、RP11-9L18.3遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定する工程を有する、白内障を診断するためのデータの取得方法。
【請求項10】
非ヒトモデル生物に、白内障の治療剤または予防剤の候補物質を投与する投与工程と、
上記投与工程の後の上記非ヒトモデル生物において、CDC42EP1遺伝子、ARTN遺伝子、XKR8遺伝子、ACTG2遺伝子、RPS6KA1遺伝子、SLC16A11遺伝子、PLEKHG6遺伝子、TMBIM1遺伝子、AIFM3遺伝子、LDLRAD2遺伝子、COL1A1遺伝子、CARD10遺伝子、ACHE遺伝子、NUDT8遺伝子、LRRC30遺伝子、ADAMTS13遺伝子、KRTAP10-6遺伝子、BZRAP1遺伝子、IQCF5遺伝子、GGT6遺伝子、PLEKHA4遺伝子、OBP2B遺伝子、LILRA5遺伝子、SH3TC1遺伝子、HHAT遺伝子、および、RP11-9L18.3遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つの遺伝子の発現量を測定する測定工程と、
上記測定工程にて測定された各遺伝子の発現量と、対照発現量とを比較することによって、上記候補物質が白内障の治療剤または予防剤であるか否かを判定する判定工程と、を有する、白内障の治療剤または予防剤のスクリーニング方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子特定装置、遺伝子特定方法、および、その利用に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
様々な疾患には、様々な遺伝子が関与することが知られており、このような遺伝子を特定することは、疾患の治療、予防および診断などにとって重要である。
【0003】
従来から、遺伝子の変動量の大きさに基づいて、疾患などに関与する遺伝子を特定する方法が知られている(例えば、非特許文献1~3を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Colo Trapnell et al., Pseudo-temporal ordering of individual cells reveals dynamics and regulators of cell fate decisions, Nat Biotechnol., 32, 381-386, (2014)
Sumit Mukherjee et al., Molecular estimation of neurodegeneration pseudotime in order brains, Nat Commun., 11, 5781, (2020)
Kieran R Campbell et al., Nat Commun., 9, 2442, (2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、疾患に関与する遺伝子を特定する観点からは改善の余地があり、疾患に関与する遺伝子を特定する新たな技術の開発が望まれている。
【0006】
例えば、ヒトの疾患組織のサンプルは個体差が大きく、これらのサンプルから、疾患の真の原因遺伝子を特定することは、極めて困難である。
【0007】
本発明の一態様は、疾患に関与する遺伝子を特定することができる新たな遺伝子特定装置、遺伝子特定方法、および、その利用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、疾患の進行度に応じて患者のグループ分けを行い、特定のグループ(例えば、疾患の初期段階にあるグループ)に着目してデータを解析することによって、疾患に関与する遺伝子を特定できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の一態様は、以下のとおりである。
【0009】
〔1〕
疾患に罹患している複数の被験体の各々から採取された生体試料に含まれる複数の遺伝子の各々の発現量と、前記複数の被験体の各々の前記疾患の症状の重症度レベルと、が対応付けられている発現量データから、所定の条件を満たす複数の注目データを抽出する抽出工程と、(1)前記複数の注目データの主成分分析の結果に基づいて前記症状の重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程A、(2)所定の機械学習モデルを用いて前記複数の注目データから前記重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程B、および、(3)前記複数の注目データの主成分分析の結果に基づいて生成した最小全域木に基づいて前記重症化に関与する所定数の候補遺伝子を選定する工程C、のうちの少なくともいずれか2以上の工程を実行する選定工程と、前記2以上の工程のいずれにおいても選定された前記候補遺伝子を、前記疾患に関与する遺伝子として特定する特定工程と、を含む、遺伝子特定方法。
【0010】
〔2〕
前記抽出工程において、前記発現量データの主成分分析によって得られた第1主成分および第2主成分をそれぞれX座標およびY座標とする2次元座標系における前記複数の被験体の各々の前記発現量データの座標を決定し、前記複数の被験体の各々の前記発現量データを前記重症度レベルに対応する複数の集合に分類して、前記複数の集合の各々について中心座標を算出し、前記複数の集合の前記中心座標間の距離を示す距離行列の主成分分析によって得られた第1主成分値を示す参照値と、前記集合の前記重症度レベルとの相関関係を解析し、前記重症度レベルが最低である前記集合の前記参照値と前記重症度レベルが2番目に低い前記集合の前記参照値との大小関係と、前記重症度レベルが第n番目に低い前記集合の前記参照値と前記重症度レベルが第n+1目に低い前記集合の前記参照値との大小関係とが異なる場合、前記重症度レベルが最低である前記集合から第n番目に低い前記集合までの集合に含まれる前記発現量データを前記複数の注目データとして抽出する(nは2以上の整数)、〔1〕に記載の遺伝子特定方法。
(【0011】以降は省略されています)
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