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公開番号2025087454
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023202122
出願日2023-11-29
発明の名称触媒からの触媒層の剥離方法および剥離装置
出願人国立大学法人福井大学,日本管機工業株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類B01J 38/00 20060101AFI20250603BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】触媒から触媒層を剥離するための、新たな剥離方法および剥離装置を実現する。
【解決手段】基材(6)と触媒層(7)とを備える触媒(5)に硫酸水溶液(10)を接触させる接触工程(S1)と、接触工程(S1)後の触媒(5)を180℃~260℃に加熱する加熱工程(S2)と、加熱工程(S2)後の触媒(5)と剥離液(11)とを接触させて触媒層(7)を基材(6)から剥離させる剥離工程(S3)とを有する剥離方法を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材と前記基材上に設けられた触媒層とを備える触媒に、硫酸水溶液を接触させる、接触工程と、
前記接触工程の後の前記触媒を、180℃~260℃に加熱する、加熱工程と、
前記加熱工程の後の前記触媒と剥離液とを接触させることによって、前記触媒層を、前記基材から前記剥離液へ剥離させる、剥離工程と、を有する、触媒からの触媒層の剥離方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記硫酸水溶液は、硫酸の濃度が20質量%~30質量%のものである、請求項1に記載の剥離方法。
【請求項3】
前記剥離工程では、前記触媒と、前記触媒よりも温度が低い前記剥離液とを接触させる、請求項1に記載の剥離方法。
【請求項4】
前記加熱工程は、前記触媒を加熱する系から水蒸気を除去することを包含する、請求項1に記載の剥離方法。
【請求項5】
前記剥離工程の後の前記触媒を、前記接触工程における前記触媒として再利用する再利用工程を有する、請求項1に記載の剥離方法。
【請求項6】
前記触媒は、未粉砕のものである、請求項1に記載の剥離方法。
【請求項7】
基材と前記基材上に設けられた触媒層とを備える触媒に、硫酸水溶液を接触させる、接触部と、
前記硫酸水溶液を接触させた後の前記触媒を、180℃~260℃に加熱する、加熱部と、
前記加熱した後の前記触媒と剥離液とを接触させることによって、前記触媒層を、前記基材から前記剥離液へ剥離させる、剥離部と、を備えている、触媒からの触媒層の剥離装置。
【請求項8】
前記硫酸水溶液は、硫酸の濃度が20質量%~30質量%のものである、請求項7に記載の剥離装置。
【請求項9】
前記剥離部は、前記触媒と、前記触媒よりも温度が低い前記剥離液とを接触させるものである、請求項7に記載の剥離装置。
【請求項10】
前記加熱部は、前記触媒を加熱する系から水蒸気を除去する除去部を備えている、請求項7に記載の剥離装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒からの触媒層の剥離方法および剥離装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
現在、基材と当該基材上に設けられた触媒層とを備える触媒が、様々な分野において、様々な用途に用いられている。
【0003】
例えば、ハニカム構造を有する基材と当該基材上に設けられた排ガスに対する浄化性能を有する触媒層とを備える触媒が、自動車などから排出される排ガスの処理に用いられている(例えば、特許文献1参照)。前記触媒層は、例えば、担持層(例えば、アルミナ)、当該担持層に担持された助触媒粒子(例えば、アルミナ、ジルコニア、セリアおよびシリカから選ばれる1種以上の粒子、セリウム、および、ジルコニウムを含む複合酸化物粒子)、および、当該助触媒粒子に担持された貴金属(例えば、プラチナ、パラジウム、ロジウム)などから構成されている。
【0004】
前記触媒層は貴金属などの貴重な資源を含むため、廃棄された触媒から触媒層を回収する技術、および、当該回収された触媒層から更に貴金属などを回収する技術、に注目が集まっている。特に、廃棄された触媒から触媒層を回収する技術は、最終的に回収される貴金属などの量に大きな影響を与えるため、触媒のリサイクル分野において、重要な技術である。触媒から触媒層を回収する技術としては、例えば、超音波剥離、電気パルス破砕、および、加熱・急冷・物理処理を組み合わせた分離を挙げることができる(例えば、非特許文献1、および、非特許文献2参照)。
【0005】
前記超音波剥離では、白金族金属を含有する廃棄物を水または酸性溶液中に浸漬させた状態で、当該廃棄物に対して超音波処理が行われる。当該超音波処理によって、基材から触媒層が剥離する。当該超音波剥離は、現時点では、触媒層の剥離効率が低い。また、当該超音波剥離を工業規模で実施しようとすれば、工業規模に見合った、巨大な設備(例えば、超音波発信機)が必要になる。
【0006】
前記電気パルス破砕では、白金族金属を含有する廃棄物を水中に浸漬させた状態で、当該廃棄物に対して陽極および陰極が接続され、これらの電極を介して当該廃棄物に対して高電圧が印加される。このとき、廃棄物中の異種成分同士が接触する境界面(基材と触媒層との境界面)に大きな電流が流れ、その結果、当該境界面において局所的な温度上昇が生じる。当該温度上昇によって、基材から触媒層が剥離する。当該電気パルス破砕を工業規模で実施しようとすれば、工業規模に見合った、コストが高い設備が必要になる。
【0007】
前記加熱・急冷・物理処理を組み合わせた分離では、白金族金属を含有する廃棄物が、600℃~800℃に加熱される。基材と触媒層とでは熱応力の生じ方が異なるため、当該加熱によって、基材の熱応力と触媒層の熱応力との差が大きくなる。加熱後に廃棄物が急冷されることによって、触媒層における亀裂進展が促進される。その後、廃棄物の破砕、および、破砕物の選別が行われ、基材から剥離した触媒層が回収される。当該加熱・急冷・物理処理を組み合わせた分離は、エネルギー消費量が大きく、かつ、様々な処理を含むために工程が複雑になり、工業化には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2013/027531 A1
【非特許文献】
【0009】
Gangfeng Liu et.al., "Concentration of PGMs from Automobile Catalyst by Combining Surface Grinding and Quenching" Proceedings of EMC(2013), p235-254
Shuji Owada, "A New Trend of Physical Concentration in Resources Recycling" ENGINEERING JOURNAL, Volume 20, Issue 4(2016), p129-136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、従来技術には改善の余地があり、触媒から触媒層を剥離するための、新たな剥離方法および剥離装置が求められている。
(【0011】以降は省略されています)

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