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公開番号
2025127946
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-02
出願番号
2024024966
出願日
2024-02-21
発明の名称
白金族金属の可溶化方法及び金属の分離方法
出願人
川崎重工業株式会社
,
国立大学法人福井大学
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
C22B
11/00 20060101AFI20250826BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】原料に含まれる白金族金属を酸化することにより水や希薄酸に可溶な白金族金属化合物を生成する白金族金属の可溶化方法において、使用エネルギー及びCO
2
排出量を低減する。
【解決手段】白金族金属の可溶化方法は、白金族金属を含む原料と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び酸化ホウ素を含む添加剤との混合物を所定の加熱温度で加熱して、水溶性の白金族金属化合物を含む熱処理物を得ること、及び、熱処理物を水に浸漬し、熱処理物から添加剤の成分が浸出した水溶媒と、熱処理物の水浸出残渣とを分離すること、を含む。上記の加熱温度が、添加剤中の炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び酸化ホウ素の混合物の融点より高く、且つ、炭酸ナトリウムの融点よりも低い。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
白金族金属を含む原料と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び酸化ホウ素を含む添加剤との混合物を所定の加熱温度で加熱して、水溶性の白金族金属化合物を含む熱処理物を得ること、及び、
前記熱処理物を水に浸漬し、前記熱処理物から前記添加剤の成分が浸出した水溶媒と、前記熱処理物の水浸出残渣とを分離すること、を含み、
前記加熱温度が、前記添加剤中の炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び酸化ホウ素の混合物の融点より高く、且つ、炭酸ナトリウムの融点よりも低い、
白金族金属の可溶化方法。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記加熱温度は、650℃以上750℃以下である、
請求項1に記載の白金族金属の可溶化方法。
【請求項3】
前記添加剤中のカリウム及びナトリウムの合計の物質量に対するナトリウムの物質量の比が37mol%以上77mol%以下である、
請求項1又は2に記載の白金族金属の可溶化方法。
【請求項4】
前記白金族金属は、Pd、Pt、Rh、Ir、Os、及びRuの少なくとも1つである、
請求項1又は2に記載の白金族金属の可溶化方法。
【請求項5】
請求項1の白金族金属の可溶化方法で得られた前記水浸出残渣を希塩酸水溶液に浸漬し、前記白金族金属化合物が浸出した酸溶媒と不溶性残渣とを分離すること、及び、
前記酸溶媒から前記白金族金属を抽出して回収すること、を含む、
金属の分離方法。
【請求項6】
前記不溶性残渣から金属を回収することを、更に含む、
請求項5に記載の金属の分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、原料に含まれる白金族金属を水溶性の白金族金属化合物とする白金族金属の可溶化方法、及び、この方法を用いた金属の分離方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
白金族金属は、優れた触媒性能を有することから、自動車の排ガス浄化触媒等の様々な用途に用いられている。白金族金属は希少性が高い。そこで、天然の鉱石よりも白金族金属濃度が高い廃触媒等の廃製品から白金族金属を抽出する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された分離方法では、水酸化カリウム及び酸化ホウ素の混合物を加熱して溶融物を得る溶融工程と、原料、溶融物、及び炭酸カリウムの混合物を加熱して熱処理産物を得る熱処理工程と、熱処理産物を水、0.01M塩酸、0.1M塩酸及び1M塩酸の順にそれぞれ2時間浸漬した後、浸漬により熱処理産物の成分が溶出した各溶液と不溶性の残渣とを得る浸漬工程と、各溶液に溶解した白金族金属をそれぞれ回収し、且つ、不溶性の残渣として金を回収する回収工程とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-127493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、王水と比較して安価な水や希薄酸溶液に白金族金属を溶解させた白金族金属溶液が得られる。一方で、溶融工程及び熱処理産物を得る熱処理工程において、約1000℃の高温で混合物を加熱する必要があり、使用エネルギー及びCO
2
排出量の低減の観点から改善の余地が残されている。
【0006】
本開示は以上の事情に鑑みてなされたものであり、原料に含まれる白金族金属を酸化することにより水や希薄酸に可溶な白金族金属化合物を生成する白金族金属の可溶化方法において、使用エネルギー及びCO
2
排出量の低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る白金族金属の可溶化方法は、
白金族金属を含む原料と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び酸化ホウ素を含む添加剤との混合物を所定の加熱温度で加熱して、水溶性の白金族金属化合物を含む熱処理物を得ること、及び、
前記熱処理物を水に浸漬し、前記熱処理物から前記添加剤の成分が浸出した水溶媒と、前記熱処理物の水浸出残渣とを分離すること、を含み、
前記加熱温度が、前記添加剤中の炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、及び酸化ホウ素の混合物の融点より高く、且つ、炭酸ナトリウムの融点よりも低いものである。
【0008】
また、本開示の一態様に係る金属の分離方法は、
前記白金族金属の可溶化方法で得られた前記水浸出残渣を希塩酸水溶液に浸漬し、前記白金族金属化合物が浸出した酸溶媒と不溶性残渣とを分離すること、及び、
前記酸溶媒から前記白金族金属を抽出して回収すること、を含むものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、原料に含まれる白金族金属を酸化することにより水や希薄酸に可溶な白金族金属化合物を生成する白金族金属の可溶化方法において、使用エネルギー及びCO
2
排出量の低減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示に係る金属の分離方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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