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公開番号
2025101654
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023218658
出願日
2023-12-25
発明の名称
循環系推定プログラム、循環系推定装置、血圧輸液制御補助プログラム、血圧輸液制御補助装置及び血圧輸液制御補助システム
出願人
国立大学法人福井大学
代理人
個人
主分類
A61B
5/029 20060101AFI20250630BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】術中の患者の有効循環血液量を推定する循環系推定プログラム、循環系推定装置、血圧輸液制御補助プログラム、血圧輸液制御補助装置及び血圧輸液制御補助システムを提供する。
【解決手段】血圧輸液制御補助装置1は、一回拍出量取得手段103が取得した一回拍出量情報114と、動脈圧波形の時定数と、血圧取得手段100が取得した血圧情報111とに基づいて動脈コンプライアンスを推定する動脈コンプライアンス推定手段102と、患者の血圧情報111、中心静脈圧情報112及び動脈コンプライアンス情報113に基づいて、動脈系と静脈系を連結管で接続した循環モデルに基づいて、有効循環血液量を推定する有効循環血液量推定手段104とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
コンピュータを、
患者の血圧、中心静脈圧及び動脈コンプライアンスから、動脈系と静脈系を連結管で接続した循環モデルに基づいて、有効循環血液量を推定する推定手段として機能させる循環系推定プログラム。
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【請求項2】
前記動脈コンプライアンスは、一回拍出量と動脈圧波形の時定数と血圧とから算出する請求項1に記載の循環系推定プログラム。
【請求項3】
前記動脈コンプライアンスは、予め定めた数値を用いる請求項1に記載の循環系推定プログラム。
【請求項4】
一回拍出量と前記有効循環血液量の変化に基づいて前記患者が心不全の状態にあるか否かを判定する判定手段としてさらに機能させる循環系推定プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の循環系推定プログラムにより心不全でないと判定された場合に、
患者の血圧及び一回拍出量又は一回拍出量係数から実効動脈エラスタンスを推定する推定手段と、
左室収縮能が一定であることを前提として、前記実効動脈エラスタンスが予め定めた値より小さい場合であって、前記血圧が予め定めた値より低い場合に血管収縮薬の必要投与量を決定する投与手段として機能させる血圧輸液制御補助プログラム。
【請求項6】
前記投与手段は、当該血管収縮薬の投与にも関わらず前記血圧が前記予め定めた値より低い場合に必要な輸液量を決定する請求項5に記載の血圧輸液制御補助プログラム。
【請求項7】
前記投与手段は、前記血管収縮薬の必要投与量及び/又は前記輸液量を表示制御する請求項6に記載の血圧輸液制御補助プログラム。
【請求項8】
前記投与手段は、前記患者に対する血管収縮薬投与及び/又は輸液が可能な外部機器を制御して、必要投与量の前記血管収縮薬及び/又は前記輸液量の輸液を前記患者に投与制御する請求項6に記載の血圧輸液制御補助プログラム。
【請求項9】
前記投与手段は、前記血圧と前記一回拍出量又は前記一回拍出量係数に基づいて前記患者の循環動態を予め定めた分類に分類し、分類結果に基づいて前記血管収縮薬の必要投与量及び/又は前記輸液量を決定する請求項6から8のいずれか1項に記載の血圧輸液制御補助プログラム。
【請求項10】
患者の血圧、中心静脈圧及び動脈コンプライアンスから、動脈系と静脈系を連結管で接続した循環モデルに基づいて、有効循環血液量を推定する推定手段を有する循環系推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環系推定プログラム、循環系推定装置、血圧輸液制御補助プログラム、血圧輸液制御補助装置及び血圧輸液制御補助システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
術中の患者に輸液又は輸血をするために患者の状態を把握することが必要であるが、特に患者が心不全状態にあるか否かを判定することが、左室収縮能が一定となるか変動するかを左右する点で重要である。左室収縮能が一定であれば、これを条件としてPVループを用いて血管収縮薬投与量及び輸液量を推定することができる。なお、心不全をモニタするためには患者の血液量又は心収縮能の測定が必要となるが、血液量が正常に維持されていれば心機能は正常であり、増加していれば心不全状態である。
【0003】
従来の技術として、血液量としての全循環血液量(Total Blood Volume)を直接測定する方法の一例として、COでラベルした赤血球の濃度を利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示された方法は、被検者の呼気中CO濃度とCO
2
濃度を測定して両者の回帰式を求める一方、該回帰式と動脈血CO
2
分圧から任意の時点の呼気終末CO濃度を算出し、その平均値から血中CO-Hb%を算出する。また、該血中CO-Hb%算出方法を応用して、CO-ヘモグロビン希釈法により、循環血液量を測定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
特開2004-329349号公報
瀬尾勝弘、特集 新しい循環系モニタリング-その有用性と限界- 動脈圧波形心拍出量モニタリング:1.フロートラックとSVV、2009年、麻酔、58巻7号、838-847p
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された方法は、COで赤血球をラベルする準備が必要となり、各測定についても特殊な器具を必要とするため、術中の患者に適用するのには難があった。また、その他、
51
Cにラベルされた赤血球の濃度を利用する方法があるが、
51
Cにラベルされた赤血球の濃度を利用する方法は同様に
51
Cで赤血球をラベルする準備が必要となり、術中の患者に適用するのには難がある、という問題がある。また、インドシアニングリーン等の色素の濃度、ブドウ糖の濃度、ヘマトクリット(赤血球の濃度)等を利用する方法があるが、各測定についても特殊な器具を必要とするし、インドシアニングリーンは肝臓で代謝し、ブドウ糖は血管外へ容易に拡散し、血液量が希釈されて増加しなくても濃度が低下するためその補正が必要であるため、術中の患者に適用するのには難がある、という問題がある。
【0007】
上記問題を解決する方法として、一回拍出量変動値(SVV)を用いて全循環血液量を予測する方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0008】
非特許文献2に開示された方法は、一回拍出量変動値(SVV)の値から循環血液量の不足状態を把握するものの、SVVの測定のために規則的な人工呼吸が必要である、そのため自発呼吸があると不都合である、不整脈や心房細動があると測定できない、呼気終末陽圧(PEEP)はSVVを過大評価する、輸液するとPEEPの影響が小さくなるという理由から測定が容易とは言えない。その他、中心静脈圧(CVP)、肺動脈楔入圧(PCWP)、平均循環充満圧(Psf)、脈圧変動値(PPV)等の値を用いて全循環血液量を予測する方法があるが、中心静脈圧(CVP)の測定の際に静脈還流抵抗値や心機能の影響を強く受けるため測定が困難であり、肺動脈楔(PCWP)は肺動脈カテーテルを必要とするため侵襲を伴い、平均循環充満圧(Psf)は循環停止(心停止)させた際の血圧と中心静脈圧が同一となった時の圧であるため術中の測定そのものが困難である、という問題がある。
【0009】
従って、上記いずれの方法を用いても術中の患者から循環血液量を測定(又は推定)することは、測定の準備や侵襲の程度の観点で容易ではない、という問題がある。
【0010】
従って、本発明の目的は、術中の患者の有効循環血液量を推定する循環系推定プログラム、循環系推定装置、血圧輸液制御補助プログラム、血圧輸液制御補助装置及び血圧輸液制御補助システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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