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公開番号2025120999
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-19
出願番号2024016120
出願日2024-02-06
発明の名称糊剤付き繊維品、糊剤、糊剤付き繊維品を製造する方法、及び繊維品を製造する方法
出願人伊澤タオル株式会社,国立大学法人京都工芸繊維大学,サステナテック株式会社,国立大学法人福井大学,福井県
代理人個人,個人,個人,個人
主分類D06M 15/11 20060101AFI20250812BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】本発明は、超臨界二酸化炭素を用いた糊抜きに適した糊剤付き繊維品を提供することを目的とする。
【解決手段】糊剤付き繊維品であって、
前記糊剤が、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルを含む、前記糊剤付き繊維品。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
糊剤付き繊維品であって、
前記糊剤が、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルを含む、前記糊剤付き繊維品。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルが、デキストリンのオクテニルコハク酸エステル、マルトースのオクテニルコハク酸エステル、マルトースのドデセニルコハク酸エステル、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の糊剤付き繊維品。
【請求項3】
前記でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステル中のアルケニルコハク酸含量が、5~50重量%である、請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品。
【請求項4】
前記でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルの構成成分であるでん粉分解物のDEが、5~80である、請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品。
【請求項5】
前記繊維品が綿糸又は綿生地を含む、請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品。
【請求項6】
前記糊剤付き繊維品に対する前記糊剤の付着率が0.1~10重量%である、請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品を製造するための、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルを含む糊剤。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品を製造する方法であって、
前記糊剤を含む流体と繊維品とを接触させて、前記繊維品に糊付けを行う工程を含む、前記方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の糊剤付き繊維品から繊維品を製造する方法であって、
超臨界二酸化炭素を含む流体と前記糊剤付き繊維品とを接触させて、前記糊剤付き繊維品の糊抜きを行う工程を含む、前記方法。
【請求項10】
前記糊抜きを行う工程が、バッチ処理又は連続処理によるものである、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、糊剤付き繊維品、糊剤、糊剤付き繊維品を製造する方法、及び繊維品を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般に綿製品等の織物は、経糸・緯糸の交錯によってつくられる。そこで、織物をつくるには、まず原糸の経糸と緯糸に分けることから始まる。経糸と緯糸に分けられた原糸は様々な工程に通される。最後に織機にかけられ、出来上がった織物は検査されて仕上げ工程に送られる。綿製品製造の主な工程は、紡績、糊付け、製織、糊抜き・精錬・漂白、染色、仕上げの各工程である。これらの工程の中で糊付け、糊抜き・精練、染色の各工程では、多量の水が使用されると同時に、多量の廃水を排出する。衣服の製造で排出される廃水は全世界の廃水の20%に及ぶとされている。世界的に環境負荷低減が大きな課題とされる中、こうした廃水問題を解決する環境にやさしい製造工程が必要とされている。
上述の工程の中でも製織後の糊抜き工程は、その後の染色・仕上げ工程、製品の品質等に大きな影響を与える。このような糊抜き工程において処理対象となる従来の糊剤(サイジング剤)は、水を使用した糊抜きを前提として設計されている。
【0003】
また、超臨界二酸化炭素を用いて繊維加工を行うことが知られている。超臨界状態とは、各化合物固有の臨界温度(Tc)、臨界圧力(Tp)を超えた状態で発現する。この状態は超臨界流体と呼ばれ、気体と液体の中間の性質を持つ。図1に示すように、二酸化炭素のTcは31.1℃、Tpは7.38MPaと比較的温和な条件で超臨界状態を発現することができ、爆破性がなく、無毒で安全性が高く、安価で入手しやすいといった利点がある。また、超臨界二酸化炭素は、(1)臨界温度付近では圧力をわずかに変化させると密度が大きく変動する、(2)低粘度、高拡散性のため、輸送物性に優れ、物質への浸透力が大きい、(3)熱伝導度が大きく、熱移動速度が速い、(4)溶媒和効果より反応速度が速い、(5)水より誘電率が小さく通常の無極性有機溶媒と同程度となるため、無極性有機物質に対して良好な溶媒となる、(5)二酸化炭素を回収し再利用することが可能である、といった特徴を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、繊維品の糊抜き工程において、従来使用していた水の代わりの溶媒として超臨界二酸化炭素を用い、廃水問題を解決する環境にやさしい繊維品の製造工程の実現ができると考えた。糊抜き工程において処理対象となる従来の糊剤としては、でん粉糊を含む糊剤が従来から使用されている。しかし、本発明者らが鋭意検討したところ、でん粉糊を含む糊剤は水を使用した糊抜きを前提としているため、超臨界二酸化炭素を用いた糊抜きには不適であることがわかった。
以上のように、超臨界二酸化炭素を用いた糊抜きに適した糊剤付き繊維品の実現が望まれている。
【0005】
本発明は、超臨界二酸化炭素を用いた糊抜きに適した糊剤付き繊維品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルを含む糊剤を用いることで上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
【0007】
[1] 糊剤付き繊維品であって、
前記糊剤が、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルを含む、前記糊剤付き繊維品。
[2] 前記でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルが、デキストリンのオクテニルコハク酸エステル、マルトースのオクテニルコハク酸エステル、マルトースのドデセニルコハク酸エステル、又はこれらの組み合わせを含む、[1]に記載の糊剤付き繊維品。
[3] 前記でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステル中のアルケニルコハク酸含量が、5~50重量%である、[1]又は[2]に記載の糊剤付き繊維品。
[4] 前記でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルの構成成分であるでん粉分解物のDEが、5~80である、[1]~[3]のいずれかに記載の糊剤付き繊維品。
[5] 前記繊維品が綿糸又は綿生地を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の糊剤付き繊維品。
[6] 前記糊剤付き繊維品に対する前記糊剤の付着率が0.1~10重量%である、[1]~[5]のいずれかに記載の糊剤付き繊維品。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の糊剤付き繊維品を製造するための、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステルを含む糊剤。
[8] [1]~[6]のいずれかに記載の糊剤付き繊維品を製造する方法であって、
前記糊剤を含む流体と繊維品とを接触させて、前記繊維品に糊付けを行う工程を含む、前記方法。
[9] [1]~[6]のいずれかに記載の糊剤付き繊維品から繊維品を製造する方法であって、
超臨界二酸化炭素を含む流体と前記糊剤付き繊維品とを接触させて、前記糊剤付き繊維品の糊抜きを行う工程を含む、前記方法。
[10] 前記糊抜きを行う工程が、バッチ処理又は連続処理によるものである、[9]に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の糊剤付き繊維品は、超臨界二酸化炭素を用いた糊抜きに適する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、二酸化炭素の温度-圧力の状態図である。
図2は、糊剤が付着していない綿糸のSEM画像である。
図3は、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステル(1)が付着した綿糸のSEM画像である。
図4は、でん粉分解物のアルケニルコハク酸エステル(2)が付着した綿糸のSEM画像である。
図5は、超臨界二酸化炭素を含む流体による処理を行う前の織物生地の写真である。
図6は、超臨界二酸化炭素を含む流体による処理に使用する装置の概要を示す図である。
図7は、綿糸を巻き付けた状態の治具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「X~Y」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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