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公開番号2024178665
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2023096979
出願日2023-06-13
発明の名称無停電電源システムおよび無停電電源システムを用いた電力供給方法
出願人富士電機株式会社
代理人個人,個人
主分類H02J 9/06 20060101AFI20241218BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】3系統の無停電電源を同期制御させて負荷に対して電力供給を行う際に、いずれかの系統の無停電電源が出力を同期制御できない場合においても、3系統以上の無停電電源の各々の出力を適切に同期させることが可能な無停電電源システムを提供する。
【解決手段】交流電力を変換して出力する電力変換部20a~20cおよび交流電源Sの電力を直接出力する第1バイパス回路30a~30cを含む無停電電源100a~100cを3系統以上用いて、電力供給を行う無停電電源システム200であって、無停電電源100a~100cの各々は同期制御部8a~8cを含み、同期制御部8a~8cは、自系統の電力変換部20a~20cが出力する電圧を、母線10a~10cの電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源100a~100cの母線10a~10cの電圧に同期させる制御を行うように構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
交流電源の電力を変換して負荷へ出力する電力変換部、および、前記交流電源の電力を前記負荷へ直接出力するバイパス回路を含む無停電電源を3系統以上用いて、3系統以上の前記負荷に電力供給を行う無停電電源システムであって、
前記無停電電源の各々は、
前記無停電電源における自系統の前記バイパス回路の電圧、および、自系統の前記電力変換部から出力される母線の電圧を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて取得される検出情報、および、前記無停電電源の運転状態に関する運転状態情報を通信する情報通信部と、
前記検出情報および前記運転状態情報に基づいて、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、自系統の前記バイパス回路の電圧、または、他系統の前記母線の電圧に切り替えて同期させる制御を行う同期制御部とを含み、
前記同期制御部は、前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源があるという前記運転状態情報を取得した際に、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源の前記母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される、無停電電源システム。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記同期制御部は、前記無停電電源に含まれる構成部材の一部が動作不良を起こすことにより前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源があるという前記運転状態情報を取得した際に、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源の前記母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される、請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項3】
前記無停電電源の各々に含まれる前記情報通信部は、自系統の前記母線の電圧が他系統から同期する対象として選択されないようにするためのインターロック情報を生成し、
前記運転状態情報は、自系統の前記無停電電源における前記情報通信部が、前記インターロック情報が生成されていないという情報を含む、請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項4】
前記無停電電源の各々に含まれる前記同期制御部は、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、
他系統の前記無停電電源が前記バイパス回路を用いて給電を行っているという前記運転状態情報と、他系統の前記無停電電源において、同期される対象として優先的に選択されるようにするための優先同期情報が生成されていないという前記運転状態情報と、自系統が他系統の前記母線の電圧を正常に検出できない状態であることを示す前記運転状態情報との少なくとも1つを含む情報を有する前記無停電電源の前記母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される、請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項5】
前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源があるという前記運転状態情報は、自系統の前記無停電電源が前記バイパス回路を用いて給電を行っているというバイパス給電情報を含む、請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項6】
前記無停電電源の各々に含まれる前記バイパス回路は、前記電力変換部を介して前記負荷に電力を給電する場合にオフとなり、前記バイパス回路を介して前記負荷に給電する場合にオンとなるバイパス開閉器を含み、
前記無停電電源の各々に含まれる前記情報通信部は、自系統の前記バイパス開閉器がオンとなっている場合に、前記バイパス給電情報を生成して通信するように構成され、
前記無停電電源の各々に含まれる前記同期制御部は、自系統の前記情報通信部から取得した他系統の前記バイパス給電情報に基づいて、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、前記バイパス給電情報を出力する他系統の前記無停電電源の前記母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される、請求項5に記載の無停電電源システム。
【請求項7】
前記無停電電源の各々に含まれる前記同期制御部は、前記検出情報が正常であるか否かを判定し、自系統の前記母線の電圧が正常であると判定した場合に母線正常状態情報を生成し、自系統の前記母線の電圧が正常でないと判定した場合に母線異常状態情報を生成して前記情報通信部に通信するように構成され、
前記無停電電源の各々に含まれる前記情報通信部は、自系統の前記母線の電圧が他系統から同期される対象として優先的に選択されるようにするための優先同期情報を生成し、他系統から、自系統の前記無停電電源が前記バイパス回路を用いて給電を行っているというバイパス給電情報と、前記母線正常状態情報と、前記優先同期情報と、他系統の前記無停電電源が前記母線の電圧を検出できない状態であることを示す母線電圧検出異常情報とを含む前記運転状態情報を取得した場合に、自系統の前記母線の電圧が、他系統から同期する対象として選択されないようにするための前記インターロック情報を生成するように構成される、請求項3に記載の無停電電源システム。
【請求項8】
前記無停電電源の各々に含まれる前記情報通信部は、自系統が前記インターロック情報を生成していない状態において、他系統との通信により前記母線正常状態情報を取得した場合に、前記優先同期情報を生成するように構成されており、
前記無停電電源の各々に含まれる前記同期制御部は、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、前記優先同期情報を出力している他系統の前記無停電電源の前記母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される、請求項7に記載の無停電電源システム。
【請求項9】
交流電源の電力を変換して負荷へ出力する電力変換部、および、前記交流電源の電力を前記負荷へ直接出力するバイパス回路を含む無停電電源を3系統以上用いて、3系統以上の前記負荷に電力供給を行う無停電電源システムを用いた電力供給方法であって、
前記無停電電源における自系統の前記バイパス回路の電圧、および、自系統の前記電力変換部から出力される母線の電圧を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に基づいて取得される検出情報、および、前記無停電電源の運転状態に関する運転状態情報を通信する情報通信ステップと、
前記検出情報および前記運転状態情報に基づいて、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、自系統の前記バイパス回路の電圧、または、他系統の前記母線の電圧に切り替えて同期させる制御を行う同期制御ステップとを含み、
前記同期制御ステップは、前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源があるという前記運転状態情報を取得した際に、自系統の前記電力変換部が出力する電圧を、前記母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の前記無停電電源の前記母線の電圧に同期させる制御を行う、無停電電源システムを用いた電力供給方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、無停電電源システムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、交流電源に接続された2系統の無停電電源のうち、いずれかの無停電電源を用いて、3系統以上の負荷に電力を給電する無停電電源システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1に記載の無停電電源システムは、3系統の負荷へ電力供給を行う2系統の無停電電源装置を備えている。無停電電源装置の各々は、交流電源からの電力を直接負荷へ供給するバイパス電源回路と、負荷へ供給する電力を調整する電力変換部と、自系統の電力変換部の出力および他系統の電力変換部の出力を検出する電圧検出器と、電圧検出器を介して電圧を取得する同期選択回路とを含む無停電電源を備える。
【0003】
また、上記特許文献1では、無停電電源装置の各々は、同期選択回路の取得した電圧を相互に通信するための信号中継回路をさらに備える。そして、上記特許文献1に記載の無停電電源システムでは、停電などにより、2系統の無停電電源のうちの一方側の無停電電源に含まれるバイパス電源回路の電圧に異常が生じた場合に、自系統の出力する母線の電圧を、2系統の無停電電源のうちの他方側の無停電電源に含まれる正常電圧のバイパス電源回路の電圧に同期させるように電力変換部を制御する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5347415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記特許文献1では、3系統以上の無停電電源装置における同期対象の制御方法、および、いずれかの系統の無停電電源において異常が生じた場合の制御方法については明記されていない。そのため、上記特許文献1の構成では、3系統以上の無停電電源のうち、いずれかの系統の無停電電源が異常な状態となった場合に、どのようにして同期すれば負荷に対して適切な電力を供給できるかが不明であり、無停電電源の各々が、不適切な電圧に同期して電力を供給してしまう場合があるという問題点が考えられる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、3系統以上の無停電電源を同期制御させて負荷に対して電力供給を行う際に、いずれかの系統の無停電電源が出力を同期制御できない場合においても、3系統以上の無停電電源の各々の出力を適切に同期させることが可能な無停電電源システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による無停電電源システムは、交流電源の電力を変換して負荷へ出力する電力変換部、および、交流電源の電力を負荷へ直接出力するバイパス回路を含む無停電電源を3系統以上用いて、3系統以上の負荷に電力供給を行う無停電電源システムであって、無停電電源の各々は、無停電電源における自系統のバイパス回路の電圧、および、自系統の電力変換部から出力される母線の電圧を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて取得される検出情報、および、無停電電源の運転状態に関する運転状態情報を通信する情報通信部と、検出情報および運転状態情報に基づいて、自系統の電力変換部が出力する電圧を、自系統のバイパス回路の電圧、または、他系統の母線の電圧に切り替えて同期させる制御を行う同期制御部とを含み、同期制御部は、母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源があるという運転状態情報を取得した際に、自系統の電力変換部が出力する電圧を、母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源の母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される。
【0008】
この発明の第1の局面による無停電電源システムは、上記のように、3系統以上の無停電電源の各々に含まれる同期制御部は、母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源があるという運転状態情報を取得した際に、自系統の電力変換部が出力する電圧を、母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源の母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される。これにより、3系統以上の複数の無停電電源を用いる場合において、いずれかの系統の無停電電源が出力する電圧を制御することができなくなった場合にも、電圧を制御することができる系統の各々の母線の電圧を、母線の電圧を制御することができなくなった系統の母線の電圧に同期させることができる。その結果、3系統以上の無停電電源を同期制御させて負荷に対して電力供給を行う際に、いずれかの系統の無停電電源が出力を同期制御できない場合においても、3系統以上の無停電電源の各々の出力を適切に同期させることができる。
【0009】
上記第1の局面による無停電電源システムにおいて、好ましくは、同期制御部は、無停電電源に含まれる構成部材の一部が動作不良を起こすことにより母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源があるという運転状態情報を取得した際に、自系統の電力変換部が出力する電圧を、母線の電圧を同期制御できない状態となっている他系統の無停電電源の母線の電圧に同期させる制御を行うように構成される。このように構成すれば、3系統以上の複数の無停電電源を用いる場合において、いずれかの系統の無停電電源が、無停電電源に含まれる構成部材の一部が動作不良を起こすことに起因して、出力する電圧を制御することができなくなった場合にも、電圧を制御することができる系統の各々の無停電電源が、電圧を制御することができなくなった系統の出力電圧に同期する。その結果、3系統以上の無停電電源を同期制御させて3系統以上の負荷に対して電力供給を行う際に、無停電電源に含まれる構成部材の一部が動作不良を起こすことに起因していずれかの系統の無停電電源が出力を同期制御できなくなったとしても、3系統以上の無停電電源の各々の出力を同期させることができる。
【0010】
上記第1の局面による無停電電源システムにおいて、好ましくは、無停電電源の各々に含まれる情報通信部は、自系統の母線の電圧が他系統から同期する対象として選択されないようにするためのインターロック情報を生成し、運転状態情報は、自系統の無停電電源における情報通信部が、インターロック情報が生成されていないという情報を含む。このように構成すれば、無停電電源の各々に含まれる同期制御部は、インターロック情報を含む運転状態情報に基づいて、自系統の電力変換部が出力する電圧を、インターロック情報を含まない運転状態情報を出力している系統の母線の電圧に切り替えて同期させる制御を行う。その結果、3系統以上の無停電電源の各々の同期制御部は、3系統以上の無停電電源の各々の出力を、不適切な系統の母線電圧に同期させることを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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