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公開番号
2024171613
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023088712
出願日
2023-05-30
発明の名称
超音波流量計
出願人
富士電機株式会社
代理人
弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類
G01F
1/66 20220101AFI20241205BHJP(測定;試験)
要約
【課題】流体のボイド率が変動しても、高精度に流量を測定する。
【解決手段】超音波流量計は、管体内の流体の流れる方向において互いに異なる位置で管体に配置され、管体内を介して超音波信号を互いに送受信可能な第1超音波センサーおよび第2超音波センサーと、管体に配置され、管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第1ボイド率センサーと、第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が第1閾値未満である場合、第1超音波センサーと第2超音波センサーとの間の順方向での超音波信号と逆方向での超音波信号との伝搬時間差に基づいて管体内の流体の流量を算出し、第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が第1閾値以上である場合、第1超音波センサーまたは第2超音波センサーの送受信間の超音波信号の周波数シフトに基づいて管体内の流体の流量を算出する処理装置と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
管体内の流体の流れる方向において互いに異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内を介して超音波信号を互いに送受信可能な第1超音波センサーおよび第2超音波センサーと、
前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第1ボイド率センサーと、
前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が第1閾値未満である場合、前記第1超音波センサーと前記第2超音波センサーとの間の順方向での超音波信号と逆方向での超音波信号との伝搬時間差に基づいて前記管体内の流体の流量を算出し、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が前記第1閾値以上である場合、前記第1超音波センサーまたは前記第2超音波センサーの送受信間の超音波信号の周波数シフトに基づいて前記管体内の流体の流量を算出する処理装置と、を備える、
超音波流量計。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記第1閾値は、5%以上15%以下の範囲内である、
請求項1に記載の超音波流量計。
【請求項3】
前記管体内の流体の流れる方向において前記第1ボイド率センサーとは異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第2ボイド率センサーをさらに備え、
前記処理装置は、
前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が前記第1閾値以上かつ前記第1閾値よりも大きい第2閾値未満である場合、前記周波数シフトに基づいて前記管体内の流体の流量を算出し、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が前記第2閾値以上である場合、前記第1ボイド率センサーおよび前記第2ボイド率センサーの出力信号の相関に基づいて前記管体内の流体の流量を算出する、
請求項1に記載の超音波流量計。
【請求項4】
前記第2閾値は、35%以上45%以下の範囲内である、
請求項3に記載の超音波流量計。
【請求項5】
前記第1ボイド率センサーは、静電容量式のボイド率センサーである、
請求項1に記載の超音波流量計。
【請求項6】
管体内の流体の流れる方向において互いに異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内を介して超音波信号を互いに送受信可能な第1超音波センサーおよび第2超音波センサーと、
前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第1ボイド率センサーと、
前記管体内の流体の流れる方向において前記第1ボイド率センサーとは異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第2ボイド率センサーと、
前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が第3閾値未満である場合、前記第1超音波センサーと前記第2超音波センサーとの間の順方向での超音波信号と逆方向での超音波信号との伝搬時間差に基づいて前記管体内の流体の流量を算出し、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が前記第3閾値以上である場合、前記第1ボイド率センサーおよび前記第2ボイド率センサーの出力信号の相関に基づいて前記管体内の流体の流量を算出する処理装置と、を備える、
超音波流量計。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、超音波流量計に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
配管等の管体内を流れる流体の流量を測定する流量計の一種である超音波流量計は、管体内で可動したり摩耗したりする部分を有しなくて済むことから、メンテナンス性に優れ、かつ、大口径の管体にも容易に設置可能である。
【0003】
超音波流量計は、特許文献1から3に開示されるように、一般に、配管の流体の流れる方向で互いに異なる位置に配置される1対の超音波センサー間の順方向の超音波信号の伝搬時間と逆方向の超音波信号の伝搬時間との差に基づいて流量を算出する伝搬時間差法を用いる。
【0004】
しかし、伝搬時間差法のみを用いる場合、配管内の流体に気泡が混入することにより、配管内の流体の流れが液体および気体の混在する気液二相流となると、流量の測定精度が低下してしまう。そこで、特許文献2では、超音波信号を用いてボイド率を推定し、その推定結果を用いて、伝播時間差法の算出結果を補正することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-88322号公報
特開2022-34167号公報
特開2016-40544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、配管内の流体の流れが気液二相流である状態であっても、高精度に流量を測定したいというニーズが高まっている。例えば、カーボンニュートラルで注目される水素サプライチェーンでは、気液二相流になりやすい液体水素の流量を高精度に測定することが望まれている。
【0007】
しかし、特許文献2では、ボイド率の推定に超音波信号を用いるので、配管の材質、肉厚、超音波センサーとの接触状態により超音波信号の振幅が変動したり、配管内を伝搬する不要な超音波信号の影響を受けたりすることにより、ボイド率の推定結果も変動してしまう。このため、特許文献2の構成では、流体の流量を高精度に測定することが難しいという問題がある。
【0008】
また、従来では、伝搬時間差法を用いる場合、伝搬時間差法を常に用いて流量の計測を行うので、流体内の気泡量が多くなりすぎると、1対の超音波センサーのうちの一方から他方へ超音波信号が到達し難くなることにより、流量を計測することが困難となってしまうという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る超音波流量計は、管体内の流体の流れる方向において互いに異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内を介して超音波信号を互いに送受信可能な第1超音波センサーおよび第2超音波センサーと、前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第1ボイド率センサーと、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が第1閾値未満である場合、前記第1超音波センサーと前記第2超音波センサーとの間の順方向での超音波信号と逆方向での超音波信号との伝搬時間差に基づいて前記管体内の流体の流量を算出し、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が前記第1閾値以上である場合、前記第1超音波センサーまたは前記第2超音波センサーの送受信間の超音波信号の周波数シフトに基づいて前記管体内の流体の流量を算出する処理装置と、を備える。
【0010】
本開示の他の一態様に係る超音波流量計は、管体内の流体の流れる方向において互いに異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内を介して超音波信号を互いに送受信可能な第1超音波センサーおよび第2超音波センサーと、前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第1ボイド率センサーと、前記管体内の流体の流れる方向において前記第1ボイド率センサーとは異なる位置で前記管体に配置され、前記管体内の流体のボイド率に応じた信号を出力する第2ボイド率センサーと、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が第3閾値未満である場合、前記第1超音波センサーと前記第2超音波センサーとの間の順方向での超音波信号と逆方向での超音波信号との伝搬時間差に基づいて前記管体内の流体の流量を算出し、前記第1ボイド率センサーの出力信号に基づくボイド率が前記第3閾値以上である場合、前記第1ボイド率センサーおよび前記第2ボイド率センサーの出力信号の相関に基づいて前記管体内の流体の流量を算出する処理装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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