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公開番号2024177698
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023095978
出願日2023-06-12
発明の名称分析システム
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人野口新生特許事務所,個人
主分類G01N 31/00 20060101AFI20241217BHJP(測定;試験)
要約【課題】酸化分解後の組成物の割合が反応管の加熱温度によって変化しにくい分析システムを提供する。
【解決手段】酸化分解装置(6)を備えた分析システム(1)であって、前記酸化分解装置(6)は、サンプルの酸化分解を内部で行なうための反応管(30)と、前記反応管(30)を内部に収容して前記反応管(30)を加熱するための加熱炉(28)と、前記サンプルを酸化させるための酸化ガスを供給する酸化ガス供給部(36)と、サンプルの酸化分解に影響を与えない不活性ガスであるメークアップガスを供給するメークアップガス供給部(38)と、入口(33)から導入されたサンプルとともに前記酸化ガス供給部(36)から供給される前記酸化ガス及び前記メークアップガス供給部(38)から供給される前記メークアップガスを前記反応管(30)の内側へ導入させる構造を有するインターフェース部(32)と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
入口及び出口を有し、前記入口から導入されたサンプルを酸化分解してから前記出口から流出させる酸化分解装置と、前記酸化分解装置で酸化分解された酸化反応物を検出するための検出器とを備え、前記サンプルにおける特定の酸素成分を含む化合物の検出及び/又は定量を行なうための分析システムであって、
前記酸化分解装置は、
一端及び他端を有し、前記一端が前記入口側に配置され、前記他端が前記出口側に配置され、サンプルの酸化分解を内部で行なうための反応管と、
前記反応管を内部に収容して前記反応管を加熱するための加熱炉と、
前記サンプルを酸化させるための酸化ガスであって前記特定の酸素成分と異なる同位体の酸素成分を含む酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
サンプルの酸化分解に影響を与えない不活性ガスであるメークアップガスを供給するメークアップガス供給部と、
前記入口から導入されたサンプルとともに前記酸化ガス供給部から供給される前記酸化ガス及び前記メークアップガス供給部から供給される前記メークアップガスを前記反応管の内側へ導入させる構造を有するインターフェース部と、を備えている分析システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記酸化ガス供給部から供給される前記酸化ガスと前記メークアップガス供給部から供給される前記メークアップガスとは互いに別の流路で前記インターフェース部に供給される、請求項1に記載の分析システム。
【請求項3】
前記インターフェース部は、前記入口から導入された前記サンプルに前記酸化ガスと前記メークアップガスを前記反応管の合流させるための内部空間、前記酸化ガス供給部から供給される前記酸化ガスを前記内部空間へ導入する酸化ガス導入流路、及び前記メークアップガス供給部から供給される前記メークアップガスを前記内部空間へ導入するメークアップガス導入流路を備え、前記内部空間で合流させた前記サンプル、前記酸化ガス及び前記メークアップガスを前記反応管の前記一端から前記反応管内へ導入する構造を有する、請求項2に記載の分析システム。
【請求項4】
前記反応管の少なくとも内面は酸化物からなる耐熱材料で形成されている、請求項1に記載の分析システム。
【請求項5】
前記耐熱材料はアルミナである、請求項4に記載の分析システム。
【請求項6】
キャリアガスによってサンプルを下流へ供給する構成を有するサンプル供給装置と、
前記検出器としての質量分析計と、
流路接続を切り替えるための切替機構と、
前記酸化分解装置の前記反応管内を減圧するための吸引ポンプと、を備え、
前記切替機構の切替えによって、前記サンプル供給装置と前記質量分析計との間に前記酸化分解装置が介在せずに前記サンプル供給装置の下流に前記質量分析計が流体接続される第1状態、及び前記サンプル供給装置の下流に前記酸化分解装置の前記入口が流体接続され、前記酸化分解装置の前記出口の下流に前記質量分析計が流体接続される第2状態のいずれかの状態が構築されるように構成され、
前記吸引ポンプは、前記第1状態において前記酸化分解装置の下流に流体接続され、前記第1状態での前記反応管内の圧力と前記第2状態での前記反応管内の圧力との差が、前記切替機構によって前記第1状態から前記第2状態に切り替えられたときの前記反応管内の圧力変動の大きさを考慮して設定された許容範囲内に収まるように構成されている、請求項1に記載の分析システム。
【請求項7】
前記第1状態において、前記吸引ポンプが前記酸化分解装置の下流に流体接続されると同時に前記質量分析計に流体接続され、前記第2状態において、前記吸引ポンプが前記質量分析計に流体接続されるように構成されており、
前記第1状態での前記酸化分解装置から前記吸引ポンプまでの間の系内の減圧効率と前記第2状態での前記酸化分解装置から前記吸引ポンプまでの間の系内の減圧効率とが実質的に同じになるように、前記第1状態において前記酸化分解装置と前記吸引ポンプとの間に組み込まれる流路の流路抵抗が設定されている、請求項6に記載の分析システム。
【請求項8】
前記許容範囲は、前記第2状態での前記反応管内の圧力の10%以内の範囲である、請求項6に記載の分析システム。
【請求項9】
前記サンプル供給装置はガスクロマトグラフである、請求項6に記載の分析システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルの酸化分解を行なう酸化分解装置を備えた分析システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
酸素成分(例えば、
16
O)を含有するサンプル中の酸素成分の検出や定量を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法においては、組成及び分布が天然のものと異なる酸素同位体(例えば、
18
O)を含有する酸化ガスを用いてサンプルを酸化分解し、酸化分解された組成物を質量分析装置等で分析する。これにより、質量分析装置等で分析される組成物中の酸素成分が、
16
Oであればサンプル由来であり、
18
Oであれば酸化ガス由来であるとの識別が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-508711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記方法を実施するためには、高温(例えば、600~1000℃程度)に加熱された反応管内にサンプル及び酸化ガスを通してサンプルの完全酸化分解を行なう必要があるため、反応管の材料としては高い耐熱性をもつ材料を使用しなければならない。高い耐熱性をもつ材料としては、アルミナなどのセラミックス材料が考えられる。しかし、アルミナ製の反応管を使用して酸化分解を行なうと、反応管の加熱温度が高くなるにつれて酸化分解後の組成物の割合が変化することが実験によりわかった。例えば、C
18

16
O(m/z=46)に対するC
16


(m/z=44)の比を反応管の加熱温度を変化させながら検出したところ、反応管の加熱温度が高くなるにつれてC
16


の割合が大きくなることが分かった(図5参照)。これは、
18
Oを含有する酸化ガスを用いた酸化分解により生成されたC
18

16
Oが、何らかの理由でC
16


に変化したものと推測される。このような状況下で、背景技術に示した分析を行うと、質量分析装置等で検出された組成物中の酸素成分が、サンプル由来なのか酸化ガス由来なのかの正確な区別ができなくなる。
【0005】
そこで、本発明は、組成及び分布が天然のものと異なる酸素同位体を含有する酸化ガスを用いてサンプルを酸化分解し、酸化分解により得られた組成物を検出することにより、サンプル中の酸素成分の検出や定量を行う方法における、検出や定量の精度を向上させた分析システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したC
18

16
OからC
16


への変化の原因を鋭意研究したところ、C
18

16
Oが反応管を通過する間に、反応管の素材であるアルミナ(Al



)に含有される
16
OとC
18

16
O中の
18
Oとの置換が生じるためとの知見を得た。このような知見に基づき、以下に示す分析システムを発明した。
【0007】
すなわち、本発明に係る分析システムは、入口及び出口を有し、前記入口から導入されたサンプルを酸化分解してから前記出口から流出させる酸化分解装置と、前記酸化分解装置で酸化分解された酸化反応物を検出するための検出器とを備え、前記サンプルにおける特定の酸素成分を含む化合物の検出及び/又は定量を行なうための分析システムであって、
前記酸化分解装置は、
一端及び他端を有し、前記一端が前記入口側に配置され、前記他端が前記出口側に配置され、サンプルの酸化分解を内部で行なうための反応管と、
前記反応管を内部に収容して前記反応管を加熱するための加熱炉と、
前記サンプルを酸化させるための酸化ガスであって前記特定の酸素成分と異なる同位体の酸素成分を含む酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
サンプルの酸化分解に影響を与えない不活性ガスであるメークアップガスを供給するメークアップガス供給部と、
前記入口から導入されたサンプルとともに前記酸化ガス供給部から供給される前記酸化ガス及び前記メークアップガス供給部から供給される前記メークアップガスを前記反応管の内側へ導入させる構造を有するインターフェース部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る分析システムによれば、酸化分解装置のインターフェース部が、入口から導入されたサンプルとともに酸化ガス及びメークアップガスを反応管の内側へ導入させる構造を有するので、反応管内における酸化分解後の組成物と反応管の内面との接触機会が制限され、反応管内の素材に含まれる
16
Oと酸化分解後の組成物に含まれる酸素同位体(
18
Oや
17
O)との置換が抑制される。これにより、組成及び分布が天然のものと異なる酸素同位体を含有する酸化ガスを用いてサンプルを酸化分解し、酸化分解により得られた組成物を検出することにより、サンプル中の酸素成分の検出や定量を行う方法を実施した際の、検出や定量の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
分析システムの一実施例におけるGC-COMB-MSモードの流路構成図である。
同実施例におけるGC-MSモードの流路構成図である。
同実施例の酸化分解装置の構造の一例を示す断面図である。
同実施例のGC-Comb-MSモードでの18-メタノールの44/46比と加熱炉温度との関係性の検証結果を示すグラフである。
酸化分解装置でメークアップガスを使用しない場合のGC-Comb-MSモードでの18-メタノールの44/46比と加熱炉温度との関係性の検証結果を示すグラフである。
同実施例においてGC-MSモードからGC-Comb-MSモードに切り替えたときの反応管の出口圧力の変動と抵抗管の長さとの関係性を示すグラフである。
同実施例においてGC-MSモードからGC-Comb-MSモードに切り替えたときの質量分析計の検出器信号のベースラインの変動と抵抗管の長さとの関係性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明に係る分析システムの一実施例について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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