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公開番号
2024177584
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2024178743,2021554223
出願日
2024-10-11,2020-10-02
発明の名称
位相差フィルムの製造方法
出願人
日本ゼオン株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20241212BHJP(光学)
要約
【課題】表示面の正面方向及び傾斜方向の両方において外光の反射による色付きを抑制可能な円偏光板を得ることができる位相差フィルムを、簡単に製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】特定の光学特性を有する位相差フィルムの製造方法であって;当該製造方法が、正の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂Aで形成された樹脂層(A)及び負の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂Bで形成された樹脂層(B)を備える複層フィルムを用意する第一工程と、複層フィルムを異なる延伸温度で2回以上延伸して位相差フィルムを得る第二工程と、を含み;位相差フィルムの樹脂層(A)のNZ係数NZ
A
及び樹脂層(B)のNZ係数NZ
B
の和が、特定の範囲であり;熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAと熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBとの差の絶対値|TgA-TgB|が5℃以上である、位相差フィルムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記式(1)、下記式(2)及び下記式(3)を満たす位相差フィルムの製造方法であって、
前記製造方法が、
正の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂Aで形成された樹脂層(A)及び負の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂Bで形成された樹脂層(B)を備える複層フィルムを用意する第一工程と、
前記複層フィルムを2回以上延伸して、遅相軸を有する前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(A)の遅相軸に対して略垂直な遅相軸を有する前記樹脂層(B)を備える前記位相差フィルムを得る第二工程と、を含み、
前記遅相軸を有する前記樹脂層(A)のNZ係数をNZ
A
とし、前記遅相軸を有する前記樹脂層(B)のNZ係数をNZ
B
としたとき、前記NZ
A
及び前記NZ
B
の和「NZ
A
+NZ
B
」が、0.15以上0.8以下であり、
前記第二工程が、
前記複層フィルムを、延伸温度Ts1で延伸する第一延伸工程と、
前記複層フィルムを、前記延伸温度Ts1とは異なる延伸温度Ts2で延伸する第二延伸工程と、を含み、
前記熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAと、前記熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBと、の差の絶対値|TgA-TgB|が、5℃以上である、位相差フィルムの製造方法。
100nm≦Re
T
(550)≦180nm (1)
Re
T
(450)<Re
T
(550)<Re
T
(650) (2)
0.0<NZ
T
<1.0 (3)
(ただし、
Re
T
(450)は、波長450nmにおける位相差フィルムの面内位相差を表し、
Re
T
(550)は、波長550nmにおける位相差フィルムの面内位相差を表し、
Re
T
(650)は、波長650nmにおける位相差フィルムの面内位相差を表し、
NZ
T
は、位相差フィルムのNZ係数を表す。)
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記延伸温度Ts1と前記延伸温度Ts2との差の絶対値|Ts1-Ts2|が、5℃以上である、請求項1に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記第一延伸工程における延伸方向と、前記第二延伸工程における延伸方向とが、略垂直である、請求項1又は2に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記位相差フィルムが、下記式(4)を満たす、請求項1~3のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法。
{Re
Q
(450)/Re
Q
(550)}-{Re
H
(450)/Re
H
(550)}>0.08 (4)
(ただし、
Re
H
(450)は、波長450nmにおける高位相差層の面内位相差を表し、
Re
H
(550)は、波長550nmにおける前記高位相差層の面内位相差を表し、
Re
Q
(450)は、波長450nmにおける低位相差層の面内位相差を表し、
Re
Q
(550)は、波長550nmにおける前記低位相差層の面内位相差を表し、
前記高位相差層は、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)のうち、波長550nmにおける面内位相差が大きい方の層を表し、
前記低位相差層は、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)のうち、波長550nmにおける面内位相差が小さい方の層を表す。)
【請求項5】
波長550nmにおいて、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)が、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(B)よりも大きい面内位相差を有し、
前記熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAが、前記熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBよりも低い、請求項1~4のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項6】
波長550nmにおいて、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(B)が、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)よりも大きい面内位相差を有し、
前記熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBが、前記熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAよりも低い、請求項1~4のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記NZ
A
が、1.00以上1.30以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記NZ
B
が、-2.0以上0.0未満である、請求項1~6のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法。
【請求項9】
前記NZ
A
が、1.00以上1.30以下であり、前記NZ
B
が、-2.0以上0.0未満である、請求項1~6に記載の位相差フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差フィルムの製造方法、当該製造方法によって製造された位相差フィルム、並びに、その位相差フィルムを備える円偏光板に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス画像表示装置(以下、適宜「有機EL画像表示装置」ということがある。)及び液晶画像表示装置等の画像表示装置には、位相差フィルムが設けられることがある。このような位相差フィルムには、2層以上の層を備える複層構造を有するものがある。そのような複層構造を有する位相差フィルムの製造方法として、共延伸法を利用する方法が採用されることがある(特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-73646号公報
特開2009-192844号公報
特開2009-192845号公報
特開2009-223163号公報
特開2002-40258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像表示装置には、表示面における外光の反射を低減するため、円偏光板が設けられることがあった。このような円偏光板としては、一般に、直線偏光子及びλ/4板を組み合わせたフィルムが用いられる。しかし、従来のλ/4板は、実際には、特定の狭い波長範囲でしかλ/4板として機能できないものがほとんどであった。そのため、従来の円偏光板の多くは、特定の狭い波長範囲の外光の反射は低減できるが、それ以外の外光の反射を低減することは難しかった。表示面で外光の反射が生じると、その反射した光の色に表示面が色付く可能性がある。
【0005】
前記のような表示面の色付きを抑制するために、広い波長範囲において外光の反射を低減できる円偏光板が求められる。このような円偏光板は、例えば、広い波長範囲においてλ/4板として機能できる広帯域λ/4板を用いて製造することができる。この広帯域λ/4板として、複数の層を組み合わせて備える位相差フィルムが知られており、例えば、λ/2板とλ/4板とを組み合わせて備える位相差フィルムが挙げられる。広帯域λ/4板として機能できる位相差フィルムを備えた円偏光板は、表示面に対して垂直な正面方向においては、広い波長範囲において外光の反射を低減できるので、表示面の色付きを抑制できる。
【0006】
しかし、表示面に対して平行でも垂直でもない傾斜方向においては、位相差の値が理想値からズレを生じたり、各層の光学軸のズレが生じたりすることによって、広い波長範囲における外光の反射の低減ができないことがありえる。そこで、傾斜方向において外光の反射による色付きを抑制できる円偏光板を実現するために、位相差フィルムには、0.0より大きく1.0未満の特定の範囲のNZ係数を有することが求められる。
【0007】
上述した要件を満たす位相差フィルムに含まれる層は、通常、遅相軸の方向、面内位相差、及び、NZ係数等の光学特性の一部又は全部が異なる。そのため、従来、前記の位相差フィルムは、各層を別々に製造した後で、それらの層を貼合して製造されることが一般的であった。しかし、このような従来の製造方法は、各層の製造を別々に行うので、工程数が多くなり、手間及びコストが多くなる傾向があった。また、各層を貼り合わせる場合に貼り合わせ角度を正確に合わせることが求められるので、角度調整の手間を要し、これによっても手間が多くなる傾向があった。
【0008】
このような事情から、表示面の正面方向及び傾斜方向の両方において外光の反射による色付きを抑制可能な円偏光板を得ることができる位相差フィルムを、簡単に製造できる方法の開発が求められている。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、表示面の正面方向及び傾斜方向の両方において外光の反射による色付きを抑制可能な円偏光板を得ることができる位相差フィルムを、簡単に製造できる製造方法;前記製造方法によって製造される位相差フィルム;並びに、この位相差フィルムを備える円偏光板;を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、5℃以上異なるガラス転移温度TgA及びガラス転移温度TgBを有する熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bを含む樹脂層(A)及び樹脂層(B)を備えた複層フィルムを、異なる延伸温度で2回以上延伸することを含む製造方法により、前記課題を解決しうる位相差フィルムが得られることを見い出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記のものを含む。
【0010】
〔1〕 下記式(1)、下記式(2)及び下記式(3)を満たす位相差フィルムの製造方法であって、
前記製造方法が、
正の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂Aで形成された樹脂層(A)及び負の固有複屈折値を有する熱可塑性樹脂Bで形成された樹脂層(B)を備える複層フィルムを用意する第一工程と、
前記複層フィルムを2回以上延伸して、遅相軸を有する前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(A)の遅相軸に対して略垂直な遅相軸を有する前記樹脂層(B)を備える前記位相差フィルムを得る第二工程と、を含み、
前記第二工程が、
前記複層フィルムを、延伸温度Ts1で延伸する第一延伸工程と、
前記複層フィルムを、前記延伸温度Ts1とは異なる延伸温度Ts2で延伸する第二延伸工程と、を含み、
前記熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAと、前記熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBと、の差の絶対値|TgA-TgB|が、5℃以上である、位相差フィルムの製造方法。
100nm≦Re
T
(550)≦180nm (1)
Re
T
(450)<Re
T
(550)<Re
T
(650) (2)
0.0<NZ
T
<1.0 (3)
(ただし、
Re
T
(450)は、波長450nmにおける位相差フィルムの面内位相差を表し、
Re
T
(550)は、波長550nmにおける位相差フィルムの面内位相差を表し、
Re
T
(650)は、波長650nmにおける位相差フィルムの面内位相差を表し、
NZ
T
は、位相差フィルムのNZ係数を表す。)
〔2〕 前記延伸温度Ts1と前記延伸温度Ts2との差の絶対値|Ts1-Ts2|が、5℃以上である、〔1〕に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔3〕 前記第一延伸工程における延伸方向と、前記第二延伸工程における延伸方向とが、略垂直である、〔1〕又は〔2〕に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔4〕 前記位相差フィルムが、下記式(4)を満たす、〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の位相差フィルムの製造方法。
{Re
Q
(450)/Re
Q
(550)}-{Re
H
(450)/Re
H
(550)}>0.08 (4)
(ただし、
Re
H
(450)は、波長450nmにおける高位相差層の面内位相差を表し、
Re
H
(550)は、波長550nmにおける前記高位相差層の面内位相差を表し、
Re
Q
(450)は、波長450nmにおける低位相差層の面内位相差を表し、
Re
Q
(550)は、波長550nmにおける前記低位相差層の面内位相差を表し、
前記高位相差層は、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)のうち、波長550nmにおける面内位相差が大きい方の層を表し、
前記低位相差層は、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)のうち、波長550nmにおける面内位相差が小さい方の層を表す。)
〔5〕 波長550nmにおいて、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)が、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(B)よりも大きい面内位相差を有し、
前記熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAが、前記熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBよりも低い、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔6〕 波長550nmにおいて、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(B)が、前記位相差フィルムが備える前記樹脂層(A)よりも大きい面内位相差を有し、
前記熱可塑性樹脂Bのガラス転移温度TgBが、前記熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度TgAよりも低い、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の製造方法で製造された、位相差フィルム。
〔8〕 直線偏光子と、〔7〕に記載の位相差フィルムと、を備える円偏光板。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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