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公開番号2025040336
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-24
出願番号2023147203
出願日2023-09-11
発明の名称光アイソレータ
出願人湖北工業株式会社
代理人弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類G02B 27/28 20060101AFI20250314BHJP(光学)
要約【課題】 光アイソレータを小型化する。
【解決手段】 光アイソレータ10は、第1光ファイバ20と、第1レンズ30と、第1及び第2アイソレータユニット40、50と、第2レンズ60と、第2光ファイバ70を備え、これらの部材は順方向にこの順に所定の軸線に沿って配置されている。第1アイソレータユニットは、第1複屈折板42と、これより順方向後段の第2複屈折板46を含み、第2アイソレータユニットは、第3複屈折板52と、これより順方向後段の第4複屈折板56を含む。第1乃至第4複屈折板は、順方向に進行する光線の入射面又は出射面を構成する傾斜面42a,46a、52a,56aをそれぞれ有する。第1光ファイバの斜研磨方向と第1複屈折板の傾斜方向とは180°を成しており、第2光ファイバの斜研磨方向と第4複屈折板の傾斜方向とは180°を成しており、第2及び第3複屈折板の傾斜方向は互いに直交している。
【選択図】 図1A
特許請求の範囲【請求項1】
1又は複数の第1コアを備え、その第1端面が斜研磨されている第1光ファイバと、第1光軸を有する第1レンズと、第1アイソレータユニットと、第2アイソレータユニットと、第2光軸を有する第2レンズと、1又は複数の第2コアを備え、その第2端面が斜研磨されている第2光ファイバと、を備え、これらが順方向においてこの順に所定の軸線に沿って配置されている光アイソレータであって、
前記第1レンズは、前記第1光ファイバの前記第1コアから出射される任意の偏光状態にある1又は複数の光線をコリメートし、
前記第1アイソレータユニットは、第1複屈折板と、その順方向後段に位置している第2複屈折板と、前記第1及び第2複屈折板の間に設けられた第1ファラデー回転子と、を含み、
前記第2アイソレータユニットは、第3複屈折板と、その順方向後段に位置している第4複屈折板と、前記第3及び第4複屈折板の間に設けられた第2ファラデー回転子と、を含み、
前記第2レンズは、前記第1及び第2アイソレータユニットを透過した前記光線が前記第2光ファイバの対応する前記第2コアに入射するように前記光線を収束させ、
前記第1乃至第4複屈折板のそれぞれは、四角柱形状を呈し、その中心軸は前記軸線と直交しており、且つ、前記軸線に対して傾斜している法線を有する傾斜面を有しており、
前記第1及び第3複屈折板の前記傾斜面は、前記順方向に進行する光線の入射面をそれぞれ構成しており、前記第2及び第4複屈折板の前記傾斜面は、前記順方向に進行する光線の出射面をそれぞれ構成しており、
前記第1乃至第4複屈折板のそれぞれは、前記傾斜面と接続されており且つ前記中心軸と平行である一対の対向面を有しており、前記一対の対向面のうち軸線方向における辺の長さが短いほうの面である幅狭面から前記長さが長い方の面である幅広面に向かう方向を前記傾斜面の傾斜方向と規定すると、前記第1及び第2複屈折板の傾斜方向は180°を成すとともに前記第3及び第4複屈折板の傾斜方向は180°を成しており、
前記第1及び第2光ファイバの前記第1及び第2端面をそれぞれ正面視した場合において、対応する前記第1及び第2レンズからそれぞれ最も離間している位置である遠位端から対応する前記第1及び第2レンズにそれぞれ最も近接している位置である近位端に向かう方向を斜研磨方向と規定すると、
前記第1光ファイバの斜研磨方向と前記第1複屈折板の傾斜方向は180°を成しており、
前記第2光ファイバの斜研磨方向と前記第4複屈折板の傾斜方向は180°を成しており、
前記第2複屈折板の傾斜方向と前記第3複屈折板の傾斜方向は互いに直交している、
光アイソレータ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の光アイソレータにおいて、
前記第1光ファイバは、複数の前記第1コアを備えるマルチコア光ファイバ、又は、1つの前記第1コアを備える複数本のシングルコア光ファイバが束ねられたバンドル光ファイバであり、
前記第1光ファイバの前記第1端面の正面視において、前記複数の第1コアは、前記複数の第1コアの中心に関して点対称に配置されており、
前記第1端面上の前記中心は、前記第1レンズの焦点上に位置しており、
前記第1コアから出射される光線の光路を平均化した平均光路を進行する光線を平均光線と規定すると、
前記第1及び第2複屈折板の各傾斜面のテーパ角は、前記第1アイソレータユニット内における前記平均光線の正味の屈折量が、前記第1レンズから出射された前記平均光線の前記第1光軸からのシフト量と等しくなるような値に設定されている、
光アイソレータ。
【請求項3】
請求項2に記載の光アイソレータにおいて、
前記第1光軸は、前記軸線上に位置している、
光アイソレータ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の光アイソレータにおいて、
前記第1光ファイバは、複数の前記第1コアを備えるマルチコア光ファイバ、又は、1つの前記第1コアを備える複数本のシングルコア光ファイバが束ねられたバンドル光ファイバであり、
前記第2光ファイバは、複数の前記第2コアを備えるマルチコア光ファイバ、又は、1つの前記第2コアを備える複数本のシングルコア光ファイバが束ねられたバンドル光ファイバであり、
前記第2光ファイバの前記第2端面の正面視において、前記複数の第2コアは、前記複数の第2コアの中心に関して点対称に配置されており、
前記第2端面上の前記中心は、前記第2レンズの焦点上に位置しており、
前記第1コアから出射される光線の光路を平均化した平均光路を進行する光線を平均光線と規定すると、
前記平均光線は、前記第2アイソレータユニット内を前記第3及び第4複屈折板の傾斜方向と平行な方向である屈折方向に屈折し、
前記第3及び第4複屈折板の各傾斜面のテーパ角は、前記第2アイソレータユニット内における前記平均光線の正味の屈折量が、前記第2レンズに入射する前記平均光線の前記第2光軸からの前記屈折方向におけるシフト量と等しくなるような値に設定されている、
光アイソレータ。
【請求項5】
請求項4に記載の光アイソレータにおいて、
前記第2光軸は、前記軸線上に位置している、
光アイソレータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光アイソレータに関する。特に、偏光無依存型の光アイソレータに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバ1本当たりの伝送容量を増大させ、1ビット当たりのコストを低減する目的で、マルチコア光ファイバを用いた空間分割多重(SDM:Space Division Multiplexing)技術が適用された光伝送システムに関する研究開発が進められている。この光伝送システムには光アイソレータが不可欠である。光アイソレータは、光線を順方向にのみ通過させる光学部品である。例えば、特許文献1には、一対の複屈折板と、その間に設けられたファラデー回転子と、を含むアイソレータユニットが2個直列に配置されたアイソレータユニット群を備える光アイソレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第2747775号
【発明の概要】
【0004】
一般に、光アイソレータの寸法は小さい方が望ましい。しかしながら、例えばマルチコア光ファイバ用の光アイソレータにおいては、戻り光によるクロストークの増大を抑制するためにその寸法を大型化せざるを得ないという問題があり、この問題は、コア数が増加するほど顕著であった。このため、マルチコア光ファイバ用の光アイソレータを小型化することは特に困難であった。これまでは光アイソレータの光学特性を向上させることに重点が置かれており、寸法の小型化については十分な検討がなされておらず、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上述した問題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、光アイソレータを小型化することが可能な技術を提案することにある。
【0006】
本発明の光アイソレータ(10)は、
1又は複数の第1コア(C1乃至C4)を備え、その第1端面(20a)が斜研磨されている第1光ファイバ(20)と、第1レンズ(30)と、第1アイソレータユニット(40)と、第2アイソレータユニット(50)と、第2レンズ(60)と、1又は複数の第2コア(C1乃至C4)を備え、その第2端面(70a)が斜研磨されている第2光ファイバ(70)と、を備え、これらが順方向においてこの順に所定の軸線(A)に沿って配置されている。
前記第1レンズ(30)は、前記第1光ファイバ(20)の前記第1コア(C1乃至C4)から出射される任意の偏光状態にある1又は複数の光線をコリメートし、
前記第1アイソレータユニット(40)は、第1複屈折板(42)と、その順方向後段に位置している第2複屈折板(46)と、前記第1及び第2複屈折板の間に設けられた第1ファラデー回転子(44)と、を含み、
前記第2アイソレータユニット(50)は、第3複屈折板(52)と、その順方向後段に位置している第4複屈折板(56)と、前記第3及び第4複屈折板の間に設けられた第2ファラデー回転子(54)と、を含み、
前記第2レンズ(60)は、前記第1及び第2アイソレータユニット(40、50)を透過した前記光線が前記第2光ファイバ(70)の対応する前記第2コア(C1乃至C4)に入射するように前記光線を収束させ、
前記第1乃至第4複屈折板(42,46、52,56)のそれぞれは、四角柱形状を呈し、その中心軸は前記軸線(A)と直交しており、且つ、前記軸線(A)に対して傾斜している法線を有する傾斜面(42a,46a、52a,56a)を有しており、
前記第1及び第3複屈折板(42、52)の前記傾斜面(42a、52a)は、前記順方向に進行する光線の入射面をそれぞれ構成しており、前記第2及び第4複屈折板(46、56)の前記傾斜面(46a、56a)は、前記順方向に進行する光線の出射面をそれぞれ構成しており、
前記第1乃至第4複屈折板(42,46、52,56)のそれぞれは、前記傾斜面と接続されており且つ前記中心軸と平行である一対の対向面(42c,42d、46c,46d、52c,52d、56c,56d)を有しており、前記一対の対向面のうち軸線方向における辺の長さが短いほうの面である幅狭面(42c、46c、52c、56c)から前記長さが長い方の面である幅広面(42d、46d、52d、56d)に向かう方向を前記傾斜面の傾斜方向と規定すると、前記第1及び第2複屈折板(42,46)の傾斜方向は180°を成すとともに前記第3及び第4複屈折板(52,56)の傾斜方向は180°を成しており、
前記第1及び第2光ファイバ(20、70)の前記第1及び第2端面(20a、70a)をそれぞれ正面視した場合において、対応する前記第1及び第2レンズ(30、60)からそれぞれ最も離間している位置である遠位端から対応する前記第1及び第2レンズ(30、60)にそれぞれ最も近接している位置である近位端に向かう方向を斜研磨方向と規定すると、
前記第1光ファイバ(20)の斜研磨方向と前記第1複屈折板(42)の傾斜方向は180°を成しており、
前記第2光ファイバ(70)の斜研磨方向と前記第4複屈折板(56)の傾斜方向は180°を成しており、前記第2複屈折板(46)の傾斜方向と前記第3複屈折板(52)の傾斜方向は互いに直交している。
【0007】
本発明によれば、光アイソレータを小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る光アイソレータの側面図である。
図1Aの光アイソレータの平面図である。
入力側のマルチコア光ファイバの端面の正面図である。
出力側のマルチコア光ファイバの端面の正面図である。
1つ目の比較例としての光アイソレータの側面図であり、出力側のマルチコア光ファイバの斜研磨方向及び出力側コリメータの軸線からのシフト量を示す図である。
図4Aの光アイソレータの平面図である。
2つ目の比較例としての光アイソレータの側面図であり、出力側のマルチコア光ファイバの斜研磨方向及び出力側コリメータの軸線からのシフト量を示す図である。
図5Aの光アイソレータの平面図である。
3つ目の比較例としての光アイソレータの側面図であり、出力側のマルチコア光ファイバの斜研磨方向及び出力側コリメータの軸線からのシフト量を示す図である。
図6Aの光アイソレータの平面図である。
順方向後段のアイソレータユニットの前段の複屈折板の傾斜方向に対する出力側のマルチコア光ファイバの斜研磨方向の角度θと出力側のマルチコア光ファイバの軸線からの変位量Δdとの関係を規定したグラフである。
光アイソレータの前段部分の側面図であり、平均光路を示す図である。
光アイソレータの後段部分の平面図であり、平均光路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る光アイソレータ10について説明する。光アイソレータ10は、偏光無依存型、即ち、入射光線の偏光状態に関わらず挿入損失が変化しないタイプの光アイソレータである。図1Aは光アイソレータ10の側面図であり、図1Bは光アイソレータ10の平面図である。図1A及び図1Bに示すように、光アイソレータ10は、マルチコア光ファイバ20と、レンズ30と、アイソレータユニット群Gと、レンズ60と、マルチコア光ファイバ70と、を備える(以下、マルチコア光ファイバを「MCF」とも称する。)。これらの部材は、軸線Aに沿って上記の順に配置されている。光アイソレータ10には、直交座標系が設定されている。z軸は、MCF20からMCF70に向かう方向が正方向となるように軸線Aと平行に延びている。y軸は、z軸と直交しており、図1Aにおいて紙面上方向が正方向となるように延びている。x軸は、y軸及びz軸と直交しており、図1Bにおいて紙面上方向が正方向となるように延びている。
【0010】
本明細書では、+z軸方向を光アイソレータ10の順方向と規定し、-z軸方向を光アイソレータ10の逆方向と規定している。このため、MCF20は入力側のマルチコア光ファイバとして機能し、MCF70は出力側のマルチコア光ファイバとして機能する。
図1A及び図1Bでは、入力側のMCF20から出射された光線(厳密には、後述するコアC1からの出射光線)の順方向における光路を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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