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公開番号2024177388
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024174186,2020182932
出願日2024-10-03,2020-10-30
発明の名称記録位置の補正方法、記録方法、記録装置及びプログラム
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類B41J 2/01 20060101AFI20241212BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】
記録装置との間でインクを循環させる記録ヘッドにおいて、熱変形に伴い動的に変化する記録位置ずれを低減すること。
【解決手段】
記録ヘッド3の記録素子基板10を目標温度に調整し、記録素子基板10に液体を循環させる。記録ヘッド3の熱膨張が定常状態に至った後、記録素子15を用いて記録したテストパターンから、搬送方向における記録ヘッド3の記録位置ずれを取得する。更に、取得した記録位置ずれに基づいて、この記録位置ずれを補正するための補正値を設定する。
【選択図】図17
特許請求の範囲【請求項1】
複数の記録素子が第1方向に連続するように配列された複数の記録素子基板と、前記記録素子基板の温度を調整するための温調手段と、前記記録素子基板に液体を循環させるための循環手段と、前記複数の記録素子基板に共通して液体を供給するための共通供給流路と、前記複数の記録素子基板から共通して液体を回収するための共通回収流路と、を備え、前記温調手段および液体の循環に応じて熱膨張する記録ヘッドを用い、前記第1方向とは交差する第2方向に移動する記録媒体に画像を記録する記録装置の、前記第2方向における記録位置の補正方法であって、
前記記録ヘッドの前記複数の記録素子基板に対して前記温調手段、前記循環手段によって温調制御を行うとともに、前記記録素子を駆動して前記第2方向に搬送される記録媒体に記録したテストパターンから、前記第2方向における前記記録ヘッドの記録位置ずれ量を取得する取得工程と、
前記記録位置ずれ量に基づいて補正値を設定する設定工程と、
を含み、
前記共通供給流路と前記共通回収流路とは前記第2方向において隣接しており、前記共通供給流路および前記共通回収流路を流動する液体は前記第1方向の一方から他方に向かって流動することを特徴とする記録位置の補正方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記設定工程において、前記補正値は、前記複数の記録素子基板のそれぞれについて又は隣接する複数の記録素子基板を単位として設定される請求項1に記載の記録位置の補正方法。
【請求項3】
前記補正値は、前記記録素子を駆動するタイミングの標準値からのシフト量を示す請求項1又は2に記載の記録位置の補正方法。
【請求項4】
前記記録ヘッドは、前記記録素子にパルス電圧が印加されることにより液体中に膜沸騰を生じさせ、生成された泡の成長エネルギーによって液体を吐出する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録位置の補正方法。
【請求項5】
記録動作を行う際に調整される前記記録素子基板の温度は、前記記録ヘッドに供給される前の液体の温度よりも10℃以上高い請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録位置の補正方法。
【請求項6】
前記設定工程で設定された前記補正値を記憶手段に記憶させる工程を更に有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録位置の補正方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録位置の補正方法に従って設定された前記補正値を記憶手段から読み出す工程と、
前記補正値を用い、画像データに従って記録媒体に画像を記録する工程と
を有することを特徴とする記録方法。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録位置の補正方法をコンピュータに実行さ
せるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は記録位置の補正方法、記録方法、記録装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
ライン型の記録装置に搭載されるような長尺なインクジェット記録ヘッドにおいては、複数の吐出モジュールを繋ぎ合わせて作成されたものがある。このような長尺の記録ヘッドにおいては、長手方向と交差する短手方向に吐出モジュール間のずれが生じ、画像劣化の要因となることがある。
【0003】
特許文献1には、長手方向に配列する記録素子の吐出タイミングを調整することにより、短手方向の記録位置ずれを低減する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-44423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法は、記録ヘッドの静的な構成に起因する記録位置ずれは補正できるものの、記録ヘッドの動的な変形に伴う記録位置ずれを補正することは難しい。特に、正常な吐出動作を維持するために、記録装置との間でインクを循環させる記録ヘッドにおいては、記録ヘッド内を流動するインクの熱により記録ヘッドの熱分布及びこれに伴う熱変形が動的に変化し、記録位置ずれの補正が困難になる。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものである。よってその目的とするところは、記録装置との間でインクを循環させる記録ヘッドにおいて、熱変形に伴い動的に変化する記録位置ずれを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために本発明は、複数の記録素子が第1方向に連続するように配列された複数の記録素子基板と、前記記録素子基板の温度を調整するための温調手段と、前記記録素子基板に液体を循環させるための循環手段と、前記複数の記録素子基板に共通して液体を供給するための共通供給流路と、前記複数の記録素子基板から共通して液体を回収するための共通回収流路とを備え、前記温調手段および液体の循環に応じて熱膨張する記録ヘッドを用い、前記第1方向とは交差する第2方向に移動する記録媒体に画像を記録する記録装置の、前記第2方向における記録位置の補正方法であって、前記記録ヘッドの前記複数の記録素子基板に対して前記温調手段、前記循環手段によって温調制御を行うとともに、前記記録素子を駆動して前記第2方向に搬送される記録媒体に記録したテストパターンから、前記第2方向における前記記録ヘッドの記録位置ずれ量を取得する取得工程と、前記記録位置ずれ量に基づいて補正値を設定する設定工程と、を含み、前記共通供給流路と前記共通回収流路とは前記第2方向において隣接しており、前記共通供給流路および前記共通回収流路を流動する液体は前記第1方向の一方から他方に向かって流動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録装置との間でインクを循環させる記録ヘッドにおいて、熱変形に伴い動的に変化する記録位置ずれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
記録装置の例を示す図
制御の構成を説明するためのブロック図
インク循環システムを説明するための図
記録ヘッドの外観斜視図
記録ヘッドの分解斜視図
記録ヘッドをキャリッジに装着した様子を示す図
流路部材の詳細な構成を説明するための図
流路部材に形成された流路構造を説明するための透視図及び断面図
吐出モジュールの斜視図及び分解図
記録素子基板の構造を詳細に説明するための図
記録素子基板の構造を詳細に説明するための図
隣接する記録素子基板の接続状態を示す図
記録ヘッドの別例を説明するための図
別例の記録ヘッドの流路構造を詳しく示す図
記録ヘッドの熱変形を説明するための図
記録ヘッドの熱変形に伴う記録位置ずれを説明するための図
第1の実施形態における補正処理を説明するためのフローチャート
第1の実施形態における記録位置ずれの補正効果を説明するための図
吐出頻度の違いに伴う記録ヘッドの変形差を説明するための図
第2の実施形態における補正処理を説明するためのフローチャート
第2の実施形態の補正値の設定方法と補正の効果を説明するための図
中間状態を再現するための循環量と温調温度の関係を示す図
循環量と吐出ユニットにおけるインクの流量の関係を示す図
第3の実施形態における補正処理を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
<記録装置の全体構成>
図1(a)及び(b)は、本実施形態で使用可能な記録装置の例を示す図である。本実施形態の記録装置は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(Bk)のインクを吐出することによって記録媒体Sにカラー画像を記録するインクジェット記録装置(以下、単に記録装置と呼ぶ)1000である。図中、X方向は記録媒体Sの搬送方向であり、Y方向は記録媒体の幅方向、Z方向は鉛直上方向である。
(【0011】以降は省略されています)

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