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公開番号
2024177358
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2024173923,2024508259
出願日
2024-10-02,2023-03-16
発明の名称
腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの新規用途
出願人
国立大学法人 東京大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
35/76 20150101AFI20241212BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明は、SLAMを認識しない遺伝子改変麻疹ウイルスを、腫瘍治療のためのツールとして開発することを課題とする。
【解決手段】本発明は、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを含む、腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導して腫瘍を治療するための医薬組成物であり、治療対象の腫瘍細胞が、PVRL4/Nectin4を発現する腫瘍細胞であり、前記腫瘍が、腹膜播種した腫瘍又はスキルス胃がんである、医薬組成物、及び、治療対象である腫瘍細胞に対して腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを直接導入して細胞死を生じさせることを含む、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの直接導入によっても排除できなかった生体内に残存する腫瘍細胞あるいは転移・再発した腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導する方法(ただし、ヒトを治療する方法を除く)であり、前記腫瘍細胞が、腹膜播種した腫瘍又はスキルス胃がんの細胞である、方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを含む、腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導して腫瘍を治療するための医薬組成物であり、
治療対象の腫瘍細胞が、PVRL4/Nectin4を発現する腫瘍細胞であり、
前記腫瘍が、腹膜播種した腫瘍又はスキルス胃がんである、医薬組成物。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、rMV-SLAM-blind又はrMV-V(-)-SLAM-blindである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、野生型麻疹ウイルスに遺伝子改変を行ったウイルスである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが直接投与されていない腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導する、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
薬物療法、放射線療法、又は手術療法が施された後の腫瘍患者に投与される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、腫瘍塊への直接投与により用いられる、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、腹腔内投与により用いられる、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
治療対象である腫瘍細胞に対して腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを直接導入して細胞死を生じさせることを含む、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの直接導入によっても排除できなかった生体内に残存する腫瘍細胞あるいは転移・再発した腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導する方法(ただし、ヒトを治療する方法を除く)であり、
前記腫瘍細胞が、腹膜播種した腫瘍又はスキルス胃がんの細胞である、方法。
【請求項9】
前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを、腹腔内投与により、前記腫瘍細胞に直接導入する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、rMV-SLAM-blind又はrMV-V(-)-SLAM-blindである、請求項8又は9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの有効性を高める、新たな用途に関するものである。具体的には、本発明は、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの新たな用途、その新たな用途を利用した医薬組成物、並びに腫瘍の新たな治療方法に関するものである。
本願は、2022年3月16日に、日本に出願された特願2022-041183号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
腫瘍溶解性ウイルス治療は、伝統的な治療方法と組み合わることができる、腫瘍治療のための新しい戦略として、非常に有望と考えられている。現在のところ、多くのウイルス種由来の幅広いウイルスが、腫瘍溶解性薬剤として評価されている最中であり、いくつかのウイルスでは臨床試験も行われている。
【0003】
麻疹ウイルス(Measles virus;MV)は、パラミクソウイルス科モービリウイルス属に属し、ヒトを自然宿主として感染し、完全に細胞質中で増殖する(すなわち、ウイルス配列が宿主の染色体DNA中に組み込まれることがない)、免疫抑制や呼吸器症状を引き起こす病原性ウイルスである。麻疹ウイルスが腫瘍細胞に感染し、腫瘍の退縮を誘導することが明らかになったことから(非特許文献1)、麻疹ウイルスは、腫瘍のウイルス治療のツールとして注目されてきた。
【0004】
この特徴を利用して、発明者らの研究グループは、野生型麻疹ウイルスHL株をベースにして、野生型麻疹ウイルスが病原性を示すためのレセプターであるシグナル伝達リンパ球活性化分子(Signaling lymphocyte activation molecule; SLAM)を認識しない組換え麻疹ウイルス(rMV-SLAMblind)を作製した(特許文献1、非特許文献1)。この文献において、発明者らは、in vitro又はin vivoにおいて、rMV-SLAMblindを乳がん細胞に感染させると、これを死滅させることができること、そしてその抗腫瘍活性は、従来の麻疹ウイルスワクチン株よりも高いことを示した。また、rMV-SLAMblindは、完全に弱毒化されており、サルへ皮下接種しても麻疹の典型的な臨床症状を引き起こすことがなく、安全性も高いことが確認されたことを示した(特許文献1、非特許文献1)。
【0005】
発明者らの研究グループはさらに、SLAMを認識しない遺伝子改変麻疹ウイルスとして、rMV-V(-)-SLAMblindを作成するとともに、このrMV-V(-)-SLAMblindもまた乳がん、及び、転移したがんの治療が可能であることを見出した(特許文献2)。さらに、SLAMを認識しない遺伝子改変麻疹ウイルス(rMV-SLAMblind及びrMV-V(-)-SLAMblind)がいずれも、腫瘍内投与のみならず、静脈内投与によっても腫瘍の退縮効果があることを示した(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-216609号公報
国際公開第2016/047645号
【非特許文献】
【0007】
Sugiyama et al., Gene Therapy, 2013, vol.20, p.338-347.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルス(rMV-SLAMblind及びrMV-V(-)-SLAMblind)は、腫瘍細胞に感染して腫瘍細胞を溶解することで、腫瘍組織の退縮を誘導することを特徴としている。しかし、当該ウイルスを直接感染させることができない腫瘍細胞、例えば深部腫瘍や治療後に発生する転移腫瘍に対しては、直接感染させる方法以外の手法を開発することが必要であった。そこで、本発明は、SLAMを認識しない遺伝子改変麻疹ウイルス(rMV-SLAMblind及びrMV-V(-)-SLAMblind)を、腫瘍治療のためのツールとして開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者らは、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを導入した腫瘍細胞において細胞死が誘導された結果、全身性に腫瘍細胞に対する強い細胞性免疫を誘導することができることを見出し、前記課題を解決できることを示した。
【0010】
より具体的には、本願は、前述した課題を解決するため、以下の発明を提供する。
[1] 腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを含む、腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導して治療するための医薬組成物。
[2] 治療対象の前記腫瘍細胞が、PVRL4/Nectin4を発現する腫瘍細胞である、前記[1]の医薬組成物。
[3] 治療対象の前記腫瘍が、乳がん、肺がん、大腸がん、又は膵臓がんである、前記[1]又は[2]の医薬組成物。
[4] 治療対象の前記腫瘍細胞が、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの直接導入によって排除できず残存する腫瘍細胞である、前記[1]~[3]のいずれかの医薬組成物。
[5] 前記残存する腫瘍細胞が、深部腫瘍細胞、再発性の腫瘍細胞、及び転移した腫瘍細胞からなる群から選択される、前記[4]の医薬組成物。
[6] 前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、rMV-SLAM-blind又はrMV-V(-)-SLAM-blindである、前記[1]~[5]のいずれかの医薬組成物。
[7] 前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、静脈投与、腫瘍塊への直接投与、又は腹腔内投与により用いられる、前記[1]~[6]のいずれかの医薬組成物。
[8] 前記腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、腫瘍溶解作用に加えて細胞性免疫も誘導する、前記[1]~[7]のいずれかの医薬組成物。
[9] 治療対象である前記腫瘍細胞に対して腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスを直接導入して細胞死を生じさせることを含む、腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスの直接導入によっても排除できなかった生体内に残存する腫瘍細胞に対する細胞性免疫を誘導する方法。
[10] 残存する腫瘍細胞が、深部腫瘍細胞、再発性の腫瘍細胞、転移した腫瘍細胞、からなる群から選択される、[9]に記載の方法。
[11] 腫瘍溶解性遺伝子改変麻疹ウイルスが、rMV-SLAM-blind又はrMV-V(-)-SLAMblindである、[9]又は[10]に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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