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公開番号2025011743
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114027
出願日2023-07-11
発明の名称液体中微粒子分析システム
出願人シャープセミコンダクターイノベーション株式会社,国立大学法人 東京大学
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類G01N 15/1429 20240101AFI20250117BHJP(測定;試験)
要約【課題】特許文献1に記載の液体中微粒子分析システムと比較して、蛍光の検出精度を向上させることである。
【解決手段】液体中微粒子分析システム(1)は、集積回路チップ(13)と、微粒子が流れる流路(10)と、該流路(10)にパルス状の励起光を照射する光源(半導体レーザー17)と、単一光子アバランシェダイオード(14A)の状態を、受光可能状態と待機状態との何れかに制御する制御部(15)と、を備え、制御部(15)は、光源(半導体レーザー17)の照射タイミングから単一光子アバランシェダイオード(14A)の状態を前記受光可能状態にするまでの遅延時間を、第1の遅延時間と第2の遅延時間とから選択し、当該受光可能状態において、単一光子アバランシェダイオード(14A)におけるアバランシェ電流に応じてパルス状の光子を検出し、前記第1の遅延時間を用いた光子の検出回数を第1の検出回数と、前記第2の遅延時間を用いた光子の検出回数を第2の検出回数と、を繰り返し求めることにより、前記微粒子に付随した蛍光物質の検出を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
単一光子アバランシェダイオードを含む集積回路チップと、
該集積回路チップの前記単一光子アバランシェダイオードの側に形成された、微粒子が流れる流路と、
該流路にパルス状の励起光を照射する光源と、
前記単一光子アバランシェダイオードの状態を、受光可能状態と待機状態との何れかに制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記光源が前記励起光を照射する照射タイミングから、前記単一光子アバランシェダイオードの状態を前記受光可能状態にするまでの遅延時間を、第1の遅延時間と、該第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間と、から選択し、
前記照射タイミングから前記遅延時間が経過したのち、前記単一光子アバランシェダイオードの状態を所定の受光期間に亘って前記受光可能状態にし、
当該受光可能状態において、単一光子アバランシェダイオードにおけるアバランシェ電流に応じてパルス状の光子を検出し、
前記第1の遅延時間を用いた前記光子の検出を一定回数繰り返し、その繰り返しの中における前記光子の検出回数を第1の検出回数とし、
前記第2の遅延時間を用いた前記光子の検出を前記一定回数繰り返し、その繰り返しの中における前記光子の検出回数を第2の検出回数とし、
前記第1の検出回数と前記第2の検出回数とを繰り返し求めることにより、前記微粒子に付随した蛍光物質の検出を行う、
ことを特徴とする液体中微粒子分析システム。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記光源は、互いに異なる複数の波長の励起光をそれぞれ互いに異なる前記照射タイミングで照射し、
前記制御部は、前記第1の検出回数及び前記第2の検出回数の各々を、前記励起光ごとに繰り返し求めることにより、前記検出を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体中微粒子分析システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記流路に微粒子が流れていない状態における、前記第1の検出回数の時間平均値である第1の平均値と、前記第2の検出回数の時間平均値である第2の平均値と、を算出し、
前記第1の検出回数を、前記第1の平均値で正規化した値を第1の正規化検出回数とし、
前記第2の検出回数を、前記第2の平均値で正規化した値を第2の正規化検出回数とし、
前記第1の正規化検出回数と前記第2の正規化検出回数との比に応じて前記検出を行う、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体中微粒子分析システム。
【請求項4】
前記第1の正規化検出回数及び前記第2の正規化検出回数の少なくとも何れかの変化であって、前記微粒子による散乱及び屈折の少なくとも何れかに起因する変化に応じて、前記微粒子を検出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の液体中微粒子分析システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記流路に微粒子が流れていない状態において、前記遅延時間を掃引し、掃引した各遅延時間を用いた前記光子の検出を一定回数繰り返し、その繰り返しの中における前記光子の検出回数をバックグラウンド検出回数として、当該バックグラウンド検出回数の遅延時間依存性を取得し、
前記蛍光物質における蛍光寿命から計算される指数関数的減衰量の遅延時間依存性に対する前記バックグラウンド検出回数の前記遅延時間依存性の比が最大になる最適遅延時間を求め、
前記第1の遅延時間及び前記第2の遅延時間の何れかとして前記最適遅延時間を用いる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体中微粒子分析システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中の微粒子を光学的に分析するための液体中微粒子分析システム及び液
体中微粒子分析方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
生物学および医学などにおける研究および臨床検査などで用いられる検査手法の1つとして、蛍光を用いた検査手法が挙げられる。蛍光とは、励起光(例えば紫外光または可視光)を吸収して基底状態から励起状態になった後、中間励起状態に落ちた分子またはイオンが、基底状態に戻るときに放出する、励起光より長い波長の光である。生体または非生体試料についての蛍光を用いた検査手法は、細胞構成成分の染色、遺伝子発現、および動的成分の局在移動の観察など、幅広い分野に応用されて成果を挙げている。
【0003】
一般に多く用いられている蛍光検査手法は、励起光を対象物に照射し、放出される蛍光のみを検知するものである。対象物から放出される蛍光と対象物により反射される励起光とを分離する方法の1つとして、蛍光と励起光とで波長が異なることを利用して、光学的なフィルタにより両者を分離する方法がある。
【0004】
一方、蛍光と励起光とを分離する別の方法として、蛍光寿命を利用する方法がある。蛍光寿命とは、対象物が励起状態から基底状態に戻るまでの平均時間である。蛍光寿命は、多くの種類の分子でサブナノ秒~数ナノ秒程度であり、分子の種類によって異なる。蛍光寿命を利用することで、励起光の消光後に放出される蛍光を検知することができる。
【0005】
特許文献1には、蛍光寿命を用いて蛍光を検知する装置の例として、図1と図2に示す構成が記載されている。特許文献1に記載されている装置は、励起光の消光後に単一光子アバランシェダイオード(SPAD,single photon avalanche diode)を光子検出可能状態にして、SPADが蛍光光子を受けた際に流れるアバランシェ電流によるパルスをカウントするように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6860890号(2021年3月31日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の液体中微粒子分析システムでは、流路を流れる微粒子が単一光子アバランシェダイオードの近傍に存在する場合に、当該微粒子により励起光が散乱あるいは屈折して、SPADに入射する場合がある。この場合、単一光子アバランシェダイオードに入射する光子の量は、流路を流れる微粒子が単一光子アバランシェダイオードの近傍に存在しない場合と比較して増加する。その結果、蛍光寿命を用いて蛍光を検知する液体中微粒子分析システムにおいては、SPADの検出結果に応じて励起光と蛍光とを分離することが難しい場合がある。
【0008】
本願発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、特許文献1に記載の液体中微粒子分析システムと比較して、蛍光の検出精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る液体中微粒子分析システムは、単一光子アバランシェダイオードを含む集積回路チップと、該集積回路チップの前記単一光子アバランシェダイオードの側に形成された、微粒子が流れる流路と、該流路にパルス状の励起光を照射する光源と、前記単一光子アバランシェダイオードの状態を、受光可能状態と待機状態との何れかに制御する制御部と、を備えている。
【0010】
本液体中微粒子分析システムにおいて、前記制御部は、前記光源が前記励起光を照射する照射タイミングから、前記単一光子アバランシェダイオードの状態を前記受光可能状態にするまでの遅延時間を、第1の遅延時間と、該第1の遅延時間よりも長い第2の遅延時間と、から選択し、前記照射タイミングから前記遅延時間が経過したのち、前記単一光子アバランシェダイオードの状態を所定の受光期間に亘って前記受光可能状態にし、当該受光可能状態において、単一光子アバランシェダイオードにおけるアバランシェ電流のパルスとして光子を検出し、前記第1の遅延時間を用いた前記光子の検出を一定回数繰り返し、その繰り返しの中における前記光子の検出回数を第1の検出回数とし、前記第2の遅延時間を用いた前記光子の検出を前記一定回数繰り返し、その繰り返しの中における前記光子の検出回数を第2の検出回数とし、前記第1の検出回数と前記第2の検出回数とを繰り返し求めることにより、前記微粒子に付随した蛍光物質の検出を行う、構成が採用されている。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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