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公開番号2025022055
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023126293
出願日2023-08-02
発明の名称電圧検出回路
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人サトー
主分類G01R 19/00 20060101AFI20250206BHJP(測定;試験)
要約【課題】リーク電流の発生を抑制しつつ、広範囲の電圧を精度良く検出する。
【解決手段】容量カップル駆動部14は、セレクタ13から出力される選択信号の電位を基準電位としてMOSトランジスタ15~22のゲートを駆動するための駆動信号を生成する。容量カップル駆動部14は、生成した駆動信号を、スイッチS1~S4を構成するMOSトランジスタ15~22のゲートに供給する。セレクタ13は、一対の入力ノードNip、Nim間に直列接続された2つのPMOS26、27と、一対の入力ノードNip、Nim間に直列接続された2つのNMOS29、30と、を備える。2つのPMOSおよびNMOSのうち一方は、通常の閾値を有する通常MOSトランジスタであり、2つのPMOSおよびNMOSのうち他方は、通常の閾値よりも低い閾値を有する低閾値MOSトランジスタである。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
一対の入力ノード(Nip、Nim)の各電圧を入力し、それらの差電圧を検出して一対の出力ノード(Nop、Nom)から出力する全差動構成の電圧検出回路であって、
前記一対の入力ノードと前記一対の出力ノードとの間を開閉可能に設けられた少なくとも1つのMOSトランジスタ(15~22、52~55)からなる複数のスイッチ(S1~S4)と、
駆動容量(Cdr1~Cdr4)と、前記MOSトランジスタのゲートを駆動するための駆動信号を生成するとともに前記駆動信号を前記MOSトランジスタのゲートに供給する駆動部(33、34)と、を備え、前記駆動容量を介して前記MOSトランジスタのゲートを駆動することにより前記複数のスイッチのそれぞれのオンオフを制御する容量カップル駆動部(14)と、
前記一対の入力ノード間に接続され、前記一対の入力ノードの各電圧のうちいずれかを選択し、その選択した電圧に対応した電位を有する選択信号を出力するセレクタ(13)と、
を備え、
前記駆動部は、前記セレクタから出力される前記選択信号の電位を基準電位として前記駆動信号を生成し、
前記セレクタは、
前記一対の入力ノード間に直列接続された2つのMOSトランジスタ(26、27、29、30)を備え、
前記2つのMOSトランジスタのうち一方は、通常の閾値を有する通常MOSトランジスタであり、
前記2つのMOSトランジスタのうち他方は、前記通常の閾値よりも低い閾値を有する低閾値MOSトランジスタである電圧検出回路。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記セレクタは、
前記一対の入力ノードの各電圧のうちいずれか高いほうの電圧を選択し、その選択した電圧に対応した電位を有する前記選択信号を出力するマキシマムセレクタ(23)と、
前記一対の入力ノードの各電圧のうちいずれか低いほうの電圧を選択し、その選択した電圧に対応した電位を有する前記選択信号を出力するミニマムセレクタ(24)と、
を備え、
前記マキシマムセレクタが備える前記2つのMOSトランジスタは、Pチャネル型のMOSトランジスタ(26、27)であり、
前記ミニマムセレクタが備える前記2つのMOSトランジスタは、Nチャネル型のMOSトランジスタ(29、30)であり、
前記マキシマムセレクタおよび前記ミニマムセレクタは、いずれも、前記2つのMOSトランジスタの中間ノード(N5、N6)の信号を、前記選択信号として出力する構成である請求項1に記載の電圧検出回路。
【請求項3】
前記低閾値MOSトランジスタは、デプレッションMOSトランジスタである請求項1に記載の電圧検出回路。
【請求項4】
前記一対の入力ノードのうち高電位側を高電位側入力ノードとし、前記一対の入力ノードのうち低電位側を低電位側入力ノードとし、前記複数のスイッチのうち前記高電位側入力ノードに接続されるスイッチを高電位側スイッチとし、前記複数のスイッチのうち前記低電位側入力ノードに接続されるスイッチを低電位側スイッチとすると、
前記高電位側スイッチは、1つのPチャネル型のMOSトランジスタ(52、55)からなり、
前記低電位側スイッチは、1つのNチャネル型のMOSトランジスタ(53、54)からなる請求項1から3のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
【請求項5】
前記一対の入力ノードのうち高電位側を高電位側入力ノードとし、前記一対の入力ノードのうち低電位側を低電位側入力ノードとし、前記複数のスイッチのうち前記高電位側入力ノードに接続されるスイッチを高電位側スイッチとし、前記複数のスイッチのうち前記低電位側入力ノードに接続されるスイッチを低電位側スイッチとすると、
前記高電位側スイッチは、直列接続された2つのPチャネル型のMOSトランジスタ(15、16、21、22)からなり、
前記低電位側スイッチは、直列接続された2つのNチャネル型のMOSトランジスタ(17、18、19、20)からなる請求項1から3のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
【請求項6】
前記セレクタから出力される前記選択信号は、前記複数のスイッチが備える前記MOSトランジスタの基板電位として与えられるようになっている請求項1から3のいずれか一項に記載の電圧検出回路。
【請求項7】
スイッチトキャパシタアンプ(2)を備え、
前記複数のスイッチは、前記スイッチトキャパシタアンプの一部を構成している請求項5に記載の電圧検出回路。
【請求項8】
前記一対の入力ノードは、組電池(4)を構成する各電池セルの端子に接続可能になっており、
前記複数のスイッチは、前記各電池セル(4a、4b)に重畳される相対的に高いコモンモード電圧を相対的に低いコモンモード電圧まで降圧させるレベルシフト回路の一部を構成している請求項7に記載の電圧検出回路。
【請求項9】
前記駆動容量は、櫛歯容量である請求項8に記載の電圧検出回路。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、全差動構成の電圧検出回路に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、CCSW回路と呼ばれるスイッチ回路を採用した全差動構成の電圧検出回路が開示されている。CCSWは、Capacitively-Coupled Switchの略称である。以下、特許文献1に開示される電圧検出回路のことを従来技術と称することとする。従来技術は、2つの入力ノードの電圧のうちいずれか高いほうの電圧をPチャネル型MOSトランジスタの基板電位として与えるとともに、2つの入力ノードのうちいずれか低いほうの電圧をNチャネル型MOSトランジスタの基板電位として与えるセレクタを備えた構成となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
特許第6673150公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、電池の電圧を監視する電池監視ICに用いられることを想定している。なお、ICは、Integrated Circuitの略称である。電池監視ICにおいては、検出対象とする電池の種類の増加に伴い、検出可能な電圧の範囲である電圧レンジが年々拡大傾向にある。電池の種類毎にICの設計を変更することは製品種類の増大に繋がるため、電池監視ICとしては、1チップ、つまり1つのAFEで正負にわたって広範囲の電圧を検出可能とすることが望ましい。なお、AFEは、Analog Front Endの略称である。
【0005】
従来技術によれば、負電圧を検出することができることから燃料電池の電圧を検出対象とする用途に適している一方で、正電圧の入力範囲が比較的狭くなることから例えば0~5Vであるリチウムイオン電池の電圧を検出対象とする用途に不向きであった。また、従来技術では、入力電圧が0V付近のときにセレクタが動作せずにリーク電流が発生して検出精度が低下するおそれがあった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リーク電流の発生を抑制しつつ、広範囲の電圧を精度良く検出することができる電圧検出回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の電圧検出回路は、一対の入力ノード(Nip、Nim)の各電圧を入力し、それらの差電圧を検出して一対の出力ノード(Nop、Nom)から出力する全差動構成の電圧検出回路であり、複数のスイッチ(S1~S4)と、容量カップル駆動部(14)と、セレクタ(13)と、を備える。前記複数のスイッチは、前記一対の入力ノードと前記一対の出力ノードとの間を開閉可能に設けられた少なくとも1つのMOSトランジスタ(15~22、52~55)からなる。前記容量カップル駆動部は、駆動容量(Cdr1~Cdr4)と、前記MOSトランジスタのゲートを駆動するための駆動信号を生成するとともに前記駆動信号を前記MOSトランジスタのゲートに供給する駆動部(33、34)と、を備え、前記駆動容量を介して前記MOSトランジスタのゲートを駆動することにより前記複数のスイッチのそれぞれのオンオフを制御する。前記セレクタは、前記一対の入力ノード間に接続され、前記一対の入力ノードの各電圧のうちいずれかを選択し、その選択した電圧に対応した電位を有する選択信号を出力する。
【0008】
前記駆動部は、前記セレクタから出力される前記選択信号の電位を基準電位として前記駆動信号を生成する。前記セレクタは、前記一対の入力ノード間に直列接続された2つのMOSトランジスタ(26、27、29、30)を備える。前記2つのMOSトランジスタのうち一方は、通常の閾値を有する通常MOSトランジスタであり、前記2つのMOSトランジスタのうち他方は、前記通常の閾値よりも低い閾値を有する低閾値MOSトランジスタである。詳細は後述するが、このようにすれば、セレクタの動作範囲を拡大することができる。
【0009】
上記構成によれば、正電圧入力時、セレクタが不定とならずにリーク電流が発生しないため、複数のスイッチのそれぞれの電位状態について、セレクタ無しの構成と同等の電位状態とすることができる。そのため、上記構成によれば、正電圧の入力レンジおよび検出精度をセレクタ無しの構成と同等にすることができる。また、上記構成によれば、従来技術と同様、セレクタの動作により負電圧を検出することができる。このように、上記構成によれば、正電圧の入力レンジおよび検出精度をセレクタ無しと同程度に維持しつつ、負電圧を検出可能とすることができる。したがって、上記構成によれば、リーク電流の発生を抑制しつつ、広範囲の電圧を精度良く検出することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係る電圧検出回路の構成を模式的に示す図
第1実施形態に係る電池監視ICの構成を模式的に示す図
第1実施形態に係るスイッチ回路の具体的な一構成例を示す図
第1実施形態に係る正電圧入力時のサンプル期間における各部の電位状態を説明するための図
第1実施形態に係る正電圧入力時のホールド期間における各部の電位状態を説明するための図
第1実施形態に係る負電圧入力時のサンプル期間における各部の電位状態を説明するための図
第1実施形態に係る各部の動作範囲、不定範囲、電圧範囲および伝達範囲の一例を示す図
変形例に係るΔΣ変調器の構成を模式的に示す図
第2実施形態に係るスイッチ回路の具体的な一構成例を示す図
第3実施形態に係る電圧検出回路の構成を模式的に示す図
第3実施形態に係るスイッチ回路の具体的な一構成例を示す図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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