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公開番号2025035324
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142301
出願日2023-09-01
発明の名称光位相変調器
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類G02F 1/025 20060101AFI20250306BHJP(光学)
要約【課題】耐圧を高くできる光位相変調器を提供する。
【解決手段】リブ導波路の凸部20は、第1主部21aと、第1主部21aにおける延設方向の端部から延設方向と交差する交差方向に沿って延設された第1接続部21bとを含み、N型とされた第1凸部21と、第1主部21aおよび第1接続部21bとの境界を有する第2主部22aと、第2主部22aにおける延設方向の端部から交差方向に沿って延設され、第1主部21aとの境界を有する第2接続部22bとを含み、P型とされた第2凸部22と、を有し、延設方向において、第1主部21aおよび第2主部22aが配置される領域を多空乏層領域MRとすると共に、第1接続部21bまたは第2接続部22bが配置される領域を少空乏層領域SRとすると、少空乏層領域SRには、第1、第2スラブ部31、32のうちのリブ導波路の凸部20側の部分に絶縁部60～62が配置されるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
リブ導波路の凸部（２０）を有する光位相変調器であって、
一方向を延設方向として延設された前記リブ導波路の凸部と、
前記リブ導波路の凸部よりも厚さが薄くされ、前記リブ導波路の凸部と接続される状態で配置された第１スラブ部（３１）および第２スラブ部（３２）と、を備え、
前記リブ導波路の凸部は、前記延設方向に沿って延設された第１主部（２１ａ）と、前記第１主部における延設方向の端部から前記延設方向と交差する交差方向に沿って延設された第１接続部（２１ｂ）とを含み、Ｎ型とされた第１凸部（２１）と、前記延設方向に沿って延設され、前記第１主部および第１接続部との境界を有する第２主部（２２ａ）と、前記第２主部における延設方向の端部から前記交差方向に沿って延設され、前記第１主部との境界を有する第２接続部（２２ｂ）とを含み、Ｐ型とされた第２凸部（２２）と、を有し、
前記第１スラブ部は、Ｎ型とされ、前記第２主部を挟んで前記第１主部と反対側に配置されて前記第２主部および前記第１接続部と接続されており、
前記第２スラブ部は、Ｐ型とされ、前記第１主部を挟んで前記第２主部と反対側に配置されて前記第１主部および前記第２接続部と接続されており、
前記延設方向において、前記第１主部および前記第２主部が配置される領域を多空乏層領域（ＭＲ）とすると共に、前記第１接続部または前記第２接続部が配置される領域を少空乏層領域（ＳＲ）とすると、
前記少空乏層領域には、前記第１スラブ部のうちのリブ導波路の凸部側の部分および前記第２スラブ部のうちの前記リブ導波路の凸部側の部分に絶縁部（６０～６２）が配置されている光位相変調器。
続きを表示（約 670 文字）【請求項２】
前記少空乏層領域のうちの前記延設方向に沿った長さを少空乏層領域長さ（ｄ１）とし、前記絶縁部における前記延設方向に沿った長さを絶縁部長さ（ｄ２）とすると、前記少空乏層領域長さに対する前記絶縁部長さの割合は、５０％以上とされている請求項１に記載の光位相変調器。
【請求項３】
前記少空乏層領域のうちの前記延設方向に沿った長さを少空乏層領域長さ（ｄ１）とし、前記絶縁部における前記延設方向に沿った長さを絶縁部長さ（ｄ２）とすると、前記少空乏層領域長さに対する前記絶縁部長さの割合が１００％以上であり、
前記リブ導波路の凸部の延設方向に沿った長さを位相シフタ長（Ｌ）とすると、前記位相シフタ長に対する前記絶縁部長さの割合は、５％以下とされている請求項１に記載の光位相変調器。
【請求項４】
前記絶縁部は、前記延設方向に沿って連続的に繋がっている請求項１に記載の光位相変調器。
【請求項５】
前記リブ導波路の凸部、前記第１スラブ部、前記第２スラブ部は、不純物がドープされたドープ層で構成され、
前記絶縁部は、ノンドープ層であるＩ層（６０）で構成されている請求項１ないし４のいずれか１つに記載の光位相変調器。
【請求項６】
前記絶縁部は、空隙（６１）で構成されている請求項１ないし４のいずれか１つに記載の光位相変調器。
【請求項７】
前記絶縁部は、絶縁膜（６２）で構成されている請求項１ないし４のいずれか１つに記載の光位相変調器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、光位相変調器に関するものである。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
従来より、ＰＮ接合を有する光位相変調器が提案されている（例えば、特許文献１参照）。具体的には、この光位相変調器では、一方向を延設方向として延設されたリブ導波路の凸部と、リブ導波路の凸部の両側に配置され、リブ導波路の凸部と繋がると共に、リブ導波路の凸部より厚さが薄くされた第１スラブ部および第２スラブ部とを備えている。なお、第１スラブ部および第２スラブ部は、リブ導波路の凹部ともいえる。
【０００３】
より詳しくは、リブ導波路の凸部は、Ｎ型の第１凸部とＰ型の第２凸部とを有する構成とされている。第１凸部は、延設方向に沿って延設された第１主部、および第１主部の端部から延設方向と交差する交差方向に沿って延設された第１接続部とを有する平面略Ｌ字状とされている。第２凸部は、延設方向に沿って延設された第２主部、および第２主部の端部から延設方向と交差する交差方向に沿って延設された第２接続部とを有する平面略Ｌ字状とされている。そして、リブ導波路の凸部は、第１主部と第２主部とが隣合い、第１接続部が第２主部と接続されると共に第２接続部が第１主部と接続されるように、略Ｌ字状とされた第１凸部と第２凸部とが嵌め合された状態となっている。
【０００４】
第１スラブ部は、Ｎ型とされ、第２主部を挟んで第１主部と反対側に配置され、第１主部および第２接続部と接続されている。第２スラブ部は、Ｐ型とされ、第１主部を挟んで第２主部と反対側に配置され、第２主部および第１接続部と接続されている。
【０００５】
このような光位相変調器では、第１主部と第２主部との間、第１主部と第２接続部との間、第２主部と第１接続部との間、第１凸部と第２スラブ部との間、および第２凸部と第１スラブ部との間にそれぞれＰＮ接合が構成される。このため、ＰＮ接合に逆バイアス電圧が印加された際に広がる空乏層を多くでき、位相変調量の向上を図ることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
米国特許出願公開第２０１７／０３１５３８７号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
上記のような光位相変調器では、延設方向と交差する交差方向において、第１主部および第２主部を通る部分と、第１接続部または第２接続部を通る部分とでは、ＰＮ接合の数が異なる。具体的には、第１主部および第２主部を通る部分では、３個のＰＮ接合が構成されるが、第１接続部または第２接続部を通る部分では、１個のＰＮ接合が構成される。以下、延設方向において、第１主部および第２主部を有する部分を多空乏層領域とし、第１接続部または第２接続部を有する部分を少空乏層領域とする。
【０００８】
そして、本発明者らの検討によれば、少空乏層領域では、多空乏層領域よりもＰＮ接合数が少ないため、リブ導波路の凸部とスラブ部との間で電界集中が発生し易いことが確認された。このため、上記のような光位相変調器では、耐圧が低下する可能性がある。
【０００９】
本開示は、耐圧を高くできる光位相変調器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本開示の１つの観点によれば、リブ導波路の凸部（２０）を有する光位相変調器は、一方向を延設方向として延設されたリブ導波路の凸部と、リブ導波路の凸部よりも厚さが薄くされ、リブ導波路の凸部と接続される状態で配置された第１スラブ部（３１）および第２スラブ部（３２）と、を備え、リブ導波路の凸部は、延設方向に沿って延設された第１主部（２１ａ）と、第１主部における延設方向の端部から延設方向と交差する交差方向に沿って延設された第１接続部（２１ｂ）とを含み、Ｎ型とされた第１凸部（２１）と、延設方向に沿って延設され、第１主部および第１接続部との境界を有する第２主部（２２ａ）と、第２主部における延設方向の端部から交差方向に沿って延設され、第１主部との境界を有する第２接続部（２２ｂ）とを含み、Ｐ型とされた第２凸部（２２）と、を有し、第１スラブ部は、Ｎ型とされ、第２主部を挟んで第１主部と反対側に配置されて第２主部および第１接続部と接続されており、第２スラブ部は、Ｐ型とされ、第１主部を挟んで第２主部と反対側に配置されて第１主部および第２接続部と接続されており、延設方向において、第１主部および第２主部が配置される領域を多空乏層領域（ＭＲ）とすると共に、第１接続部または第２接続部が配置される領域を少空乏層領域（ＳＲ）とすると、少空乏層領域には、第１スラブ部のうちのリブ導波路の凸部側の部分および第２スラブ部のうちのリブ導波路の凸部側の部分に絶縁部（６０～６２）が配置されている。
（【００１１】以降は省略されています）

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