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公開番号2025029825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023134680
出願日2023-08-22
発明の名称電力変換器
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人サトー
主分類H02M 3/155 20060101AFI20250228BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回路を改善することで微小電流に対する性能を向上させ、リップルも抑制できる電力変換回路を提供する。
【解決手段】並列接続されたn個のコンバータ5、入力される指令値に応じた制御情報を出力するモータ制御部11、及びその制御情報に基づいてn個のコンバータを駆動する多重パルス信号を生成するパルス生成部12を備える。ゼロ電流検出部22を、コンバータ5が出力する電流のゼロクロス点を検出した際に検出パルスの出力の可否が設定可能に構成する。判定切替え部24は、多重パルス信号の出力周期内において、ゼロ電流検出部22に検出パルスを出力させるタイミングとしてのゼロクロス点の検出回数を指令値Ioutに応じて設定する。パルス生成部12は、検出パルスに応じて多重パルス信号を生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
並列接続された２以上のｎ個のコンバータ（５）と、
入力される指令値に応じた制御情報を出力する制御部（１１）と、
前記制御情報に基づいて、前記ｎ個のコンバータを駆動する多重パルス信号を生成するパルス生成部（１２）と、
前記コンバータが出力する電流のゼロクロス点を検出した際に、検出パルスの出力の可否が設定可能に構成されるゼロ電流検出部（２２）と、
前記多重パルス信号の出力周期内において、前記ゼロ電流検出部に前記検出パルスを出力させるタイミングとしての前記ゼロクロス点の検出回数を、前記指令値に応じて設定する検出回数設定部（２４）と、を備え、
前記パルス生成部は、前記検出パルスに応じて前記多重パルス信号を生成する電力変換器。
続きを表示（約 1,100 文字）【請求項２】
前記検出回数設定部は、前記検出回数の初期値を「１」に設定し、
前記指令値と、当該指令値に基いて出力可能な電流値との差が閾値を超えると前記検出回数を「２」以上に設定する請求項１記載の電力変換器。
【請求項３】
前記検出回数設定部は、前記検出回数の初期値を「１」に設定し、
前記指令値が閾値を下回ると、前記検出回数を「２」以上に設定する請求項１記載の電力変換器。
【請求項４】
前記検出回数設定部は、前記検出回数を「２」以上に設定した際に、前記多重パルス信号の出力位相を遅れ側に補正する位相補正部を備える請求項２又は３記載の電力変換器。
【請求項５】
前記パルス生成部は、前記コンバータを構成する各スイッチを駆動するスイッチ駆動部（２１）と、
前記各スイッチのオン時間と、オンオフの周期と、各オンタイミング間の位相差とを算出することで、前記スイッチ駆動部に出力する多重パルス信号を生成するパルス演算部（２３）と、を備える請求項１記載の電力変換器。
【請求項６】
前記コンバータに入力される電圧をＶｉｎ、前記コンバータが出力する電圧をＶｏｕｔとし、
前記コンバータを構成する上アームスイッチについてのオン時間をＴｏｎ１、同オフ時間をＴｏｆｆ１、オンオフの周期をＴ１、前記各オンタイミング間の位相差をＴｄ１とし、
前記コンバータを構成する下アームスイッチについてのオン時間をＴｏｎ２、同オフ時間をＴｏｆｆ２、オンオフの周期をＴ２、前記各オンタイミング間の位相差をＴｄ２とし、
前記コンバータが備えるインダクタのインダクタンスをＬ、前記インダクタに流れるピーク電流をＩＬｐ、同負側のピーク電流の絶対値をＩＬｎとすると、
前記パルス生成部は、前記電流量補間パルスが必要である際に、前記指令値が正の値であれば、前記コンバータを構成する上アームスイッチを
Ｔｏｎ１＝ＩＬｐ×Ｌ／（Ｖｉｎ－Ｖｏｕｔ）
Ｔｏｆｆ１＝ＩＬｐ×Ｌ／Ｖｏｕｔ
Ｔ１＝Ｔｏｎ１＋Ｔｏｆｆ１
Ｔｄ１＝Ｔ１／ｎ …（１）
で駆動するように多重パルス信号を生成し、
前記指令値が負の値であれば、前記コンバータを構成する下アームスイッチを
Ｔｏｎ２＝ＩＬｐ×Ｌ／Ｖｏｕｔ
Ｔｏｆｆ２＝ＩＬｐ×Ｌ／（Ｖｉｎ－Ｖｏｕｔ）
Ｔ２＝Ｔｏｎ２＋Ｔｏｆｆ２
Ｔｄ２＝Ｔ２／ｎ …（２）
で駆動するように多重パルス信号を生成する請求項５記載の電力変換器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、並列接続された複数個のコンバータを有してなる電力変換器に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
例えば、特許文献１には、ハイブリッド車の動力発生装置が提案されている。この動力発生装置は、永久磁石同期モータの各相にマルチフェーズコンバータを並列に接続している。各マルチフェーズコンバータが、それぞれ位相を変化させながら駆動することで正弦波状の電圧を出力しており、これにより出力電流リップルを低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２００９－２１９２９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記の構成では、コンバータを並列に接続する数が多いほど出力電流リップルを低減できるが、電流指令値が小さい場合には周期が短くなることでコンバータを駆動するパルス幅が短くなり、マイコンにおける処理の制御分解能が不足してパルスを正常に出力できなくなるおそれがある。より詳細に言えば、周期が短くなると、パルス制御におけるキャリア信号の三角波が高周波化する。
【０００５】
マイコンにより制御する場合、出力可能な最小パルス幅は割込み等の制御分解能で決定される。微小電流によって例えば正弦波等の直流以外の波形を生成しようとすると、分解能の限界で近似されるため、目標とは異なる電流波形になったり波形にリップルが生じる。このようにパルスを正常に出力できなくなると、電流の波形に歪みが発生してノイズや騒音が増加してしまう。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路を改善することで微小電流に対する性能を向上させ、リップルも抑制できる電力変換回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１記載の電力変換回路によれば、制御部（１１）は、入力される指令値に応じた制御情報を出力し、パルス生成部（１２）は、その制御情報に基づいて、並列接続された２以上のｎ個のコンバータを駆動する多重パルス信号を生成する。ゼロ電流検出部（２２）は、コンバータが出力する電流のゼロクロス点を検出した際に、検出パルスの出力の可否が設定可能に構成される。検出回数設定部（２４）は、多重パルス信号の出力周期内において、ゼロ電流検出部に検出パルスを出力させるタイミングとしてのゼロクロス点の検出回数を、前記指令値に応じて設定する。パルス生成部は、検出パルスに応じて多重パルス信号を生成する。
【０００８】
具体的には、例えば請求項２又は３記載の電力変換回路のように、検出回数設定部は、検出回数の初期値を「１」に設定し、指令値と、当該指令値に基いて出力可能な電流値との差が閾値を超えると（請求項２）、又は指令値が閾値を下回ると（請求項３）、検出回数を「２」以上に設定する。これにより、パルス生成部は、２回目以降に検出された電流のゼロクロス点に基いて、多重パルス信号を生成することができる。したがって、多重パルス信号のパルス幅を狭めずとも、微小な電流を出力することが可能になる。
【０００９】
請求項４記載の電力変換回路によれば、検出回数設定部が備える位相補正部は、検出回数を「２」以上に設定した際に、多重パルス信号の出力位相を遅れ側に補正する。これにより、検出回数を「２」以上に設定したことに伴う位相の遅れを、多重パルス信号に割り当てて修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
第１実施形態における一相分の電気的構成図
全体的な電気的構成図
１つのコンバータにおけるインダクタ電流ＩＬの波形を示す図
４つのコンバータのインダクタ電流ＩＬ１～ＩＬ４の波形を合成した一相の出力電流Ｉｏｕｔの波形を示す図
コンバータの制御構成図
判定切替え部の処理内容を中心に示すフローチャート
各スイッチＳＷ１、ＳＷ２のオン・オフ制御を示すタイミングチャート
４多重コンバータがそれぞれ出力する電流の波形と、それらを合成した電流の波形を示す図
従来技術の課題を説明する図（その１）
従来技術の課題を説明する図（その２）
従来技術の課題を説明する図（その３）
本実施形態の効果を説明する図（その１）
本実施形態の効果を説明する図（その２）
第２実施形態であり、判定切替え部の処理内容を中心に示すフローチャート
第３実施形態であり、判定切替え部の処理内容を中心に示すフローチャート
各スイッチＳＷ１、ＳＷ２のオン・オフ制御を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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