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公開番号2024175499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023093333
出願日2023-06-06
発明の名称インダクタ部品
出願人株式会社村田製作所
代理人個人,個人
主分類H01F 27/29 20060101AFI20241211BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高い自己共振周波数の確保と浮遊容量の発生の抑制とが可能なインダクタ部品を提供する。
【解決手段】インダクタ部品は、素体と、素体の内部にあるコイル導体と、素体の外面にあってコイル導体と電気的に接続された外部電極とを備える。素体は下面と側面とを備える。外部電極は、下面に設けられた下部分と、側面に下部分と連続して設けられた側部分とを備える。コイル導体は、下面及び側面の双方と交差し且つ間隔を空けて並んだ複数の仮想内面の各々に環状の軌道の一部を形成するように設けられた複数の導体パターンと、隣り合う2つの導体パターンを接続する接続導体とを備える。下部分及び側部分の境界部とコイル導体との最短距離を距離Aとし、下部分における境界部とは反対側の端部とコイル導体との最短距離を距離Bとする場合、B/Aは0.2以上且つ0.6以下である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁体で構成された素体と、
前記素体の内部に設けられたコイル導体と、
前記素体の外面に設けられ、前記コイル導体と電気的に接続された外部電極と、を備え、
前記素体は、下面と、前記下面に接続された側面とを備え、
前記外部電極は、前記下面に設けられた下部分と前記側面に前記下部分と連続して設けられた側部分とよりなるL字形状を有し、
前記コイル導体は、前記素体の内部において前記下面及び前記側面の双方と交差し且つ間隔を空けて並ぶ複数の仮想内面の各々に環状の軌道の一部を形成するように設けられた複数の導体パターンと、前記複数の導体パターンのうち隣り合う2つの導体パターンを電気的に接続する接続導体と、を備え、
前記仮想内面と直交する方向から見て、前記下部分及び前記側部分の境界部と前記コイル導体との最短距離を距離Aとし、前記下部分における前記境界部とは反対側の端部と前記コイル導体との最短距離を距離Bとする場合、前記距離Bを前記距離Aで除算したB/Aは0.2以上且つ0.6以下であるインダクタ部品。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記距離Aは、57μm以上且つ78μm以下である請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項3】
前記距離Bは、14μm以上且つ45μm以下である請求項1または2に記載のインダクタ部品。
【請求項4】
前記複数の導体パターンの少なくとも一部の導体パターンは、前記下面と平行な方向において前記側面に近づくにしたがって、前記下面と垂直な方向において前記下面から離れるように延びる斜辺部を備える請求項1または2に記載のインダクタ部品。
【請求項5】
前記仮想内面と直交する方向から見て、前記斜辺部と前記下面とがなす内角は、15°以上且つ40°以下である請求項4に記載のインダクタ部品。
【請求項6】
前記斜辺部を仮想的に延長した延長部は、前記側部分と交差する請求項4に記載のインダクタ部品。
【請求項7】
前記下面と垂直な方向における前記環状の軌道の寸法は、前記下面と垂直な方向における前記素体の寸法の0.6倍以上且つ0.85倍以下である請求項1または2に記載のインダクタ部品。
【請求項8】
前記下部分の少なくとも一部は、前記素体に埋め込まれており、
前記コイル導体は、前記下面と垂直な方向において前記下部分の埋め込まれた部分に対して前記下面の反対側に位置している請求項1または2に記載のインダクタ部品。
【請求項9】
前記複数の導体パターンの少なくとも一部の導体パターンにおいて、前記少なくとも一部の導体パターンの厚みTを、前記少なくとも一部の導体パターンの幅Wで除算したT/Wは0.8以上である請求項1または2に記載のインダクタ部品。
【請求項10】
前記複数の導体パターンのうち隣り合う2つの導体パターンの間の最短間隔は7μm以上である請求項1または2に記載のインダクタ部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、素体の内部にコイル導体が設けられたインダクタ部品に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、略直方体形状をなす素体と、素体の外部に露出した外部電極とを備えるインダクタ部品が開示されている。素体の内部には、コイル構造が設けられている。外部電極は、素体の底面と側面とに亘ってL字形状に形成されており、コイル構造と電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-98356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたインダクタ部品では、コイル構造の内径を大きくすることによって、インダクタ部品のL値の取得効率が向上され得る。
【0005】
しかし、コイル構造の内径が大きくなると、コイル構造と外部電極との距離が近くなる。これにより、コイル構造と外部電極との間において、浮遊容量が発生するおそれがある。浮遊容量が発生すると、インダクタ部品の自己共振周波数(SRF: Self Resonant Frequency)が低下するおそれがある。自己共振周波数が低下すると、インダクタ部品のQ値が低下するおそれがある。
【0006】
本開示は、高い自己共振周波数の確保と浮遊容量の発生の抑制とが可能なインダクタ部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
絶縁体で構成された素体と、
前記素体の内部に設けられたコイル導体と、
前記素体の外面に設けられ、前記コイル導体と電気的に接続された外部電極と、を備え、
前記素体は、下面と、前記下面に接続された側面とを備え、
前記外部電極は、前記下面に設けられた下部分と前記側面に前記下部分と連続して設けられた側部分とよりなるL字形状を有し、
前記コイル導体は、前記素体の内部において前記下面及び前記側面の双方と交差し且つ間隔を空けて並ぶ複数の仮想内面の各々に環状の軌道の一部を形成するように設けられた複数の導体パターンと、前記複数の導体パターンのうち隣り合う2つの導体パターンを電気的に接続する接続導体と、を備え、
前記仮想内面と直交する方向から見て、前記下部分及び前記側部分の境界部と前記コイル導体との最短距離を距離Aとし、前記下部分における前記境界部とは反対側の端部と前記コイル導体との最短距離を距離Bとする場合、前記距離Bを前記距離Aで除算したB/Aは0.2以上且つ0.6以下である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、高い自己共振周波数の確保と浮遊容量の発生の抑制とが可能なインダクタ部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の一実施形態に係るインダクタ部品の外観斜視図
図1に示すインダクタ部品の分解斜視図
図2のA-A断面を示す断面図
図1に示すインダクタ部品をコイル導体の中心軸線方向に透視した模式図
インダクタ部品をコイル導体の中心軸線方向に透視した模式図
図5に示すインダクタ部品の分解平面図
図5に示すインダクタ部品における距離Bを距離Aで除算した値に対する自己共振周波数の変化を電磁界シミュレーションにより求めた結果を示す図
図5に示すインダクタ部品における距離Bに対する自己共振周波数の変化を電磁界シミュレーションにより求めた結果を示す図
インダクタ部品をコイル導体の中心軸線方向に透視した模式図
図9に示すインダクタ部品の分解平面図
図9に示すインダクタ部品における距離Aに対するQ値の変化を電磁界シミュレーションにより求めた結果を示す図
図9に示すインダクタ部品における距離Aに対するL値の変化を電磁界シミュレーションにより求めた結果を示す図
図9に示すインダクタ部品における斜辺部と下面とがなす内角の角度に対するQ値の変化を電磁界シミュレーションにより求めた結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。また、以下の説明では、必要に応じて特定の方向あるいは位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」を含む用語)が用いられる。しかし、特定の方向あるいは位置を示す用語の使用は、図面を参照した本開示の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本開示の技術的範囲が限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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