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公開番号
2024175434
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-18
出願番号
2023093224
出願日
2023-06-06
発明の名称
冷却塔の性能判断方法および冷却システム
出願人
栗田工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
F28F
27/00 20060101AFI20241211BHJP(熱交換一般)
要約
【課題】稼働している冷却塔の冷却水の水量およびファンによる風量と、冷却塔の周囲の外気の温度、湿度等を測定することなく、簡便に冷却塔の性能を判断する冷却塔の性能判断方法および冷却システムを提供する。
【解決手段】冷却塔の性能判断方法は、性能の比較対象の冷却塔の出口水温の外部データを取得する第1ステップと、このデータを基に、性能の判断対象の冷却塔の湿球温度を推定する第2ステップと、推定された湿球温度から冷却塔の性能を判断する第3ステップで構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
冷凍機で熱を回収し温められた冷却水を、前記冷凍機と冷却塔との間に配設された供給ポンプおよび供給側外部配管によって前記冷却塔に供給するとともに、ファンの送風に接触させることによって冷却された冷却水を、前記冷却塔から排出側外部配管を通って前記冷凍機に戻す冷却システムにおける冷却塔の性能判断方法であって、
近接地域内に複数の冷却塔が点在し、前記複数の冷却塔のうちから選択される1つの冷却塔である第1冷却塔を判断対象の冷却塔とし、前記第1冷却塔以外の残りの冷却塔のうちの少なくとも1つの冷却塔である第2冷却塔を比較対象の冷却塔とするとき、
前記第1冷却塔の正常稼働時における冷却水の出口水温、湿球温度及び負荷率データを測定し、測定した前記冷却水の出口水温、前記湿球温度及び前記負荷率データの関係を表した性能曲線を予め用意し、
前記第2冷却塔における、時刻tにおける冷却水の出口水温のデータを取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得した前記第2冷却塔における冷却水の出口水温のデータから、前記性能曲線を用いて、前記第1冷却塔における湿球温度を推定する第2ステップと、
前記第2ステップで推定された湿球温度である推定湿球温度と、前記第1冷却塔の実際の稼働時における冷却水の出口水温である実冷却水出口水温とに基づいて、前記第1冷却塔の性能を判断する第3ステップとを含む、冷却塔の性能判断方法。
続きを表示(約 940 文字)
【請求項2】
前記第1ステップで、前記第2冷却塔における負荷率データをさらに取得し、
前記第2ステップで、前記第2冷却塔における、前記出口水温のデータと前記負荷率データとから、前記性能曲線を用いて、第1冷却塔における湿球温度を推定する、請求項1に記載の冷却塔の性能判断方法。
【請求項3】
前記第3ステップで、前記第1冷却塔の負荷率データをさらに取得し、取得した前記負荷率データと、前記推定湿球温度と、前記第1冷却塔の出口水温とを基に、前記第1冷却塔の性能を判断する、請求項1又は2に記載の冷却塔の性能判断方法。
【請求項4】
前記複数の冷却塔の間でのデータのやり取りは、インターネットを介して行う、請求項1に記載の冷却塔の性能判断方法。
【請求項5】
冷凍機で熱を回収し温められた冷却水を、前記冷凍機と冷却塔との間に配設された供給ポンプおよび供給側外部配管によって前記冷却塔に供給するとともに、ファンの送風に接触させることによって冷却された冷却水を、前記冷却塔から排出側外部配管を通って前記冷凍機に戻す冷却システムにおいて、
近接地域内に複数の冷却塔が点在し、前記複数の冷却塔のうちから選択される1つの冷却塔である第1冷却塔を判断対象の冷却塔とし、前記第1冷却塔以外の残りの冷却塔のうちの少なくとも1つの冷却塔である第2冷却塔を比較対象の冷却塔とするとき、
前記第1冷却塔の正常稼働時における冷却水の出口水温、湿球温度及び負荷率データを測定し、測定した前記冷却水の出口水温、前記湿球温度及び前記負荷率データの関係を表した性能曲線を予め用意する第1の手段と、
前記第2冷却塔における、時刻tにおける冷却水の出口水温のデータを取得し、
前記第2冷却塔における冷却水の出口水温のデータから、前記性能曲線を用いて、前記第1冷却塔における湿球温度を推定する第2の手段と、
推定された湿球温度である推定湿球温度と、前記第1冷却塔の実際の稼働時における冷却水の出口水温である実冷却水出口水温とに基づいて、前記第1冷却塔の性能を判断する第3の手段と
を備える、冷却システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔の性能判断方法および冷却システムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
発電プラント、化学プラント、冷空調プラント等の設備プラントでは、大量に発生した熱を冷凍機で回収しながらプラントを操業している。これら大量に回収した熱を制御しながら継続的に安定して操業するためには、水等の流体で構成される冷却塔で冷却して、繰り返し使用して稼働させている。冷却塔の設計能力は、具体的には、外気湿球温度27℃において、37℃に温められた冷却水を32℃に低下させて繰り返し使用している。しかし、冷却塔の効率が悪化すると、外気湿球温度27℃において、37℃に温められた冷却水を32℃に低下させることが出来なくなり、冷却塔から送水される水の温度が33℃や34℃と高い温度になってしまう。
【0003】
冷却塔から送水される温度の上昇は、冷凍機の冷却効率の悪化を招き、冷却水を必要な温度に冷却することが困難になる。また、そのうえに、冷凍機における冷却水の冷却時間の増加、冷凍機の消費エネルギーが増加するなどの問題が発生する。この問題が発生するのを防止するために、冷却塔の冷却水を冷却する性能を高く維持することが必要である。
また、冷却塔の性能の判断は、「JIS B 8609:2008強制通風式クーリングタワー性能試験方法」に準拠した試験方法によって判断されている。しかし、この性能試験方法は冷却塔の循環水量や風量、外気湿球温度を測定しなければならず、冷却塔の性能判断に対して非常に時間がかかるという問題がある。
【0004】
例えば、特許文献1は、冷却塔に関する複数のパラメータの理想値の関係の情報を示すパラメータマップを予め記憶するマップ記憶部と、前記冷却塔に関する複数のパラメータの実測値及び前記パラメータマップに基づいて、前記パラメータの理想値を推定する推定部と、を備える推定装置が開示されている。しかし、特許文献1は、冷却塔におけるファンの回転数等をパラメーターとして記録し、理想値と実測値との差から冷却塔の劣化を判断するもので、時間に関して効率的に判断するという問題が解決されていない。
また、特許文献2は、冷凍機の負荷率を演算する工程と、予め求められた前記冷凍機の負荷率と冷却水往還温度差との関係を示す一次式を用いて、前記冷却水往還温度差が、前記演算された前記冷凍機の負荷率に対応する前記冷却水往還温度差となるように、前記冷却水ポンプのモータの回転数を可変に制御する工程と、を含む熱源システム制御方法が開示されている。しかし、引用文献2は、冷凍機の負荷率を演算して、熱源システムの仕様に合わせた一次式を作成し制御するもので、汎用性を有するが、時間に関して効率的に制御するという問題が解決されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-181662号公報
特開2021-055975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、稼働している冷却塔の冷却水の水量およびファンによる風量と、冷却塔の周囲の外気の温度、湿度等を測定することなく、冷却塔の性能を簡便であり、かつ、時間に関して効率的に判断する冷却塔の性能判断方法および冷却システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、本発明の実施形態の特徴を列記して説明する。
(1)冷凍機で熱を回収し温められた冷却水を、前記冷凍機と冷却塔との間に配設された供給ポンプおよび供給側外部配管によって前記冷却塔に供給するとともに、ファンの送風に接触させることによって冷却された冷却水を、前記冷却塔から排出側外部配管を通って前記冷凍機に戻す冷却システムにおける冷却塔の性能判断方法であって、近接地域内に複数の冷却塔が点在し、前記複数の冷却塔のうちから選択される1つの冷却塔である第1冷却塔を判断対象の冷却塔とし、前記第1冷却塔以外の残りの冷却塔のうちの少なくとも1つの冷却塔である第2冷却塔を比較対象の冷却塔とするとき、前記第1冷却塔の正常稼働時における冷却水の出口水温、湿球温度及び負荷率データを測定し、測定した前記冷却水の出口水温、前記湿球温度及び前記負荷率データの関係を表した性能曲線を予め用意し、前記第2冷却塔における、時刻tにおける冷却水の出口水温のデータを取得する第1ステップと、前記第1ステップで取得した前記第2冷却塔における冷却水の出口水温のデータから、前記性能曲線を用いて、前記第1冷却塔における湿球温度を推定する第2ステップと、前記第2ステップで推定された湿球温度である推定湿球温度と、前記第1冷却塔の実際の稼働時における冷却水の出口水温である実冷却水出口水温とに基づいて、前記第1冷却塔の性能を判断する第3ステップとを含む、冷却塔の性能判断方法。
(2)前記第1ステップで、前記第2冷却塔における負荷率データをさらに取得し、前記第2ステップで、前記第2冷却塔における、前記出口水温のデータと前記負荷率データとから、前記性能曲線を用いて、第1冷却塔における湿球温度を推定する、請求項1に記載の冷却塔の性能判断方法。
(3)前記第3ステップで、前記第1冷却塔の負荷率データをさらに取得し、取得した前記負荷率データと、前記推定湿球温度と、前記第1冷却塔の出口水温とを基に、前記第1冷却塔の性能を判断する、請求項1又は2に記載の冷却塔の性能判断方法。
(4)前記複数の冷却塔の間でのデータのやり取りは、インターネットを介して行う、請求項1に記載の冷却塔の性能判断方法。
【0008】
(5)冷凍機で熱を回収し温められた冷却水を、前記冷凍機と冷却塔との間に配設された供給ポンプおよび供給側外部配管によって前記冷却塔に供給するとともに、ファンの送風に接触させることによって冷却された冷却水を、前記冷却塔から排出側外部配管を通って前記冷凍機に戻す冷却システムにおいて、
近接地域内に複数の冷却塔が点在し、前記複数の冷却塔のうちから選択される1つの冷却塔である第1冷却塔を判断対象の冷却塔とし、前記第1冷却塔以外の残りの冷却塔のうちの少なくとも1つの冷却塔である第2冷却塔を比較対象の冷却塔とするとき、前記第1冷却塔の正常稼働時における冷却水の出口水温、湿球温度及び負荷率データを測定し、測定した前記冷却水の出口水温、前記湿球温度及び前記負荷率データの関係を表した性能曲線を予め用意する第1の手段と、前記第2冷却塔における、時刻tにおける冷却水の出口水温のデータを取得し、前記第2冷却塔における冷却水の出口水温のデータから、前記性能曲線を用いて、前記第1冷却塔における湿球温度を推定する第2の手段と、推定された湿球温度である推定湿球温度と、前記第1冷却塔の実際の稼働時における冷却水の出口水温である実冷却水出口水温とに基づいて、前記第1冷却塔の性能を判断する第3の手段とを備える、冷却システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、稼働している冷却塔の冷却水の水量およびファンによる風量と、冷却塔の周囲の外気の温度、湿度等を測定することなく、冷却塔の性能を、簡便であり、かつ、時間に関して効率的に判断する冷却塔の性能判断方法および冷却システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の冷却塔の性能判断方法の一実施形態を示す図である。
本発明の冷却塔の性能判断方法の一実施形態を説明するフローチャートを示す図である。
本発明の冷却塔の性能判断方法における第1冷却塔の性能曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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