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公開番号
2024115871
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-27
出願番号
2023021747
出願日
2023-02-15
発明の名称
熱交換器
出願人
リンナイ株式会社
代理人
弁理士法人青莪
主分類
F28F
9/22 20060101AFI20240820BHJP(熱交換一般)
要約
【課題】筐体1内に燃焼ガスの流れ方向に2段に分けて配置された吸熱管31を各段毎にY軸方向一方から他方に亘って結ぶ各段の蛇行流路が構成され、燃焼ガスの流れ方向上流側の第1段の蛇行流路3
1
の上流端の♯11の吸熱管31と燃焼ガスの流れ方向下流側の第2段の蛇行流路3
2
の下流端の♯21の吸熱管31とが共にY軸方向一方に位置するようにした熱交換器であって、筐体1の燃焼ガスの流れ方向下流端の開口1aを覆う、排気口41が開設された排気集合部4をそなえるものにおいて、♯11と♯21の両吸熱管31,31の熱膨張量の差によって筐体1に作用する応力を軽減して、耐久性を向上できるようにする。
【解決手段】排気口41を排気集合部4のY軸方向他方に片寄った部分に設ける。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスにより加熱される熱交換器であって、
内部に燃焼ガスが流れる角筒状の筐体と、筐体内の燃焼ガスの流れ方向に交差する直交2方向をX軸方向及びY軸方向として、筐体内にX軸方向に積層して配置された複数の吸熱フィンと、これら吸熱フィン及び筐体のX軸方向両側の側板をX軸方向に貫通し、内部に被加熱流体が流れる複数の吸熱管と、これら吸熱管を筐体のX軸方向両側の側板の外側で直列に接続する接続部と、筐体の燃焼ガスの流れ方向下流端の開口を覆う、燃焼ガスを排出する排気口が開設された排気集合部とを備え、
吸熱管は、燃焼ガスの流れ方向に2段に分けて配置され、各段の複数の吸熱管とこれら吸熱管を接続する各段用の接続部とで、これら各段の吸熱管をY軸方向一方の最外側に位置するものからY軸方向他方の最外側に位置するものに亘って結ぶ蛇行流路が構成されて、蛇行流路が燃焼ガスの流れ方向上流側の第1段と、燃焼ガスの流れ方向下流側の第2段との2段に設けられ、第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と下流端の吸熱管とを夫々Y軸方向一方の最外側とY軸方向他方の最外側とに位置するものとして、第1段の蛇行流路の下流端の吸熱管と第2段の蛇行流路のY軸方向他方の最外側に位置する上流端の吸熱管とが接続されて、第1段の蛇行流路から第2段の蛇行流路に被加熱流体が流れるようにしたものにおいて、
排気口は、排気集合部のY軸方向他方に片寄った部分に設けられることを特徴とする熱交換器。
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【請求項2】
前記第1段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する上流端の吸熱管と前記第2段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する下流端の吸熱管との間の距離を、第1段の蛇行流路の上流端以外の各吸熱管と当該各吸熱管に最寄りの第2段の蛇行流路の下流端以外の各吸熱管との間の距離よりも大きくすることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第2段の蛇行流路の各吸熱管よりも燃焼ガスの流れ方向上流側に位置する前記吸熱フィンの部分に切欠きが設けられ、第2段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する下流端の吸熱管に対応する切欠きを第1切欠き、第2段の蛇行流路の下流端以外の各吸熱管に対応する各切欠きを第2切欠きとして、第1切欠きは第2切欠きよりも大きく形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器。
【請求項4】
燃焼ガスが前記第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管に向かうのを抑制する通気抵抗部が設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の熱交換器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスにより加熱される熱交換器であって、内部に燃焼ガスが流れる角筒状の筐体と、筐体内の燃焼ガスの流れ方向に交差する直交2方向をX軸方向及びY軸方向として、筐体内にX軸方向に積層して配置された複数の吸熱フィンと、これら吸熱フィン及び筐体のX軸方向両側の側板をX軸方向に貫通し、内部に被加熱流体が流れる複数の吸熱管と、これら吸熱管を筐体のX軸方向両側の側板の外側で直列に接続する接続部と、筐体の燃焼ガスの流れ方向下流端の開口を覆う、燃焼ガスを排出する排気口が開設された排気集合部とを備えるものに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、この種の熱交換器において、吸熱管を、燃焼ガスの流れ方向に2段に分けて配置し、各段の複数の吸熱管とこれら吸熱管を接続する各段用の接続部とで、これら各段の吸熱管をY軸方向一方の最外側に位置するものからY軸方向他方の最外側に位置するものに亘って結ぶ蛇行流路を構成して、蛇行流路を燃焼ガスの流れ方向上流側の第1段と、燃焼ガスの流れ方向下流側の第2段との2段に設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と下流端の吸熱管とを夫々Y軸方向一方の最外側とY軸方向他方の最外側とに位置するものとして、第1段の蛇行流路の下流端の吸熱管と第2段の蛇行流路のY軸方向他方の最外側に位置する上流端の吸熱管とを接続して、第1段の蛇行流路から第2段の蛇行流路に被加熱流体が流れるようにしている。また、このものでは、排気集合部のY軸方向一方に片寄った部分に排気口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-137208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、吸熱管がその長手方向たるX軸方向に熱膨張すると、吸熱管が貫通してロウ付けされる筐体のX軸方向各側の側板がX軸方向に押される。上記従来例の熱交換器では、温度差が最も大きくなる第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管(冷たい被加熱流体が流入する吸熱管)と第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管(加熱された被加熱流体が流出する吸熱管)とが夫々Y軸方向一方の最外側に位置して近接するため、両吸熱管の熱膨張量の違いによって筐体のX軸方向各側の側板に大きな応力が作用する。特に、燃焼ガスが、排気集合部のY軸方向一方に片寄った部分に設けられる排気口に向けて、最も温度が高くなる第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管たるY軸方向一方の最外側の吸熱管の近くで集合するため、第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管の温度が一層高くなり、筐体のX軸方向各側の側板に作用する応力も一層大きくなる。そして、この応力が繰り返し作用することで側板に亀裂が入ってしまう。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、筐体のX軸方向各側の側板に作用する応力を軽減して耐久性を向上できるようにした熱交換器を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスにより加熱される熱交換器であって、内部に燃焼ガスが流れる角筒状の筐体と、筐体内の燃焼ガスの流れ方向に交差する直交2方向をX軸方向及びY軸方向として、筐体内にX軸方向に積層して配置された複数の吸熱フィンと、これら吸熱フィン及び筐体のX軸方向両側の側板をX軸方向に貫通し、内部に被加熱流体が流れる複数の吸熱管と、これら吸熱管を筐体のX軸方向両側の側板の外側で直列に接続する接続部と、筐体の燃焼ガスの流れ方向下流端の開口を覆う、燃焼ガスを排出する排気口が開設された排気集合部とを備え、吸熱管は、燃焼ガスの流れ方向に2段に分けて配置され、各段の複数の吸熱管とこれら吸熱管を接続する各段用の接続部とで、これら各段の吸熱管をY軸方向一方の最外側に位置するものからY軸方向他方の最外側に位置するものに亘って結ぶ蛇行流路が構成されて、蛇行流路が燃焼ガスの流れ方向上流側の第1段と、燃焼ガスの流れ方向下流側の第2段との2段に設けられ、第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と下流端の吸熱管とを夫々Y軸方向一方の最外側とY軸方向他方の最外側とに位置するものとして、第1段の蛇行流路の下流端の吸熱管と第2段の蛇行流路のY軸方向他方の最外側に位置する上流端の吸熱管とが接続されて、第1段の蛇行流路から第2段の蛇行流路に被加熱流体が流れるようにしたものにおいて、排気口は、排気集合部のY軸方向他方に片寄った部分に設けられることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、最も温度が高くなる第2段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する下流端の吸熱管から排気口が遠ざけられる。そのため、第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管近くで燃焼ガスが集合することがなく、当該吸熱管への燃焼ガスからの伝熱を低下させることができる。その結果、第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管との温度差を減少させて、筐体のX軸方向各側の側板に作用する応力を軽減することができ、耐久性を向上できる。
【0008】
また、本発明においては、第1段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する上流端の吸熱管と第2段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する下流端の吸熱管との間の距離を、第1段の蛇行流路の上流端以外の各吸熱管と当該各吸熱管に最寄りの第2段の蛇行流路の下流端以外の各吸熱管との間の距離よりも大きくすることが望ましい。このように、最も温度差が大きくなる第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管との間の距離を大きくすることで、筐体のX軸方向各側の側板に作用する応力を一層軽減することができる。
【0009】
更に、本発明においては、第2段の蛇行流路の各吸熱管よりも燃焼ガスの流れ方向上流側に位置する吸熱フィンの部分に切欠きが設けられ、第2段の蛇行流路のY軸方向一方の最外側に位置する下流端の吸熱管に対応する切欠きを第1切欠き、第2段の蛇行流路の下流端以外の各吸熱管に対応する各切欠きを第2切欠きとして、第1切欠きは第2切欠きよりも大きく形成されることが望ましい。これによれば、第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管への吸熱フィンを介しての伝熱を大きな切欠きによって低下させることができる。そのため、第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管との温度差を一層減少させて、筐体のX軸方向各側の側板に作用する応力を一層軽減することができる。
【0010】
また、本発明においては、燃焼ガスが第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管に向かうのを抑制する通気抵抗部が設けられることが望ましい。これによれば、第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管の周りに燃焼ガスが流れ難くなり、当該吸熱管の燃焼ガスからの伝熱を低下させることができる。そのため、第1段の蛇行流路の上流端の吸熱管と第2段の蛇行流路の下流端の吸熱管との温度差を一層減少させて、筐体のX軸方向各側の側板に作用する応力を一層軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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