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公開番号2024143768
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056635
出願日2023-03-30
発明の名称熱交換器
出願人住友精密工業株式会社
代理人個人
主分類F28F 9/02 20060101AFI20241003BHJP(熱交換一般)
要約【課題】異種の金属層を積層した積層構造の仕切板を採用した熱交換器において、耐食性を向上させながらヘッダを溶接する際に溶接が阻害されることを抑制する。
【解決手段】この熱交換器100は、第1流路部10および第2流路部20と、第1流路部10と第2流路部20とを区画する仕切板30とを含み、熱交換を行うコア部1と、ヘッダ部2と、を備え、仕切板30は、一対の第1金属層31と、一対の第1金属層31の間の位置に配置され、一対の第1金属層31よりも耐食性が高い第2金属層32と、を含む積層板材であり、第2金属層32のうち、ヘッダ部2と第1金属層31との溶接部50に対応する部分には、ヘッダ部2と第1金属層31とを溶接する際に、溶接部50と第2金属層32とがオーバーラップしないように溶接部50から第2金属層32を逃がすための溶接逃がし部33が設けられている。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
それぞれ流体を流通させる第1流路部および第2流路部と、前記第1流路部と前記第2流路部とに接合され、前記第1流路部と前記第2流路部とを区画する仕切板と、を含み、前記第1流路部と前記第2流路部とをそれぞれ流れる流体間で熱交換を行うコア部と、
前記コア部の側面に接続され、少なくとも、前記第1流路部または前記第2流路部に対して流体を流入または流出させるヘッダ部と、を備え、
前記仕切板は、一対の第1金属層と、前記一対の第1金属層の間の位置に配置され、前記一対の第1金属層よりも耐食性が高い第2金属層と、を含む積層板材であり、
前記第2金属層のうち、前記ヘッダ部と前記第1金属層との溶接部に対応する部分には、前記ヘッダ部と前記第1金属層とを溶接する際に、前記溶接部と前記第2金属層とがオーバーラップしないように前記溶接部から前記第2金属層を逃がすための溶接逃がし部が設けられている、熱交換器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記溶接部は、前記ヘッダ部を溶接する際に、前記ヘッダ部および前記第1金属層が溶け込む部分であり、
前記溶接逃がし部により逃がされる領域と第2金属層との境界部分は、前記溶接部として前記ヘッダ部および前記第1金属層が溶け込む部分と接しないように形成されている、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記コア部は、前記第1流路部および前記第2流路部の各々の流路の外周を区画するサイドバーと、前記流路内に配置されたフィン部材とを含み、
前記サイドバーは、前記第1流路部の外周を区画する第1サイドバーと、前記第2流路部の外周を区画する第2サイドバーと、を含み、
前記溶接逃がし部により逃がされる前記領域と前記第2金属層との境界部分の全ては、前記第1流路部と前記第2流路部とが積層する方向から見て、前記第1サイドバーと前記第2サイドバーとが互いにオーバーラップする領域内に設けられる、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記コア部は、前記第1流路部および前記第2流路部の各々の流路の外周を区画するサイドバーと、前記流路内に配置されたフィン部材とを含み、
前記サイドバーは、前記第1流路部の外周を区画する第1サイドバーと、前記第2流路部の外周を区画する第2サイドバーと、を含み、
前記溶接逃がし部により逃がされる前記領域のうちの、前記第1サイドバーの長手方向に沿った部分の寸法は、前記第2サイドバーの短手方向の寸法よりも大きい、および/または、前記溶接逃がし部により逃がされる前記領域のうちの、前記第2サイドバーの長手方向に沿った部分の寸法は、前記第1サイドバーの短手方向の寸法よりも大きい、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記溶接逃がし部により逃がされる前記領域と前記第2金属層との境界部分は、前記第1流路部と前記第2流路部とが積層する方向から見て、前記第1流路部と第2流路部とがオーバーラップする位置から2mm以上離間した位置に設けられる、請求項3または4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第2金属層は、前記第1流路部と前記第2流路部とが積層する方向から見て、前記第1金属層と同一の寸法を有するか、または、前記第2金属層の寸法と前記第1金属層の寸法との差が、前記サイドバーの短手方向の寸法よりも小さく、かつ、流体が流れる方向に沿った方向から見て、前記サイドバーの幅方向の寸法の少なくとも1/3以上、前記第2金属層と前記サイドバーとがオーバーラップするような幅寸法を有する、請求項3または5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1金属層は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、
前記第2金属層は、チタンまたはチタン合金からなる、請求項1に記載の熱交換器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、熱交換器に関し、特に、異種の金属層を積層した積層構造の仕切板を備えた熱交換器に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、異種の金属層を積層した積層構造の仕切板を備えた熱交換器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、一対のアルミニウム合金材層の間の位置に、高耐食性金属を芯材として配置した仕切板を利用した熱交換器が開示されている。上記特許文献1に開示されている仕切板は、高耐食性金属を芯材として用いているため、熱交換器に腐食性流体を流通させる場合、または、熱交換器自体を腐食性雰囲気中で使用する場合でも、仕切板に孔食が発生して熱交換器の内部で流体が漏洩することを抑制するように構成されている。上記特許文献1では、高耐食性金属として、チタン、または、チタン合金を用いる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実開昭62-198389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているように、アルミニウム合金とチタンまたはチタン合金とアルミニウム合金とをこの順に積層した仕切板を用いて熱交換器を構成する場合、熱交換器にヘッダを溶接する際に、仕切り板の端面とヘッダとにおいて、溶接が阻害される場合がある。具体的には、仕切板の外周端面において、ヘッダとアルミニウム合金とを溶接する際に、耐食性の高いチタンまたはチタン合金に起因して、ヘッダとアルミニウム合金との溶接が阻害される状況が生じる場合がある。なお、本明細書において、溶接が阻害されるとは、溶接時に溶け込み不良が生じたり、溶接によって形成される合金の組成が変化したりすることを意味する。ヘッダとアルミニウム合金とを溶接する際に耐食性の高いチタンまたはチタン合金によって溶接が阻害されると、ヘッダとアルミニウム合金とに溶接不良が生じたり、溶接部の合金の組成の変化に起因して溶接部の機械的強度が低下する場合がある。そのため、異種の金属層を積層した積層構造の仕切板を採用した熱交換器において、耐食性を向上させながらヘッダを溶接する際に溶接が阻害されることを抑制することが望まれる。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、異種の金属層を積層した積層構造の仕切板を採用した熱交換器において、耐食性を向上させながらヘッダを溶接する際に溶接が阻害されることを抑制することが可能な熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明による熱交換器は、それぞれ流体を流通させる第1流路部および第2流路部と、第1流路部と第2流路部とに接合され、第1流路部と第2流路部とを区画する仕切板と、を含み、第1流路部と第2流路部とをそれぞれ流れる流体間で熱交換を行うコア部と、コア部の側面に接続され、少なくとも、第1流路部または第2流路部に対して流体を流入または流出させるヘッダ部と、を備え、仕切板は、一対の第1金属層と、一対の第1金属層の間の位置に配置され、一対の第1金属層よりも耐食性が高い第2金属層と、を含む積層板材であり、第2金属層のうち、ヘッダ部と第1金属層との溶接部に対応する部分には、ヘッダ部と第1金属層とを溶接する際に、溶接部と第2金属層とがオーバーラップしないように溶接部から第2金属層を逃がすための溶接逃がし部が設けられている。
【0008】
この発明による熱交換器では、上記のように、仕切板は、一対の第1金属層と、一対の第1金属層の間の位置に配置され、一対の第1金属層よりも耐食性が高い第2金属層と、を含む積層板材であり、第2金属層の角部には、ヘッダ部と第1金属層とを溶接する際に、溶接部とオーバーラップしないように溶接部から逃がすための溶接逃がし部が設けられている。これにより、コア部とヘッダ部とを溶接する際に、仕切板のうちの耐食性が高い第2金属層が溶接部とオーバーラップすることが効果的に防止される。したがって、ヘッダ部とコア部とを溶接する際に、耐食性が高い第2金属層によって第1金属層とヘッダ部との溶接が阻害されることを効果的に防止することができる。その結果、異種の金属層を積層した積層構造の仕切板を採用した熱交換器において、耐食性を向上させながらヘッダを溶接する際に溶接が阻害されることを効果的に防止することができる。
【0009】
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、溶接部は、ヘッダ部を溶接する際に、ヘッダ部および第1金属層が溶け込む部分であり、溶接逃がし部により逃がされる領域と第2金属層との境界部分は、溶接部としてヘッダ部および第1金属層が溶け込む部分と接しないように形成されている。このように構成すれば、ヘッダ部と第1金属層とを溶接する際に、ヘッダ部と第1金属層とが溶け込む部分と第2金属層とが接することを効果的に防止することができる。したがって、ヘッダ部と第1金属層とを溶接する際に、溶接部において、耐食性が高い第2金属層がヘッダ部および第1金属層とともに溶け込むことを効果的に防止することができる。その結果、ヘッダ部と第1金属層とを溶接する際に、ヘッダ部と第1金属層とに溶け込み不良が生じることをより効果的に防止することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、コア部は、第1流路部および第2流路部の各々の流路の外周を区画するサイドバーと、流路内に配置されたフィン部材とを含み、サイドバーは、第1流路部の外周を区画する第1サイドバーと、第2流路部の外周を区画する第2サイドバーと、を含み、溶接逃がし部により逃がされる領域と第2金属層との境界部分の全ては、第1流路部と第2流路部とが積層する方向から見て、第1サイドバーと第2サイドバーとが互いにオーバーラップする領域内に設けられる。このように構成すれば、溶接逃がし部により逃がされる領域と第2金属層との境界部分が、第1流路部または第2流路部とオーバーラップする位置に配置されることはない。したがって、溶接逃がし部により逃がされる領域が第1流路部または第2流路部とオーバーラップする位置に配置されることに起因して、仕切板と第1流路部または第2流路部とがオーバーラップする領域に、耐食性の高い第2金属層が配置されなくなることを防止することができる。その結果、仕切板と第1流路部または第2流路部とがオーバーラップする位置において、仕切板に腐食(孔食)が発生した際に、仕切板が厚み方向に貫通して流体が漏洩することを効果的に防止することができる。また、第1流路部と第2流路部とが積層する方向から見て、第1サイドバーと第2サイドバーとがオーバーラップする位置に、必ず第2金属層が配置されることになるため、第2金属層とサイドバーとがオーバーラップしない領域が生じることを抑制することができる。その結果、コア部を製造する際に、ろう付けによる接合不良が生じることを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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